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第二章
21.作戦開始
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僕は彼らが街を出ていけば良いと思った。けど、レナさん達はいつも街にいるわけではない。彼女達は冒険者だ。
世界中を旅する。どこで会うか、分からない。
だから彼等がレナさんを見つけても話しかけようと思わないくらい彼等の心を折ることにした。
提案してくれたのはマリカさんだけど、追加費用を出してゴーサインを出したのは僕だ。
マリカさんが冒険者ギルドに照会をかけると、彼らはあちこちで問題を起こしていて除名寸前だと分かった。マリカさんが彼等の所業を報告してくれたから、次に冒険者ギルドで受付の人に怒鳴っただけで彼らは除名になる。
まずは簡単にこちらに戻れないように別の大陸に行ってもらう。それから、3人を分断する。ダイチは1人にする。
あいつだけは、絶対許さない。命令を聞く仲間から引き離し、1人になってもらう。
レナさんに変装したマリカさんが、上手くやってくれるそうだ。ダイチはいつものように偉そうな態度を取り、冒険者を除名される。冒険者カードは除名された瞬間に消えてなくなる。身分証がなければ、街を出る事すら難しい。僕が住んでたミクタは商人の出入りが多くて緩かったけど、厳しいところは必ず複数人の門兵がいて出入りを管理してる。
冒険者ギルドで要注意人物として報告されている彼らは、(マリカさんがサクッと報告してくれたんだけど、既に要注意人物になってた)カード無しで街を出ようとすれば必ず審査で引っかかり多額の税金を求められる。
冒険者の皆さんが調べたてくれたんだけど、彼らはお金がないらしい。冒険者の資格を剥奪されて、街を出られなくなれば仕事を探すしかない。彼らは健康な若い男性なんだから、大きな街なら仕事はいくらでもある。
のたれ死んでも良いと思う僕もいるけど、やっぱりダメだと思う僕が勝った。
ダイチはマリカさんが仕事をするように上手く誘導するらしい。具体的な方法は聞かなかった。マリカさんが嫌な事は絶対しないでくださいとお願いしたら、もちろんですと可愛くウインクしてくれた。
リットさんは、震えながら怯えていた。
「結構えげつねぇ作戦立ててる割に、ほのぼのしてんの怖えわ」
「あら、失礼ね。えげつなくないわよ。街に置き去りにするんだから、優しいでしょ? それにしても、私の事も心配してくれるなんてマイスさんは優しいわぁ」
「マイスさんは、マリカの本性を知らねえから……」
「リット、報酬減らすわよ」
「理不尽だ! マイスさんなんとか言ってくれ」
「あ、あの。報酬が足りないなら追加で……!」
「いや、そうじゃねぇ」
「マイスさんは充分過ぎる報酬を出してますから気にしないで下さい。リットが無駄口叩かずちゃあんと働けば、報酬を減らしたりしないわ」
「分かったよ! 流石に人が死ぬのは寝覚めが悪りぃ! その作戦でいこう。俺達はユウヤとアキラを担当すりゃいいんだな?」
「そうよ。彼らはレナさんに興味はなさそうだけど、ちゃんと本音を確認して。問題無さそうなら別の街に転送して放置。少しでもレナさん達に執着しそうならダイチと同じように冒険者の資格を剥奪させるわ」
「させるって言い切ってる辺り、怖えっす……」
「腕がねぇなら早めに引退させんのも優しさだろ。あんな横柄な態度で仕事が見つかるかは知らねえが、街にいりゃあなんとかなんだろ。そこまで面倒みねぇよ。依頼人が望むならともかくな」
「生きてるなら放置で構いません。僕はそんなに優しくないんで」
「だよなぁ。んで、移動はどうすんだ? アオイに頼むのか?」
「いえ、これを使います」
僕が作った転移の魔道具を使う。アオイさんに魔法を使ってもらう事も考えたけど、アオイさんも彼らに会いたくないと言ってた。だから全てが終わってから報告する。
彼女達は今頃、キュビさんやリタ親方がフォローしてくれているからのんびり過ごしているはずだ。
「これは……転移の魔道具か。しかも3つもある。こんなもんまで貸し出すなんて、ギルドも本気だな」
「こんな高価なものギルドが所有してるわけないでしょ」
転移の魔道具はとても高価なので、冒険者ギルドも所有していない。親方が材料持ち込みじゃないと依頼を受けないと言ってたけど、材料を集められるくらいの実力か財力がいるって意味なんだ。
僕なら、魔道具を作れる。材料を揃えるお金もある。今回は使い捨てるつもりで安い材料で作った。それでも、いくつか金貨が飛んだけど。
「僕が作りました」
「はぁ?! マイスさん、転移の魔道具作れるのか?!」
「これは簡易版で使用回数の制限がありますからお売りできませんけど、普通の転移の魔道具も作れますよ。材料と制作費を持って来て下されば、いつでも作成します」
「ち……ちなみに材料と費用を聞いてもいいか?」
リットさんに材料と、金額を説明する。転移の魔道具は魔道具協会で下限金額の指定があるから、安く売る事は出来ないと付け加える。
「え……えげつねえ……金額もだけど……素材がやべえ。希少素材のオンパレードじゃねぇか!」
「半分くらいはロッドさんのお店で揃いますよ」
「あとの半分は? マイスさんは狩りに行かねえよな?」
「魔道具協会や店を色々回って手に入れました。あと、アオイさん達から提供してもらったものもあります」
「なるほどな。俺は絶対マイスさんに逆らわねえわ」
