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1年目の春~夏の件
竹藪ダンジョン中層~最終層の攻略に取り掛かる件
しおりを挟むさて第2層だと、この新造ダンジョンの構造に戸惑いつつも進む一行。発見した階段を降りて、前衛陣を先頭に次の層へと降り立つ。
そこも上の層と同様で、部屋分けされて見通しは頗る悪い。それでも紗良の遠見の指輪で、辛うじて敵のいる部屋と敵の配置は分かった。
ただし、扉で仕切られてしまうとその手段も取れないと言う。そしてこの層から、新しい敵が混じり始めたのも確認出来た。
そいつは竹製のパペットで、その動きは緩慢で凄く弱そう。香多奈が殴っても倒れそう、護人は間違ってもそんな指示は出さないけど。
取り敢えず、コイツ等の始末はハスキー軍団に振り分ける。それから区分けされた土間の様なエリアを、来栖家チームは慎重に攻略して行く。
この2層も、メインの敵は歩くキノコのお化けだった。コイツ等は倒すのに失敗すると、高確率で毒の胞子を撒き散らすので厄介。
マスク装備の前衛はともかく、犬達や後衛がこれを浴びたら大変である。なので今回は、護人は倒す敵の分配決めと、それから前衛と後衛の距離開けを徹底させる。
リーダーのこの指示出しで、今の所はチームに毒の被害は皆無。それでも念の為、前衛陣は毒消し薬を常備しの探索である。
「毒さえ気を付ければ、ここの敵は楽勝だね、護人叔父さん。ミケなんて、出番が無くて物凄く暇そうにしてるよっ!」
「ミケはなるべく、切り札に取っておきたいからな……油断はしないように、まだこのダンジョンの特性が全て分かった訳じゃないんだから」
はーいと返事だけは良い姫香と、宝箱はまだ出ないかなと欲望全開の香多奈。相変わらずだが、締めるところは締めてくれてはいる様子。
お陰で順調に、2層目も30分程度で余裕で突破出来た。ついでに次の層への階段を発見、ちなみにこの層も全12部屋の構造だった。
第3層も同じ構造、そして新たに出て来たのは大蜂の群れだった。これがイレギュラーなのかは判然としないが、一部屋丸々大蜂の巣は踏み込むのも怖い。
その存在は、隣の部屋からも羽音で丸分かり。お陰で作戦を練る時間は充分で、その作戦内容は魔法で焼き尽くすと言う単純明快なモノ。
つまりはレイジーとミケの出番だ、それを快く請け負ってくれる2匹。
何と言うか、ここまで来たら主人とペットで会話が通じるとかのレベルの話では無い気も。互いの心にラインが通じていて、言葉どころか感情がダイレクトに通じ合う瞬間もあったりして。
これも変質のせいだろうか、そこら辺は良く分からないけど。そう言えばHPの概念だが、護人と姫香の前衛陣はすっかり理解に至っていた。
などと考えている内に、魔法使いの両者によって部屋の掃討はほぼ終了。ツグミも手伝っていたようで、影にガッチリ囚われた大蜂がたまに姫香の足元に運ばれて来た。
それを姫香が、律儀に相棒に礼を言って殴り倒している。こちらも良いパートナーシップ、恐らく彼女たちも感情のラインは繋がっているのだろう。
そして大蜂の群れのいなくなった部屋に、大きな蜂の巣が残される。
「蜂蜜取り放題だね、護人叔父さん。巣がちょっと大き過ぎて、かなり時間が掛かりそうだけど」
「そうだな、うん……敵と一緒に消えないって事は、そう言う事だよな」
「えっと、空のボトルは多めに持って来てはいるんだけど……確かに、全部取ってたら足りそうも無いですね」
紗良のこの言葉で、蜂蜜の全回収は断念する事に。取り敢えずはボトル1本分、それで良かったのだと、一行は次の部屋で思い至る事に。
何とお隣の部屋は、敵のいない中庭の様な整地された造りの休憩場所だったのだ。紅葉やツツジの植え込みと、小洒落た通路の先にあるモノは。
大瓶になみなみと入った、取り放題の回復ポーションだった。
「うわ~っ、何だか太っ腹なダンジョンだねっ……ええっ、叔父さんコッチ見て! しめじが生えてる、あっちに生えてるのはミョウガじゃないかなっ?」
