田舎の町興しにダンジョン民宿を提案された件

マルルン

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1年目の秋~冬の件

裏庭の訓練場が着々と形を成して行く件

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 日馬桜ひまさくら町の4度目の青空市が無事に終わった9月の初め、来栖家は相変わらずに騒がしい。その1つは、香多奈の2学期が始まった事にも由来していた。
 もちろん、末妹が小学校に行って家に不在の間は邸宅内は物凄く静か。ただし少女が戻って来た途端に、急に騒がしくなるのはいつもの事。

 それはまぁ仕方が無い、騒がしくなる理由は来客にもあるのだ。青空市で強引に弟子入り志願して来た尾道の陽菜ひなは、今は来栖家に居候として住み込んでいる。
 姫香の強い推薦もあったのだが、他の家族からも特に強い反対は出なかった。とは言え、弟子入りした相手に対して教えられる技術も経験も持たない護人である。

 ただ困惑するだけで、その後の対応は姫香を筆頭とした子供たちに丸投げに。結果、放課後は厩舎裏の特訓場での訓練大会と相成あいなる次第。
 ここで教官に任命されたのは、最近めっきり影の薄くなっていた魔人ちゃんだった。“透明な魔石”の数に限りがあるので仕方無いが、本人はその扱いに不満そう。

 それでもきっちり、理力の使い方は教えてくれる親切なジェントルマン精霊。如何いかんせん、香多奈がいないと意思の疎通が難しいと言う弱点が。
 そんな訳で、特訓は香多奈がいる放課後に行われると言う流れに。

 魔人ちゃんの教えは、割と単純でその点では明快ではある。つまりは体で慣れろの一辺倒で、それに最適な道具をチームは前回の探索で仕入れていた。
 それが『白木の木刀』である、これは使用者が念を込めると飛ぶ斬撃が可能なのだ。これで理力の流れを体で覚えて、その後で普通の木刀で同じように斬撃を飛ばして見せろと。

 それが出来れば達人の域、そんな理力の学習方法だったり。単純な子供たちは、それを大真面目に習得しようと頑張っていた。
 順番に『白木の木刀』を扱い、順番待ちの者はアスレチックコースで体を動かす。香多奈がたまに、我が家の秘密の特訓風景で~すと、姫香からスマホを借りて撮影にいそしんでいる。

 どうやら動画で使う算段らしい、ただこのE‐動画の収益も馬鹿にならないと言う。4ヶ月を過ぎた頃から、数千~数万円の稼ぎになり始めていたのだ。
 これには驚きの子供達、そしてもっと動画の配信にサービス要素とか加えようと画策して。それを一手にになう末妹、もちろん被写体は2人の姉である。

 特に紗良には、いいねのコメントも殺到していて好評な模様。そんな訳で、アイドル売り出し計画が少女の中では進行中なのは内緒。
 これも動画配信で儲ける為なので、一応は紗良の合意も得られている。とは言え、あまり過激なポーズには応じて貰えず、ちょっとガッカリな香多奈だったり。

 それより実の姉の姫香にも、実は一定数のファンがいるらしい。その事実をスレ版で知って、もの好きも一定数いるんだなぁと感心する少女だった。
 それはともかく、厩舎裏の訓練場は本当に半月で様変わりしていた。護人が当然中心になって工事を手掛けたのだが、そこにルルンバちゃんの小型ショベルのパワーが加わって。

 穴を掘っての丸太の埋め込み作業が、格段に楽になったのがとても大きい。かくして“樹上型ダンジョン”で苦労した、アスレチックコースにそっくりな訓練場が裏庭に完成した。
 子供たちが、日夜特訓出来ちゃう環境の出来上がりである。もっとも農家の朝は、家畜の世話から始まってそんな暇はないのだが。

 居候の立場の陽菜も、もちろん毎朝の仕事を率先して手伝っている。一番幼い香多奈に仕事を教えて貰い、朝早くから体を動かす。
 そうして味わう、新鮮なしぼりたて牛乳の美味しい事と言ったら!

 そんな感じの早朝からのお仕事の手伝いと、昼間は姫香と一緒にお勉強タイム。夕方からお風呂時間までは、訓練場での特訓をこなすと言うサイクル。
 居候生活で1週間が過ぎる頃には、すっかり来栖家にも馴染んでしまった陽菜である。元から愛想は無いのだが、素直な性格で仕事も勉強も嫌がらずにこなす良い娘なのは確か。

 ただし、それでもめきめきと腕前が上達とは行かずな現状。要するに、理力の習得はどうも一筋縄ではいかない様子で皆が苦労している次第。
 まぁ現状では、ルルンバちゃんの合体能力やハスキー軍団の統率力で探索に不安は無い。だからと言って、人間がそれに胡坐あぐらいていて良いとはならない。

 取り敢えずは体さばきや運動能力は、ちょっとずつ成長はしている家族一同ではある。弟子入りしている陽菜にしても、それは実感していて問題無し。
 香多奈もわざわざ、石投げ特訓用のまとを作って貰って毎日訓練している。タイヤを等間隔に並べて、その中心に石を投げて通すと言う訓練方法はそれなりに楽しい模様。

