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第二章 アクア
第12話 アリア&スノー
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「閣下、リーハイム殿下よりの使者をお連れしました。」
僕は深々と頭を下げ
「フリッパー・リバース騎士爵が五男、アレックス・リバースです。リーハイム殿下より書状を預かって参りました。こちらに」
そう、手紙を差し出すと、セバスチャンさんが、セイレーン公爵(らしい人)に持っていった。セイレーン公爵(らしい人)は、手紙を開け、目をパチクリさせながら手紙を読んだ。3分程で読み終わると、立ち上がり、手紙を奥にワイングラスを持った二十歳位のイケメンに渡し
「こちらをご覧ください。」
そう言って、こそこそ話している。僕の中で、セイレーン公爵は、リーハイム殿下のお父さんだから、壮年の方=セイレーン公爵と思ったが、壮年の方がイケメンに敬語?イケメンって正義かもしれんが身分では関係ないはず。そう思うと、ここで一番位の高いイケメン=セイレーン公爵となる。でもでも、イケメン確実にリーハイム殿下より年下だよな。そう考えると、イケメンってセイレーン公爵より上?公爵より上って帝国の公爵は下手な国の王族より上だ。そうすると帝室の方・・。まさかそんな場所に使者が入れるのか・・・。そう考えると・・・・。と色々考えていると、壮年の方が声をかけてきた。
「アレックス。リーハイムよりの書状大義であった。そちは、アリアの作ったクランアクアのクラン長代理で間違いないか。」
「はい。」
「そうか、計画の内容も、」
「はっ、主要物資は既に私の方で確保しております。」
「よろしい。」
壮年の方は、満足そうな顔をした。
「では、計画、・・・いや悪巧みをより深くしましょうか。殿下。」
「セイレーン公、悪巧みって、単なる事業だ。セイレーン公爵領から、帝都までは、私の一存で許可できる。あと、ハーミットの大森林だが、エルフ達の了解を取っておかないと問題になるだろう。アレックスと言ったな、書状を渡すから交渉してこい。」
「はっ。」
僕は、深々と頭を下げた・・・。皇子って・・。帝室かよ・・・。
「あと、南部の副都ゼーブラ、ロンドワース、リーカーズムと繋ぐことは可能か?私直属の部隊を出そう。物資は確保できるか?」
「どのくらいの量でしょうか?」
「各都市まで約200キロ位だ。」
「では、直線距離で行った場合、山などは?」
「山か?無いか?」
と、殿下が悩んでいると。セイレーン公爵が助け船を出した。
「アレックス。ゼーブラとリーカーズムそれぞれの間に山脈がある。ゼーブラは、帝国直轄領の穀倉地帯の中心地、ロンドワースは、セイレーン領と帝都、東部ブリゾーゲン公爵領とを繋ぐ交易都市、リーカーズムは、周辺に大量のダンジョンを抱える迷宮都市だ。」
「距離は?」
「少し待て。」
そう言うと、セイレーン公は、棚から地図を持ち出した。
「こんな感じだ。ロンドワースと、リーカーズムは大体200キロ、ゼーブラは、150キロってとこか。直線で結ぶってこの距離だと少しでもズレたら、大きくズレるな。どうする。」
「大丈夫です。少しのカーブは問題なくカバー出来ますので。ゆっくり曲げて頂ければ良いかと。」
「その分の予備も考えると、数千万単位で土の魔石が必要だぞ。セイレーンと帝都間を考えると、一億近く。大丈夫か?」
「はっ、そこは死んでも用意いたします。というか・、とりあえずレベル1の土の魔石5千万個分でよろしければ、直ぐにでも。」
「そうか、5千万個分って、余るだろうが・・・。それよりどこから・・・。帝国内の年間産出量の何十倍か?」
「入手経路はダンジョンからとしか申しようがございません。もし余れば殿下の事業にお使いください。殿下には、別に1千万個分献上致します。」
そう皇子に献上品を出すと、
「そうか・・・。よろしい。今回の事業が成功した暁には、そちに帝国子爵位をくれてやろう。法衣貴族だが、開発対価として、30年分の利用権であったな。それを認めるで、問題ないだろう。」
「ありがとうございます。ですが、私はアリア様のクラン長代理にすぎませんが。」
皇子は、ニヤっと笑い。
