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34 【アルフレッド視点】
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王妃は自分のお気に入りのマリオンに王位を継がせようとしてた。勉強嫌いで、見た目ばっか拘るようなヤツ、王になれる訳ねーだろ。
最初は兄を王にして、王妃を大人しくさせるだけにしようと思った。けど、アマンダとマリオンを婚約させようとしてるって聞いて気が変わった。
隠しておいたアマンダの実力も、調べ尽くしてやがった。
邪魔になる俺を国外に出す為に、キャサリン王女と俺の婚約を狙っていると知った時は一瞬だけ殺意が湧いた。
俺は本気で、王妃とその実家を潰す事にした。俺がアマンダを離さないと分かった王妃の実家からそこそこ脅されたが、身体は鍛えてたし、騎士団やキャサリン王女の影の手助けもあり、なんとか無事に過ごせた。
そのついでに、アマンダと仲良くなったレベッカ嬢の件で騎士団長と密約を交わした。騎士団長は俺に負けず劣らずレベッカ嬢を溺愛していたから、話は簡単に済んだ。まだ証拠は揃ってねぇが、王妃の実家は不正をしている可能性が高い。それでもレベッカ嬢と結婚するのか? そう聞いただけだけど、騎士団長はレベッカ嬢自身が不正をしていないのなら気にしないと言ってた。騎士団長はすっげえかっこよかった。俺もアマンダに何があっても守ろう。そう思った。
王妃の実家は没落するだろうけど、不正の額もあんまり多くねえから当主の挿げ替えと爵位の降格、王妃の幽閉くらいで済むだろう。
……このまま1年くらい放っておけば、全員処刑くらい出来るだろうけど。アマンダがレベッカ嬢と親しくならなければそうするつもりだった。
アマンダはいつも無自覚に人を救うんだな。レベッカ嬢もあんまり評判は良くなかったのに、今じゃ厳しくも優しい騎士団長夫人として大人気だ。
それも全部、アマンダが社交の場でレベッカ嬢と親しく話すようになってから。
アマンダが褒める人なら、きっと良い人なんだろう。そう思わせる魅力がアマンダにはある。王妃やマリオンがどうしてもアマンダを欲しがるのもその為だ。
めんどくせぇゴタゴタにアマンダを巻き込みたくなくて、接触を絶った。けど、まさかあんな形でアマンダと会うとは思わなかった。
「感謝してるわ。アマンダにも世話になったし、今度お礼に行くわね」
恋人に会えず情緒不安定になったキャサリン王女は、俺を婚約者にとしつこく勧める王妃が嫌になり城を無断で抜け出した。
たまたま見つけて保護してくれたのがアマンダだ。アマンダじゃなければ、もっと大騒ぎになっていただろう。下手したら責任を取って俺は廃嫡。アマンダとの婚約も解消だ。
王子の身分は要らねぇが、アマンダだけは譲れねぇ。王妃の不興を買うのは承知で、堂々と宣戦布告をした。そしたら、王位を狙うつもりかって激昂された。
王妃を追い詰めるには、キャサリン王女の協力は必要不可欠だった。だから嫌な噂を王妃が触れ回っても、放置した。アマンダなら、こんな噂に惑わされる訳ねぇって思ってた。
キャサリン王女を迎えに行った日も、いつものように優しく笑っていた。だから、あまり説明もせずに帰った。
けど、あの後くらいから俺とキャサリン王女が恋仲だという噂が市民にまで回るようになってしまった。
「結婚してから来い。でねーとまた変な噂が立つ」
「そうね。わたくしもアルフレッドも、婚約者一筋ですもの」
「ああ、その通りだ。悪いけどアマンダの方が大事だ。俺は充分やっただろ。万が一の時は、亡命させろ。それで恩返しは終わりだ」
「分かってる。お父様にも話は通してあるから困ったらいつでも言って。我が国はアルフレッドを支持するわ」
「別に俺が王になる訳じゃねぇし、そこは適当にやってくれよ。頼むから、俺を支持するなんて言うなよ。めんどくせぇ事になる。とにかく、今後も平和に過ごせる事を願ってるぜ」
