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第四話
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「カルロ様!」
騎士団長のカルロ様は、公爵家の三男。わたくしとはよく稽古をする仲ですわ。でも、一度も勝てませんの。カルロ様は騎士団長だから当然なのですが、悔しいですわ。
「アルベルトは他の女性と結婚するそうですわ。わたくし、騎士は無理ですか?」
騎士団長のカルロ様がダメと言うなら、何かわたくしに足りないものがあるのかもしれません。
「は?! 別の女と結婚? そんなの聞いてねぇぞ! シルヴィアはアルベルトにあれだけ尽くしてたじゃねえかよ!」
カルロ様はアルベルトの事を気にされているようです。あんなおバカ、もうどうでも良いのですが……。
「……よくご存知ですわね」
「まあ、あれだ、噂になってたからな」
「でしたら、わたくしの評価がもっと上がって欲しいですわ。アルベルトは、優秀でなんでもできるみんなの憧れ。わたくしは、頭は良いけど融通が効かないつまらない女だそうですわよ」
「そいつは……学園の奴らは人を見る目がねぇなぁ」
「そうでしょう?! しかもわたくしから婚約破棄しろなんて言うんですわよ!」
思わず文句を言ったら、騎士の皆様が呆れながら仰いました。
「そんな男、シルヴィア様から捨ててしまえば良いではないですか!」
「あー……貴族ではな、婚約破棄を言い出した方が慰謝料を払うんだ」
「え?! 浮気をしたのは向こうなのでしょう?!」
「ええ、浮気の決定的な証拠があれば良いのですけど、お相手はわたくしより地位が高い貴族なので、証拠を潰されてしまうのですわ」
「でも、シルヴィアの事だからタダじゃすまさねぇんだろ?」
「もちろんですわ! お相手と夜会でキスしたらわたくしから婚約破棄してあげるって言いましたの」
「……うわ、えげつねえ」
「え? キスでそんなにえげつないんですか?」
「貴族は、結婚するまでキスもしねえんだ。結婚式でお互いファーストキス、それが常識なんだよ」
「え……私彼氏とキスしてるけど?」
「そんなもんよね。もっとしてる子も居るしね」
「平民はそんなもんだよなぁ、貴族でも隠れてやってる奴はやってる。でも、表向きはそうなんだ。だから、夜会なんて公式の場でキスをするってのは、平民でいやあ広場で昼間っからヤってるくらい、ありえねぇんだよ」
ややや、やってる?! なんて事言いますの!
「シルヴィア様、ウブだと思ってたけど貴族にはそんな事情があったからなんですね」
「団長! もうちょっとデリカシーとか無いんですか?! シルヴィア様の顔真っ赤じゃないですか!」
「ああ?! 騎士団は街の巡回もあんだぞ! 市民は貴族みたいに貞操観念ある訳じゃねえんだからキスシーンなんて何度も見るし、場合によっちゃあもっとだな……」
「黙れこのセクハラ団長!」
「シルヴィア様! コイツは排除しますのでご安心下さい!」
「ちょ! なんで! オレが何をした! お前ら、助けてくれよ!」
「「「無理っす」」」
「「「俺たちは、学んだんです」」」
「「「女性は、怒らせてはいけないと」」」
カルロ様はそのまま、女性騎士の皆様に連行されましたわ。
……そうか、騎士になりたいって事は、街に巡回もしないといけないんですものね。
どうしましょう。わたくし、キスシーンなんて見たら固まってしまいそうです。それが犯人だったらちゃんと取り締まれるのでしょうか……。もっと、慣れないといけませんわね。
騎士団長のカルロ様は、公爵家の三男。わたくしとはよく稽古をする仲ですわ。でも、一度も勝てませんの。カルロ様は騎士団長だから当然なのですが、悔しいですわ。
「アルベルトは他の女性と結婚するそうですわ。わたくし、騎士は無理ですか?」
騎士団長のカルロ様がダメと言うなら、何かわたくしに足りないものがあるのかもしれません。
「は?! 別の女と結婚? そんなの聞いてねぇぞ! シルヴィアはアルベルトにあれだけ尽くしてたじゃねえかよ!」
カルロ様はアルベルトの事を気にされているようです。あんなおバカ、もうどうでも良いのですが……。
「……よくご存知ですわね」
「まあ、あれだ、噂になってたからな」
「でしたら、わたくしの評価がもっと上がって欲しいですわ。アルベルトは、優秀でなんでもできるみんなの憧れ。わたくしは、頭は良いけど融通が効かないつまらない女だそうですわよ」
「そいつは……学園の奴らは人を見る目がねぇなぁ」
「そうでしょう?! しかもわたくしから婚約破棄しろなんて言うんですわよ!」
思わず文句を言ったら、騎士の皆様が呆れながら仰いました。
「そんな男、シルヴィア様から捨ててしまえば良いではないですか!」
「あー……貴族ではな、婚約破棄を言い出した方が慰謝料を払うんだ」
「え?! 浮気をしたのは向こうなのでしょう?!」
「ええ、浮気の決定的な証拠があれば良いのですけど、お相手はわたくしより地位が高い貴族なので、証拠を潰されてしまうのですわ」
「でも、シルヴィアの事だからタダじゃすまさねぇんだろ?」
「もちろんですわ! お相手と夜会でキスしたらわたくしから婚約破棄してあげるって言いましたの」
「……うわ、えげつねえ」
「え? キスでそんなにえげつないんですか?」
「貴族は、結婚するまでキスもしねえんだ。結婚式でお互いファーストキス、それが常識なんだよ」
「え……私彼氏とキスしてるけど?」
「そんなもんよね。もっとしてる子も居るしね」
「平民はそんなもんだよなぁ、貴族でも隠れてやってる奴はやってる。でも、表向きはそうなんだ。だから、夜会なんて公式の場でキスをするってのは、平民でいやあ広場で昼間っからヤってるくらい、ありえねぇんだよ」
ややや、やってる?! なんて事言いますの!
「シルヴィア様、ウブだと思ってたけど貴族にはそんな事情があったからなんですね」
「団長! もうちょっとデリカシーとか無いんですか?! シルヴィア様の顔真っ赤じゃないですか!」
「ああ?! 騎士団は街の巡回もあんだぞ! 市民は貴族みたいに貞操観念ある訳じゃねえんだからキスシーンなんて何度も見るし、場合によっちゃあもっとだな……」
「黙れこのセクハラ団長!」
「シルヴィア様! コイツは排除しますのでご安心下さい!」
「ちょ! なんで! オレが何をした! お前ら、助けてくれよ!」
「「「無理っす」」」
「「「俺たちは、学んだんです」」」
「「「女性は、怒らせてはいけないと」」」
カルロ様はそのまま、女性騎士の皆様に連行されましたわ。
……そうか、騎士になりたいって事は、街に巡回もしないといけないんですものね。
どうしましょう。わたくし、キスシーンなんて見たら固まってしまいそうです。それが犯人だったらちゃんと取り締まれるのでしょうか……。もっと、慣れないといけませんわね。
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