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第二章
20.冒険者、凄い
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「ダイチって人間が一番弱いな。ユウヤはエルフの割に魔法が下手だ。アキラも獣人にしちゃあ遅えし、全員レナが怯えるほど強いとは思えねえ」
次の日、冒険者の皆さんはあっという間に情報を集めてくれた。
えっと……優秀すぎませんか?
「兄貴! ダイチが使える魔法は探査魔法だけっす! けど、奴の探査魔法は普通の魔法と違うみたいっすね。だからあんなに偉そうなのかもしれません。レア魔法使えるヤツは、優遇されますから。多分っすけど、かなり強力な探査魔法が使えるんだと思います。リーダーはダイチみたいっすけど、ユウヤとアキラは偉そうに命令するダイチに嫌気がさしてるみたいっす!」
「仲違いさせて、アキラ一人にさせりゃ簡単に孤立して死にますぜ」
「良い案ですけど、あんな人でも死んだらレナさん達は悲しむでしょう。だからダメです」
昨日、彼らが死んだ奴もたくさんいると言っていた。アオイさん達に報告すると、とても悲しそうだった。特に、レナさんは泣きそうになっていた。
だから、ダメ。
「良い案なんすね。やっぱマイスさんを怒らせたらダメっすね」
「あのなぁ。マイスさんが強いのは腕を見りゃ分かるだろ。実力を読み違えるからお前らみてぇな事になるんだよ」
「すんません! 今後は真面目にやります!」
「マイスさんのおかげで問題児が優秀な冒険者になりそうね」
今回依頼を受けてくれたのはマリカさんが紹介してくれたベテラン冒険者の方が2名と、僕が蹴り上げてしまった人達5名、そして……。
「現場に出るの、いつぶりっすか? マリカさん」
「2年ぶりかしら。アオイさん達が来てからは現場に出てなかったから」
「腕は錆びてなかったみたいっすね」
「当然よ。私を誰だと思ってるの?」
「うちのギルドで一番優秀な冒険者っす。アオイ達も強いけど、マリカさんにはかないません」
「貴方達2人も優秀よ。アオイさん達と同じくらい、ね」
「光栄っす」
女好きな調査対象を見極める為に、マリカさんが変装して調査してくれる事になった。今のマリカさんは、レナさんの生前の姿にそっくりなんだって。
営業終了したギルドにアオイさんとカナさんを連れて来て確認して貰ったから間違いない。マリカさんは、ご丁寧に付け耳まで付けている。
あまりに見た目が違うけど、あの男から逃れる為にレナさんの見た目を変えたと言えば、マリカさんは納得してくれた。レナさんは変装も得意だから、不審に思われなかった。
「相変わらず見事な変装だな。マリカ」
ベテラン冒険者のリットさんがマリカさんに話しかけた。
「ふふん、久しぶりの現場は楽しいわぁ。2人とも調査が早いわね。さすがよ。……それに比べて、あんた達は仕事遅すぎ」
僕を蹴った冒険者の人達を、マリカさんが睨む。
「ひぃ! すんませんっ!」
全員、背筋を伸ばして頭を下げた。
「あ……あの、たった一晩で色々調べて下さいましたし……皆さん優秀かと……」
「あら、そう言ってくれるなんて嬉しいわ。今後も何かあればうちの冒険者を雇って下さいね」
「は、はい。よろしくお願いします」
「マイスさん、言いたい事は言った方が良いっすよ。今のあなたは依頼人です。よっぽど理不尽じゃなきゃ俺達に命令出来る立場なんすから」
「僕はみなさんに依頼しただけで、命令する権利なんてありませんよ。たった一晩でたくさん調べて頂き感謝しています」
「……なるほど、マリカが抱えたがるわけだ」
「でしょ? マイスさんは優秀よ。お金もあって、仲間思いで、私達の事も考えてくれる。しかも、貴族にコネもある」
「コネ?」
「マイスさんは、ルフォール伯爵のお気に入りよ」
「……あの、鉱山伯爵様か」
「あ、兄貴……すげえっす!」
だからなんで兄貴なの?! そう言いたかったけど笑顔のマリカさんが怖くて言えなかった。僕が余計な事を言ったら、今度こそ彼らは除名だろうし。
「ふふ、あんな小物なら一ヶ月もかからないわ。徹底的にやって、二度とうちのエースに手出しさせないんだから……!」
「自業自得だと思うんすけど、ちょっとだけあいつらに同情するっす」
僕は冒険者さん達みたいに優しくない。同情なんてしない。マリカさんに徹底的にやって下さいと頭を下げた。
ちょっぴり冒険者さん達が引いてた気がするけど、気にしないでおこう。
次の日、冒険者の皆さんはあっという間に情報を集めてくれた。
えっと……優秀すぎませんか?