「爵位をやると言っているんだ、貰っておけ。帝都から三副都とセイレーンを繋ぐハブとして、都市の建築も作る予定だ。書状をみると、そちのギルドは職人工房と、商会を傘下に収めたと聞く。そちの冒険者クランと、商会の支部を作り、商人ギルドマスターと、冒険者ギルドマスターを出せ。必要なら人員はこちらで用意する。」
「えっ、どういう。」
「簡単じゃ、最近、商人ギルドの専横や、冒険者ギルドの横暴が目立つ。帝室をなめてる。面白いことをしてやろう。新しい都市なんぞ、ここ百年出来ておらず、自由に選ぶことが出来なかったが、各ギルドの規定で都市建設に参加した商会が初代商人ギルドマスターを出せるし、冒険者クランが冒険者ギルドマスターを出せる規定になっている。商会の制限等は私でかけられるからな・・・・。」
「その為の資材の一部も冒険者クランで用意させて頂きます。」
「よろしい。儂の名前を言ってなかったな、儂は帝国第二皇子ガイアスだ。最高の帝国を築いていこうぞ。」
そう言って、セイレーン公が若干引き気味の顔を見せながら、皇子と僕は別名悪巧み2を練り、席を辞した。
その日は、セイレーン公爵邸に泊まり、翌朝セイレーン公に呼び出された。
「アレックス、昨日は・・・・色々言いたいことはあるが、まずは、前に進んでよかった。ガイアス殿下は、帝位継承権二位で帝位継承争いを第一皇子のブリモンド皇子と争われている。手柄が欲しい中で、この話は降ってわいた大きな機会だ、当家としては、出来る範囲でガイアス殿下を押すが、無理はしないというスタンスだ。お主の悪巧みも、セイレーン公爵領のクランと、殿下の悪巧みに過ぎないという整理になる。そのことは理解してくれ。」
「はっ。何かあって詰め腹を切らされる時は、私だけでとどまる様にお願いします。」
「わかった。」
「あと、新都市の建築資材は、ある程度確保しております。公爵家より商売としてお出し頂ければと存じます。あくまで帝国の為に貢献ですので。」
「ありがとうな。」
「ほかに、閣下に貢物を。」
「ありがとう。なんじゃ?」
そう言うと、鈍色のインゴットを20本出した。
「なんだ?」
「オリハルコンです。」
「ん?」
「オリハルコン20キロです。」
「は?」
「少なすぎましたでしょうか?」
「いや、オリハルコン20キロは、オリハルコンの年間産出量の半分なのだが・・・。」
セイレーン公爵の目が点になっていた。
「本来は、アリア様にお渡しし、献上すべきものですが、アリア様に、」
「アリアか?もうすぐ来るぞ。」
「へ?」
タイミングよく、扉を叩く音が聞こえた。
「アリアです。お祖父様。お呼びですか?スノーも一緒です。」
「入れ。」
そう言うと、2人が入って来た。伏目がちに入って来た2人は、僕を見るなり
「アレックス君、どうしたの?」
「アクアで何かあったの?」
アリア様とスノーさんは、びっくりした顔をした。2人は、公爵家のドラゴンに乗って帝都に来たが、僕がこのタイミングで来ているなんて、想像すらしていないだろう。
「アリア様、スノーさん。お久しぶりです。リーハイム殿下のご指示で飛んできました。」
「お父さんの?」
「そうです。実は、」
そう言って、悪巧みの事情や、アクアの現状等について説明した。アリア様は、アクアの現状に辛そうな顔をし、スノーさんは、アリア様の辛い顔を見てられない様だった。一通り説明が終わると、
「お祖父様、私アクアに、」
「ダメだ」
セイレーン公爵は、アリア様の話を聞く耳持たないとの言う様に、諭し始めた
「アリア、お前は来週学院の入学パーティがある。あれは、上流貴族のお披露目パーティーの様なものだ。それを領地のゴタゴタ出られない等となったら、セイレーン公爵領自体の評判を下げ、全ての民に迷惑をかける可能性がある。リーハイムも動き始めている。お前の父と、此奴を信頼してやれ。お前は、貴族として、人を信頼する勇気が無いのか。部下や、仲間を信頼する勇気が無ければ、貴族なんぞ出来んぞ。」
「お祖父様。でも」
「アリア様、僕に勇気の大切さを教えてくれたのはアリア様です。アリア様はオーナーとして、どしんと構えて、貴族としての仕事をなさって下さい。」
「アレックス。」
「アリア、アクアのことなんか、アレックスはともかく、リーハイム様や、アリシア様がちゃちゃっと解決してくれるわよ。貴方には私が着いていてあげるから、シャキッとしなさいシャキッと。」