「わわっ、本当だ! あれっ、こっちのは筍……にしては細いね、でも食べられそうな雰囲気じゃない? どうでもいいけど、季節感は完全に無視してるっぽいね。
護人叔父さん、何だろうコレ?」
「それは日本の北では一般的な、細筍じゃ無いかな? 普通に食べられるよ、こっちにはタラの芽も生えてるし。
凄いな、食料が取り放題なダンジョンなんてあるんだ」
噂程度なら、紗良は動画の情報収集で耳にした事があるらしい。しかしいざ目の前にすると、ちょっと戸惑いが先に立ってしまう。
それでも香多奈が嬉々として収穫を始めると、他のメンバーもそれをお手伝い。数分後には、結構な量の食料品が魔法の鞄の中に収入されて行った。
そして、改めて魔法アイテムとダンジョンの凄さを感じてみたり。
3層の探索はこれで終了、残った敵を倒していざ4層へと降りて行く。そこも構造は全く同じで、出て来る敵もほぼ同じと言う。
香多奈は手抜きだねぇと呆れた口調だが、驚きの演出なんて欲しくないよと姉の姫香の反論。護人も同じ考えで、想定外の仕掛けなんて全く欲しくなどない。
そして3層と同じ位置に、何と収穫用の中庭を発見。
「さっき倒した猪とかキノコモンスターからも、お肉とキノコがドロップしたよね。このダンジョンって、初めからそう言う仕様なのかもね、護人叔父さん。
収穫に便利なダンジョンだね、コア破壊しちゃっていいのかな?」
「むっ、そういう考え方も出来るのか……確かに、近場に食料を入手出来るダンジョンがあるのは生活に凄く便利かもな。
ってか、そもそもダンジョン産の食料って、一般的に流通してたかな?」
「魔素の関係で、生で食べるのは推奨されてはいませんね。ただ2~3日で食料の魔素は抜けるのが定説だから、食べるのは問題ないそうです。
食料自給率の低い都会では、割と活用して儲けてる所もあるそうですね」
そう言う事例は少ないですけどと、紗良の情報収集は相変わらず凄まじい。何しろ、都会に収穫系のダンジョンが出来る可能性が著しく低いそう。
そこに専属で潜る探索者チームもいるらしいけど、そう言うケースは稀なのだとか。我が日馬桜町ではどうするかって話なのだが、それは来栖家チームだけでは決められない話。
取り敢えず5層まで降りて、ボスの強さで決定する事に。
どの道、コアを破壊しても半年でダンジョンは復活するのだ。太っ腹のダンジョンだが、中の敵や宝物の再生速度は、魔素の濃さに準ずるみたい。
毎日潜っても、中の宝物やモンスターが再生しているとは限らない。探索にも計画性は大事で、更には慎重さも持ち合わせてないと簡単に命を落とす破目に。
ちなみに来栖家のように、家族でチームを組むケースは実は意外と少ない。大抵は年が近い人同士、又はチームの不足している役割を募集する形を取る模様。
効率的ではあるが、その分性格的にソリが合わないとか、そっちの問題が発生する場面も多いそうな。逆に仲良し同士でチームを作っても、実力不足で失敗するケースもあるとの話。
チーム編成とは、実はそれ程に難しいのだ。そんなある意味奇跡的な来栖家チームは、順調に4層の小部屋の敵を殲滅して回る。
そして3層と同じエリア配置の、太っ腹の収穫部屋へと辿り着いた。ここの中庭は、大瓶の中は全てMP回復ポーションのようだ。
そんな大盤振る舞いに、思わず感嘆の声を上げる子供たち。そして次の瞬間には、出来るだけ持ち帰ろうと変な使命を燃やし始める。
ただし持って来た空ボトルは、ほぼさっきの部屋で無くなってる始末。
「あ~ん、全然足りないよっ……まだ半分以上残ってるのに、空ボトルが全部満タンになっちゃった!」
「ポーションを捨てるのも勿体無いよね、どうしよっか……まぁこっちも3本分回収出来たんだし、良しとしようよ香多奈ちゃん。
ほらっ、他にも食材が取り放題だよ?」
「向こうにアケビやビワが生ってたぞ、それからブルーベリーがたわわに実ってたな。うちでも栽培しようか悩んでたけど、畑の山側に植えてみるかな?
