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しおりを挟む目を開くとベッドの上で、窓からは綺麗な夕陽が差し込んでいた
隣ではポチが寝息をたてている。
…尻の中に異物は…無い
なんだ、夢か。良かった…
いやいやいや!!!いや?!良くねーから!どんな夢だよふざけんな!恐ろしいわ!!
眠るポチを撫でながらゆっくり身体を起こすと、視界の端で何かが光った気がした。
油の切れたブリキ人形の様に首を動かして光の元を辿る
テーブルの上にそれはあった。夕日に照らされてキラキラと輝く2つの丸いものと、黒光りするエネマグラ様
「…うそだろ」
全身から力が抜け、ベッドへと逆戻り
深く息を吐いて目を閉じた
忘れよう。そう忘れてしまおう
…いや、無理だわ!!!忘れられるか!!!
くそ!なんでああなった?!アイツも何してくれてんだ!ふざけんな!
やばい…絶対すげえ変態だと思われてる
そんな変態に手を出すアイツもすげえ変態だけど……いや、ん?
この場合、手を出された事にはなるのか?
俺は出すもん出したが、アイツはキスはおろかちんこも出していない…
ただただ、俺のケツのエネマグラ動かして帰ったのだ。
いいのか、それで?俺はいいけど!!いや、良くねえわ!全然良くねえわ!!
「いやもう、意味わかんねえ」
「わふ?」
訳の分からない思考回路を断ち切ってくれたのは、ポチの優しいぬめっとした舌だった。
起き上がったポチがペロペロと俺の顔を舐めまわし首を傾げている。はあ可愛い
そういえば今日はまだ何も食べていない。ポチにご飯もあげていない…
早急に何か準備しよう。そうしよう
「飯にするか」
「わふっ!!!!」
ブンブンと尻尾を振るポチを見て笑みが溢れた。
一緒にベッドから出て、正直もう暫く見たくないエネマグラをインベントリへとぶち込み、魔石も同様にぶち込んだ。置いていったのだから有り難く貰っておこう
さて、今日は何を作ろうか。
そうだ酒を飲もう、酒だ
インベントリを開き在庫を確認していると、今し方入れた魔石に《独創魔法使用可能》の文字
まさか…??と思い、前世で良く見たガスコンロを思い浮かべた
材料は…魔石と石と…まだ余っている鉄。足りなければ鉄剣を使っても良いな…
火加減のできる歴としたコンロ。二口コンロ!!
「っっできたーーー!!!!!」
ゴトン、とテーブルの上に現れたのは、どっからどう見ても紛れのないコンロだった。
しかも魚焼きグリルつき
試しにつまみを捻ってみると青い炎があがった
魔石凄い。ラルフレッドやるじゃん…
これがあれば煮込み料理も気軽にできそうな気がする!!気がするだけだが!
とりあえず竈をインベントリへと入れ、木で作った台の上にコンロを乗っけた。
ああ、今日の晩飯は何にしよう
インベントリを見ながら、まずは脂の乗った青魚を取り出した。軽く塩を振り、早速グリルに投入
まずはお手並み拝見と行こう
水を入れた鍋を火にかけ、いくつかの野菜と肉を切る。沸騰した鍋にインベントリ内最後のうどんを入れ、茹で上がるのを待つ間隣のコンロで炒め物用の鍋に野菜と肉を放り込んだ
塩胡椒をして時折鍋を振りながら、茹で上がったうどんを引き上げる
うどんを茹でた汁に白菜と昆布を入れ、小麦粉と水、塩胡椒をいれ混ぜた物をスプーンで掬い、鍋の中へと落として行く。所謂すいとん。
右側の鍋では野菜たちに火が通ってきたので、うどんを入れて醤油を回しかけた。出来る事ならソースが良かった……ソースの原料って何だ?あの色だ、醤油が入ってるのは間違いない、あのトロミと甘味は蜂蜜とか?うーーん、分からん
うどんから香ばしい匂いがあがるなか、すいとんスープに白身魚を入れて塩と醤油で味を整える。正直、粉末だしが欲しい。あれは最強だ
粉末だしなら頑張ったら作れるかもしれないな?いつか試してみよう
グリルの中を覗くと、油を滲み出した魚がいい色に焼きあがっていた
「もう食べれるぞ」
「わんっ!!!!」
俺が調理する中、ずっと後ろで尻尾を振っていたポチが嬉しそうに声を上げる
いつもの様にインベントリから取り出した皿へそれぞれ盛り付け、席へと着いた。
俺が一口食べるのを見て、ポチも自分の皿へと食いつく。相変わらず良い食べっぷりだ
それにしても便利だわ魔法コンロ
どういう仕組みか分からんが、魔石ってすごいんだな……エネルギー源はなんだ?
いや待て、この魔石…応用したら電池みたいな使い方もできるんじゃないか?加工の仕方で色んな効果をつけれるって言っていたよな?
モンスター避けの魔石、なんていう原理が一切分からない魔石もあるわけだ……火が出る魔石があるなら、電気が出る魔石があっても良いだろう。
もし、もしあれば……ローターが作れる!!いや、あれだ、冷蔵庫とかもな?作れそう。うん
これは魔石についてもっと知りたいな。ラルフレッドは会話にならないから今度ディーダに聞いてみるか?そうしよう
もぐもぐ、と焼きうどんを頬張りながら思索に耽っていると、コンコンとノックの音が飛び込んだ
「無事みたいで何よりだ!!!」
俺の返答を待たずして開かれた扉の先に見えたのは、まさに今思っていた人物
鼠色の髪に、胡散臭い笑顔を浮かべた彫りの深い元気な中年男
「…ディーダ久しぶり」
本当にいつも同じ日に来客があるな。
と思いながら、口内に残ったうどんを飲み込んだ
ヘラヘラと笑いながら家の中へと入ってきたディーダの姿は、いつもと少し違う
いつも…と言っても彼に会うのはこれで3度目だ。以前から背負っている大きなリュックは変わらない。だが、薄緑のシャツにいつも着けている革鎧は無く、その代わりに立派なシルバーの胸当をまとっていた。
さらに言うと、ギギギと風で閉まりゆく扉の向こうには馬の様な生き物が見えた気もする
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