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不治の病だってよ
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洞窟の中を亜人に鎖で連行されながら歩かされた。
しばらくすると先に光に照らされた空間が見えてきたようだ。
部屋には年老いた猫耳のおっさんが少し豪華な椅子に座っている。
「父上、罪人を連れてまいりました」
「父上ではない、族長と呼ぶのだシャーレよ。
ゴホッゴホッ!!
うぅ… 」
苦しそうに胸に手を当てているようだ。
「族長!! 大丈夫ですか! やはりあまり無理をなさらずお休み下さい。」
「どうせもう先はない、薬草師にも治せない病なのでわ。」
マルスに確認したところ、この世界では薬草師が医者の役目で植物などを調合して病気を治すようだ。
「そんなこと言わないでお父上!! 」
シャーレは族長の膝に泣き崩れた。
ん?俺らは放置かな……
「所で其方らは何者か。
シャーレより我らの村を稲妻で破壊させたと聞いているが。」
「いや誤解です! やったのは本当だけど理由があるのです! 」
「やっぱりお前らがやったのではないか!! この大罪人が! 斬首刑にするのだ! 」
すぐさまシャーレが配下に命令を下した。
「待つのだシャーレよ。
お主は直ぐ事を急ぐ癖がある
この者が言う理由という物を聞こうではないか。」
シャーレが凄い不満げに頬を膨らませている。
そこから一通りこの世界が予言により魔王が滅しに来る事、自分が魔王を倒す為に転生した勇者である事などを出来るだけ詳細に説明した。
「…それは事実なのか!? どうも飛びすぎた話で信じられぬ… 」
族長は相当困惑した表情だ、当然こんな突拍子もない事を信じる奴はいないよな。
チッ どうしたら信じて貰えるのか…。
信頼を勝ち取るためは… 一か八か試してみるか。
「マルちゃん、あの族長の病気とか治せないのか? 」
「回復魔法は出来るが、病気を治す事は魔法では出来んことじゃ」
んーなにかないか。族長の不治の病を治せば勇者として認めてくれるはずだ。
考えろ俺!!
その時マルスがボソッと話しかけてきた。
「どんな病気なのかは検知魔法によって判別する事はでるがの」
「おぉ! なんて便利魔法!! すぐ調べてくれ! 」
「容易い事じゃ シービリティ アイ! 」
呪文を唱えるとマルスの目が青白く光っている。
「解ったぞ、
インフルエンザじゃな」
「はっ!? インフルエンザ!? あの!? 毎年流行する?」
「この世界では不治の病なんじゃよ」
こちらの世界ではインフルエンザで毎年数千の命が奪われているようで、
治療方もまだ見つかっていないとの事だ。
成る程な、って事は去年インフルエンザになってタミフルを処方されたよな!!
いやしかし待てよ
こっちの世界のインフルエンザに通用するのか!?
試してみないと始まらないし…このままでは首をはねられて異世界で命を落とす事になる。
それだけはマジで勘弁だ!!
ええい!! 賭けだ!!
「族長! 貴方の病気を治してやる! だから俺を信じてくれ! 」
マナブは聖典に手をかけた。
『ブゥワーン!!!』
手元にカプセルの薬が出現した。
とりあえず成功だ!
しかし本当に効き目があるのか…
「族長俺を信じてコレを飲んでくれ。」
「なりません! 父上このような者の言う事を聞いては、毒かもしれませんぞ! 」
「シャーレよ、どうせ死ぬ運命だ。希望にすがるのも悪くない」
そう言うとマナブから渡された10粒程の薬を一気に口に含み飲み込んでしまった。
えっと… 一日二粒くらいに分けて飲む物なんだけどな…
まいっか、死にはせんだろ。
「そんなすぐに効果は無いが二、三日で良くなるだろう。
族長はしっかり寝て… 」
一通り説明して安心させようとマナブは丁寧に説明を始めた、その説明が終わる前に
突然族長が勢いよく椅子を倒し立ち上がった。
「うぉーーー!
力が戻ってくるぞ! ぬぅおーーー!全回復だ! 」
はっや!効き目はっや!
弱々しい族長の身体が何故かムッキムキの肉体になって顔も少し若返ってしまっているようだ。
なんだこの薬!? 普通のタミフルだよな…
マナブが不思議そうに見ていると。
マルスが答えを教えてくれた。
「これがアトゥル神の力じゃ、お前はただ普通に薬を召喚しただけじゃろう!?
しかしお前の中のアトゥル神の神聖な力が薬の効果を何倍にも上げたと言う事じゃ」
成る程こんな使い方も出来るのか。
それならこの世界の薬草を俺の力で精製すると何倍にも力が上がるという事だな、今度試してみるか…
「勇者様! 本当にありがとうございます。
それと拘束までしてしまい、本当申し訳ございません。
おい! 勇者様の拘束具を解くのだ! 」
シャーレ他一同が俺たちに頭を下げていた。
ふぅ…取り敢えずどうにかなったみたいだな。
「それでは勇者様感謝を込めて今宵は宴を用意させていただきます」
宴!? おおーいいね、いいね、猫耳っこ達とイチャイチャパラダイスじゃねーか!