戦争なんて勘弁だ。
今のところ揉めてる国はねぇが、いつ何が起こるか分からねえ。
アマンダは平和な国で生きてたんだ。怖い思いをさせてたまるか。
最初は兄を王にして、王妃を大人しくさせるだけにしようと思った。けど、アマンダとマリオンを婚約させようとしてるって聞いて気が変わった。
隠しておいたアマンダの実力も、調べ尽くしてやがった。
邪魔になる俺を国外に出す為に、キャサリン王女と俺の婚約を狙っていると知った時は一瞬だけ殺意が湧いた。
俺は本気で、王妃とその実家を潰す事にした。俺がアマンダを離さないと分かった王妃の実家からそこそこ脅されたが、身体は鍛えてたし、騎士団やキャサリン王女の影の手助けもあり、なんとか無事に過ごせた。
そのついでに、アマンダと仲良くなったレベッカ嬢の件で騎士団長と密約を交わした。騎士団長は俺に負けず劣らずレベッカ嬢を溺愛していたから、話は簡単に済んだ。まだ証拠は揃ってねぇが、王妃の実家は不正をしている可能性が高い。それでもレベッカ嬢と結婚するのか? そう聞いただけだけど、騎士団長はレベッカ嬢自身が不正をしていないのなら気にしないと言ってた。騎士団長はすっげえかっこよかった。俺もアマンダに何があっても守ろう。そう思った。
王妃の実家は没落するだろうけど、不正の額もあんまり多くねえから当主の挿げ替えと爵位の降格、王妃の幽閉くらいで済むだろう。
……このまま1年くらい放っておけば、全員処刑くらい出来るだろうけど。アマンダがレベッカ嬢と親しくならなければそうするつもりだった。
アマンダはいつも無自覚に人を救うんだな。レベッカ嬢もあんまり評判は良くなかったのに、今じゃ厳しくも優しい騎士団長夫人として大人気だ。
それも全部、アマンダが社交の場でレベッカ嬢と親しく話すようになってから。
アマンダが褒める人なら、きっと良い人なんだろう。そう思わせる魅力がアマンダにはある。王妃やマリオンがどうしてもアマンダを欲しがるのもその為だ。
めんどくせぇゴタゴタにアマンダを巻き込みたくなくて、接触を絶った。けど、まさかあんな形でアマンダと会うとは思わなかった。
「感謝してるわ。アマンダにも世話になったし、今度お礼に行くわね」
恋人に会えず情緒不安定になったキャサリン王女は、俺を婚約者にとしつこく勧める王妃が嫌になり城を無断で抜け出した。
たまたま見つけて保護してくれたのがアマンダだ。アマンダじゃなければ、もっと大騒ぎになっていただろう。下手したら責任を取って俺は廃嫡。アマンダとの婚約も解消だ。
王子の身分は要らねぇが、アマンダだけは譲れねぇ。王妃の不興を買うのは承知で、堂々と宣戦布告をした。そしたら、王位を狙うつもりかって激昂された。
王妃を追い詰めるには、キャサリン王女の協力は必要不可欠だった。だから嫌な噂を王妃が触れ回っても、放置した。アマンダなら、こんな噂に惑わされる訳ねぇって思ってた。
キャサリン王女を迎えに行った日も、いつものように優しく笑っていた。だから、あまり説明もせずに帰った。
けど、あの後くらいから俺とキャサリン王女が恋仲だという噂が市民にまで回るようになってしまった。
「結婚してから来い。でねーとまた変な噂が立つ」
「そうね。わたくしもアルフレッドも、婚約者一筋ですもの」
「ああ、その通りだ。悪いけどアマンダの方が大事だ。俺は充分やっただろ。万が一の時は、亡命させろ。それで恩返しは終わりだ」
「分かってる。お父様にも話は通してあるから困ったらいつでも言って。我が国はアルフレッドを支持するわ」
「別に俺が王になる訳じゃねぇし、そこは適当にやってくれよ。頼むから、俺を支持するなんて言うなよ。めんどくせぇ事になる。とにかく、今後も平和に過ごせる事を願ってるぜ」
戦争なんて勘弁だ。
今のところ揉めてる国はねぇが、いつ何が起こるか分からねえ。
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