妹と婚約者の逢瀬を見てから一週間経ちました

編端みどり

文字の大きさ
20 / 52
ルビーのブローチを渡すまで逃しません

人物紹介【番外編のメインキャラが先に書いてあります】

しおりを挟む
リアム
子爵が使用人と関係を持ち産まれた。
子爵に子が産まれなかったので、跡取り教育を施されていたが、子爵に実子が生まれた事を知り、母の遺骨を持って逃走。
国の中枢で仕事をしており、優秀さを買われて爵位を与える話も出たが、根っからの貴族嫌いの為これを拒否。上司と折り合いが悪くなり、代官として様々な領地を転々とするようになった。代官をしながら、不正をしていないか調査する調査員も兼ねている。イアンの親友。

カーラ
バルタチャ家のメイド。
幼い頃から父に武術を仕込まれ、身体を鍛える事が大好き。だが、母はそんなカーラを疎み、女らしくなれと無理矢理メイドの仕事を斡旋した。メイドなら大人しくしているだろうという母の目論見は外れ、カーラはメイドになってからもずっと身体を鍛え続けた。そんなカーラの努力を目に留めたリアムのおかげで、カーラは大好きな主人であるエリザベスの護衛という仕事を得た。領地で慕われているエリザベスを守る仕事は誇らしいと、母もカーラが身体を鍛える事に文句を言わなくなった。
自由を与えてくれたリアムの事を心から尊敬している。

ポール・ド・バルタチャ
カーラの主人。子爵家の当主。
男爵だったが、優秀さが認められて子爵になった。伯爵になるのもすぐではないかと言われている。
僅か10歳だが、非常に頭の切れる少年。上の姉のエリザベスの事が大好きで、彼女の為ならなんでもすると言い切る。リアムと同じ職場で働き始めたので、リアムがポールの代わりに領地の仕事をする事になった。(リアムは国から派遣された代官)
両親や、下の姉のドロシーの事を嫌っており、当主になった瞬間に絶縁届を出した。

エリザベス・ド・バルタチャ
カーラのもう1人の主人。ポールの上の姉で、未成年で爵位を継いだポールの後見人。真面目で心優しい人物で、幼い頃から両親に冷遇されていた。元々は、跡取り候補だったが、ポールが生まれたから要らないといきなり切り捨てられた。それからは両親がやらない領地の仕事をしたり、ポールの養育をしたりして過ごしていた。結婚が決まっていたが、結婚式の一週間前に婚約者のケネスと妹のドロシーが口付けを交わしている姿を見てしまい婚約を解消。友人のリリアンの兄であるイアンから口説かれて、半年後に婚約者となる。

イアン・ル・ブロンテ
エリザベスの婚約者で、侯爵家の当主。
13歳で爵位を継ぎ、欲深い後見人を付けられて苦労した。不正に厳しく清廉潔白で真面目な人物。両親が他界しているので、妹のリリアンをとても大事にしている。エリザベスの事が大好きで、少々独占欲が強い事を自覚しているが、エリザベスが困るような事は絶対にしない。

リリアン・ル・ブロンテ
エリザベスの親友で、イアンの妹。明るく、輝くような笑顔が魅力的な11歳。ポールを誘って、よく2人でお茶会をしている。

ソフィア・バリー・ショーテン
伯爵令嬢。リリアンとエリザベスの友人で、リアムと、イアンとポールの同僚。ポールと同じく10歳。親に鍛えられたので、人の感情を読み取るのが得意。よくポールと組んで仕事をしている。化粧の技術が高く、大人のように見せる事も出来る。潜入捜査はお手のものだが、専門は尋問。彼女に問いかけらた者は、あっという間に秘密を喋ってしまうと職場で恐れられている。

ドロシー
エリザベスの妹で、ポールの下の姉。
両親は、ドロシーだけを可愛がったので天真爛漫で我儘に育ち、泣き真似をすればなんでも自分の思い通りになると思って生きてきた。
エリザベスの婚約者のケネスを誘惑し、姉を押し退けて男爵令嬢から子爵夫人にステップアップしたと思っていたが、ケネスは跡取りから外された。現在は、ポールを恐れたリンゼイ子爵の命令で、ケネスと別荘に軟禁されている。

ケネス・ド・リンゼイ
エリザベスの元婚約者。ドロシーと浮気し、結婚した。現在、ドロシーと共に別荘に軟禁中。

リンゼイ子爵
ケネスの母。夫が亡くなり、息子に継がせるまでの中継ぎとして爵位を継いだ。凄腕の商人としての顔も持つ。
エリザベスに、嫁入り教育と称して様々な事を教えた。エリザベスに商才がある事を誰よりも理解している。息子がエリザベスの妹のドロシーと浮気をして、エリザベスが侯爵であるイアンと婚約した為、貴族達から避けられつつある。
頭が良く計算高いが、上の立場の者にとことん媚びる所がある。夫の浮気相手が産んだ(本当は違うが、そう思い込んでいる)リアムに跡取り教育を施すよう命令した。ケネスが産まれ、リアムが邪魔になったので排除しようと思ったら既にリアムは逃げていた。自分が手続きをしないとリアムが跡取りになる事はないので、安心してリアムを放置している。既に、名前すら忘れているかもしれない。リアムと会った事はない。

セバスチャン
バルタチャ家に長年仕える執事。
ポールやエリザベスの祖父からバルタチャ家にまつわる全ての事を教えられており、多大な権力を持つ。(ポールとエリザベスの祖父は他界している)バルタチャ家に忠実だが、前当主(ポールとエリザベスの父親。現在は投獄中)の言う事は上手くあしらって過ごしていた。ポールに多大な期待を寄せており、ポールに忠誠を誓っている。

