独創スキルを手に入れたのでアダルトグッズ作ります

海月ウミヅキ

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「心配してたんだぞ、怪我は……してないな」
「わふ!!」



白と薄茶色の体毛を掻き分けながら、隈なく全身をチェックしたが何処にも問題はなさそうだ
一安心しながら、いつもの様に口で器用に咥えている籠を受け取る。
小さな果物と、小さな獣…と、エビと魚

ポチが持って来る籠に魚介類が入っていたのは初めてではなかろうか?
もしかしてコレは…うん、きっと間違いない


「醤油の旨さにハマったな…!」


籠に入っていた物を全てインベントリへ入れ、モフモフの首へと抱きつく
首筋に顔を埋めながら目一杯空気を吸い込んだ
とても良い香りだ
スーハースーハーと何度もポチを吸っている間、モフモフは大人しくお座りしている。賢い
さすが俺のポチ…!!


「飯は食ったか?」
「わん!!」


何度も吸った後ポチに尋ねると、ゆっくりと白いモフモフが頷く
俺もまだ腹は減ってないし食事には早い

のっそりと立ち上がり部屋の奥へと行ったポチが、その場に身体を落ち着けた。
それなら…と俺もテーブルの上の《冒険者手引き》を手にポチの横へと座り、その頭を撫でる。すると黒い鼻先から深い息が漏れ、青灰色の瞳が瞼に隠された

無事に戻ってきて本当に良かった…
ラルフレッドが見つけて森の外まで送ってくれたのだろうか?
いや?ポチが1人で帰ってきたのか?
戻ってきた事をラルフレッドに伝えに行くべきか?
だが、どこに居るかも分からないし、家から出るなと言われたしな

まあいっか。面倒だ。今はこの愛しいモフモフを堪能する時!


本を片手にモフモフな腹を満喫していると、不意に瞼を開けたポチがゆっくりと立ち上がった


「外には行くなよ」
「わふ」


立ち上がったその背中を追い、外に出ないようへ促すと、こちらをチラリと見たポチがテーブルの上へと視線を移す
テーブルの上にはインベントリに入れるのを後回しにした物が幾つか並んでいる。その中の一つであるピラミッド型の黒い物体…モンスター避けの香をポチが器用に前脚で転がした

そういえばラルフレッドに直ぐにでも焚く様にと言われたのを忘れていた

モンスター避けの香と言うくらいだから、何か強い匂いでもするのだろうか?何度も前脚で香を転がすポチを見ていると、臭い物を遠くに排除しようとしている様にも見えて来る


「くさいか?」
「わふ!!」
「うーーん?何も匂わないけど?」


ポチに転がされた香を手に取って嗅いでみたが、特になにも匂いはしない
犬の嗅覚は鋭いと言うし、俺には分からない何かがあるのかもしれない

…これを今から家の外で焚くのだが、ポチは大丈夫だろうか?もし嫌な匂いなら申し訳ない
のだが、焚かずにモンスターに襲われるなんていうことは避けたい
とりあえず今は香を焚き、暫くはポチの様子を注意深く見ていよう



◇◇◇


「……えっ!じゃあ俺魔法使えないのか?!」
「!」
「あ、ごめんポチ…起こした?」


《冒険者手引き》を閉じて、俺の大きな声にビクリと身体を揺らしたポチを撫でる
この本、最初の数ページは冒険者の心得や、注意事項、契約事項がビッシリと書き連ねられていて、正直言うと読めたものでは無かった。
……が、読み進めると、そこには魔法についての記載

《まず、自分の適正魔法を知るためにステータスを開きましょう。そこにはあなたが使える魔法の属性が記されています
各属性にあったお勧めの初級魔法は以下》

そういえばステータスなんてあったな…と思いながら少しワクワクして開いてみると、そこには適正魔法なんて表示は一切なかった。バグかと思った
だが、ページの下部、それもかなり小さい字で
《稀に適正魔法が無い者もいます。様々な機関により研究されていますが、目覚しい研究結果はでていません。魔法が使えなくとも人生を諦める事はありません希望を持ちましょう:相談可能な各機関……》


そして、ポチを起した俺の大きな声へと繋がるのだが…

《独創魔法》が使えるので厳密には全く使えないと言うわけでは無い…
だが、この本に書かれている初級魔法のファイアボールなんかは使えないということだろう…だって適正ないし?
ま、まあいいけど?《独創魔法》があるし?

…でもこの本の書き方だと、大半の人間が魔法使えるっぽいよな…適正が無い方が珍しい書かれ方だ。
今度ディーダやラルフレッドに会ったら聞こう。見せてもらおう


起こしてごめん!!とポチを撫で回していると、白いモフモフの腹からグゥと小さな音が鳴った


「飯にするか!!」
「わん!!」


ポチが目の前でブンブンと大きく尻尾を振っている。
わかる、わかるよ楽しみだよな!俺もだ!
だって、小麦粉を手に入れたんだぞ!!!

ああ…何を作ろうか。パスタ、パン、うどん、お好み焼き……全部食べたい…が、二日酔いにはやっぱりうどんだよな!

インベントリを開き、小麦粉と塩、魔素水を確認そして《独創魔法》発動!!
ニョロニョロでコシのある素敵な麺にして下さいね!と願いを込める。
込める…込めてみるが、何も起こらない


「…材料が足りないのか?」
「くうん?」


いやいや、そんなわけはない。
うどんは昔、田舎の婆ちゃんが作ってるのをよく手伝わされたから覚えている
材料は揃っているはずだ

なぜ、作れないのか

酒は造れただろ?!醤油だって!材料さえあれば食品も生み出せる筈だよな…?
何が違うっていうんだ…?

待てよ…今まで普通に自分で料理していたが、酒も醤油も作り出せるなら、スープくらいも作れるよな?
スープと言わず、フレアストーンと魚を使えば《独創魔法》で焼魚を作ることも可能…??
もし、作り出せないのなら…


「……むりだ。つくれない」
「くう…」

「どういう事だ?液体はいけて個体は無理とか?…いや、風呂は食べれねえけど固体だろ?」


どういう基準だ?全く分からん
…考えるのは後にしよう。ぽちの耳と尻尾が垂れている

よし、一旦小麦粉を使うのは諦めよう!!
ポチに早くご飯を作ってやらないと!こんなに悲しそうな顔は見てられない
でも、うどんは諦めないからな!夜だ!晩飯は絶対うどん!!!!

とりあえず今はポチに、肉+醤油もうまいって事を教えてやろう!
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