「スノー。皆さん、すみません。私の領地のことで焦ってしまって。私は貴族のとしての仕事をします。アレックス、アクアをよろしくお願い申し上げます。」
アリア様が、みんなを笑顔で見回すと、スノーさんが急に僕の方を向いて話し出した。
「ところでアレックス君。クランの資産をどれだけ無駄遣いしたの?」
「へ?」
やばいと思った。スノーさんは、お金に煩かった。
「アリアの領地に使った分はアリアの貰い分として、私の分はちゃんと取ってあるわよね。」
「はっはい。」
僕はそう言って、マジックバックを一つ渡した。事前にスノーさんには会えた時に一部素材を渡そうと思っていたので、準備していた。
「えーと、オリハルコン、ミスリル、金属や、木もたくさんあるわね。魔石は土と無属性が大半か、あっ、誕生石が中まで全種類ある、薬草はちょっとか。まぁ良いわ。ありがとう。」
「いえいえ、僕はスノーさんの単なる代理ですから。」
「よろいし。」
「後、こちらも。」
「なんだ?」
僕は書類の束を差し出した。
「権利書類です。アクア不動産の権利書、港の8割について2000日分の利用権、商人ギルドの権利書類。全てお預けします。」
「私に・・・。やだやだやだ、こんなの命狙ってって感じじゃないの?」
スノーさんが超絶焦っている。その焦り方が猛烈可愛いので、もう少し弄ってみよう。
「ですが、重要なものはクラン長に。」
「いやだーって。お金や、素材はいくらでも貰うけど、特に商人ギルドの権利書って、商人ギルド史上に残る失態として有名なやつとおなじじゃん。冒険者クランに商会の支配を認めるなんて・・・。絶対奪いに来るでしょう。50人以上の死人が出た事件と同じのなんて。」
「ですから、僕が持っていると、命を取られて権利も取られちゃうので・・・。」
「だからー。私を巻き込まないでー」
スノーさんの絶叫を聞いて、公爵様が笑いながら手を差し伸べた。
「アレックス、そのくらいにしておけ。公爵家で預かろう。アレックスお前も、性格良くないなぁ。」
「違うですわよお爺様、アレックスは、単にスノーが・・・」
スノーさんはぷーっと顔を膨らめて。
「アレックスは、アリアの為に、私を弄ったのよ。最低よ・・・・。いーっだ。」
「私の為?」
「そうよ、あなたが凹んでいるのをフォローする為よ・・。最低よ。ちゃんと来週のパーティーまでに気合を入れ直すのよ。1年上のバルザック王国のベイスターン王子も出席するんだから。」
「会うの3回目だわ、同じ学院に通うんだからもっと会うことできるんだろうけど。」
「綺麗にしていきなさい。オリハルコンや、誕生石も好きなだけ使って、金のドレスでも作れるわよ。」
「やよ、センス無い。まぁ良いわ。」
笑顔で孫たちのやり取りを見ていたセイレーン公爵が笑いながら僕を見た。
「ところで、アレックス、お主、どれだけ物資を持っているんだ?」
「えっ・・・。えっ・・・。えっっとー。」
「アリア、スノーお前たちも教えて貰おうか・・・。」
僕は、セイレーン公爵に持っている物を全て報告し、相当もってかれた、そんなこんなで、小一時間追加の悪巧み等を相談していると、僕の知らない執事さんが呼びに来た
「閣下そろそろ次の予定が・・・。」
「そうか、アレックスこの後どうする?」
「アリア様やスノー様にお会いしたので、イフリートに行こうと思います。」
「イフリートに?」
「僕の相棒ロッシを助ける為に必要なレッドドラゴンの肝は、西のイフリート公爵領イフリートの第1迷宮の35階位にいるレッドドラゴンからとれるので、取りに行こうと思います。」
「35階?大丈夫か?」
「頑張ってみます。一回のアタックでは難しいでしょうけど。情報集めて、一回入るだけ入ってみます。」
「そうか、頑張って来いよ」
「アレックスさん頑張って下さいね。」
「アレックス君、無理して死ぬなよ。」
「みなさん。頑張ってきます。」
「それで、また、素材を持って来てね。」
「スノーさん。」
そう言うと、みんなで大笑いし、僕は、6日分位の食料を貰い、帝都を出てイフリートに向かった。
僕は深々と頭を下げ
「フリッパー・リバース騎士爵が五男、アレックス・リバースです。リーハイム殿下より書状を預かって参りました。こちらに」
