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生まれたての弱者
デンジャラス・フォレストその②
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化物二体に気づかれないように逃げるのは容易なことのように思われた。
しかし不運なことに化物たちに戦闘は縦横無尽に行われたのだ。
どこにそんな力があるのかという程森の中を駆け回る二匹の怪物。
そんな二匹に圧倒され遂にアラックとアシュリーは森を出ることも叶わずに裂けてできた木の穴に竦んで身を寄せ合っていた。
「ま、魔王候補がびびってんじゃねーよ」
「び、びびってないし!?」
お互いに声が裏返っておりアラックは引きつった笑いが顔に張り付いていた。
アシュリーもそれに負けじとカタカタコツコツと己の骨を鳴らしていた。
そんな中で近くでハイオーガかジャイアントの唸り声が聞こえてきた。
飢えた獣のそれと同じ唸り声は2人を大層震え上がらせた。
良く周りを観察してみればいつの間にか戦闘音が消えていることに気がついた。
「決着がついたのか?」
「じゃあ見てきなさいよ」
「はぁ!?ふざけんなよお前が行けよ!」
「嫌に決まってるでしょ!」
「この他力本願弱虫魔王!」
「何を!?このただの雑魚!」
「ぷぷー、語彙力なさすぎー!」
「むきー!!」
「おっと、こいつは骨じゃなくて猿だったかー」
「死に晒せー!」
アシュリーが剣を手にアラックを切ろうとした瞬間だ。
木が引きちぎられる乾いた重い音が頭上から響いた。
おがくずが降り注ぐ中で喧嘩を中断して空を見ればそこには先程ハイオーガと殴り合っていたジャイアントがこちらを見下ろしていた。
「んん?声がすると思えばこんなところにスケルトンとゴーストが居やらぁ」
「命だけはご勘弁を!」
「私たちはしがない雑魚モンスターです!」
「…知能が高いのに雑魚とはいかんだろうさ…と、そこのスケルトン」
ジャイアントに指名されて背筋をピンと伸ばす。
「ははい!?」
「ちょっとそっから出て来て」
「え、え私ですか?」
「そうお前」
するとアシュリーはアラックの方を見据える。
「な、なんだよ」
「ツイテキテ…」
「…オゥ」
悲痛な声に訴えられ渋々木の穴から出ていく。
「え、えっとそれでなんでございましょうか?」
「…お前魔王候補か?」
ピシリとアシュリーの骨にひびが入った様な気がした。
「え?え?ウェ?そんなまさか!私が?ないないない!そもそも魔王候補同士は感覚でわかるはずでしょ!?」
必死に取り繕う様は正に魔王候補とは真逆の姿勢だった。
そんな様子のアシュリーを見てジャイアントは。
「そうだよなぁ、なんかお前からは妙な感じがすると思ったけど勘違いかなぁ…でも、うーん」
「あ、もしかしたら私たちの主である魔王候補の方の感覚が少し残っているのかもしれません!」
こいつ!
言うに事書いてとんでもないこと言いやがった!
アシュリーは既にこの場から逃げたいからか口八丁、嘘を並べていた。
もう目もぐるんぐるんである。思考が定まっていたい証拠だった。
「お、おい何言い出してんだ!」
直様アラックがアシュリーの口を抑えて止める。
が、既に遅かった。
いや、この行動がアシュリーの言った証言をある意味補填してしまった。
「ほぅ、つまり近くに他の魔王候補が居ると、配下がいるなら当然だろう、下級の魔物を従えているのならまだ本人も弱いはず。今からつぶしておくか」
「さっきのハイオーガはいいんですか…?」
「そうだった、そっちが残ってた。手負いにはさせたが隠れられてしまって探していた所だったんだ探さないと
」
「じゃ、じゃあ自分たちはこれで…」
そそくさと離れようとしてジャイアントがジャンプして行く手を阻んだ。
「何言ってんだ?」
「ナンノコトデショウカ…」
「魔王配下なら敵だ、ここで潰す」
ジャイアントの拳が暴れ牛のごとく迫ってきた。
こんなものが当たれば物理耐性をいくら持っていてもワンパンで消えてしまう。
かくなる上はとアラックは叫んだ。
「待ってくだじゃい!」
「なんだ?命乞いか?」
「え、えっと…そう!実はお、僕たちの主はあなたが戦っていたハイオーガなんです!」
「ほう?」
何が言いたいのか気づいたのかジャイアントは拳を引いた。
「だ、だから僕たちは手負いのハイオーガの居場所を知っています!」
「つまり?」
分かりきった返答だ。
だが生きるために言葉を紡ぐ。
「案内させてください!」
「ちょっと何言ってんのよ!?」
先ほどとは真逆にアシュリーが立ちふさがる。
アシュリーが言いたいのは私たちはハイオーガの場所なんて知らないわよ、だ。
だがこのリアクションがジャイアントに再び信憑性を持たせた。
ジャイアントからして見れば自分たちは魔王候補の配下と名乗り、そしてその主がハイオーガであると言い、案内すると言うのだ。
嘘を進めた結果ジャイアントからはこう見られている。
そして今のアシュリーの行動は裏切った配下に怒っているようにも見えるのだ。