「兄貴! ダイチが使える魔法は探査魔法だけっす! けど、奴の探査魔法は普通の魔法と違うみたいっすね。だからあんなに偉そうなのかもしれません。レア魔法使えるヤツは、優遇されますから。多分っすけど、かなり強力な探査魔法が使えるんだと思います。リーダーはダイチみたいっすけど、ユウヤとアキラは偉そうに命令するダイチに嫌気がさしてるみたいっす!」
「仲違いさせて、アキラ一人にさせりゃ簡単に孤立して死にますぜ」
「良い案ですけど、あんな人でも死んだらレナさん達は悲しむでしょう。だからダメです」
昨日、彼らが死んだ奴もたくさんいると言っていた。アオイさん達に報告すると、とても悲しそうだった。特に、レナさんは泣きそうになっていた。
だから、ダメ。
「良い案なんすね。やっぱマイスさんを怒らせたらダメっすね」
「あのなぁ。マイスさんが強いのは腕を見りゃ分かるだろ。実力を読み違えるからお前らみてぇな事になるんだよ」
「すんません! 今後は真面目にやります!」
「マイスさんのおかげで問題児が優秀な冒険者になりそうね」
今回依頼を受けてくれたのはマリカさんが紹介してくれたベテラン冒険者の方が2名と、僕が蹴り上げてしまった人達5名、そして……。
「現場に出るの、いつぶりっすか? マリカさん」
「2年ぶりかしら。アオイさん達が来てからは現場に出てなかったから」
「腕は錆びてなかったみたいっすね」
「当然よ。私を誰だと思ってるの?」
「うちのギルドで一番優秀な冒険者っす。アオイ達も強いけど、マリカさんにはかないません」
「貴方達2人も優秀よ。アオイさん達と同じくらい、ね」
「光栄っす」
女好きな調査対象を見極める為に、マリカさんが変装して調査してくれる事になった。今のマリカさんは、レナさんの生前の姿にそっくりなんだって。
営業終了したギルドにアオイさんとカナさんを連れて来て確認して貰ったから間違いない。マリカさんは、ご丁寧に付け耳まで付けている。
あまりに見た目が違うけど、あの男から逃れる為にレナさんの見た目を変えたと言えば、マリカさんは納得してくれた。レナさんは変装も得意だから、不審に思われなかった。
「相変わらず見事な変装だな。マリカ」
ベテラン冒険者のリットさんがマリカさんに話しかけた。
「ふふん、久しぶりの現場は楽しいわぁ。2人とも調査が早いわね。さすがよ。……それに比べて、あんた達は仕事遅すぎ」
僕を蹴った冒険者の人達を、マリカさんが睨む。
「ひぃ! すんませんっ!」
全員、背筋を伸ばして頭を下げた。
「あ……あの、たった一晩で色々調べて下さいましたし……皆さん優秀かと……」
「あら、そう言ってくれるなんて嬉しいわ。今後も何かあればうちの冒険者を雇って下さいね」
「は、はい。よろしくお願いします」
「マイスさん、言いたい事は言った方が良いっすよ。今のあなたは依頼人です。よっぽど理不尽じゃなきゃ俺達に命令出来る立場なんすから」
「僕はみなさんに依頼しただけで、命令する権利なんてありませんよ。たった一晩でたくさん調べて頂き感謝しています」
「……なるほど、マリカが抱えたがるわけだ」
「でしょ? マイスさんは優秀よ。お金もあって、仲間思いで、私達の事も考えてくれる。しかも、貴族にコネもある」
「コネ?」
「マイスさんは、ルフォール伯爵のお気に入りよ」
「……あの、鉱山伯爵様か」
「あ、兄貴……すげえっす!」
だからなんで兄貴なの?! そう言いたかったけど笑顔のマリカさんが怖くて言えなかった。僕が余計な事を言ったら、今度こそ彼らは除名だろうし。
「ふふ、あんな小物なら一ヶ月もかからないわ。徹底的にやって、二度とうちのエースに手出しさせないんだから……!」
「自業自得だと思うんすけど、ちょっとだけあいつらに同情するっす」
僕は冒険者さん達みたいに優しくない。同情なんてしない。マリカさんに徹底的にやって下さいと頭を下げた。
ちょっぴり冒険者さん達が引いてた気がするけど、気にしないでおこう。
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