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第二十八話
「いよいよ、入学ですね。なんだか、怖いです」
「大丈夫ですよ。クリスティーナ様は侯爵家の養子となりましたし、礼儀作法もバッチリです。例の問題も、決めた予定をこなすだけで良いのですから。あとは学園生活を楽しみましょう」
「はい! ありがとうございます! マリー様が居て本当に良かったです。あ、あんまり近づいたらまたセドリック様に睨まれちゃう。って言うか……もう壇上から睨んでますね。ストーリーだと、セドリック様は上級生の筈なのに……」
「既に貴方の知るストーリーとはだいぶ違うわよね」
「そうですね。誰も婚約者は居なかった筈なのに今ではミシェル様以外は素敵な婚約者がいらっしゃいますものね」
それは、セドリック達の仕業です。ミシェル様がクリスティーナ様を気に入ったので、外堀を埋めようとしているだけですわ。わざわざ高位貴族の養子にする必要はなかったのに、信用出来る貴族にミシェル様お気に入りの令嬢だと紹介して養子にしてしまいました。クリスティーナ様は家族と縁を切りたがっていたので喜んでいましたが、既にミシェル様のお相手候補になっている事には気がついておられません。
クリスティーナ様が養子となった家はみんなお優しいので、問題なく過ごされています。
……わざわざ調査する辺り、ミシェル様もだいぶクリスティーナ様を気に入っておりますわよね。
あの時の会話は、とてもクリスティーナ様には聞かせられません。
「兄上を見ていると、手段は選ばなくて良いかなって思うんだ。身分はクリアしたから、あとは口説けば良いんだけど……僕が口説くとイベントだと思われて怯えられる。兄上、早く全部終わらせようよ」
「分かってる。クリスティーナ嬢には、ミシェルのとイベントを進めると言ってある。その時さりげなく口説け。その為にわざわざあいつらが気に入る令嬢をマリーから紹介してもらったんだ。婚約者に誤解されたら困るから、相手の居ないミシェルなら問題無いと言えば、クリスティーナ嬢は疑いもしなかったぞ」
「そう……素直で可愛いね」
「でも、焦るなよ? 彼女はミシェルが甘い言葉を言ったら泣くぞ?」
「分かってるよ。これでもだいぶ我慢してるんだから。ようやく2人きりの時はお互い呼び捨てに出来るようになったのに、イベントの練習だと思ってるし……全然伝わらないよ。ああそうだ、害虫には令嬢も居たよね? あれ、僕を狙ってるんだ。クリスティーナに何かしたら予定を早めて潰して良い?」
「駄目だ。手を出させないようにしろ。大事な女性が傷つく要素は全て排除しろ。それくらい出来ないなら彼女は諦めろ」
「厳しいなぁ、兄上は。でもまぁ、そうだね。ルナを借りて良い?」
「ルナはマリーを守ってるんだぞ」
「ミナがいるでしょ? たまにで良いから」
「駄目だ。クリスティーナ嬢の守りは自分で固めろ」
「僕の密偵はみんな男なの! 男を近づけさせたくないでしょ?!」
とんでもない兄弟喧嘩を繰り広げる2人に、王妃様が専属の密偵を貸してくださる事になりました。王妃様の密偵は、人数も分からないし顔も知りません。王妃様の密偵が学園に潜入すると聞くと、ルナとミナが震え上がっていましたから、腕は立つのでしょう。
何名いるのかはわたくしも知りませんが、常に潜んでいるそうですから、クリスティーナ様の安全は確保されます。
わたくしは、セドリックの婚約者ですから危険は少ないのですが、クリスティーナ様は正式なミシェル様の婚約者ではありません。それなのに噂だけは広がっていますから、危険なのです。セドリックがわたくしに夢中でしたから、フリーと思われていたミシェル様は令嬢から狙われています。
自分の娘を王妃にと思っている貴族は、クリスティーナ様に危害を加えるかもしれません。
守りを固めるのはどうしても必要です。王妃様のおかげで、安心して学園生活を送れます。
「わたくしは2年間はあまりお忍びをしない事にするわ。その代わり、学園を卒業したらさっさとどちらかが即位しなさい。王妃は疲れるわ。そろそろ自由になりたいの」
「とんでもない交換条件を出してきましたね。でも、ミシェルなら立派な王になりますよ」
「何勝手に僕に押し付けようとしてるんですか?! 兄上の方が得意でしょう?! 前世持ちで、夫婦だったんだから市民の支持はあるし、貴族だってほとんどが兄上が即位すると思ってますよ!!」
「どちらかが国王なのは決まってるし、頑張ってね。兄様達」
「「女王でも良いんだぞ?」」
王位を押し付け合う3人は、王妃様から1時間説教をされておりました。それを眺めながら飲むお茶はなんだかしょっぱい味がした気がします。
逃げ出したかったのですが、王妃様が良い笑顔で引き留めるので、逃げられませんでしたわ。