そう、手紙を差し出すと、セバスチャンさんが、セイレーン公爵(らしい人)に持っていった。セイレーン公爵(らしい人)は、手紙を開け、目をパチクリさせながら手紙を読んだ。3分程で読み終わると、立ち上がり、手紙を奥にワイングラスを持った二十歳位のイケメンに渡し
「こちらをご覧ください。」
そう言って、こそこそ話している。僕の中で、セイレーン公爵は、リーハイム殿下のお父さんだから、壮年の方=セイレーン公爵と思ったが、壮年の方がイケメンに敬語?イケメンって正義かもしれんが身分では関係ないはず。そう思うと、ここで一番位の高いイケメン=セイレーン公爵となる。でもでも、イケメン確実にリーハイム殿下より年下だよな。そう考えると、イケメンってセイレーン公爵より上?公爵より上って帝国の公爵は下手な国の王族より上だ。そうすると帝室の方・・。まさかそんな場所に使者が入れるのか・・・。そう考えると・・・・。と色々考えていると、壮年の方が声をかけてきた。
「アレックス。リーハイムよりの書状大義であった。そちは、アリアの作ったクランアクアのクラン長代理で間違いないか。」
「はい。」
「そうか、計画の内容も、」
「はっ、主要物資は既に私の方で確保しております。」
「よろしい。」
壮年の方は、満足そうな顔をした。
「では、計画、・・・いや悪巧みをより深くしましょうか。殿下。」
「セイレーン公、悪巧みって、単なる事業だ。セイレーン公爵領から、帝都までは、私の一存で許可できる。あと、ハーミットの大森林だが、エルフ達の了解を取っておかないと問題になるだろう。アレックスと言ったな、書状を渡すから交渉してこい。」
「はっ。」
僕は、深々と頭を下げた・・・。皇子って・・。帝室かよ・・・。
「あと、南部の副都ゼーブラ、ロンドワース、リーカーズムと繋ぐことは可能か?私直属の部隊を出そう。物資は確保できるか?」
「どのくらいの量でしょうか?」
「各都市まで約200キロ位だ。」
「では、直線距離で行った場合、山などは?」
「山か?無いか?」
と、殿下が悩んでいると。セイレーン公爵が助け船を出した。
「アレックス。ゼーブラとリーカーズムそれぞれの間に山脈がある。ゼーブラは、帝国直轄領の穀倉地帯の中心地、ロンドワースは、セイレーン領と帝都、東部ブリゾーゲン公爵領とを繋ぐ交易都市、リーカーズムは、周辺に大量のダンジョンを抱える迷宮都市だ。」
「距離は?」
「少し待て。」
そう言うと、セイレーン公は、棚から地図を持ち出した。
「こんな感じだ。ロンドワースと、リーカーズムは大体200キロ、ゼーブラは、150キロってとこか。直線で結ぶってこの距離だと少しでもズレたら、大きくズレるな。どうする。」
「大丈夫です。少しのカーブは問題なくカバー出来ますので。ゆっくり曲げて頂ければ良いかと。」
「その分の予備も考えると、数千万単位で土の魔石が必要だぞ。セイレーンと帝都間を考えると、一億近く。大丈夫か?」
「はっ、そこは死んでも用意いたします。というか・、とりあえずレベル1の土の魔石5千万個分でよろしければ、直ぐにでも。」
「そうか、5千万個分って、余るだろうが・・・。それよりどこから・・・。帝国内の年間産出量の何十倍か?」
「入手経路はダンジョンからとしか申しようがございません。もし余れば殿下の事業にお使いください。殿下には、別に1千万個分献上致します。」
そう皇子に献上品を出すと、
「そうか・・・。よろしい。今回の事業が成功した暁には、そちに帝国子爵位をくれてやろう。法衣貴族だが、開発対価として、30年分の利用権であったな。それを認めるで、問題ないだろう。」
「ありがとうございます。ですが、私はアリア様のクラン長代理にすぎませんが。」
皇子は、ニヤっと笑い。
「爵位をやると言っているんだ、貰っておけ。帝都から三副都とセイレーンを繋ぐハブとして、都市の建築も作る予定だ。書状をみると、そちのギルドは職人工房と、商会を傘下に収めたと聞く。そちの冒険者クランと、商会の支部を作り、商人ギルドマスターと、冒険者ギルドマスターを出せ。必要なら人員はこちらで用意する。」
「えっ、どういう。」
「簡単じゃ、最近、商人ギルドの専横や、冒険者ギルドの横暴が目立つ。帝室をなめてる。面白いことをしてやろう。新しい都市なんぞ、ここ百年出来ておらず、自由に選ぶことが出来なかったが、各ギルドの規定で都市建設に参加した商会が初代商人ギルドマスターを出せるし、冒険者クランが冒険者ギルドマスターを出せる規定になっている。商会の制限等は私でかけられるからな・・・・。」