「よし、案内役を任せよう」
この通りである。
見事、出来もしないことを任されて命を紡いだのだ。
これが吉とでるか凶とでるかは直ぐに分かることだろう。
しかし不運なことに化物たちに戦闘は縦横無尽に行われたのだ。
どこにそんな力があるのかという程森の中を駆け回る二匹の怪物。
そんな二匹に圧倒され遂にアラックとアシュリーは森を出ることも叶わずに裂けてできた木の穴に竦んで身を寄せ合っていた。
「ま、魔王候補がびびってんじゃねーよ」
「び、びびってないし!?」
お互いに声が裏返っておりアラックは引きつった笑いが顔に張り付いていた。
アシュリーもそれに負けじとカタカタコツコツと己の骨を鳴らしていた。
そんな中で近くでハイオーガかジャイアントの唸り声が聞こえてきた。
飢えた獣のそれと同じ唸り声は2人を大層震え上がらせた。
良く周りを観察してみればいつの間にか戦闘音が消えていることに気がついた。
「決着がついたのか?」
「じゃあ見てきなさいよ」
「はぁ!?ふざけんなよお前が行けよ!」
「嫌に決まってるでしょ!」
「この他力本願弱虫魔王!」
「何を!?このただの雑魚!」
「ぷぷー、語彙力なさすぎー!」
「むきー!!」
「おっと、こいつは骨じゃなくて猿だったかー」
「死に晒せー!」
アシュリーが剣を手にアラックを切ろうとした瞬間だ。
木が引きちぎられる乾いた重い音が頭上から響いた。
おがくずが降り注ぐ中で喧嘩を中断して空を見ればそこには先程ハイオーガと殴り合っていたジャイアントがこちらを見下ろしていた。
「んん?声がすると思えばこんなところにスケルトンとゴーストが居やらぁ」
「命だけはご勘弁を!」
「私たちはしがない雑魚モンスターです!」
「…知能が高いのに雑魚とはいかんだろうさ…と、そこのスケルトン」
ジャイアントに指名されて背筋をピンと伸ばす。
「ははい!?」
「ちょっとそっから出て来て」
「え、え私ですか?」
「そうお前」
するとアシュリーはアラックの方を見据える。
「な、なんだよ」
「ツイテキテ…」
「…オゥ」
悲痛な声に訴えられ渋々木の穴から出ていく。
「え、えっとそれでなんでございましょうか?」
「…お前魔王候補か?」
ピシリとアシュリーの骨にひびが入った様な気がした。
「え?え?ウェ?そんなまさか!私が?ないないない!そもそも魔王候補同士は感覚でわかるはずでしょ!?」
必死に取り繕う様は正に魔王候補とは真逆の姿勢だった。
そんな様子のアシュリーを見てジャイアントは。
「そうだよなぁ、なんかお前からは妙な感じがすると思ったけど勘違いかなぁ…でも、うーん」
「あ、もしかしたら私たちの主である魔王候補の方の感覚が少し残っているのかもしれません!」
こいつ!
言うに事書いてとんでもないこと言いやがった!
アシュリーは既にこの場から逃げたいからか口八丁、嘘を並べていた。
もう目もぐるんぐるんである。思考が定まっていたい証拠だった。
「お、おい何言い出してんだ!」
直様アラックがアシュリーの口を抑えて止める。
が、既に遅かった。
いや、この行動がアシュリーの言った証言をある意味補填してしまった。
「ほぅ、つまり近くに他の魔王候補が居ると、配下がいるなら当然だろう、下級の魔物を従えているのならまだ本人も弱いはず。今からつぶしておくか」
「さっきのハイオーガはいいんですか…?」
「そうだった、そっちが残ってた。手負いにはさせたが隠れられてしまって探していた所だったんだ探さないと
」
「じゃ、じゃあ自分たちはこれで…」
そそくさと離れようとしてジャイアントがジャンプして行く手を阻んだ。
「何言ってんだ?」
「ナンノコトデショウカ…」
「魔王配下なら敵だ、ここで潰す」
ジャイアントの拳が暴れ牛のごとく迫ってきた。
こんなものが当たれば物理耐性をいくら持っていてもワンパンで消えてしまう。
かくなる上はとアラックは叫んだ。
「待ってくだじゃい!」
「なんだ?命乞いか?」
「え、えっと…そう!実はお、僕たちの主はあなたが戦っていたハイオーガなんです!」
「ほう?」
何が言いたいのか気づいたのかジャイアントは拳を引いた。
「だ、だから僕たちは手負いのハイオーガの居場所を知っています!」
「つまり?」
分かりきった返答だ。
だが生きるために言葉を紡ぐ。
「案内させてください!」
「ちょっと何言ってんのよ!?」
先ほどとは真逆にアシュリーが立ちふさがる。
アシュリーが言いたいのは私たちはハイオーガの場所なんて知らないわよ、だ。
だがこのリアクションがジャイアントに再び信憑性を持たせた。
ジャイアントからして見れば自分たちは魔王候補の配下と名乗り、そしてその主がハイオーガであると言い、案内すると言うのだ。
嘘を進めた結果ジャイアントからはこう見られている。
そして今のアシュリーの行動は裏切った配下に怒っているようにも見えるのだ。
「よし、案内役を任せよう」
この通りである。
見事、出来もしないことを任されて命を紡いだのだ。
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