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番外編 誰が兄上壊したの?
第十三話
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デュバルを味方にしてからは、フォスとイオスだけでは出来ない事も可能になった。やはり、長年宰相をしていたデュバルの情報網は侮れない。
デュバルが隣国に警戒網を張ったところ、フォスの結婚式を壊す計画がある事が分かった。
更に、セーラの国にもちょっかいを出すつもりらしくセーラを後宮に入れようとしているらしい。
「なんでセーラなんだ、オレを狙えば良いだろ」
この話を聞いたイオスは、イライラを隠しきれないでいた。フォスの結婚式は、シンプルに国に恥をかかせようとしていると推察出来た。だが、セーラを狙う意味がわからない。
「落ち着いて、イオス」
「兄貴、想像してみろよ。レミィ様が後宮に入れられようとしてるって知ったらどう思う?」
「即処分だよね」
「オレより過激じゃねぇかよ!」
「ははっ、イオスはイライラすると僕を兄貴って呼ぶ様になったね」
「過去の記憶もあるんなら区別しなくても良いかなって思ってな……ちょっと素が出た。申し訳ない。とりあえず、オレも今すぐ処したい気分だ。兄貴、良いやり方教えてくれ」
「そうだねぇ、過去にやってたえげつないヤツなら結構あるけど……イオスに言いたくないなぁ」
「ひとまず落ち着きましょう……。はぁ、隠し部屋で良かったです。おふたりのこんなお姿、セーラ様にも娘にもお見せできません」
「「婚約者が大事なのは当たり前だろう!」」
「それはそうですが、まるで皇帝陛下が3人居るようでなんとも……。とにかく、来週のフォス様の式の邪魔をしようとしている輩を排除します。既に大半を捕らえておりますが、尋問が進まないのでまだネズミが居るかもしれないのです」
「じゃあ、僕がやろうか。尋問」
「フォス様が?」
「過去に色々やってたからね。薬でぼんやりした記憶しかないけどやり方は覚えてるよ。試してみる価値はあるんじゃないかな?」
「兄貴の使用人、全員やたら忠誠心高かったもんな。オレも見てて良いか?」
「うーん……イオスには見せたくないなぁ」
「頼むよ、今更そんな事で嫌ったり引いたりしないからさ」
「まぁ、そうだね。良いよ」
「末恐ろしいような……頼もしいような……」
「デュバルはもう運命共同体だから諦めてくれ」
「よろしくね、父上」
そう言って笑う兄弟は、にこやかな顔をしていたが底知れぬ凄みがあり、デュバルは恐怖を覚えた。
だが、自分が恐ろしいと思うくらいの方が皇帝に相応しい。これなら、どちらが皇帝になっても安泰だとデュバルは密かに笑った。
その後、フォスの尋問により隣国の企みは露見し、イオスが自ら隣国に留学して、国内を引っ掻き回した結果、元締めは隣国の王子だと分かった。
隣国の王子は、セーラに横恋慕していたのだ。それを知ったイオスの怒りは凄まじく、フォスも手を貸した事で隣国の王子はあっさり破滅した。
更に、国にも多大なダメージを与え、隣国は壊滅。皇帝陛下の傘下に入った。皇帝陛下には、全てが済んでから報告したところ、予想通り怒り狂った。だが、既に獲物が手に入っていた為、国に手を出す事はなく、民に血が流れる事はなかった。
獲物は、皇帝陛下に丁重に進呈された。
「まさか、国が壊滅した理由がひとりのお姫様だなんて思わないよね。多分セーラは過去でも狙われてたんだろうね。僕も記憶はぼんやりだけど、フランツにやたらとセーラを勧められてたよ」
「……後宮問題もクソ王子の差金だったしな。多分過去でもセーラを助けて恩を売ろうとしたらオレが先に助けたんだ。さぞ悔しかっただろうよ」
「って事は僕が国を滅ぼしたのも……?」
「あの王子の差金だろうな。兄上の意思もあったかもしれねえけど。オレの記憶が確かなら、あのバカ王子はオレがセーラに襲われる寸前くらいで結婚しやがるんだ。多分、セーラの事はもうどうでも良くなったんじゃねぇか?」
「だから、あっさりセーラを捨て駒に出来たって事? 確かに、僕はさっさとセーラをイオスにけしかけようとしたのに、フランツがずっとストップをかけてたんだ。だけどある時を境に、それがなくなった。王子がセーラに興味がなくなったって事だったんだね」
「そうだろうな。今世で確かめられるか分かんねえけど」
「まだ獲物は生きてるかな? 確かめる?」
「やめようぜ。兄貴ならまだしも、父上の尋問を見る勇気はねぇよ」
「そうだね、母上に手を出したんだから、まだ生きてるか怪しいしね。生かして苦しめてるかもしれないけど」
「フォス様の尋問も恐ろしかったですが、皇帝陛下は別格ですからな」
「皇帝って、尋問も出来ないとダメなのか?」
「そのような事はありませんが、恐れられる事も皇帝には必要ですぞ」
「ならやっぱり、兄貴が向いてるよ」
「どうだろうね、怒り狂ったイオスもなかなかだったけど」
「兄貴だって、レミィ様に手を出されたらあんなもんじゃ済まないだろ?」
