【勢い小説】転生したらただの〇〇〇〇でした

しゅーげつ

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第一章 とある牢獄でひっそり横たわる男へ

第五話

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ちゃーちゃっちゃ、ちゃららら~
ちゃーちゃっちゃ、ちゃららら~


オレは白骨系ニート、ただのしかばね。
ある組織にトラックで跳ねられ、文字通り骨になってしまった!

骨になっても~構わない!

たった一つの魂救う、
見た目は白骨、意識はおっさん!

その名は――



「ねぇ~トンスラ~ はやくヤっちゃってよそいつ~」


俺はトンスラじゃねえよ!!
脳内ナレーションに割り込むんじゃねえ!


しかし、そんな事をしている場合でも無いオレだ。
しかも若干話盛ったし。


このふわっふわした魂型モンスターは、
地に足が付いてない感が今までの動かない白骨状態と正直大差がない。

が、どうやら口はあるようなので、
何かを発する事はできるようだ……



「キシャー!!」


キシャーじゃねえよ!!!
いや、真っ当なモンスターの叫び声っぽいけども!!

『キ』と『シャ』だけで何をどう伝えろってんだ!!


「キシャー!キシャーキシャー!!」


『記者が汽車で帰社』
駄目だ!!マスコミは関係無い!!


「ねぇ~~~何か騒いでるよ~~
 襲ってくる前に倒しちゃおうよ~~」

「で、でも……僕は剣が――」
「私に任せろ!!」


「唸れ剛剣!!! 轟け雷鳴!!!」

厨二病前回の台詞を唐突に張り上げたビキニ戦士は、
腰を落とし両手を振りかぶる――

「……我が身を糧に彼の魔を打ち砕け!!!」

気まずそうにフッと眼を背ける勇者と僧侶、
明らかに鼻で笑っている遊び人に気を取られる暇も無く、

「全!!!ピー!!!! 全霊…… 斬り!!!!!!!!」


高速で振り下ろされた白銀の長剣は、
まるで轟く規制音が一筋の雷光のように、



オレ――が間借りした魂型モンスターのドタマを、
スイカのようにカチ割った!!


だあああああ!! はい、しんだー!!!!



通り過ぎた剣は石畳の床を穿ち、
四方に爆音と礫を撒き散らす。


……しかし痛みはない。


ふよふよと分かれた左右の身体が、
ふよふよと漂い、ゆっくりと元に戻る。


やっべー、またしぬかと……


「デブゥ(俺に任せろ」

腹の立つドヤ顔で屈み込む露出戦士の肩に手を置いたクソピエロが、
剣速より速くぶん殴られて吹っ飛んだ。


気持ちは分かる。腹立つよな顔が。


鉄格子まで吹っ飛んで床を舐めたピエロは、
ムクリと効いていないかのように起き上がると、

そこらへんの瓦礫を適当に掻き集めて、

お手玉のように放り投げる!!

ぶわっと頭上から降り注ぐ石の雨――



ポソッ ポソッと身体を貫通し、無数の小石が床に転げ落ちる。
勿論ダメージは無い。

が、ウザイ。
精神攻撃としてはそれなりのようだ。


つか、遊び人ならバニーガールの方がよかったんじゃないか??
どう考えても勇者パーティーの募集要項に添ってんのはあっちだろ。

「……やっぱりバニーさん空くまで待つんだったかな」

ぼそっと呟く勇者に、
クソの役にも立たない紅白ダルマがニヤリと返す。


ああ……そいつしか居なかったのね。
少子化で人手不足なんだろうが、勢いだけで生きてる自称勇者は、
その場のノリで採用しちゃったか。


そりゃそうだろうよ。
三角肉達磨のピエロと、ムチムチバニーさんならどっち選ぶよ。

どこにバニーよりバカーを選ぶ勇者が居るってんだ……
っていたね目の前に。

なんかもうトンスラが他人に見えなくなってきていた。



とにもかくにも、このままじゃ手詰まりな事も事実だ。

幸い魔法使いが居ないので、オレに直接ダメージを与える奴は居ない。
ただなんせオレも話せない……何とか意図を伝える方法は無いのか!?



その時……!
圧倒的閃きっ…………!!

オレの脳裏に電流走る――!!



身!体!言!語!!


これなら口下手なオレでも何とかなるぞ!!


よく分からない理論で武装し、
根拠の無い自信で自らを鼓舞したオレは、
戸惑う一行の前に仁王立ち――浮き して、

ゆっくりと眼(らしき何か)を閉じ、


カっと(何かを)見開いた!!
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