紗良、鞄にあとどれだけ入るかな?」
魔法の鞄は便利だが、来栖家所有の奴は劣化版でしかない。容量は約5倍程度で、重さを半減してくれると言うモノ。
無限に入る訳では無いし、持って来ている物もあるので運用は結構大変だ。中庭には他にも、山芋やマイタケなどほぼ季節を無視した収穫物が。
それから瓶の側には、竹の編み籠に入った鑑定の書が1枚だけ。何と言うか、初めてダンジョン産のアイテムっぽい品ゲットである。
この中庭でも、そこそこの収穫で切り上げる子供たち。食べ物の臨時収入は嬉しいが、農家の子だけあって飛び上がる程でも無い。
野菜の収穫は、姫香たちには日常であり普通の事でもある。そこに価値観を見出すのは、本当に食料品が不足している地域なのだろう。
そんな訳で、地上に待つ人への報告の意味合いを兼ねて幾つか得る程度。それよりは、たまに出て来る猪の落とす肉の塊の方がテンション上がる育ち盛りの子供たち。
キノコや筍はとにかくとして、後は大蜂の落とす蜂蜜も嬉しいかも。紗良はタッパーかラップを持って来なかったのを、しきりに悔しがっている。
何しろ蜂蜜はともかく、猪肉は剝き出しでのドロップである。そのままの姿で鞄に入れるのは、やっぱりかなり抵抗がある。
それでもタオルに包んで持ち帰る姿は、何と言うかいじましい。猪肉は既に3塊ゲットしていて、結構な量になっている。
猪の肉は癖はあるけど、その独特の味を評価する人もいる。ここ数年、お肉の値段も数倍に上がっているので、タダで持ち帰れる今は絶好の機会である。
だから猪と遭遇する度、姫香の気合いは爆上がりを見せる始末。それに釣られて、ハスキー軍団も狩猟本能全開な有り様。
そんな騒がしい戦いは、もうしばらく続きそう。
そんな感じで4層の残りの小部屋を踏破して、ここは既に5層の中ボス部屋前である。出て来る敵もほぼ同じで、今更倒すのに手古摺る感じも見受けられない。
ここまで2時間半程度だろうか、3層と4層の食料の採集で予定外に時間を取られた感はあるけど。一応順調に進んで来れたし、一行に疲労の影は無い。
そんな訳で、満を持して最後の大部屋への突入である。待ち構えていたのは、一番奥に灰色の大熊が1頭、その左右に大猪が2頭。
その前衛に配置されているのは、今まで何度も倒して来たキノコのお化けが4匹だった。毎度の速攻を作戦に掲げていたチームだったけど、割と普通の敵の配置にやや拍子抜け。
ただし、ここまで活躍の機会の無かったミケは別だった様子。容赦の無い雷の雨を、敵の配置に関係なく注ぎまくっている。
姫香も『身体強化』込みのシャベルの投擲を、一応ボスの大熊へと行うのだが。可哀想な大熊&大猪ペアは、こちらに接敵する暇もなくノックダウン。
盾を構えていた護人は、本当にする事が無いままに戦闘終了。安全を確認してから、後衛の香多奈とルルンバちゃんがドロップ品の回収に動き出す。
それに付き合う、紗良と姫香はいつもの保護者気分。
「わっ、スキル書が2枚も落ちてるよっ、叔父さん! 後はちょっと大きめの魔石と……これは、さっきのボス熊さんの手かな?
何でこんなの落ちてるんだろう?」
「熊の手は確か、珍味で知られてるんだったかな? 栄養もあるらしいから、恐らくは調理素材なんだろう。このダンジョンは、一貫してそんな感じらしいな。
ひょっとして、宝箱の中身もそうなのかな?」
中ボス部屋と思われたこの場所は、実は最深層だった事が判明。何故なら、銅素材の宝箱の隣に、石の台座に乗せられたダンジョンコアがあったからだ。
来栖家は2度目の発見なので、見間違える事も無い。ところが子供たちはそれをガン無視、宝箱を開けてその中身で盛り上がっている。
そして嬌声を上げながら、中身を次々と取り出す香多奈はいつもの調子。紗良はその回収に忙しそう、特に薬品系はもう持参の空きボトルが無いと言う悲劇。
色合いからして、今回のジャム瓶の中身は毒消し薬らしい。もう1個の瓶の中身は不明、後で鑑定が必要である。そして鑑定の書も4枚ほど確認済み。
そして今回は、ちょっと豪華な鑑定の書も2枚ほど混じっていた。
「妖精ちゃんが、これはまあまあの当たりだって……普通の鑑定の書と違って、詳しい情報も分かる優秀な奴みたいだねっ。
使い道がありそうで良かったね、叔父さん!」
「そうだな、香多奈……それよりも、ダンジョンコアをどうするか相談しよう。薬品と食材が収穫可能な中庭が、何と2層分もあるダンジョンだからな。
定期的に収穫が可能なら、潜りたがる探索者も出て来るかも知れないし」
「それもそうだねぇ……スマホか通じれば、上で待機している人達と相談出来るのにね、護人叔父さん。
紗良姉さんはどう思う、多数決取ってみようか?」
振られた紗良は困り顔、それを見兼ねてかは不明だけど、再び妖精ちゃんが割って入ってくれた。その内容だが、ダンジョンコアを壊せば経験値+ステータス上昇に、大きなボーナスになるらしいとのプチ情報の提示である。
それを聞いて、現金な子供たちは揃って壊す方へと票を入れると言う事態へ。
――と言う訳で、2個目の対面となったコアも壊す事に決定!
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