妹と婚約者が結婚したけど、縁を切ったから知りません

編端みどり

文字の大きさ
10 / 14

オレだけを見て【後日談】

「エリザベスが、死んだって?」

「……はい」

「まったく、勝手に僕の名前で娼館に入れるなんて聞いてないよ?」

「申し訳ありません、ご主人様」

「まぁ、ジャックのおかげでエリザベスは生きられたのは確かだろうけどね。あのままだと数日中には攫われてただろう。その後生きてるかは怪しいしね。両親が死んで、お見舞いと称して男達が入り浸ってたんだろ。狙われているとも気がつかないなんて、相変わらずお馬鹿さんだ。最後は貢がれた貴族と心中だっけ? エリザベスは結局、自分が悪いとは思わないまま逝ったのかな」

「……どうでしょうね。どうでもいいです」

「ならなんで、あの子を保護する様な真似をしたのかな?」

「ソフィが、妹は両親と使用人に甘やかされた被害者だって言ってました。見殺しにしたら、ソフィの顔を真っ直ぐ見れない気がして」

「……甘ぃねぇ」

「申し訳ありません。でもそれだけじゃねぇんです。ソフィは、いつも笑ってるけどたまに寂しそうなんです。オレらは元々居ないから、親の事も諦めがつく。けどソフィは、目の前に愛してもらえる親が居んのにずーっと無視されてきたんです。オレらの苦しみと、ソフィの苦しみは違う。ソフィは未だに家族に囚われてる。いくら連絡不可でも、妹の危機を知れば手を尽くしてしまうかもしれないと思いました。今のソフィにはそれができる。けど、嫌でした。ソフィの家族は、オレです」

「だから、絶対連絡が漏れない高級娼館に入れたのかい?」

「……そうです。死ぬまで出すなって言いました」

「なかなかな独占欲だね。まぁいいよ。それで、エリザベスの死は僕から伝えれば良いのかな?」

「お願いします」

「……コレで確実に、ソフィの家族はジャックだけだね」

「いや、オレだけじゃねぇです」

「おや? 家族が増えるのかい?」

「はい」

「それはめでたいね。そうそう、妊婦が食べても大丈夫なお茶やお菓子の開発をしている店があってね。とっても美味しい上に、健康に良いらしいよ? 悪阻のある方でも食べられる事が多いんだって。取り寄せてあげるから、ちょーっと難しい貴族の調査、お願いしたいんだけど? もちろん報酬も弾むよ。子どもが居ると、何かと物入りだものねぇ」

「……ほんっと、良い性格してますよね。ご主人様は」

「褒め言葉として、受け取っておくよ」

「謹んでお受けしますよ。ご主人様」

「やっぱり僕に雇われて良かっただろ?」

「オレを拾えて、良かったでしょう?」

あなたにおすすめの小説

【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。

曽根原ツタ
恋愛
 ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。  ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。  その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。  ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?  

【今さら遅い】毒で声を失い公爵に捨てられた私。妹では精霊が応えず国は滅びへ。ですが隣国皇帝に溺愛される私に、今さら縋ってきても遅いです

唯崎りいち
恋愛
国一番の歌姫だった私は、妹に毒を盛られ声を失い、婚約者に捨てられた。 すべてを奪われた私を救ったのは、隣国の皇帝。 「お前の歌がなければ国は滅びる」と言われた私の歌は、精霊に届く“本物”の力を持っていて―― 一方、私を追放した国は偽物の歌では加護を失い衰退。 今さら元婚約者が縋ってきても、もう遅い。

ベールを上げた新郎は『君じゃない』と叫んだ

ハートリオ
恋愛
結婚式で新郎に『君じゃない』と叫ばれたのはウィオラ。 スピーナ子爵家の次女。 どうやら新郎が結婚する積りだったのは姉のリリウム。 ウィオラはいつも『じゃない方』 認められない、 選ばれない… そんなウィオラは―― 中世ヨーロッパ風異世界でのお話です。 よろしくお願いします。

夫は私を愛していないそうなので、遠慮なく離婚します。今さら引き止められても遅いです

藤原遊
恋愛
王妃付き護衛騎士である夫に、「お前を愛したことはない」と告げられた。 理由は単純。 愛などなくても、仕事に支障はないからだという。 ──そうですか。 それなら、こちらも遠慮する必要はありませんね。 王妃の機嫌、侍女たちとの関係、贈り物の選定。 夫が「当然のように」こなしていたそれらは、すべて私が整えていたもの。 離婚後、少しずつ歯車は狂い始める。 気づいたときにはもう遅い。 積み上げてきた信用は、静かに崩れていく。 一方で私は、王妃のもとへ。 今さら引き止められても、遅いのです。

私を裏切った不倫夫に「どなたですか?」と微笑むまで 〜没落令嬢の復讐劇〜

恋せよ恋
恋愛
「早くあんな女と別れて、可愛い子と一緒になりたいよ」 不倫中の夫が笑う声を聞き、絶望の中で事故に遭うジェシカ。 結婚五年目に授かったお腹の子を失った彼女は、 「記憶を失ったフリ」で夫と地獄の婚家を捨てることを決意。 元男爵令嬢の薄幸ヒロインは、修道院で静かに時を過ごす。 独り身領主の三歳の男の子に懐かれ、なぜか領主まで登場! 無実の罪をなすりつけ、私を使い潰した報いを受けなさい。 記憶喪失を装った没落令嬢による、「ざまぁ」が幕を開ける! ※本作品には、馬車事故による流産の描写が含まれます。  苦手な方はご注意ください。主人公が絶対に幸せになる  物語ですので、安心してお読みいただければ幸いです。 🔶登場人物・設定は筆者の創作によるものです。 🔶不快に感じられる表現がありましたらお詫び申し上げます。 🔶誤字脱字・文の調整は、投稿後にも随時行います。 🔶今後もこの世界観で物語を続けてまいります。 🔶 『エール📣』『いいね❤️』励みになります!

教養が足りない、ですって

たくわん
恋愛
侯爵令嬢エリーゼは、公爵家の長男アレクシスとの婚約披露宴で突然婚約破棄される。理由は「教養が足りず、公爵夫人として恥ずかしい」。社交界の人々の嘲笑の中、エリーゼは静かに会場を去る。

文句を言わない婚約者は、俺の愛する幼馴染みを許していなかった【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
幼馴染を優先しても、婚約者アウローラは何も言わない。だから、これからも幼馴染みとイチャイチャできる── 侯爵令息トリスタンは、そんな甘い幻想を信じていた。 だが婿入りした瞬間、彼の“軽んじた態度”はすべて清算される。 アウローラは冷徹に、トリスタンの傲慢と欲望を1つずつ暴き、労働と屈辱を与える。 そして最後に残ったのは、誰にも必要とされない現実だけ。 「どうして……俺は、こんなにも愚かだったんだ」 これは愛を勘違いし、身分を過信し、自分の価値を見誤った男の終焉を描くダークドラマ。 ⚠️ 本作は AI の生成した文章を一部に使っています。過激ざまぁタグあります。 4/1「エステルに対する殺意」の内容を一部変更しました。

愛さないと言われた妻、侍女と出て行く

菜花
ファンタジー
お前を愛することはないと夫に言われたコレットは、その日のうちに侍女のイネスと屋敷を出て行った。カクヨム様でも投稿しています。