転生した俺は身バレしたくない〜ニ鬼を追うもの〜

海月ウミヅキ

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はじまり

29

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「今日は此処で野宿となりそうですね」
「腹減ったーー」




はあ。どうしよう。
俺の隣から聴こえてくるのは、2人の喋り声と、焚き火のパチパチと弾ける音
いつの間にか着せらた自分の服に、ベタつかない身体

ああ。どうしよう。
記憶を遡らなくても、ばっちりと覚えている

勝手に魔法を使い、勝手に魔力枯渇を起こし、ロワンに魔力を分けてもらい……
何故か勝手に催淫効果が顕れ、勝手に発情状態へと。
うん、ここまではまだ仕方ない。知らなかったから!魔力枯渇とか知らなかったから!

問題はその後
自分が気持ちよくなりたいが為に、淫にアルドを誘い、果てはロワンまで…
しかも一度ならず、何度も、何度も…何度も
その上俺はずっとマグロ。ただ寝てただけ、自分から懇願しておいて、ただただ気持ちよくしていただいただけで、俺は本当に何もしてない
尻だして、精子だして、アンアン言ってただけ!
そして、意識飛ばしただけ……

ええええ…ただのドクズじゃん。
2人とも呆れてるだろうな…
こ、こんな淫乱……アルドは性魔力に敵わなかったからヤっただけだろうし、ロワンはきっと優しさからだろう…優しいからロワン

これは、やっぱり起きると共に土下座?
土下座だよね?
よし、土下座しよう。
そして、お腹空いたって言ってるし美味しいご飯出そう。謝り倒そう…
正式にパーティー組む前にパーティー解散とか笑えないよ本当。笑えない…ここで捨てられたら詰む…


よし、それでは心を決めて
華麗に飛び起きて土下座をキメよう


「っすいまッわわーーー!」


「とっ、トウヤ?!?」
「なァにやってンだお前?」


「…ぐ、最上級の土下座??」
「ドゲザ…??」
「頭打っただろ?」


起き上がると同時に顔面から地面へと沈み込んだ俺と、そんな俺を見下ろす美形2人。
どうしてこうなった…

思ったより足腰に力が入らなかったからだ。ていうか全然入らない、身体痛い!なにこれ!なにこれ!股関節と腰が…!

しかも!!土下座文化無かった!異世界にはなかった!!無意味!!

地面に沈んだ俺の両脇を其々に抱えられ、起こしてもらい、そのまま焚き火の前へと座らされた。


「あの、ゴメンナサイ…」

「え、何がですか??」


「なんか…こう、欲情?発情?しちゃって…
何か色々、ヤっていただいて…スミマセンデシタ」
「俺は役得ってヤツだったと思ってっけど?」
「トウヤが謝る事なんて1つもないですよ。
それより、身体は大丈夫ですか?」



あ…うん、役得ね。俺の性魔力は美味しかったですかアルドさん。

天使の様な微笑みで、俺の手を取ったロワンは、身体の心配までしてくれる…どこまで優しいのだこのイケメンは!!
感動で少し目頭が熱くなる

身体は全然大丈夫じゃ無いけど、なんて言うか…これは、そう、自業自得だ。
俺の瞳を心配そうに覗き込むロワンに、強がって、大丈夫だと告げると、その顔は心配顔から忽ち困り顔へと変わっていく


「…トウヤ、嘘はダメですよ」
「明日も歩くんだ、しっかり回復しろ」


右隣で、痛む俺の腰を摩るロワン
左隣からはアルドが、ポーチから取り出したポーションを俺の膝の上へと転がした

なんだこの、至れり尽くせり感…
更に申し訳なさが加速していく
も、もうちよっと文句言うとか、雑に扱ってくれてもいいんですよ?
じゃないと、俺が居た堪れない…

でもアルドが言う通り、明日も歩くのでお礼と共にポーションを乾いた喉へと流し込んだ。
ん?明日も歩く?明日も……よ、よかった、パーティー解消の心配もなそう!

ポーションを飲み終わると同時、しゅんと眦を下げたロワンが俺へと向き直る、そして細く消え入りそうな声で言葉を続けた



「…緊急時だったとはいえ、私が軽率に貴方へ魔力を与えたせいで…申し訳ありません」


えっ、え?
俺今もしかして謝られてる?!なんで??

もしかして、俺があんな状態になったの、魔力を入れた自分の所為だと思ってる?
というか、魔力にも催淫効果あるの?

でも、あの時ロワンに魔力を貰ってなかったら…最悪の場合、待っていたのは死

死ぬより全然良いから、気にする事なんて無いのに!


「魔力譲渡でこんな副作用…
聞いた事ねぇけどなァ?今回は仕方ねえよ」


俺が頭の中でグルグルと考えている間、沈黙が続いた為か、俺より先にアルドが口を開いた。
しかも、まさかの、ロワンを庇う様な発言…
嘘だろ?アルドが?

も、もしかして俺が黙ってたから怒ってるとか思われた?
それはまずい!そんな事ないよロワン!
ただ、理解が追いついてないだけだから!


「ろ、ロワンは悪くないから!
むしろ、感謝してるくらいだから!気にしないで!ね?」
「……本当ですか?ありがとうございます」


パッと大輪の薔薇を咲かせたように表情を緩めたロワンが、目を細め長い睫毛を伏せて俺の手を握った。
頬は朱色に染め、安心し切った顔でニッコリと微笑むロワンの姿はとても美しく、少しドキドキとする


「…ですが、今後は軽率に噛み付かない様気をつけますね。貴方にどの様な効果が及ぶのか分かりかねませんので」
「あ?うん、そうしてくれると助かる?」


行為中にめちゃくちゃ噛まれた記憶があるが、アレはノーカウントなのだろうか?きっとそうなのだろう。
俺も魔力枯渇を起こさない様に最新の注意を払うようにしよう。暫くは絶対に魔法は使わない!!


「なァ、腹減ったんだけど?」


俺が決意を固めていると、低い声でアルドが呟いた
そうだった。忘れていた、謝罪も込めて沢山食べて頂こう!!

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