12 / 30
12
しおりを挟む「世話になったな。また近い内に必ず来る!」
「うん、ありがとな。近くに来た時は是非寄って」
雨が上がり、爽やかな空気が吹き込む中、ディーダに別れを告げた。
久々に人と触れ合ったお陰が気分が明るい
草原へと消えていくディーダに手を振った後、戦利品をテーブルの上へと並べる
砂糖、胡椒、大豆。それとオマケにとくれた短剣と本が1冊。
ローションとゴム、その他に木や石で作った食器数点と物々交換した
そう、待ちに待った砂糖!!!!
もうこれだけで食べたい。舐めたい!舐めようう!そうしよう。
「あまーーーーい!!」
最高。これだよこれ。
脳が活性化されている気がする!もっと食べたい…食べたいが!
少ししか無いから大切に使わなければ…
ウキウキしながら全て一度インベントリへと収納する
これで何が作れるかワクワクする!
そういえばおまけに貰った本は何の本なんだろう?読めるのだろうか?砂糖しか見て無くて忘れていた。
ふと気になって収納したばかりの本を取り出す。
《冒険者手引き》
冒険者の愛読書
冒険者が居る系の異世界だったかあー。
文字も普通に読めるようなので、一先ず軽く読んでみようか?と表紙を開くと同時
室内にノックの音が響いた
ディーダが忘れ物でもしたのだろうか?
ノックの音に短い返事をし、本を閉じて扉を開いた。
「……………どちら様?」
扉の先にいたのはディーダではない
彼よりも若い男が1人。黒一色の服に銀のプレートを胸に当てたその男は、眉間に皺を寄せている
褐色の肌。白い短髪から覗くアイスグレーの瞳にはどこか見覚えがあった
「…さっきの男は誰だ」
…誰、と言われましても。まずお前が誰だ
ぶっきら棒に言い放つその男に警戒心が芽生え、腰の後ろへと回した右手にインベントリから出した短剣を握り込む
ついさっき貰った短剣が早速役に立つ時が来たのか?
「おい、剣をしまえ」
何でどいつもこいつも見えるんですかね?
透視能力でも持ってるのか?
眉間に寄せていた皺が一層濃さを増し、アイスグレーの瞳が冷たく俺を見下ろした
この男が言うさっきの男、とはディーダの事か?なんだあいつ?お尋ね者だったとか?
「さっきの男は行商人…ときいた。
それよりお前は誰だ、此処に何しに来た」
後ろ手に握った短剣に力を込める
しまえと言われてしまう訳がない。こんな態度のデカい怪しい男に言われて、はい分かりました。と聞いてやれる程聞き分けは良くない
「……俺は……………
———冒険者だ。この辺りは俺の縄張りだ」
なんだその間!!絶対嘘じゃねぇかこの野郎!
縄張りってお前は犬か何かか?
それで言うならこの辺りはウチのポチの縄張りですけど?!
怪しすぎるので《鑑定》を使用
《ラルフレッド》
冒険者
の表示のみ。本当なのか??
それとも、人間を《鑑定》で見るには限界があるとか…?
ディーダの時も本人から申告された情報しか浮かび上がらなかった。
「お前はここに1人で住んでいるのか?」
「そうだが何か問題あるか?」
「……いや、この辺りはモンスターも出る。もし助けが必要な時は俺を呼べ。…ラルフレッドだ」
「それはご親切にどうも?…フユキだ」
「そうか。邪魔したな」
それだけ言うと、その男ラルフレッドは踵を返し、右側にある森の中へと姿を消していった。
…何だったんだあいつ。何しに来たんだ?
今日は訪問者が多いな…と思いながら本の前へと戻り、小さな椅子へと腰掛けた。
ああ、ソファが欲しい。ソファまではいかなくても、大きな椅子が欲しい。そうだロッキングチェアを作ろう!そうしよう
だが今日はもうなんだか疲れた。
短剣を収納し、机に突っ伏しながらペラペラと本を捲る
冒険者ねえ…?
自称冒険者のラルフレッドと言うあの男、森へと入って行ったが、あの森は行き止まりだ
まさか森の中に住んでたりしないよな…?今まで出会した事もないし…
小屋から森の行き止まりまでは、半日もあれば往復できる距離だ。あの森はそんなに広くない
まさかのご近所さん?嫌だ、あんな無愛想な男
そういえば飯食ってない、と思うと同時、ギギギと扉が開いた
大好きな白いモフモフ
「ポチーーー!!お帰りー!!
聞いてくれよ、今日はすっごい疲れたんだ!」
まだ昼過ぎだというのに、すっごい疲れたんだ!とその白いモフモフへと抱きついた。
はあ。最高の癒しだ
0
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる