お姉様優先な我が家は、このままでは破産です

編端みどり

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辺境伯夫人は頑張ります

5

城で少し勉強をさせて頂いて帰宅すると、深夜にフレッドがもうすぐ帰ると連絡があった。

慌てて身なりを整えて、出迎えの準備をしているとフレッドが帰って来た。帰ってくるなり、強くわたくしを抱きしめてくれた。

「シャーリー……会いたかった……」

「わたくしも会いたかったわ。無事で良かった。怪我はしていない?」

「ああ、大丈夫だ。兵士も怪我人は出たが死者はいない。弱かったからな」

「兄貴が強すぎるんだよ。可哀想なくらい怯えてたじゃねぇか」

フレッドの弟のカールが、そう言って笑う。カールもお義父様も怪我はなかったみたいでホッとした。

「あんなに体制の整ってない兵士達で、うちを攻めようとするからだ。勝てる見込みはないのにいつまでも居座りやがって」

「兄貴がシャーリー姉さんに会えないからってストレス発散するみたいに暴れたから怯えて撤退も出来なかったんじゃねぇの? 今日だってわざわざ兵士に姉さんがハンス王子に狙われたなんて言わなくて良いだろ。早く帰りたいからってやりすぎだ!」

「みんな快く協力してくれただろ! 余裕のある時に夜間訓練をしておくべきだ!」

「確かにすげぇ統率は取れてたよ! 訓練にはなった!」

「なら良いだろ! カールだって今すぐ帰るぞと息巻いていたじゃないか!」

「姉さんが兄貴以外に靡くなんてありえねぇけど、あんな通信を受け取ったら心配になるだろ! けど、わざわざ兵士達に言う事ねぇだろ! みんな殺気立ってたじゃねじゃねぇかよ!」

「フレッドは、分かっていてわざと言ったんだよな。自分が早くシャーリーと会う為に。だからカールは怒ってるんだよ」

「……すまん。私情で兵士を振り回した」

「分かってんなら良いよ。夜間訓練になったってのは事実だし、兄貴が完全に私情で動いたとは思ってない。けど、兄貴の想像以上に兵士達はシャーリー姉さんを慕ってる。あんまり姉さんを利用するような事すんなよ」

「そうだな。すまなかった」

「次はねぇからな。じゃあ俺は寝る。あんまり姉さんを疲れさせるなよ」

「私も休む事にするよ。兵士も早く家族に会えて喜んでいた。少し冷静さは欠いていたが、問題ない。シャーリ、城での出来事を明日教えて貰えるかな?」

「報告書にまとめてありますわ。エリザベス様にご協力頂いて、少し資料を見せて頂いた事も書いてあります」

「さすがだね。写しも人数分ある。では寝る前にコレの確認だけはしておこうかな。カールには私から渡しておくよ。フレッドへの報告はシャーリーから頼む」

「かしこまりました」

「フレッド、久しぶりに会うからって無茶するなよ。シャーリーは城に行って疲れているんだからな。優しく、話を聞くだけにしろよ」

「……善処する」

「シャーリー、嫌なら嫌と言うんだぞ!」

「ああもう! シャーリーの事は俺がいちばん分かってるんだから放っておいてくれ! シャーリーの嫌がる事なんてする訳ないだろ!」

「ははっ、そうだな。そうだ、国王陛下からシャーリーへお褒めの言葉を賜ったぞ。フレッドの妻は素晴らしい女性だと仰っておられた。本当に、シャーリーがフレッドと結婚してくれて良かった。ありがとう、シャーリー」

フレッドの家族は、いつもわたくしを褒めて下さる。親から褒められた経験のないわたくしは、いつも幸せな気持ちになるわ。本当に、フレッドと結婚して良かった。

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