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第ニ十四話
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あれから調べてみましたが、やはり公爵家に該当する令嬢はおりませんでした。念のため、公爵家の令嬢を招いた茶会を数回開き、メイドに扮したクリスティーナ様に確認して頂きましたが、全員違うとのことでした。
そうなると、あり得るのは1人だけ。
わたくしです。
転生者は前世の容姿を引き継ぐ事が多いそうです。必ず、ではないようですけどね。わたくしが転生したせいで、元々のマリーの容姿が変わったのではないかと思います。他の条件は、全て当てはまりますもの。
予想はしておりましたが、セドリックは大騒ぎしました。わたくしが破滅などあり得ない、国も守ると。
そもそも、そんな夢物語を信じなくて良いだろうとも仰いました。
でも、クリスティーナ様のお話は、イベントとやらが起きておりますし、庶民の彼女が知らない筈の学園の内部情報もあります。夢物語と切り捨てられません。
「彼女が前世でしたゲームは、わたくし達が存在している現実を模したものだったのでしょうか。それとも……わたくし達はゲームの登場人物なんでしょうか?」
「どっちでも構わない。マリーさえ居れば」
「兄上のブレない姿勢は尊敬するけど、とりあえず現状を確認しよう。僕も無関係じゃないしね」
「要は敵国のスパイを見つければ解決する問題だ。誰かと恋仲にならなきゃいけないなら、ミシェルがクリスティーナ嬢とくっつけば良いだろ」
セドリックの弟のミシェル様が、ため息を吐いておられます。ミシェル様は、セドリックと1歳違いなのでわたくしと同い年です。商会の運営をされているからか、とてもしっかりなさっています。
セドリックと同じく、国王になる教育はほぼ終わっているそうです。
しっかり者のミシェル様は、大抵の事には動じません。いつも、穏やかな笑みを浮かべておられます。そんなミシェル様にため息を吐かせるセドリック……。また暴走しておりますわね。
「落ち着いて、セドリック。わたくしが何もしなければ解決するのではないの?」
「そう思ってクリスティーナ嬢に話を聞きに行ったんだ。そしたら……」
「兄上、迂闊に会いに行っちゃダメでしょ? イベントとやらが始まったんじゃないの?」
「その通りだ……やたらとクリスティーナ嬢に好意的なオレは気持ち悪かったと侍従に言われた。オレはその間の記憶がない。マリー……すまない……これは、浮気か……? 侍従が見ていたから、手も触れていないのは確認している。だが……まるでマリーに対する態度のように甘かったと言われた」
そう言って、セドリックはわたくしに縋ってきます。
「まぁ良いわ。セドリックの意思じゃないならとやかく言わないわよ。つまり、クリスティーナ様の仰るイベントは、本人の意思に関係なく、決められた行動をするのね。わたくしが悪役なら、わたくしも操られるのかしら? クリスティーナ様と普通にお話し出来ましたけど……」
「マリー姉さんの見た目が変わってるから別人とみなされて強制的なイベントは起きないか、まだイベントが起きる時期じゃないかだね」
「わたくしがクリスティーナ様を虐めるのは学園に入ってからと仰ってたわ」
「それだと、学園に入ってから姉さんの意思に反してクリスティーナさんを虐めちゃうかもね」
「そして、その間の記憶は無いのよね……厄介過ぎるわ」
「そうだねぇ、確かに兄上が言う通りスパイを見つける方が解決出来そうだけど……問題もあるよね」
「「問題?」」
「その、イベントとやらは必ず起こるの? その場合新たなスパイが来るだけなんて事にならない?」
そうなると、あり得るのは1人だけ。
わたくしです。
転生者は前世の容姿を引き継ぐ事が多いそうです。必ず、ではないようですけどね。わたくしが転生したせいで、元々のマリーの容姿が変わったのではないかと思います。他の条件は、全て当てはまりますもの。
予想はしておりましたが、セドリックは大騒ぎしました。わたくしが破滅などあり得ない、国も守ると。
そもそも、そんな夢物語を信じなくて良いだろうとも仰いました。
でも、クリスティーナ様のお話は、イベントとやらが起きておりますし、庶民の彼女が知らない筈の学園の内部情報もあります。夢物語と切り捨てられません。
「彼女が前世でしたゲームは、わたくし達が存在している現実を模したものだったのでしょうか。それとも……わたくし達はゲームの登場人物なんでしょうか?」
「どっちでも構わない。マリーさえ居れば」
「兄上のブレない姿勢は尊敬するけど、とりあえず現状を確認しよう。僕も無関係じゃないしね」
「要は敵国のスパイを見つければ解決する問題だ。誰かと恋仲にならなきゃいけないなら、ミシェルがクリスティーナ嬢とくっつけば良いだろ」
セドリックの弟のミシェル様が、ため息を吐いておられます。ミシェル様は、セドリックと1歳違いなのでわたくしと同い年です。商会の運営をされているからか、とてもしっかりなさっています。
セドリックと同じく、国王になる教育はほぼ終わっているそうです。
しっかり者のミシェル様は、大抵の事には動じません。いつも、穏やかな笑みを浮かべておられます。そんなミシェル様にため息を吐かせるセドリック……。また暴走しておりますわね。
「落ち着いて、セドリック。わたくしが何もしなければ解決するのではないの?」
「そう思ってクリスティーナ嬢に話を聞きに行ったんだ。そしたら……」
「兄上、迂闊に会いに行っちゃダメでしょ? イベントとやらが始まったんじゃないの?」
「その通りだ……やたらとクリスティーナ嬢に好意的なオレは気持ち悪かったと侍従に言われた。オレはその間の記憶がない。マリー……すまない……これは、浮気か……? 侍従が見ていたから、手も触れていないのは確認している。だが……まるでマリーに対する態度のように甘かったと言われた」
そう言って、セドリックはわたくしに縋ってきます。
「まぁ良いわ。セドリックの意思じゃないならとやかく言わないわよ。つまり、クリスティーナ様の仰るイベントは、本人の意思に関係なく、決められた行動をするのね。わたくしが悪役なら、わたくしも操られるのかしら? クリスティーナ様と普通にお話し出来ましたけど……」
「マリー姉さんの見た目が変わってるから別人とみなされて強制的なイベントは起きないか、まだイベントが起きる時期じゃないかだね」
「わたくしがクリスティーナ様を虐めるのは学園に入ってからと仰ってたわ」
「それだと、学園に入ってから姉さんの意思に反してクリスティーナさんを虐めちゃうかもね」
「そして、その間の記憶は無いのよね……厄介過ぎるわ」
「そうだねぇ、確かに兄上が言う通りスパイを見つける方が解決出来そうだけど……問題もあるよね」
「「問題?」」
「その、イベントとやらは必ず起こるの? その場合新たなスパイが来るだけなんて事にならない?」
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