聖典の勇者 〜安宿に泊まったらバァさんついて来たってよ〜

ウメキチ

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リザードマンだってよ

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おいおい、今度は何だよ。
ちょっとは休ませてくれよ…
 
「何事だ!!   」
 
「リっリ!リザードマンが攻めて来ました!!  」
 
「何ー!?  ここは地下洞窟だぞ! どうやって入ってきた! 」
 
「それが… 勇者様が作った割れ目から侵入してきた模様です… 」
 

 

 
完全に俺達のせいじゃないか!!
 
ちらっと族長を見てみる。
冷たい目でこっちを見ているな…取りあえず会釈しておこう。
やはり冷たい目だ…
 
「族長! あっあ…安心しろ! 俺達が何とかする! 」
ここで得た信頼を壊す訳にはいかない、リザードマンがどれだけ強いか知らねーが何とかするしかない!  宴は何としてもやりたい!
 
「やってくれるのですか勇者様!
皆の者これで安心だぞ、取り敢えず皆をこの部屋に避難させるのだ! 」
不安そうな亜人族達の表情が不安・絶望から安心・歓喜に変わるのが見て取れた。
 
「勇者様!… 勇者様!… うおぉーー!!」
 何処からともなく勇者コールが始まっている。
 凄い期待しているみたいだ…悪い気はしないが、どうしよう…。
不安な顔でマルスを横から覗き込んでみる。
 
「あほぉ! わしもまだそこまで力は戻っとらん、
リザードマンはそこそこ強いのじゃぞ!」
 
頼みの綱が…
 
「そうか…弱点とかはないのか? 」
 
「はぁ…仕方ないのリザードマンは尻尾に炎を灯しておる。
その炎が奴らの命、その炎を消すことが出来れば奴らは絶命するのじゃ」
なんかゲームボーイのポ〇モンにそんなキャラいたような…
 
「マルちゃんの水魔法で消し去ったら行けるじゃないか!? 」
 
「無理じゃ、大規模魔法でも無い限り直線攻撃では避けられてしまうの。
大規模魔法は力が戻るまで使えんしの」
 
万策尽きた……
 
亜人を見捨てて逃げるか、この入り組んだ迷路のような洞窟…
いやいや出口がわからん。
流石に見殺しも多少心が痛む。
考えろ俺!!
クレジットカードの支払金をパチンコで残り3000円まで減らした時くらい、絶望的状況だ。余談だがそんな時は必ずジャグラーで一発狙う奴多い説。
 
 
 
大量の水が必要… 水を貯める物… あっ
「マルちゃん! 爆発魔法は使えるか!? 」
 
「誰じゃと思っておる、余裕じゃ。
多少威力は劣るがな」
 
よし! まだ諦めるには早い!
 
「シャーレ! リザードマン共を1箇所の部屋におびき寄せる事は可能か!? 」
 
「だ… 大丈夫だと思いますよ」
 
「よし! シャーレ力を貸してくれ! 作戦を説明する! 」
 
猫耳っことマルスに対リザードマンの作戦を説明して各位置にそれぞれ配置して
リザードマンが来るのを隠れて待つことにした。
 

 

 
「何処かなー? 亜人達よ、 我々は話し合いをしに来ただけだぞ!
姿を現してはくれぬか? 」
 
リザードマンは合計5匹いるようだ、リーダーぽい奴が大声で隠れてる亜人族に対して話しかけながら進行している。
シャーレに聞いたところ、リザードマンは亜人族を捕食対象としており、何人もの仲間が食べられている、そこで地下なら見つからないと族長の判断で食料調達以外は極力地下で生活する事にしているようだった。
そこに俺達が…
本当に申し訳がない。
 
   返答が無い状況に苛立ちを抑えきれずにリザードマンが壁にウラケンを放っていた。
とてつもない衝撃に壁が蜘蛛の巣状にヒビが入っている。
 
   いや…これくらったら一瞬で死ぬな。
自信が無くなってきた、でも俺たちの責任だよな、やるしかないんだ。
恐怖に負けそうになりながら自分自身を奮い立たせていた。
 
「こっちだよー! リザードマン!」
入り組んだ洞窟の先からひょっこりと亜人の少女が顔を出した。
 
「見つけたぞー! 食料だー! 捕まえろ! 」
走って亜人の少女を追いかけるリザードマン達。
相当いらだっている。
よし! 猫耳っこ達いい感じにやってくれているぞ。
 
「マルちゃん俺達は部屋で準備をするぞ! 」
 
 
「何処だ! 亜人共! 姿を表せ! 」

   マナブ達は柱の陰に身を隠して様子をうかがっていた。
   猫耳っこが用意した部屋にまんまとやってきたよう             だ、
   猫耳っこ達いい仕事をしてくれたぞ。
ここまで来たらやるしかない!
マナブは聖典を取り出して念を込め力強く言い放った。
「出でよー! 」
『ブゥワーン!!』
空中に大きな円柱の箱が出現した。
 
「今だ!マルちゃん
箱を爆発させてくれ! 」
 
「インペルトボム!!  」
マルスの爆裂魔法により円柱の箱は大きな衝撃と共に破裂し、
中からは大量の水が部屋を洪水の如く覆い尽くした。
 
「ギャーーーー! やめてくれー! 」
リザードマンは悲痛な叫びを上げながら尻尾の火が消えると同時に生き絶えていった。
 
 
うまく行った…なんとか終わったようだ…あれ、視界が暗くなって…
マナブは安堵からか膝から崩れ落ちた。
 
 
目が覚めると族長の部屋に戻っていた。
「あれ…俺なんで此処に…?」
「力の使い過ぎの様じゃの、反動で気を失ったのじゃ」
成程大きい力にはそれ相応の反動があるとはこう言う事か、
今回はうまく行ったけど今後戦闘中に気を失ったら終わりだな…
考えて力を使わないとな。
 
 
「良くやってくれました勇者様!
本当に感謝致します」
族長が俺達に感謝の気持ちを伝えてきたが、
元々俺達のせいだしな…
 
「いや、俺達の作った割れ目のせいで…
なんかすみません!
割れ目は俺が後で埋めときます…」
この穴は後で大量の砂を召喚して埋める事になった。
 
 
「それよりあの水が出てきた箱はなんですか!? 」
 
あーあれは学校の屋上に設置されてた貯水タンクなんだよな。
説明してもわからんだろな。
 
「勇者の力です! 」キリッ
 
「おぉ!! 」
なんか納得してくれたしいいか。
 
 
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