スライムむすめの転生日記~自称序盤のレベル上げ要員は実質無限再生と吸収能力、打撃も斬撃も効かない身体etcでビビリながら無双する~

東山統星

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シーズン1 チャプター3 怪物と人間の垣根を超えて

059 そのスライム娘の価値は500億円!!

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「なんだよオマエら……。ヒトを軽蔑するような目つきで見やがって……」

「軽蔑してるような目つきじゃない。軽蔑してる」

「1週間前のタイラーはカッコよかったのにな~……」

 そんなわけでおれの格好良い姿はすっかり忘れ去られてしまったようだ。当然の話ではある。この一週間飲んで寝てゲームして……国防軍の英雄や怪物狩り部隊の副総長を倒していたおれはどこへ消えた? 

「……。分かったよ。たまにはカッコいいところ見せてやる」

 そろそろなにかが起こるだろうと本能が語りかけ始めたので、おれはハッタリでもないハッタリをかましてみる。

 ほら本能さんはすげえ。エコーがパタパタ飛びながら我が邸宅へ入ってきたぞ。

「閣下。ロスト・エンジェルス連邦政府は正式に閣下に対する指名手配を停止するそうです。また、閣下のカテゴリーと評定金額が試算されましたので発表させていただきます」

 ひとつ目は吉報だ。おれへの懸賞金がついに止まるらしい。これで大手を振って外を出歩ける。
 ただふたつ目はよく分からん。『カテゴリー』? 『評定金額』? まったく聞いたことのない単語だ。

「ちなみにエコーさんはおいくらでしたか?」

 どうやらミリットはその評定金額? の意味を知っているらしい。彼女は世間話でもするかのような態度でエコーへ聞いた。

「私は2800万メニ-です。ミリットさんはおいくらですか?」

「訊かなきゃよかった……260万メニ-です」

「中学生ですから恥に思う金額ではないのでは?」

「姉の評価が高いので……」

「なるほど。しかし自分の価値といっても、所詮は機械が算出したぬくもりのない数字の羅列です。あまり気に病むこともないように思えます」

 だから評定金額? とカテゴリー? ってなんなんだよ!? コイツらおれを蚊帳の外にして話を良い感じでまとめやがって!!
 ……とも言えない陛下であるおれは、臣下のエコーに素直に尋ねてみる。

「なあ。カテゴリーと評定金額ってなんだ?」

「あっ!! 閣下は転生者ですから知っているわけなかった!! 申し訳ありません!!」

 頭を深々下げられると、こちらが悪いことをしたみたいだ。これが陛下の立場というものなのか。

「頭上げてくれ。とりま、ひと通り説明してくれや」

「は、はいっ!! カテゴリーとはその者の評価につながり、評定金額は同じカテゴリーでもどちらが格上か知らしめるために現大統領が導入したものです!!」

「どちらが格上、か……」

「クールさん負けず嫌いだったもんね~。会食してるときCOWやらせたらあたしが負けるまでやり続けたもん」

 大統領をも恐れぬスライム娘タイーシャは軽い調子でそう言った。

「んじゃ、おれの評定金額とカテゴリー教えてくれ」

 良く分からんが本能が語るところによると、おれはこのふたつの評価で威厳を取り戻せるらしい。

「は、はいっ!! 閣下のカテゴリーはシックスで評定金額は5億メニ-です!!」

 なお、5億メニ-は日本円換算で500億円ほどらしい。
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