お姉様優先な我が家は、このままでは破産です

編端みどり

文字の大きさ
29 / 57
番外編

番外編2

「シャーリー、お久しぶりね」

「サリバン先生! お久しぶりですわ」

「幸せそうで良かったわ。フレッド様、シャーリーをよろしくお願いしますね」

「シャーリーからいつもお話は伺っております。サリバン様、シャーリーは私が幸せにしますのでご安心下さい」

「あら、2人で幸せになるのよ?」

「ふふっ、わたくしの教えを覚えてくれているのね」

「もちろんですわ!」

「シャーリーは、とても頑張り屋です。私もシャーリーを見ていると、日々頑張らねばと気が引き締まる思いです」

そんな事思ってくれていたのね。嬉しいわ。

「そうね、シャーリーは昔から熱心に学んでくれる生徒だったわ」

わたくしは姉のオマケだったのに、生徒と言って下さるなんて嬉しいですわ。

「よろしければ、シャーリーの話を聞かせて下さい。いつも先生の話はしてくれますが、シャーリーは自分の事は教えてくれないので」

フレッドがそんな事言うなんて。わたくしの過去を知られるみたいで恥ずかしいわ。でも、わたくしもフレッドの昔話をフレッドのご家族や、親戚の方に聞いたのよね。

皆様お優しくて、フレッドの失敗談まで事細かに教えて頂いた。フレッドは隣でプルプル震えながら聞いていたわ。恥ずかしかったけど、わたくしが嬉しそうに聞くから止められなかったって後で聞いたから、わたくしもサリバン先生がお話しするのを止める訳にはいかないわね。

「シャーリーが良ければ構いませんわ」

「フレッドが知りたいならお話し下さいませ。ちょっと恥ずかしいですが、わたくしもフレッドの昔話をずいぶん聞いてしまいましたもの」

「そう、ならちょっとお話ししようかしら。とは言っても、わたくしは半年程しかシャーリーを教えられなかったけれど」

その半年で、わたくしは変わったわ。
いつも心がささくれていて、誰もわたくしの事なんて興味がないと思っていた。だって家族はああだったし、使用人も父や母に冷遇されているわたくしに冷たかった。

だけど先生は、来られたその日に仰ったの。

「この家にはお嬢様がおふたりおられますわよね。依頼はアイリーン様だけですが、共に学ぶ者がいると伸びますから、妹のシャーリー様も共に授業を受けませんか? もちろん、料金はアイリーン様の分だけで結構です。おそらくシャーリー様だけでなく、アイリーン様の為にもなるかと思いますわ」

お金はかからず、お姉様の為と言われたら、うちの両親が拒否する訳ないからあっさり受け入れられた。

先生は、誰も気にしないわたくしのことも気にして下さったわ。

そしてあの言葉を仰ったの。

「これからマナーや魔法、歴史などの家庭教師をいたしますサリバンと申します。知識は大切ですわ。モノやお金は失うこともあるけれど、自らが学んだ知識は一生失いません。ですから、真摯に学んで下されば嬉しいですわ。アイリーン様、シャーリー様、今後ともよろしくお願いしますね」

あなたにおすすめの小説

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

妹に全てを奪われた私、実は周りから溺愛されていました

日々埋没。
恋愛
「すまないが僕は真実の愛に目覚めたんだ。ああげに愛しきは君の妹ただ一人だけなのさ」  公爵令嬢の主人公とその婚約者であるこの国の第一王子は、なんでも欲しがる妹によって関係を引き裂かれてしまう。  それだけでは飽き足らず、妹は王家主催の晩餐会で婚約破棄された姉を大勢の前で笑いものにさせようと計画するが、彼女は自分がそれまで周囲の人間から甘やかされていた本当の意味を知らなかった。  そして実はそれまで虐げられていた主人公こそがみんなから溺愛されており、晩餐会の現場で真実を知らされて立場が逆転した主人公は性格も見た目も醜い妹に決別を告げる――。  ※本作は過去に公開したことのある短編に修正を加えたものです。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。

112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。  ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。  ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。 ※完結しました。ありがとうございました。

《完結》悪女と噂されたわたくしのざまぁ

ヴァンドール
恋愛
悪女と噂のわたくしとの結婚なら、どれほど軽んじても問題はないと思っていた旦那様。 ところが……。

ただ誰かにとって必要な存在になりたかった

風見ゆうみ
恋愛
19歳になった伯爵令嬢の私、ラノア・ナンルーは同じく伯爵家の当主ビューホ・トライトと結婚した。 その日の夜、ビューホ様はこう言った。 「俺には小さい頃から思い合っている平民のフィナという人がいる。俺とフィナの間に君が入る隙はない。彼女の事は母上も気に入っているんだ。だから君はお飾りの妻だ。特に何もしなくていい。それから、フィナを君の侍女にするから」 家族に疎まれて育った私には、酷い仕打ちを受けるのは当たり前になりすぎていて、どう反応する事が正しいのかわからなかった。 結婚した初日から私は自分が望んでいた様な妻ではなく、お飾りの妻になった。 お飾りの妻でいい。 私を必要としてくれるなら…。 一度はそう思った私だったけれど、とあるきっかけで、公爵令息と知り合う事になり、状況は一変! こんな人に必要とされても意味がないと感じた私は離縁を決意する。 ※「ただ誰かに必要とされたかった」から、タイトルを変更致しました。 ※クズが多いです。 ※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。 ※独特の世界観です。 ※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。 ※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。

完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。

音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。 王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。 貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。 だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

婚約破棄後のお話

Nau
恋愛
これは婚約破棄された令嬢のその後の物語 皆さん、令嬢として18年生きてきた私が平民となり大変な思いをしているとお思いでしょうね? 残念。私、愛されてますから…