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しおりを挟む結論から言うと、めちゃくちゃ買った。
ディーダから渡された銀貨は120枚。12万G
今回のローションと、前回の分
砂糖がだいたい、100gあたり200G程
なのでもう、大量に買った、爆買いだ
砂糖、塩、胡椒は勿論、小麦粉、根菜類、鉄製の鍋、ただの鉄の塊。残念ながら米は無かった…ので、小麦粉は大量に買った。あるだけ全部買い占めた
それと、取引を始める発端にもなった香。モンスター避けの香も買った。半径5メートルはある程度の効果があるそうだ。でも絶対ではない。蚊取線香みたいなものだろう
「ラルフ、お前はどうするんだ?」
「………略称で呼ぶな」
「悪ぃ悪ぃ、で?お前は行くのか?」
「………俺は…冒険者。残って仕事をする」
乾いた服をそれぞれ身に付けながら、ラルフレッドがディーダを睨む。
…いや、見ているだけか?目つきが悪すぎて判断が付きにくい
「そういえば冒険者だったなあ!!」
「………」
陽気にバシバシとラルフレッドの肩を叩くディーダ。今度は睨んでいる、間違いなく睨んでいる。般若の様な形相だ
だが、そんな視線をものともせずディーダは笑う
「…まあ、お前とポチが居れば安心か!!なあ、冒険者サン?」
「…….だまれ」
肩に組まれたディーダの腕をラルフレッドが乱暴に振り払った。だいぶ鬱陶しそうだ
ところで、ラルフレッドもここに残ると言っているが……まさかここに寝泊まりするわけないよな?自分の拠点持ってるよな?
顔と身体は良いかもしれないが…こんな愛想の悪い男と2人っきりはごめんだ
「よし!俺はそろそろ行くぞ!!」
来た時よりも幾らか萎んだ大きなリュックをディーダが背負う
「本当に町まで安全に戻れるのか?」
心配…という程では無いが、こいつに死なれては困る。今唯一ある俺の稼ぎ口だ
そんな思いを知ってか知らずか、俺の言葉をディーダが豪快に笑い飛ばす
「心配ねえよ!!走り続ければ半日ちょっとで着くんだ!」
「…?馬車で1日かかるって言わなかったか?」
「そりゃお前、馬車は遅いし休憩もいるだろ??」
そうなのか??乗った事ないから知りませんけど?そういうものなのか?
「早馬なら…3時間あれば着くな!」
「えっ、3時間?!」
結構近いな?!いや近くは無いか…?
元が1日だっただけに、すごく近く感じてしまう…恐ろしい錯覚
早馬と馬車では時速何キロくらい違うのだろうか…それとディーダは何キロくらいで走るつもりなのだろうか…しかも約半日……え?マラソンって何キロだっけ?一般男性の平均時速は…
ちょっと待てよ…計算、けいさ……いや、考えるのはやめよう。考えるだけでゲロ吐きそう
「えーーっと、がんばれ?」
「おう!!」
これもし一緒に行くって言ってたら、俺もその距離走ることになってたのだろうか。恐ろしい
モンスターに襲われるより先に疲労で死ぬ
「また落ち着いたら会いに来る!
あと、アレも使えたら販売価値があるか探ってくるな!」
「ああ、よろしく」
「だからそれまで元気にしてろよ?」
「ああ、ディーダも」
「じゃあまたなあ!!!任せたぞ!ラルフレッド!」
ブンブンと大きく手を振ったディーダが、扉を出て草原の方へ颯爽と駆け出した。
…若くは見えないが、何歳なんだろう。今度聞いてみよう。見た目年齢に合わず元気すぎる
「………アレってなんだ」
「ラルフレッドには一緒分かんねーモノ」
ムスッと眉を顰めるのが分かった
よく見ると若干、表情が動く。若干だし、本当に良く見ないと分からない
「…………そうか。
俺もそろそろ行く」
「…行くってどこに?」
「……森だ」
帰ってくれるのは本当に有難いが、森に行くのか?本当に?モンスターが大発生する森に?
…でも、ラルフレッドが行くなら俺も、
「…ポチを探しに行くか」
「ダメだ」
ボソリと呟くと、間髪入れずにラルフレッドの強い声が響いた
ビックリして見上げると、眉間の皺が驚くほど濃い
「………お前はここに居ろ。俺が見てくる」
「でもお前、ポチを見た事ないだろ?分かるのか?」
「……お前と森に居るのを何度か見た」
え、どこから?どこから見てたんだ?気色悪い
やっぱりコイツ森に住んでるな?
もっと愛想の良いご近所さんがよかった…
「いや、自分で行く」「行くな」「行く」「やめろ」と、何度か押し問答の結果、「入れ違いで帰ってきたらどうする」と言われ、大人しく待つ事にした。
入れ違いは困る、俺が居なくてポチがまた森に入って……という負の永遠ループも無いとは言えない
「……見つけたら帰る様に言う」
「言うって…犬語でも喋れんのか?」
「………見つけたら森の外まで連れてくる」
「明日まで待っても帰ってこなかったら探しに行くからな、いいな」
「……分かった。犬が帰ってきたら3日は外に出るな。絶対だ」
「3日?!」
「………それまでに俺が何とかする」
いや、何とかって?何とか出来るもんなのか?
「香を焚くのを忘れるな」と言ったラルフレッドが徐に扉を開き駆け出した。方向は森
何だあいつ?もうちょっとこう…なんて言うか、言い方っていうか…。
いや、俺が言えた義理では無いな
とりあえず、ポチが無事に帰ってきたら3日は引きこもろう。
ディーダにアレの売り込みもお願いした事だし、次に向けて新商品を作るのも悪く無いよな?ああ、悪くない
それから以前貰った《冒険者手引き》…冒険者の愛読書なるものを読んでみるか。インベントリに入れたまま存在をすっかり忘れていた
また忘れてしまいそうなので、本をテーブルの上へと出し、ディーダから仕入れた物をインベントリへと入れていく
小麦粉を手に入れたから、色々と旨いものを作れそうだ
米も有れば欲しかったのだが…ディーダ曰く、米は魔国でしか売っておらず、仕入れるには少し時間がかかるらしい。
魔国って……魔王とか居たらどうしよう。俺は異世界人だけど魔王討伐とかしないからな?
出来ればこの小屋で一生を終えたい
ディーダから買ったものを幾つかインベントリへいれた頃、ギギギと扉の軋む音がして、慌てて振り返った
「っぽち!!!!!」
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