「その為の資材の一部も冒険者クランで用意させて頂きます。」
「よろしい。儂の名前を言ってなかったな、儂は帝国第二皇子ガイアスだ。最高の帝国を築いていこうぞ。」
そう言って、セイレーン公が若干引き気味の顔を見せながら、皇子と僕は別名悪巧み2を練り、席を辞した。
その日は、セイレーン公爵邸に泊まり、翌朝セイレーン公に呼び出された。
「アレックス、昨日は・・・・色々言いたいことはあるが、まずは、前に進んでよかった。ガイアス殿下は、帝位継承権二位で帝位継承争いを第一皇子のブリモンド皇子と争われている。手柄が欲しい中で、この話は降ってわいた大きな機会だ、当家としては、出来る範囲でガイアス殿下を押すが、無理はしないというスタンスだ。お主の悪巧みも、セイレーン公爵領のクランと、殿下の悪巧みに過ぎないという整理になる。そのことは理解してくれ。」
「はっ。何かあって詰め腹を切らされる時は、私だけでとどまる様にお願いします。」
「わかった。」
「あと、新都市の建築資材は、ある程度確保しております。公爵家より商売としてお出し頂ければと存じます。あくまで帝国の為に貢献ですので。」
「ありがとうな。」
「ほかに、閣下に貢物を。」
「ありがとう。なんじゃ?」
そう言うと、鈍色のインゴットを20本出した。
「なんだ?」
「オリハルコンです。」
「ん?」
「オリハルコン20キロです。」
「は?」
「少なすぎましたでしょうか?」
「いや、オリハルコン20キロは、オリハルコンの年間産出量の半分なのだが・・・。」
セイレーン公爵の目が点になっていた。
「本来は、アリア様にお渡しし、献上すべきものですが、アリア様に、」
「アリアか?もうすぐ来るぞ。」
「へ?」
タイミングよく、扉を叩く音が聞こえた。
「アリアです。お祖父様。お呼びですか?スノーも一緒です。」
「入れ。」
そう言うと、2人が入って来た。伏目がちに入って来た2人は、僕を見るなり
「アレックス君、どうしたの?」
「アクアで何かあったの?」
アリア様とスノーさんは、びっくりした顔をした。2人は、公爵家のドラゴンに乗って帝都に来たが、僕がこのタイミングで来ているなんて、想像すらしていないだろう。
「アリア様、スノーさん。お久しぶりです。リーハイム殿下のご指示で飛んできました。」
「お父さんの?」
「そうです。実は、」
そう言って、悪巧みの事情や、アクアの現状等について説明した。アリア様は、アクアの現状に辛そうな顔をし、スノーさんは、アリア様の辛い顔を見てられない様だった。一通り説明が終わると、
「お祖父様、私アクアに、」
「ダメだ」
セイレーン公爵は、アリア様の話を聞く耳持たないとの言う様に、諭し始めた
「アリア、お前は来週学院の入学パーティがある。あれは、上流貴族のお披露目パーティーの様なものだ。それを領地のゴタゴタ出られない等となったら、セイレーン公爵領自体の評判を下げ、全ての民に迷惑をかける可能性がある。リーハイムも動き始めている。お前の父と、此奴を信頼してやれ。お前は、貴族として、人を信頼する勇気が無いのか。部下や、仲間を信頼する勇気が無ければ、貴族なんぞ出来んぞ。」
「お祖父様。でも」
「アリア様、僕に勇気の大切さを教えてくれたのはアリア様です。アリア様はオーナーとして、どしんと構えて、貴族としての仕事をなさって下さい。」
「アレックス。」
「アリア、アクアのことなんか、アレックスはともかく、リーハイム様や、アリシア様がちゃちゃっと解決してくれるわよ。貴方には私が着いていてあげるから、シャキッとしなさいシャキッと。」
「スノー。皆さん、すみません。私の領地のことで焦ってしまって。私は貴族のとしての仕事をします。アレックス、アクアをよろしくお願い申し上げます。」
アリア様が、みんなを笑顔で見回すと、スノーさんが急に僕の方を向いて話し出した。
「ところでアレックス君。クランの資産をどれだけ無駄遣いしたの?」
「へ?」
やばいと思った。スノーさんは、お金に煩かった。
「アリアの領地に使った分はアリアの貰い分として、私の分はちゃんと取ってあるわよね。」
「はっはい。」
僕はそう言って、マジックバックを一つ渡した。事前にスノーさんには会えた時に一部素材を渡そうと思っていたので、準備していた。
