お姉様優先な我が家は、このままでは破産です

編端みどり

文字の大きさ
12 / 57

第十二話

「あの! わたくし何か失礼をしてしまいましたか?」

出会ってすぐ嫌われるなんて嫌よ!

「なにも失礼な事はないよシャーリー。私の事もフレッドと呼んでくれ」

呼び捨てしてもらえた上に、呼び捨てを許してもらえた?! 最高だわ! フレッドの声は低くて素敵だから、その声を聞くだけでぼうっとしてしまうわ。

「フレッド様、シャーリー様は素敵な方でしょう?」

「ああ、私には勿体ない程に可憐なお嬢さんだ」

可憐、可憐っておっしゃいました?! わたくし生まれてこのかた可憐なんて言われた事ないわよ! それをこんな理想の殿方に言われるなんて! 嬉しいわ! 最高だわ! えっと、どうやって答えれば良いの。この気持ちをそのまま言葉にしたら引かれるわよね。えっと、えっと……

「……その、光栄ですわ」

ああ、もっと気の利いた事を言わないと! 
エリザベス! ニヤニヤしてる場合ではないわ! なんとかこの場を収めてちょうだい! 必死でエリザベスに目で合図を送る。

何かもっと気の利いた事を言わなきゃと考えていたら先にフレッドが口を開いた。

「やはり私のようなおじさんではシャーリーと釣り合わないのではないか?」

そんな! わたくしでは大人の魅力が足りないの?! フレッドは年上よね?! わたくしみたいな、お子ちゃまはお呼びではないのかしら? 確かにわたくし背も低いし、痩せてるし、胸はないし……。だけど、それでもフレッドが好きなのに! 

そうか、わたくしフレッドが好きなのね。これが一目惚れって言うのかしら? 頭の中はフレッドでいっぱいなのに、フレッドに拒否されるなんて悲しすぎるわ。

「……そんな……わたくしではいけませんか……?」

せっかく素敵な方に会えたのに。嫌われてしまったかしら。思わず目に涙が浮かぶわ。でもダメよ! ちゃんとしないと! でも、悲しいわ……。

「フレッド様! ちゃんと誤解を解いてくださいませ! シャーリーは、明らかにフレッド様に好意を持っておりますわ!」

エリザベス?! ここで決定的に振られたら立ち直れないわ。

あら? フレッド様のお顔が赤いわ。赤い顔も素敵ね。ああ、このまま時間が止まれば良いのに。振られたくないわ。

……その時何故か、フレッド様がわたくしの手を握って優しく微笑まれた。

「誤解させてしまったようで申し訳ない。シャーリーは素敵な女性だと思う。私も、シャーリーに好意を持っている。今日は、見合いなのだから、ゆっくり話をしよう」

手にキスしながら優しく微笑んで下さったわ。手に、キス。ど、どうしましょう?! な、なにか返事をしないと!!

「はい……嬉しいですわ。どうぞよろしくお願いします。フレッド」

あなたにおすすめの小説

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

妹に全てを奪われた私、実は周りから溺愛されていました

日々埋没。
恋愛
「すまないが僕は真実の愛に目覚めたんだ。ああげに愛しきは君の妹ただ一人だけなのさ」  公爵令嬢の主人公とその婚約者であるこの国の第一王子は、なんでも欲しがる妹によって関係を引き裂かれてしまう。  それだけでは飽き足らず、妹は王家主催の晩餐会で婚約破棄された姉を大勢の前で笑いものにさせようと計画するが、彼女は自分がそれまで周囲の人間から甘やかされていた本当の意味を知らなかった。  そして実はそれまで虐げられていた主人公こそがみんなから溺愛されており、晩餐会の現場で真実を知らされて立場が逆転した主人公は性格も見た目も醜い妹に決別を告げる――。  ※本作は過去に公開したことのある短編に修正を加えたものです。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。

112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。  ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。  ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。 ※完結しました。ありがとうございました。

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

ただ誰かにとって必要な存在になりたかった

風見ゆうみ
恋愛
19歳になった伯爵令嬢の私、ラノア・ナンルーは同じく伯爵家の当主ビューホ・トライトと結婚した。 その日の夜、ビューホ様はこう言った。 「俺には小さい頃から思い合っている平民のフィナという人がいる。俺とフィナの間に君が入る隙はない。彼女の事は母上も気に入っているんだ。だから君はお飾りの妻だ。特に何もしなくていい。それから、フィナを君の侍女にするから」 家族に疎まれて育った私には、酷い仕打ちを受けるのは当たり前になりすぎていて、どう反応する事が正しいのかわからなかった。 結婚した初日から私は自分が望んでいた様な妻ではなく、お飾りの妻になった。 お飾りの妻でいい。 私を必要としてくれるなら…。 一度はそう思った私だったけれど、とあるきっかけで、公爵令息と知り合う事になり、状況は一変! こんな人に必要とされても意味がないと感じた私は離縁を決意する。 ※「ただ誰かに必要とされたかった」から、タイトルを変更致しました。 ※クズが多いです。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※独特の世界観です。 ※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。 王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。 貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。 だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

婚約破棄後のお話

Nau
恋愛
これは婚約破棄された令嬢のその後の物語 皆さん、令嬢として18年生きてきた私が平民となり大変な思いをしているとお思いでしょうね? 残念。私、愛されてますから…