「大丈夫ですよ。クリスティーナ様は侯爵家の養子となりましたし、礼儀作法もバッチリです。例の問題も、決めた予定をこなすだけで良いのですから。あとは学園生活を楽しみましょう」
「はい! ありがとうございます! マリー様が居て本当に良かったです。あ、あんまり近づいたらまたセドリック様に睨まれちゃう。って言うか……もう壇上から睨んでますね。ストーリーだと、セドリック様は上級生の筈なのに……」
「既に貴方の知るストーリーとはだいぶ違うわよね」
「そうですね。誰も婚約者は居なかった筈なのに今ではミシェル様以外は素敵な婚約者がいらっしゃいますものね」
それは、セドリック達の仕業です。ミシェル様がクリスティーナ様を気に入ったので、外堀を埋めようとしているだけですわ。わざわざ高位貴族の養子にする必要はなかったのに、信用出来る貴族にミシェル様お気に入りの令嬢だと紹介して養子にしてしまいました。クリスティーナ様は家族と縁を切りたがっていたので喜んでいましたが、既にミシェル様のお相手候補になっている事には気がついておられません。
クリスティーナ様が養子となった家はみんなお優しいので、問題なく過ごされています。
……わざわざ調査する辺り、ミシェル様もだいぶクリスティーナ様を気に入っておりますわよね。
あの時の会話は、とてもクリスティーナ様には聞かせられません。
「兄上を見ていると、手段は選ばなくて良いかなって思うんだ。身分はクリアしたから、あとは口説けば良いんだけど……僕が口説くとイベントだと思われて怯えられる。兄上、早く全部終わらせようよ」
「分かってる。クリスティーナ嬢には、ミシェルのとイベントを進めると言ってある。その時さりげなく口説け。その為にわざわざあいつらが気に入る令嬢をマリーから紹介してもらったんだ。婚約者に誤解されたら困るから、相手の居ないミシェルなら問題無いと言えば、クリスティーナ嬢は疑いもしなかったぞ」
「そう……素直で可愛いね」
「でも、焦るなよ? 彼女はミシェルが甘い言葉を言ったら泣くぞ?」
「分かってるよ。これでもだいぶ我慢してるんだから。ようやく2人きりの時はお互い呼び捨てに出来るようになったのに、イベントの練習だと思ってるし……全然伝わらないよ。ああそうだ、害虫には令嬢も居たよね? あれ、僕を狙ってるんだ。クリスティーナに何かしたら予定を早めて潰して良い?」
「駄目だ。手を出させないようにしろ。大事な女性が傷つく要素は全て排除しろ。それくらい出来ないなら彼女は諦めろ」
「厳しいなぁ、兄上は。でもまぁ、そうだね。ルナを借りて良い?」
「ルナはマリーを守ってるんだぞ」
「ミナがいるでしょ? たまにで良いから」
「駄目だ。クリスティーナ嬢の守りは自分で固めろ」
「僕の密偵はみんな男なの! 男を近づけさせたくないでしょ?!」
とんでもない兄弟喧嘩を繰り広げる2人に、王妃様が専属の密偵を貸してくださる事になりました。王妃様の密偵は、人数も分からないし顔も知りません。王妃様の密偵が学園に潜入すると聞くと、ルナとミナが震え上がっていましたから、腕は立つのでしょう。
何名いるのかはわたくしも知りませんが、常に潜んでいるそうですから、クリスティーナ様の安全は確保されます。
わたくしは、セドリックの婚約者ですから危険は少ないのですが、クリスティーナ様は正式なミシェル様の婚約者ではありません。それなのに噂だけは広がっていますから、危険なのです。セドリックがわたくしに夢中でしたから、フリーと思われていたミシェル様は令嬢から狙われています。
自分の娘を王妃にと思っている貴族は、クリスティーナ様に危害を加えるかもしれません。
守りを固めるのはどうしても必要です。王妃様のおかげで、安心して学園生活を送れます。
「わたくしは2年間はあまりお忍びをしない事にするわ。その代わり、学園を卒業したらさっさとどちらかが即位しなさい。王妃は疲れるわ。そろそろ自由になりたいの」
「とんでもない交換条件を出してきましたね。でも、ミシェルなら立派な王になりますよ」
「何勝手に僕に押し付けようとしてるんですか?! 兄上の方が得意でしょう?! 前世持ちで、夫婦だったんだから市民の支持はあるし、貴族だってほとんどが兄上が即位すると思ってますよ!!」
「どちらかが国王なのは決まってるし、頑張ってね。兄様達」
「「女王でも良いんだぞ?」」
王位を押し付け合う3人は、王妃様から1時間説教をされておりました。それを眺めながら飲むお茶はなんだかしょっぱい味がした気がします。
逃げ出したかったのですが、王妃様が良い笑顔で引き留めるので、逃げられませんでしたわ。
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