旦那様は、転生後は王子様でした

編端みどり

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第三十二話

「クリスティーナ、その……こんな形で言うつもりは無かったんだけど……僕はクリスティーナが好きなんだ。王妃はマリー姉さんがなってくれる。クリスティーナはあまり表に出るのは好きじゃないんだろう?」

「確かに……そうですけど……その為に王位を諦めるんですか?」

「何か誤解してるみたいだね。僕は王位を継ぎたいわけではないよ。兄上もそうだね。だけど、国王に向いているのは兄上だ。王妃だって、マリー姉さんなら完璧でしょ? わざわざ僕らがやる理由がある?」

「そりゃ……ありませんけど……」

「僕は、クリスティーナが好きなんだ。悪いけどクリスティーナが僕を振っても他の令嬢とは結婚しないよ?」

「ま、待ってください! ミシェルは王子様でしょう?」

「そ、王子だよ。でも、兄上が居る。しかも、兄上には完璧な伴侶まで居るんだ。ちょっと僕が我儘言っても良いと思わない? 王家が嫌なら、僕が王家を抜けようか?」

「そんなのダメですよ!」

「じゃあ、僕と結婚してくれる?」

「なんでそうなるんですか……」

「クリスティーナは、僕の事が嫌いかな?」

「いいえ、ミシェルは好きよ。でも……」

「恋愛対象ではない?」

「分からない。分からないの」

「クリスティーナは、兄上は好き? マリー姉さんは?」

「どちらも好きですよ。特に、マリー様は大好きです」

「妬けちゃうね。じゃあさ、兄さんや姉さんに対する好きと、僕に対する好き。同じ?」

「……多分、違います」

「僕は学園に入ってからずっとクリスティーナのエスコートをしていたよね? もし、僕が他の令嬢をエスコートしていたらどう思う?」

「嫌……嫌です!」

「僕もだよ。クリスティーナに近づく男を見ると灼けつくような不快感が襲ってくるんだ。兄上と話すのも、正直嫌だね」

「そ、そうなんですか! ごめんなさい! 確かに私もマリー様とミシェルが楽しそうに話してるとなんだかモヤモヤするの」

「ふふっ、それってクリスティーナがマリー姉さんに嫉妬してるんだよね?」

「嫉妬……これが……」

「クリスティーナは、僕が好きだよね? 僕もクリスティーナが大好きだよ。こんな事、いっぱいしたいし」

「て、手にキスってなんのアニメですか! 現実で初めて見ましたよ!」

「兄上はいつもしてるけど」

「さすがセドリック様……」

「ねぇ、この状況で他の男の話なんてしないでくれる? クリスティーナ、僕と結婚してくれるよね?」

「……は、はいぃ……よろしくお願いします……」

「やった! マリー姉さんが、クリスティーナはちょっと強引な方が好きだって聞いてたけど、オッケー貰えて嬉しいよ!」

「わんこ系同級生……実は肉食とか……お腹いっぱいなんだけど……」

「クリスティーナ、どうしたの?」

「な、なんでもないです!」

「ホントに? 他の男の事でも考えてた? わんこ系同級生って何? 他の男がクリスティーナを口説いたの?」

「違う! 違うのっ! やっ……、待って……」

鈴の音が響き駆けつけたわたくし達が見たのは、満足そうなミシェル様と、息も絶え絶えなクリスティーナ様でした。

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