 それからもう1つ、姫香が護人に強請ねだってタイヤのオブジェを特別に作って貰った。こちらは、3~4メートル級の中ボスをかたどって製作して貰ったモノ。
 今までの探索ではそれ程に苦労はして来なかったが、やはり大型ボスへの対策は怠るべきではない。得意の投擲速攻に、更に磨きをかけるべくの訓練である。

 他にもこの中ボス仕様のタイヤの塊は、その後は色んな訓練に役に立つ事となった。ハスキー軍団や前衛陣も、戦闘訓練で使い回す事に。
 こうして夕方の特訓は、機材も充実して益々はかどるのだった。



 そんな感じで成果があったり無かったりの特訓だけど、他にもこの1週間に色々とイベントはあった。例えば紗良が覚えた『解読』のスキルで、3冊の錬金レシピ本を翻訳出来たりとか。
 後は素材を集めれば、妖精ちゃんの『錬金術』スキルで素早い作製が可能なのだが。翻訳で出て来た素材は、ほぼ9割が知らない名前ばかりと言う有り様。

 自宅でポーション製作は、もう少し先の話になりそう。それから朝方に、姫香が厩舎掃除とか早朝マラソンをしてる最中に、ツグミがハイと魔石を差し出す事が多くなって来た。
 最初は夜中に野良に遭遇したのかなと思ってたけど、どうも様子が違う。ひょっとして、ハスキー軍団だけで夜中ダンジョン探索に潜ってるのかも。

 一応は護人に報告してみたが、護人はこれも彼女たちの訓練の一環と割り切ってる様子。それもそうかと、姫香も納得してしまった。
 まぁ、魔石が自然に増えるのも悪い事ではない。香多奈などは普通に喜んでるし、ハスキー軍団が夜中に無理してる感じも受けない。
 取り敢えず、毎日の健康チェックを紗良がする事でこの話は決着した。

 それから、香多奈の夏休みが終わって周囲は段々と秋模様に。農家的には、そろそろ秋野菜を植える季節がやって来た。
 白菜やキャベツや大根の植え付けに、護人や家族も忙しくなりそう。居候の陽菜も、慣れないながらしっかりとそれをお手伝い。

 ただし、一番戦力になったのはルルンバちゃんだろう。耕運機と合体して、朝から農業のお手伝いにいそしむその勇姿。
 一時期流行ったAI農業の、ある意味完成形を見た気に。

 香多奈の夏休みで言えば、自由研究で孵化ふかさせた4匹の鶏のヒナの行方なのだが。夏休み中のキャンプ以来、すっかり仲良くなった美玖みくが全部貰って行く事に。
 農家にとって、仔犬や子猫などは天下の回りモノである。鶏のヒナも同じ事かと、まぁ知り合いなら良いかなと香多奈は判断した様子。
 美玖も将来の鶏飼育を夢見て、すっかり農家の娘である。

 そんな中、余り嬉しくないイベントも幾つか巻き起こった。割と大きな台風が、9月の初めに到来して香多奈は学校をお休みする破目に。
 本人は興奮模様だったけど、収穫前の田んぼの稲が心配で心穏やかでない護人だったり。家の中では、しかしのんびりと裁縫さいほうに勤しむ穏やかな紗良と姫香の姿が。

 裁縫仕事は、花嫁修業の一環と最近真面目に取り込んでいる姫香。先生役の紗良も、青空市のオマケのフェルト人形とか、他にも妖精ちゃんの衣装とか色々製作に忙しい。
 能見さんも既に何着も作ってくれてるので、妖精ちゃんは今の時点で結構な衣装持ちにである。チビ妖精は、全く着替える気配が無いのがアレだけど。

 天井のはりにある彼女の籠製の巣は、衣装で凄く派手になっていたり。それを本人が気に入っているのが、せめてもの幸いだろうか。
 紗良も能見さんも、一応は作った甲斐があったと言うモノ。姫香にはまだそんな細かい工程は無理なので、雑巾を縫ったりボタン付けを頑張ったり。

 ゆくゆくは、紗良に誕生日プレゼントで貰った縫いぐるみの、着替えの衣装を製作する予定の姫香である。
 細かい作業が苦手な少女だが、やる気だけは充分持っている。


 幸いにも、台風の被害はわずかで済んで何よりだった。ただしその後の、中断していた秋野菜の植え付けは結構な一苦労だった。
 それでも予定区画をすべて終えて、一安心の来栖家である。陽菜の受け入れはイレギュラーではあったが、まぁ姉妹の友達が泊まりで遊びに来たと思えば良い。

 幸い仕事も進んでこなしてくれるし、良い娘には違いないのだ。来栖家的には、特に波乱も無く毎日が上手く回っている。
 そんな初秋の季節に、またもやイベントが。

「いや、今日はお招き頂いてありがとうございます……お仕事も忙しいでしょうに、時間を取らせて申し訳ない。
 報告が溜まってたので、それを伝えたかっただけなんですが」
「いえいえ、畑がようやくひと段落着いた所ですから。こちらこそ忙しくて、協会に顔を出せずに済みません。
 業務外なのに、足を運ばせてしまって」

