転生した俺は身バレしたくない〜ニ鬼を追うもの〜

海月ウミヅキ

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はじまり

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「俺もパーティーに入れろ」



ロワンと一緒に冒険者として生きて行く事にした俺に、先程からずっとアルドが同じ言葉を繰り返してる。
正直ちょっと煩い


「俺は冒険者歴が長ェんだ!役に立つぞ!」


って言われても…
横に立つロワンをチラリと見るが、その表情から意思は汲み取れない


「道も、相場も、モンスターの知識も何だって詳しいぞ?
どっかの引きこもりとは違ってなァ?」


ゴリラみたいに威張ったアルドが、意味あり気な言葉でこちらを見る。

ん?引きこもりって俺の事か?
いやいや、俺こう見えても一応社会人してたんだけど?
まあ、休日は一切家から出ない主義でしたけど!
日曜しか休みが無いのに、遊びに行くわけないだろう?日曜は翌日に備えて、家でゆっくりする為の日だ!



「嫌だろうが、何だろうが
方向が同じっつー程で着いていく」



明らかなストーカー発言をしたアルドに、ロワンと2人して冷ややかな視線を向けるが、当の本人には何も伝わっていなさそうだ。

まだ何か言おうとするアルドを手で制したロワンが、小さくため息を吐いたかと思うと俺を見る

ごめん、ロワン。俺にはあの野蛮人を黙らせる事は出来ないと思う…



「トウヤ、彼も一緒に良いですか?盾としては使えますし…」
「え、あ、うん?盾?」


盾って言った?言ったよね?
冒険者もパーティーも、ロワンが言い出してくれた事だ、決定権はロワンにあると思う
ただ2人って昔馴染み…みたいだけれど、あまり仲が良さそうには見えないんだよな…


「本当に私とアルド、3人のパーティーで宜しいのですね?」
「え?うん、ロワンが良いなら何でもいいよ」


俺がそう言うと、頷いたロワンがアルドもパーティーに入る事を許可した。
3人のパーティー…これでまた前も後ろも守って貰えそうだ。
喜ぶアルドを一瞥したロワンに、何処か行きたい場所は無いかと尋ねられたが、正直あまりよく分かってないので、冒険者になるならレベル上げでもしようかな……?と答える。

守って貰えるとは言え、多少は俺も何かできた方が良いよな?せめてHPを上げて一撃くらいは耐えれる様にしておきたいし…念の為。
それと、もしロワンに捨てられる時が来たらと思うと、一刻も早くある程度強くなりたい…1人でも生きていけるくらいには強くなりたい!
あとやっぱり魔法使いたい!一日に数回しか使えないとしても、使ってみたい…!!


「なら、ダンジョン行くかァ?」


アルドのその言葉に、思わず振り返る
え?ダンジョンあるの?ダンジョンある系の異世界なの?!
そんなの勿論いくに決まってるじゃないか!男のロマン!!夢が詰まってる!

行く行く行きたい!と興奮と共に鼻息荒く答えながら、でもロワンはどうだろう?行きたくなかったりしないかな?と不安になり、その白皙の顔を覗き込んだ。
ルビーの様に輝く瞳が俺を捉えると、溶けそうな柔らかい眼差しで小さく微笑む


「では1番近くのダンジョン都市へ行きましょう」
「トーヤの登録はそこでしよーぜ、ここのギルドちっせェからなァ」


ここ、と今し方出てきた門の方向を親指で指したアルドが歩き出す。
どうやら行き先は今ので決定したようで、先頭を歩くみたいだ
その後に俺とロワンが続き、そう言えばこの町に来た時はロワンが先頭だった事を思い出す。
ほんの2日ほど前の事なのに、懐かしく感じるから不思議だ…


初めの町、スタット。先行きが不安すぎて、町の中をちゃんと見なかったな…
色々なお店に、雇ってください!って言いに行った割に、どんなお店で何が売っていたのかをいまいち覚えていない
手持ちの現金が無かった…というのもあるが、この町の特産?とかがあったなら、買ったり食べたりするべきだったかも?
…次行く町では沢山楽しもう!


「そういえば、魔石は売れましたか?」
「ませ、ま……魔石!!!!」



ああああ!!!忘れていた!!!!!!
そういえばこの服アルドが洗ってくれたけど………よ、良かった!ポケットにちゃんとあった!
なんで忘れていたんだろう…
アルドとギルドに入った時に、買取カウンターが視界に入っていたというのに、そこでも思い出さなかったなんて…

くそう…
もう他に忘れてる事ないかな?大丈夫かな?
何か異世界来てから色々ありすぎて、脳が萎縮してる気がする…いや、してる。だって何か考えようとしたらすぐ疲れるし…あと情報量多すぎ……
本当にもう何も忘れてない?何か、何か…


あ、



「ロワンの大切な用事は?」
「もう済みましたよ」


そうなんだ?いつの間に?


あ、思い出した。朝ごはん……
ロワンにメロンパンあげてないし、お礼も言ってない
なーんだ。だいたい忘れてるじゃないか。やっぱり脳が萎縮してる。きっとそうだ、そのせいだ。



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