と内心叫びそうになったが、そこは勇者である威厳を保つ為平然を装って族長の
誘いに返答したが顔がにやけてしまっている。
「喜んで参加させていただきます。 んふっ」
『ドオォォォーン!!!』
『ギャーーー! 助けてーーーー!!』
しばらくすると先に光に照らされた空間が見えてきたようだ。
部屋には年老いた猫耳のおっさんが少し豪華な椅子に座っている。
「父上、罪人を連れてまいりました」
「父上ではない、族長と呼ぶのだシャーレよ。
ゴホッゴホッ!!
うぅ… 」
苦しそうに胸に手を当てているようだ。
「族長!! 大丈夫ですか! やはりあまり無理をなさらずお休み下さい。」
「どうせもう先はない、薬草師にも治せない病なのでわ。」
マルスに確認したところ、この世界では薬草師が医者の役目で植物などを調合して病気を治すようだ。
「そんなこと言わないでお父上!! 」
シャーレは族長の膝に泣き崩れた。
ん?俺らは放置かな……
「所で其方らは何者か。
シャーレより我らの村を稲妻で破壊させたと聞いているが。」
「いや誤解です! やったのは本当だけど理由があるのです! 」
「やっぱりお前らがやったのではないか!! この大罪人が! 斬首刑にするのだ! 」
すぐさまシャーレが配下に命令を下した。
「待つのだシャーレよ。
お主は直ぐ事を急ぐ癖がある
この者が言う理由という物を聞こうではないか。」
シャーレが凄い不満げに頬を膨らませている。
そこから一通りこの世界が予言により魔王が滅しに来る事、自分が魔王を倒す為に転生した勇者である事などを出来るだけ詳細に説明した。
「…それは事実なのか!? どうも飛びすぎた話で信じられぬ… 」
族長は相当困惑した表情だ、当然こんな突拍子もない事を信じる奴はいないよな。
チッ どうしたら信じて貰えるのか…。
信頼を勝ち取るためは… 一か八か試してみるか。
「マルちゃん、あの族長の病気とか治せないのか? 」
「回復魔法は出来るが、病気を治す事は魔法では出来んことじゃ」
んーなにかないか。族長の不治の病を治せば勇者として認めてくれるはずだ。
考えろ俺!!
その時マルスがボソッと話しかけてきた。
「どんな病気なのかは検知魔法によって判別する事はでるがの」
「おぉ! なんて便利魔法!! すぐ調べてくれ! 」
「容易い事じゃ シービリティ アイ! 」
呪文を唱えるとマルスの目が青白く光っている。
「解ったぞ、
インフルエンザじゃな」
「はっ!? インフルエンザ!? あの!? 毎年流行する?」
「この世界では不治の病なんじゃよ」
こちらの世界ではインフルエンザで毎年数千の命が奪われているようで、
治療方もまだ見つかっていないとの事だ。
成る程な、って事は去年インフルエンザになってタミフルを処方されたよな!!
いやしかし待てよ
こっちの世界のインフルエンザに通用するのか!?
試してみないと始まらないし…このままでは首をはねられて異世界で命を落とす事になる。
それだけはマジで勘弁だ!!
ええい!! 賭けだ!!
「族長! 貴方の病気を治してやる! だから俺を信じてくれ! 」
マナブは聖典に手をかけた。
『ブゥワーン!!!』
手元にカプセルの薬が出現した。
とりあえず成功だ!
しかし本当に効き目があるのか…
「族長俺を信じてコレを飲んでくれ。」
「なりません! 父上このような者の言う事を聞いては、毒かもしれませんぞ! 」
「シャーレよ、どうせ死ぬ運命だ。希望にすがるのも悪くない」
そう言うとマナブから渡された10粒程の薬を一気に口に含み飲み込んでしまった。
えっと… 一日二粒くらいに分けて飲む物なんだけどな…
まいっか、死にはせんだろ。
「そんなすぐに効果は無いが二、三日で良くなるだろう。
族長はしっかり寝て… 」
一通り説明して安心させようとマナブは丁寧に説明を始めた、その説明が終わる前に
突然族長が勢いよく椅子を倒し立ち上がった。
「うぉーーー!
力が戻ってくるぞ! ぬぅおーーー!全回復だ! 」
はっや!効き目はっや!
弱々しい族長の身体が何故かムッキムキの肉体になって顔も少し若返ってしまっているようだ。
なんだこの薬!? 普通のタミフルだよな…
マナブが不思議そうに見ていると。
マルスが答えを教えてくれた。
「これがアトゥル神の力じゃ、お前はただ普通に薬を召喚しただけじゃろう!?
しかしお前の中のアトゥル神の神聖な力が薬の効果を何倍にも上げたと言う事じゃ」
成る程こんな使い方も出来るのか。
それならこの世界の薬草を俺の力で精製すると何倍にも力が上がるという事だな、今度試してみるか…
「勇者様! 本当にありがとうございます。
それと拘束までしてしまい、本当申し訳ございません。
おい! 勇者様の拘束具を解くのだ! 」
シャーレ他一同が俺たちに頭を下げていた。
ふぅ…取り敢えずどうにかなったみたいだな。
「それでは勇者様感謝を込めて今宵は宴を用意させていただきます」
宴!? おおーいいね、いいね、猫耳っこ達とイチャイチャパラダイスじゃねーか!
と内心叫びそうになったが、そこは勇者である威厳を保つ為平然を装って族長の
誘いに返答したが顔がにやけてしまっている。
「喜んで参加させていただきます。 んふっ」
『ドオォォォーン!!!』
『ギャーーー! 助けてーーーー!!』
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