悪役令嬢になりたくて〜

ひまり

文字の大きさ
8 / 9

僕の妹ーリアンside

しおりを挟む
僕には可愛い可愛い妹がいる

そうとにかく可愛い。

前は見た目は天使で中身はちょっと……いやだいぶお馬鹿だったんだが……
この前の事件の後から、すごく賢くなった。

賢くなったし、抱き寄せたり近づいたりすると、頬を赤らませオドオドする。

なっなんて可愛いんだ。

今までは抱き寄せたりしても恥ずかしがったりせずお兄さま!って言ってたのに…
急に大人の女の様な反応に
僕はまた心打たれた……。

殿下との婚約話も早急に片付けなければならない。でも、今のリリィに殿下は惚れるだろう。前も可愛かったが今は色香もあるし、初々しくもある。

だが、あげない。

なぜかあの日からお金を貯めてるのも知っているし、毎日数えてニマニマしているのもしってる。それを誰にもバレてないと、思っている可愛い考えも…………実は使用人含め家族全員が知ってるなんて思いもしないだろう。

そんな所も可愛いんだが

実は僕は父に似ているが、父の実の弟の子供なんだ。男の子が生まれなかったこの家にリリィが生まれた時に養子として入ったのだ。

そう。だから結婚することもできる。


殿下との婚約の話が出た時、すごく僕は焦ったのだ。
家族としてリリィを愛してた……いや、最初から家族としてではなかったのか?

その時初めてリリィに対する気持ちを自覚した。自覚したら今までより感情を止められなくなった。


ほら、また金貨を見てニヤニヤしてる。
何を買いたいのだろう?
僕も貯めているからなんでも買えるよ?
そう、思って言ってみたけど……

「追放された時に生きていくために必要ですの!!平民になった時に!」

リリィ……公爵家の人間が平民になることはないのだけど………………しかも4大公爵家……罪を犯したとしても平民になることはないんだよ?まぁリリィと二人でなら平民としてのんびり過ごすのもいいなぁ…………


「キャッ!!」

おや?今日も僕のお姫になにかあったようだ。急いで向かう。

しゃがみこんでいるリリィを見つける。

「どうしたの?リリィ」

「木の上の猫さんが降りれなくなってたから気に登って下ろしてあげたの……そして木から降りてたら……その……途中で落ちちゃって………………」

よく見ると怪我をしている

サァーっと血の気が引くのが自分でも分かった。

ガバッとリリィを横抱きにして侍女を呼び出す。

「医者だ!!医者を呼べ!!」

「……!!お兄さま!!かすり傷ですわ!!」

「傷が残るかもしれないし、なにかあったらどうすりんだ?!頭でもうっていたら?!なにかあったら………………僕は………………」

横抱きしたままリリィを抱きしめた。

「お兄さま…………」

「とにかく医者にはみせる。いいね?」

「はい……」


大事にはならなかったが、心臓が鷲掴みされたように苦しかった。

もしリリィになにかあったら……

なぜ、人を呼ばなかった
なぜ僕を呼ばなかった…………


結果、医者にも怒られたリリィは
「怒られちゃった」
と、あどけなく舌をだして笑った


あどけなく笑う
あの笑顔を僕は守っていこう。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

行き場を失った恋の終わらせ方

当麻月菜
恋愛
「君との婚約を白紙に戻してほしい」  自分の全てだったアイザックから別れを切り出されたエステルは、どうしてもこの恋を終わらすことができなかった。  避け続ける彼を求めて、復縁を願って、あの日聞けなかった答えを得るために、エステルは王城の夜会に出席する。    しかしやっと再会できた、そこには見たくない現実が待っていて……  恋の終わりを見届ける貴族青年と、行き場を失った恋の中をさ迷う令嬢の終わりと始まりの物語。 ※他のサイトにも重複投稿しています。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

強面夫の裏の顔は妻以外には見せられません!

ましろ
恋愛
「誰がこんなことをしろと言った?」 それは夫のいる騎士団へ差し入れを届けに行った私への彼からの冷たい言葉。 挙げ句の果てに、 「用が済んだなら早く帰れっ!」 と追い返されてしまいました。 そして夜、屋敷に戻って来た夫は─── ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

ヤンデレ王子に鉄槌を

ましろ
恋愛
私がサフィア王子と婚約したのは7歳のとき。彼は13歳だった。 ……あれ、変態? そう、ただいま走馬灯がかけ巡っておりました。だって人生最大のピンチだったから。 「愛しいアリアネル。君が他の男を見つめるなんて許せない」 そう。殿下がヤンデレ……いえ、病んでる発言をして部屋に鍵を掛け、私をベッドに押し倒したから! 「君は僕だけのものだ」 いやいやいやいや。私は私のものですよ! 何とか救いを求めて脳内がフル稼働したらどうやら現世だけでは足りずに前世まで漁くってしまったみたいです。 逃げられるか、私っ! ✻基本ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

幼い頃に、大きくなったら結婚しようと約束した人は、英雄になりました。きっと彼はもう、わたしとの約束なんて覚えていない

ラム猫
恋愛
 幼い頃に、セリフィアはシルヴァードと出会った。お互いがまだ世間を知らない中、二人は王城のパーティーで時折顔を合わせ、交流を深める。そしてある日、シルヴァードから「大きくなったら結婚しよう」と言われ、セリフィアはそれを喜んで受け入れた。  その後、十年以上彼と再会することはなかった。  三年間続いていた戦争が終わり、シルヴァードが王国を勝利に導いた英雄として帰ってきた。彼の隣には、聖女の姿が。彼は自分との約束をとっくに忘れているだろうと、セリフィアはその場を離れた。  しかし治療師として働いているセリフィアは、彼の後遺症治療のために彼と対面することになる。余計なことは言わず、ただ彼の治療をすることだけを考えていた。が、やけに彼との距離が近い。  それどころか、シルヴァードはセリフィアに甘く迫ってくる。これは治療者に対する依存に違いないのだが……。 「シルフィード様。全てをおひとりで抱え込もうとなさらないでください。わたしが、傍にいます」 「お願い、セリフィア。……君が傍にいてくれたら、僕はまともでいられる」 ※糖度高め、勘違いが激しめ、主人公は鈍感です。ヒーローがとにかく拗れています。苦手な方はご注意ください。 ※『小説家になろう』様『カクヨム』様にも投稿しています。

処理中です...