「……そうだね。イオスは優しいよ」
「優しいの基準が崩壊しておりますぞ。まぁ、頼もしい方が娘の夫で良かったですが……」
デュバルが隣国に警戒網を張ったところ、フォスの結婚式を壊す計画がある事が分かった。
更に、セーラの国にもちょっかいを出すつもりらしくセーラを後宮に入れようとしているらしい。
「なんでセーラなんだ、オレを狙えば良いだろ」
この話を聞いたイオスは、イライラを隠しきれないでいた。フォスの結婚式は、シンプルに国に恥をかかせようとしていると推察出来た。だが、セーラを狙う意味がわからない。
「落ち着いて、イオス」
「兄貴、想像してみろよ。レミィ様が後宮に入れられようとしてるって知ったらどう思う?」
「即処分だよね」
「オレより過激じゃねぇかよ!」
「ははっ、イオスはイライラすると僕を兄貴って呼ぶ様になったね」
「過去の記憶もあるんなら区別しなくても良いかなって思ってな……ちょっと素が出た。申し訳ない。とりあえず、オレも今すぐ処したい気分だ。兄貴、良いやり方教えてくれ」
「そうだねぇ、過去にやってたえげつないヤツなら結構あるけど……イオスに言いたくないなぁ」
「ひとまず落ち着きましょう……。はぁ、隠し部屋で良かったです。おふたりのこんなお姿、セーラ様にも娘にもお見せできません」
「「婚約者が大事なのは当たり前だろう!」」
「それはそうですが、まるで皇帝陛下が3人居るようでなんとも……。とにかく、来週のフォス様の式の邪魔をしようとしている輩を排除します。既に大半を捕らえておりますが、尋問が進まないのでまだネズミが居るかもしれないのです」
「じゃあ、僕がやろうか。尋問」
「フォス様が?」
「過去に色々やってたからね。薬でぼんやりした記憶しかないけどやり方は覚えてるよ。試してみる価値はあるんじゃないかな?」
「兄貴の使用人、全員やたら忠誠心高かったもんな。オレも見てて良いか?」
「うーん……イオスには見せたくないなぁ」
「頼むよ、今更そんな事で嫌ったり引いたりしないからさ」
「まぁ、そうだね。良いよ」
「末恐ろしいような……頼もしいような……」
「デュバルはもう運命共同体だから諦めてくれ」
「よろしくね、父上」
そう言って笑う兄弟は、にこやかな顔をしていたが底知れぬ凄みがあり、デュバルは恐怖を覚えた。
だが、自分が恐ろしいと思うくらいの方が皇帝に相応しい。これなら、どちらが皇帝になっても安泰だとデュバルは密かに笑った。
その後、フォスの尋問により隣国の企みは露見し、イオスが自ら隣国に留学して、国内を引っ掻き回した結果、元締めは隣国の王子だと分かった。
隣国の王子は、セーラに横恋慕していたのだ。それを知ったイオスの怒りは凄まじく、フォスも手を貸した事で隣国の王子はあっさり破滅した。
更に、国にも多大なダメージを与え、隣国は壊滅。皇帝陛下の傘下に入った。皇帝陛下には、全てが済んでから報告したところ、予想通り怒り狂った。だが、既に獲物が手に入っていた為、国に手を出す事はなく、民に血が流れる事はなかった。
獲物は、皇帝陛下に丁重に進呈された。
「まさか、国が壊滅した理由がひとりのお姫様だなんて思わないよね。多分セーラは過去でも狙われてたんだろうね。僕も記憶はぼんやりだけど、フランツにやたらとセーラを勧められてたよ」
「……後宮問題もクソ王子の差金だったしな。多分過去でもセーラを助けて恩を売ろうとしたらオレが先に助けたんだ。さぞ悔しかっただろうよ」
「って事は僕が国を滅ぼしたのも……?」
「あの王子の差金だろうな。兄上の意思もあったかもしれねえけど。オレの記憶が確かなら、あのバカ王子はオレがセーラに襲われる寸前くらいで結婚しやがるんだ。多分、セーラの事はもうどうでも良くなったんじゃねぇか?」
「だから、あっさりセーラを捨て駒に出来たって事? 確かに、僕はさっさとセーラをイオスにけしかけようとしたのに、フランツがずっとストップをかけてたんだ。だけどある時を境に、それがなくなった。王子がセーラに興味がなくなったって事だったんだね」
「そうだろうな。今世で確かめられるか分かんねえけど」
「まだ獲物は生きてるかな? 確かめる?」
「やめようぜ。兄貴ならまだしも、父上の尋問を見る勇気はねぇよ」
「そうだね、母上に手を出したんだから、まだ生きてるか怪しいしね。生かして苦しめてるかもしれないけど」
「フォス様の尋問も恐ろしかったですが、皇帝陛下は別格ですからな」
「皇帝って、尋問も出来ないとダメなのか?」
「そのような事はありませんが、恐れられる事も皇帝には必要ですぞ」
「ならやっぱり、兄貴が向いてるよ」
「どうだろうね、怒り狂ったイオスもなかなかだったけど」
「兄貴だって、レミィ様に手を出されたらあんなもんじゃ済まないだろ?」
「……そうだね。イオスは優しいよ」
「優しいの基準が崩壊しておりますぞ。まぁ、頼もしい方が娘の夫で良かったですが……」
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