リットさんが、苦笑いを浮かべる。まぁ、リットさんはいい人だし味方になってくれるならそれでいいや。
世界中を旅する。どこで会うか、分からない。
だから彼等がレナさんを見つけても話しかけようと思わないくらい彼等の心を折ることにした。
提案してくれたのはマリカさんだけど、追加費用を出してゴーサインを出したのは僕だ。
マリカさんが冒険者ギルドに照会をかけると、彼らはあちこちで問題を起こしていて除名寸前だと分かった。マリカさんが彼等の所業を報告してくれたから、次に冒険者ギルドで受付の人に怒鳴っただけで彼らは除名になる。
まずは簡単にこちらに戻れないように別の大陸に行ってもらう。それから、3人を分断する。ダイチは1人にする。
あいつだけは、絶対許さない。命令を聞く仲間から引き離し、1人になってもらう。
レナさんに変装したマリカさんが、上手くやってくれるそうだ。ダイチはいつものように偉そうな態度を取り、冒険者を除名される。冒険者カードは除名された瞬間に消えてなくなる。身分証がなければ、街を出る事すら難しい。僕が住んでたミクタは商人の出入りが多くて緩かったけど、厳しいところは必ず複数人の門兵がいて出入りを管理してる。
冒険者ギルドで要注意人物として報告されている彼らは、(マリカさんがサクッと報告してくれたんだけど、既に要注意人物になってた)カード無しで街を出ようとすれば必ず審査で引っかかり多額の税金を求められる。
冒険者の皆さんが調べたてくれたんだけど、彼らはお金がないらしい。冒険者の資格を剥奪されて、街を出られなくなれば仕事を探すしかない。彼らは健康な若い男性なんだから、大きな街なら仕事はいくらでもある。
のたれ死んでも良いと思う僕もいるけど、やっぱりダメだと思う僕が勝った。
ダイチはマリカさんが仕事をするように上手く誘導するらしい。具体的な方法は聞かなかった。マリカさんが嫌な事は絶対しないでくださいとお願いしたら、もちろんですと可愛くウインクしてくれた。
リットさんは、震えながら怯えていた。
「結構えげつねぇ作戦立ててる割に、ほのぼのしてんの怖えわ」
「あら、失礼ね。えげつなくないわよ。街に置き去りにするんだから、優しいでしょ? それにしても、私の事も心配してくれるなんてマイスさんは優しいわぁ」
「マイスさんは、マリカの本性を知らねえから……」
「リット、報酬減らすわよ」
「理不尽だ! マイスさんなんとか言ってくれ」
「あ、あの。報酬が足りないなら追加で……!」
「いや、そうじゃねぇ」
「マイスさんは充分過ぎる報酬を出してますから気にしないで下さい。リットが無駄口叩かずちゃあんと働けば、報酬を減らしたりしないわ」
「分かったよ! 流石に人が死ぬのは寝覚めが悪りぃ! その作戦でいこう。俺達はユウヤとアキラを担当すりゃいいんだな?」
「そうよ。彼らはレナさんに興味はなさそうだけど、ちゃんと本音を確認して。問題無さそうなら別の街に転送して放置。少しでもレナさん達に執着しそうならダイチと同じように冒険者の資格を剥奪させるわ」
「させるって言い切ってる辺り、怖えっす……」
「腕がねぇなら早めに引退させんのも優しさだろ。あんな横柄な態度で仕事が見つかるかは知らねえが、街にいりゃあなんとかなんだろ。そこまで面倒みねぇよ。依頼人が望むならともかくな」
「生きてるなら放置で構いません。僕はそんなに優しくないんで」
「だよなぁ。んで、移動はどうすんだ? アオイに頼むのか?」
「いえ、これを使います」
僕が作った転移の魔道具を使う。アオイさんに魔法を使ってもらう事も考えたけど、アオイさんも彼らに会いたくないと言ってた。だから全てが終わってから報告する。
彼女達は今頃、キュビさんやリタ親方がフォローしてくれているからのんびり過ごしているはずだ。
「これは……転移の魔道具か。しかも3つもある。こんなもんまで貸し出すなんて、ギルドも本気だな」
「こんな高価なものギルドが所有してるわけないでしょ」
転移の魔道具はとても高価なので、冒険者ギルドも所有していない。親方が材料持ち込みじゃないと依頼を受けないと言ってたけど、材料を集められるくらいの実力か財力がいるって意味なんだ。
僕なら、魔道具を作れる。材料を揃えるお金もある。今回は使い捨てるつもりで安い材料で作った。それでも、いくつか金貨が飛んだけど。
「僕が作りました」
「はぁ?! マイスさん、転移の魔道具作れるのか?!」
「これは簡易版で使用回数の制限がありますからお売りできませんけど、普通の転移の魔道具も作れますよ。材料と制作費を持って来て下されば、いつでも作成します」
「ち……ちなみに材料と費用を聞いてもいいか?」
リットさんに材料と、金額を説明する。転移の魔道具は魔道具協会で下限金額の指定があるから、安く売る事は出来ないと付け加える。
「え……えげつねえ……金額もだけど……素材がやべえ。希少素材のオンパレードじゃねぇか!」
「半分くらいはロッドさんのお店で揃いますよ」
「あとの半分は? マイスさんは狩りに行かねえよな?」
「魔道具協会や店を色々回って手に入れました。あと、アオイさん達から提供してもらったものもあります」
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リットさんが、苦笑いを浮かべる。まぁ、リットさんはいい人だし味方になってくれるならそれでいいや。
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