 などと社交辞令を飛ばし合ってるのは、リビングに通された大人たち。仁志にし支部長と能見さんが、仕事終わりに来栖邸に立ち寄ってくれたのだ。
 どうせなら1杯やりましょうと、会合はどうやら飲み会に移行する模様。帰りの運転は能見さんがするらしく、持参したビールやつまみを机に広げ始める。

 紗良も場の雰囲気を読み取って、食べ物を用意し始めてくれている。ちなみにこの場には、お隣さんの神崎かんざき姉妹&旦那さんも参加していた。
 集まって飲み会をするならと、護人が電話で招いて15分後には全員参加していた次第。このお隣さんとの付き合いも、向こうが引っ越して以来定期的に続いている。

 向こうが人見知りしないので、生活に関する質問を色々としに来るのだ。そしてたまに、厩舎裏の訓練場で汗を流して行くシーンも。
 そんな仲なので、誘われたら割とお気楽に飲み会へと参加して来るお隣さん。ただし会話は、夏休みに無断でダンジョンに突入した高校生達の話題からだった。

 初っ端からヘビーな話だが、全員無事に退院出来たとの一応は嬉しいニュース。同級生だった姫香の顔色は特に変わらず、ついでに同情心も窺えず。
 彼女からすれば、自業自得って思いが強いのかも。

「護人さんが提供してくれた、ポーションでの早めの処置が大きかったですね。あの際は本当にお世話になりました、親御さん達からもお礼はあったと思いますが」
「それよりも私達探索者が、楽して稼げるって思われてる方が心配な案件かもねぇ。ダンジョン探索では簡単に命の危機が訪れるって、ちゃんと大人が教え込まないと」
「そうだなぁ……探索者のイメージは悪くはならないだろうけど、ウチも青空市では結構な儲けが出てるからなぁ。
 それを見て勘違いする若者が、今後も出ないとは限らないからね」

 こっちは町の治安維持のために頑張ってるのにねと、姫香の呟きはごもっとも。頼られるから探索に出張ってるのに、楽に儲けてるとか思われるのは心外だ。
 ただし町の大半の住人は、来栖家の頑張りを応援してくれているのは確か。差し入れは相変わらずあるし、人々はオーバーフローの怖さを重々理解もしている。

 だからまぁ、この町の探索活動に変な風は吹かない筈。お酒が入った男衆&神崎姉妹は、その後も探索活動の話で盛り上がっている。
 その隣では、能見さんと子供達でお茶会みたいな会合が開かれていた。能見さんが差し入れにと、甘味を色々と持って来てくれたのだ。

 それを妖精ちゃんや子供達がパクついて、かしましくお喋りに興じている。その騒々しさは、お酒の入っている大人衆に負けない程。
 場は完全に二分化され、それぞれの話題で盛り上がっている。

「前回『日馬割』が攻略した“樹上型ダンジョン”ですが、正式に協会でC級ランクと認定されました。なので追加の危険報酬が、口座の方に振り込まれる事になります。
 後で確認お願いしますね、護人さん」
「来栖家チームは、新人の癖に凄い実力者だよねぇ……しかし、このリビング見るとまるで異界にいるみたい。自立AIロボがお皿運んで来るし、壁には布製の赤い薔薇がうごめいてるし。
 妖精までいるもんね、頭おかしくなりそう」
「あぁ、こっちは家の中の騒動はもう慣れちゃってるからなぁ……」

 実際にドローン形態のルルンバちゃんが、紗良に頼まれておつまみのお皿を運んでくれている。酔っていた客人達は、それを見て結構引いた顔をしていたり。
 護人が礼を言ってそれを受け取った時には、そう言うモノかという表情に。何と言うか、カルチャーショック感が半端ない来栖家のリビングである。

 香多奈が縁側にハスキー軍団を呼んで、おつまみをお裾分すそわけしているのを見てるような感じ。家族なのだから、分け合ったりちょっと用事を頼まれたりするのは当たり前的なナニカ。
 変わってはいるけど、家族の形はそれぞれと言う。

 それよりもと、気を取り直して仁志支部長が次の話題を提供する。と言うより、伝達事項が他にも色々とあっての来訪なのだ。
 その内の1つは、以前訪れた広島大学所属の博士について。あの教授は、この混沌たる来栖家のりようが相当お気に召したようで。

 つまりは絶好の研究材料として、目をつけられた感じが伝言からあるらしい。何と近々、こちらに引っ越して来るかもとの噂があったりなかったり。
 それには護人もビックリ……でもまぁ変人と言う程でも無かったし、大学教授の伝手が出来るのは良い事かも。主に子供たちの、学術的な向上の手助けにいては。
 ただし、その次の話題には思わず顔をしかめる護人であった。




 ――西広島で最大級を誇る、“弥栄やさかダムダンジョン”への招集である。






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