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第ニ十五話
「あり得ますけど……それならどうしますか?」
「スパイは見つけておいて、泳がせるしかないな。幸い、学園に通える年齢だと分かってるし、まだ探しやすいだろう。どっかの貴族になりすますんじゃないか? 最悪のパターンは、本物の貴族が裏切者の場合だけど……どちらにしても、早めに特定して嘘の情報でも流してやれば良いよ」
敵国は、恐らく資源を狙っているA国と食料不足に悩むB国です。どちらも、不平等条約を押し付けようとしてきたり、格安で食料を求めたりとやりたい放題しています。当然ですが、どの国からも相手にされていません。ですが、2カ国が組んでうちを手に入れようとしているなら我が国が滅ぼされる可能性はゼロではありません。
きっと、ゲームではその最悪のルートを辿ったのでしょうね。わたくしのせいで。
「なるほど、情報を流すのは私の役目ですね」
「まぁ、そうなるね。姉さんが適任だろう」
「ダメだ。マリーにそんな危険な事させられない」
「そうは言っても、スパイに気がつくのはわたくしなんでしょう? しばらくは、わたくしにわざと嘘の情報を流して下さいな。そうすれば、操られても流す情報は嘘ばかりで済みますもの」
「それは良いかもね。姉さんは王妃教育は受けてるけど、公務はまだ少ししかしてないから、学園卒業までは公務は控えて、出入りできるエリアも限定した方が良い。そうすれば、姉さんが入ってはいけないエリアにいれば操られている可能性が高いと判断できる」
「そうね、わたくしに監視をつけて下さいな」
「マリー、それは……」
「大丈夫、その方が安心だもの」
「……」
「セドリック?」
「兄上、どうしたの?」
「……今すぐどうにかしてくる」
セドリックは、そう言って部屋を出て行きました。あの目をしているセドリックは、何か言っても無駄です。
それに、確実に結果を出しますから、大人しく待つとしましょう。
「ミシェル様、お茶に致しましょうか?」
「姉さん、落ち着いてるね。いいの、あの兄上を放っておいて」
「ああなったセドリックに何か言っても無駄よ。それに、何かしら成果は出してくるわ。下手にわたくしが動いたらセドリックの邪魔になるもの。こういう時は大人しくセドリックを待てば良いわ」
「……なるほどね。父上達にも伝えておくよ。暴走した兄上の対応には、いつも苦慮していたんだ。マリー姉さんが来てからは落ち着いてたからすっかり忘れていたよ。確かに止めようとしたら余計怒られてたからね。そっか、あの時は兄上を放置すれば良かったのか……」
「余程無茶をしたり、ルールやマナーに外れた事をするなら問題ですけど、セドリックはその辺りは弁えているでしょう?」
「確かに、そうだね。ただ、あの勢いに翻弄される周りは大変だけど」
「セドリックから具体的な指示を出されない限りは、少し離れて見守るか、席を外せば良いわ」
「放置するって事……?」
「ええ、セドリックなら放置しても問題ないでしょう?」
「姉さん、兄上は一応王位継承権がある王族なんだよ。ひとりで放置は出来ないよ」
「あ、そうですわね。すっかり前世の旦那様対処マニュアルを説明している気分でしたわ」
「なにその魅力的なマニュアル! 姉さん! そのマニュアル作ってよ!」
わたくし、前世はメモ魔でした。旦那様と暮らしていると、先ほどの様な事は良くありましたから、パターンに応じて適切な対処を学んでメモしておりました。旦那様に見つかって、恥ずかしいと言われましたが、その後もメモは続けておりました。
メモが見つかってからしばらくは、暴走癖は収まっておりましたわ。
あくまでわたくしの個人メモだったのですが……ミシェル様の期待に満ちた目を見ると、出来ませんとは言えません。
「かしこまりました。ちょっとしたメモ程度ですが、書き出しておきますわね」
「スパイは見つけておいて、泳がせるしかないな。幸い、学園に通える年齢だと分かってるし、まだ探しやすいだろう。どっかの貴族になりすますんじゃないか? 最悪のパターンは、本物の貴族が裏切者の場合だけど……どちらにしても、早めに特定して嘘の情報でも流してやれば良いよ」
敵国は、恐らく資源を狙っているA国と食料不足に悩むB国です。どちらも、不平等条約を押し付けようとしてきたり、格安で食料を求めたりとやりたい放題しています。当然ですが、どの国からも相手にされていません。ですが、2カ国が組んでうちを手に入れようとしているなら我が国が滅ぼされる可能性はゼロではありません。
きっと、ゲームではその最悪のルートを辿ったのでしょうね。わたくしのせいで。
「なるほど、情報を流すのは私の役目ですね」
「まぁ、そうなるね。姉さんが適任だろう」
「ダメだ。マリーにそんな危険な事させられない」
「そうは言っても、スパイに気がつくのはわたくしなんでしょう? しばらくは、わたくしにわざと嘘の情報を流して下さいな。そうすれば、操られても流す情報は嘘ばかりで済みますもの」
「それは良いかもね。姉さんは王妃教育は受けてるけど、公務はまだ少ししかしてないから、学園卒業までは公務は控えて、出入りできるエリアも限定した方が良い。そうすれば、姉さんが入ってはいけないエリアにいれば操られている可能性が高いと判断できる」
「そうね、わたくしに監視をつけて下さいな」
「マリー、それは……」
「大丈夫、その方が安心だもの」
「……」
「セドリック?」
「兄上、どうしたの?」
「……今すぐどうにかしてくる」
セドリックは、そう言って部屋を出て行きました。あの目をしているセドリックは、何か言っても無駄です。
それに、確実に結果を出しますから、大人しく待つとしましょう。
「ミシェル様、お茶に致しましょうか?」
「姉さん、落ち着いてるね。いいの、あの兄上を放っておいて」
「ああなったセドリックに何か言っても無駄よ。それに、何かしら成果は出してくるわ。下手にわたくしが動いたらセドリックの邪魔になるもの。こういう時は大人しくセドリックを待てば良いわ」
「……なるほどね。父上達にも伝えておくよ。暴走した兄上の対応には、いつも苦慮していたんだ。マリー姉さんが来てからは落ち着いてたからすっかり忘れていたよ。確かに止めようとしたら余計怒られてたからね。そっか、あの時は兄上を放置すれば良かったのか……」
「余程無茶をしたり、ルールやマナーに外れた事をするなら問題ですけど、セドリックはその辺りは弁えているでしょう?」
「確かに、そうだね。ただ、あの勢いに翻弄される周りは大変だけど」
「セドリックから具体的な指示を出されない限りは、少し離れて見守るか、席を外せば良いわ」
「放置するって事……?」
「ええ、セドリックなら放置しても問題ないでしょう?」
「姉さん、兄上は一応王位継承権がある王族なんだよ。ひとりで放置は出来ないよ」
「あ、そうですわね。すっかり前世の旦那様対処マニュアルを説明している気分でしたわ」
「なにその魅力的なマニュアル! 姉さん! そのマニュアル作ってよ!」
わたくし、前世はメモ魔でした。旦那様と暮らしていると、先ほどの様な事は良くありましたから、パターンに応じて適切な対処を学んでメモしておりました。旦那様に見つかって、恥ずかしいと言われましたが、その後もメモは続けておりました。
メモが見つかってからしばらくは、暴走癖は収まっておりましたわ。
あくまでわたくしの個人メモだったのですが……ミシェル様の期待に満ちた目を見ると、出来ませんとは言えません。
「かしこまりました。ちょっとしたメモ程度ですが、書き出しておきますわね」
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