「えーと、オリハルコン、ミスリル、金属や、木もたくさんあるわね。魔石は土と無属性が大半か、あっ、誕生石が中まで全種類ある、薬草はちょっとか。まぁ良いわ。ありがとう。」
「いえいえ、僕はスノーさんの単なる代理ですから。」
「よろいし。」
「後、こちらも。」
「なんだ?」
僕は書類の束を差し出した。
「権利書類です。アクア不動産の権利書、港の8割について2000日分の利用権、商人ギルドの権利書類。全てお預けします。」
「私に・・・。やだやだやだ、こんなの命狙ってって感じじゃないの?」
スノーさんが超絶焦っている。その焦り方が猛烈可愛いので、もう少し弄ってみよう。
「ですが、重要なものはクラン長に。」
「いやだーって。お金や、素材はいくらでも貰うけど、特に商人ギルドの権利書って、商人ギルド史上に残る失態として有名なやつとおなじじゃん。冒険者クランに商会の支配を認めるなんて・・・。絶対奪いに来るでしょう。50人以上の死人が出た事件と同じのなんて。」
「ですから、僕が持っていると、命を取られて権利も取られちゃうので・・・。」
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「アレックス、そのくらいにしておけ。公爵家で預かろう。アレックスお前も、性格良くないなぁ。」
「違うですわよお爺様、アレックスは、単にスノーが・・・」
スノーさんはぷーっと顔を膨らめて。
「アレックスは、アリアの為に、私を弄ったのよ。最低よ・・・・。いーっだ。」
「私の為?」
「そうよ、あなたが凹んでいるのをフォローする為よ・・。最低よ。ちゃんと来週のパーティーまでに気合を入れ直すのよ。1年上のバルザック王国のベイスターン王子も出席するんだから。」
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「綺麗にしていきなさい。オリハルコンや、誕生石も好きなだけ使って、金のドレスでも作れるわよ。」
「やよ、センス無い。まぁ良いわ。」
笑顔で孫たちのやり取りを見ていたセイレーン公爵が笑いながら僕を見た。
「ところで、アレックス、お主、どれだけ物資を持っているんだ?」
「えっ・・・。えっ・・・。えっっとー。」
「アリア、スノーお前たちも教えて貰おうか・・・。」
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「閣下そろそろ次の予定が・・・。」
「そうか、アレックスこの後どうする?」
「アリア様やスノー様にお会いしたので、イフリートに行こうと思います。」
「イフリートに?」
「僕の相棒ロッシを助ける為に必要なレッドドラゴンの肝は、西のイフリート公爵領イフリートの第1迷宮の35階位にいるレッドドラゴンからとれるので、取りに行こうと思います。」
「35階?大丈夫か?」
「頑張ってみます。一回のアタックでは難しいでしょうけど。情報集めて、一回入るだけ入ってみます。」
「そうか、頑張って来いよ」
「アレックスさん頑張って下さいね。」
「アレックス君、無理して死ぬなよ。」
「みなさん。頑張ってきます。」
「それで、また、素材を持って来てね。」
「スノーさん。」
そう言うと、みんなで大笑いし、僕は、6日分位の食料を貰い、帝都を出てイフリートに向かった。
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そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。
姿は美しい白髪の少女に。
伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。
最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。
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※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!
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