初夜で白い結婚を宣言する男は夫ではなく敵です

編端みどり

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第六話

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「嬉しいです! 旦那さまの愛する方はローザ様と仰るのですね! 出来るだけ早くローザ様を第二夫人、いずれは正妻に致しましょう! わたくしも、家族に会えるなら3年間耐えてみせますわ! もちろん慰謝料も要りませんし旦那さまから離婚を申し立てて頂いて構いません。その代わり、必ず白い結婚で離婚を申し立ててくださいませ。白い結婚での離婚なら結婚誓約書も無効になりますから堂々と家族に会えますもの! まぁ……財産を半分頂く普通の離婚でも構いませんけど。どうします? 今からわたくしを抱きますか?」

最初はわたくしを生涯お飾りの妻にするつもりだったのでしょう。ですが、わたくしが提案したのは白い結婚での離婚申し立てか、普通の離婚。

いつの間にか、離婚しか選択肢がなくなっております。これも母から教わった手法です。

夫に従うフリをして、夫に選択肢を与えるフリをして自分の希望を選び取らせます。夫は、自分が決めた事だと思い込むでしょう。わたくしの希望だとは欠片も思っていません。

今回のように無茶苦茶な事を言い出した時こそ使いやすいテクニックです。相手の希望を確認しないと出来ない技ですが、今回はうまくいきましたわね。夫の中ではわたくしとの離婚は確定のようです。ローザ様をわたくしが受け入れるなら、わたくしは邪魔者ですからね。

第二夫人や第三夫人は、正妻であるわたくしが受け入れないと迎えられません。この男にしてみれば、愛する人を正妻に出来てわたくしを追い出せるのだからメリットだらけです。離婚は確定でしょう。 

問題は、ママですかね。対策を立てなくては。

「いや、それはローザへの裏切りだから出来ない。慰謝料は払えないが、必ず3年したら君を開放するよ」

3年後に幸せが待ってると疑わない旦那さま、素敵ですわ。わたくしは幸せになりますが、旦那さまはどうなるでしょうね。

「わかりました。本当はわたくしから白い結婚を申し立ててやりたいくらい腹が立っておりますが、二度と会えないと思っていた家族に再び会えるなら旦那さまに従いますわ。母も、夫に従い、夫を立てろと申しておりましたもの」

そう言って、従順な妻を演じます。

「そうか、君の母上は素晴らしいな。私の母上の次に尊敬する女性だなぁ」

母は、尊敬できる夫なら従い、立てろと言っておりました。この男は尊敬する箇所がひとつもありません。

尊敬出来ない夫は、言う事を聞くフリをして上手く操りなさい。尊敬出来ないのなら、隙は必ずある筈だからと母は言っておりましたわ。お母様の言う通りです。この男は隙だらけですわ。

自分が有利だと思えばこの態度。やっぱり100倍返しでは生ぬるいですわ。200倍にして返してやりましょう。この男の弱点は、ほぼ分かりましたが、もう少し調査して、3年で全て片をつけてやります。
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