リア
セバスチャンの妻。バルタチャ家の侍女長。
エリザベスとポールを自分の子どものように可愛がって育てた。

マリアナ
ブロンテ侯爵家のメイド長、リリアンの世話係もしている。長年侯爵家に仕えており、イアンやリリアンから信頼されている。

トム
バルタチャ家の馬番だったが、ドロシーの怒りを買いクビにされかけた時にエリザベスの機転で領地に匿ってもらいクビを免れた。気配を消すのが得意で、リアムに指導してもらい密偵として働くようになった。エリザベスとポールに恩を感じていて、バルタチャ家に忠実。出世欲があり、成り上がりたいと思っている。

エイダ
公爵令嬢。イアンとリリアンの二人と子どもの頃出会った事がある。だが、家同士の繋がりはほとんどない。頭が良く、他国に留学していた。

※メイドと侍女
この話では、メイドは主に家事を担い、侍女は主に主人の世話をするという設定です。バルタチャ家の領地の屋敷にはメイドしか居ません。(王都の屋敷には侍女も居ます)どちらが偉いという事はなく、どちらも大切な仕事ですが、男爵だったバルタチャ家はあまり多くの人を雇えず、侍女がメイドの仕事をしたり、メイドが侍女のようにお世話をしてくれる事もしばしばあります。
カーラは、エリザベスの護衛兼、侍女兼、メイドです。その分多めに給与を貰っています。
ブロンテ侯爵家のような高位貴族になると、明確に仕事が分かれています。ただし、ベテランのメイド長のマリアナはリリアンの世話係も兼ねています。

※後見人と絶縁届
未成年が爵位を継いだ場合は、後見人を立てる決まりとなっています。後見人は審査が厳しく、後見人になってからしばらくは不正をしないように国から監視されます。エリザベスの監視をしたのはイアンでした。その後、イアンから口説かれたエリザベスは、彼の思いを受け止め婚約者となりました。
絶縁届は、出すと国中に公表されます。絶縁された者は貴族ではなくなります。元の籍に戻れる事はありません。その為、審査が厳しくなっております。当人の了承を得て絶縁する場合を除き、絶縁届が出された場合には絶縁する理由が正当かしっかり調べられます。
ちなみに、離籍届も存在します。こちらは、後から元の籍に戻る事が可能ですから、理由が正当であれば大抵受理されますし公表もされません。悪さをした子を懲らしめる為に離籍届を出す親も居ます。離籍届でも、貴族としての権力を一時的に停止させる事が出来ますので、普通は離籍届を使います。ポールは、それでは生ぬるいと両親とドロシーを切り捨てる為に絶縁届を出しました。

※成人について
成人年齢は15歳。夜会に行けるのは成人してからです。爵位を継ぐと成人とみなされるので、未成年でも夜会に行けます。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

虐げられた皇女は父の愛人とその娘に復讐する

ましゅぺちーの
恋愛
大陸一の大国ライドーン帝国の皇帝が崩御した。 その皇帝の子供である第一皇女シャーロットはこの時をずっと待っていた。 シャーロットの母親は今は亡き皇后陛下で皇帝とは政略結婚だった。 皇帝は皇后を蔑ろにし身分の低い女を愛妾として囲った。 やがてその愛妾には子供が生まれた。それが第二皇女プリシラである。 愛妾は皇帝の寵愛を笠に着てやりたい放題でプリシラも両親に甘やかされて我儘に育った。 今までは皇帝の寵愛があったからこそ好きにさせていたが、これからはそうもいかない。 シャーロットは愛妾とプリシラに対する復讐を実行に移す― 一部タイトルを変更しました。

愛する夫にもう一つの家庭があったことを知ったのは、結婚して10年目のことでした

ましゅぺちーの
恋愛
王国の伯爵令嬢だったエミリアは長年の想い人である公爵令息オリバーと結婚した。 しかし、夫となったオリバーとの仲は冷え切っていた。 オリバーはエミリアを愛していない。 それでもエミリアは一途に夫を想い続けた。 子供も出来ないまま十年の年月が過ぎ、エミリアはオリバーにもう一つの家庭が存在していることを知ってしまう。 それをきっかけとして、エミリアはついにオリバーとの離婚を決意する。 オリバーと離婚したエミリアは第二の人生を歩み始める。 一方、最愛の愛人とその子供を公爵家に迎え入れたオリバーは後悔に苛まれていた……。

婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました

kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」 王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。

Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。 そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。 そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。 これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。 (1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。

五月ふう
恋愛
 リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。 「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」  今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。 「そう……。」  マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。    明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。  リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。 「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」  ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。 「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」 「ちっ……」  ポールは顔をしかめて舌打ちをした。   「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」  ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。 だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。 二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。 「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」

離婚する両親のどちらと暮らすか……娘が選んだのは夫の方だった。

しゃーりん
恋愛
夫の愛人に子供ができた。夫は私と離婚して愛人と再婚したいという。 私たち夫婦には娘が1人。 愛人との再婚に娘は邪魔になるかもしれないと思い、自分と一緒に連れ出すつもりだった。 だけど娘が選んだのは夫の方だった。 失意のまま実家に戻り、再婚した私が数年後に耳にしたのは、娘が冷遇されているのではないかという話。 事実ならば娘を引き取りたいと思い、元夫の家を訪れた。 再び娘が選ぶのは父か母か?というお話です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。