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第四章 いくさ
第18話 帝都争乱
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時間は、アリア達が、帝都に戻った翌日に遡る。バルザック王国のベイスターン王子を、イフリート公爵に売却した後、スノーと、アレックスは、ベイスターン王子に埋め込んだ通信用魔導具の受信機で、情報収集を行い、ロッシは、帝都最大の闇ギルドとなったローデシアファミリーの元に向かった。アリアは、ルイズと共に、ガイアス殿下の元に今後の対応を協議に向かっていた。
「・・・・そうか、お前は、吸収されたんだな・・・。それで、セイレーンの被害はどうなんだ・・・。」
「はい、セイレーンは、半壊しており、私が急襲されて、多分、アリア達を逃がしたんだと、高速馬車の中でそんな風に話してましたから・・・・。」
「そうか・・・。であれば、今が好機かもしれん・・・・。兵力も、手配も済んでいる。」
「なにを・・・・。」
「皇位を頂くのだ・・・。行動開始だ・・・・。」
アレックスと、スノーは、イフリート公爵と、ベイスターン王子の会話を聞いて、互いに目を見合わせた。
「やばいわね・・・。」
「そうですね・・・・。スノーさんは、アリア様に。私は、公爵家に至急連絡を入れます。」
スノーは、即座に、アリアに通信を繋いだ
「スノー、何?急ぎ?」
「アリア、今どこ?」
「もう、ガイアス殿下の宮殿に着いたわ。」
「すぐに、殿下と避難して。」
「へっ、何で?」
「イフリート公爵が、クーデターを起こすようなの、何か理由をつけて連れ出して、帝都から逃げて。」
「わ、わかったわ・・・。また連絡するわね。」
アレックスは、通信用の部屋に走り、セイレーン公爵領に通信を繋いだ
「もしもし、こちら帝国セイレーン邸のアレックス・リバースです。」
「こちらは、セイレーン参謀本部ライドス少尉です。リバース卿の子息ですか。」
「そうです。緊急の用事で誰か幹部の方を・・・。」
「少々お待ちください。」
通信相手はいつもの少尉だった。アレックスの焦り方が尋常でないのを感じ取り、至急で人を呼びに行ってくれ、2分程待つと、セイレーンから通信が来た
「アレックスか、リーハイム・セイルーンだ、」
「公爵閣下。」
「どうだ帝都は、」
「今は平穏です・・・。しかし、もうすぐ、クーデターが起きます。」
「クーデター?どういうことだ。」
「ベイスターン王子に仕込んだ盗聴装置から聞こえてきた、ベイスターン王子と、イフリート公爵との会話からですが・・・。」
セイレーン公爵に事情を伝えると、セイレーン公爵は、一瞬考え
「わかった、すぐに援軍を手配する。皇帝陛下と、ガイアス殿下の身の確保を急げ。」
「ガイアス殿下の元には、アリア様達がいらっしゃいましたので、スノーの方で連絡を取っております。」
「そうか、お前達も、すぐに身を隠せ。イフリート公爵のことだ、念には念を入れて、戦力を確保しているはずだ・・・。」
「はい。」
「アレックス。アリア達を頼むぞ。」
「はっ。」
通信を切って、アレックスは、公邸の主要メンバーを集め、資財や物資を全てしまい、通信魔導具を配り、少人数毎に分かれ、ガイアス殿下との合流地点に向かった。
------------------------------------------------------
「こうも、上手くいくとはな・・・。」
イフリート公爵は、皇宮の謁見の間の玉座の隣に椅子を置き、ドカンとすわっていた。玉座には、ブリモンド皇子が座っている。
「イフリート、皇帝陛下は。」
「自死なされた・・・。皇后陛下もな・・・・。グハハハハ。」
「そうか・・・。戴冠式を迎えれば、俺が皇帝で、お前が帝国宰相か・・・。ロッチが皇太子として着く帝国軍総帥の代理にもなる。お前の天下だな。俺は、せいぜい傀儡として楽しませて貰うよ。セディには、怒られたがな・・・・。」
「そうですね、姉には私も怒られましたし。」
「実は、今の帝国のトップはセディかもしれんな・・・。」
「そうですな・・・。グハハハハ。」
そう言って、二人が謁見の間で大笑いしていると、4人の将軍たちが入ってきた。玉座の前まで進むと、膝をつき、老将の一人が報告を始めた。
「ブリモンド次期皇帝陛下、イフリート公爵閣下。宰相府、軍務省、内務省、国務省の確保が完了しました。宰相と、国務尚書は、逃亡を図ったため殺害。内務尚書は、抵抗をしたため両腕を切り、投獄しております。」
「軍務尚書は?」
「レッチェル軍務尚書、陛下から、軍務尚書の座を奪った者ですな・・・。」
「いや、奴に、軍務尚書の座を渡したのは、俺からだ、そうだよな・・・。」
「はい。」
レッチェル軍務尚書が、玉座の間に入ってきた。悠然と玉座の前まで歩き、跪いた
「陛下、閣下、大願成就おめでとうございます。」
「上手く、手を回してくれたようだな・・・。グハハハハ」
「はい、陛下と閣下のご指示通り、帝国軍の陛下の親派以外を、帝都からセイレーン公爵領側に移動させ、この事態で、セイレーン公爵領出身者が抜けた穴に、イフリート公爵領系に近いものを差し込んで、今回の革命を上手く運びました。如何でしょうか。」
「最高だったよ・・・。みんな、俺が降ろされたんだと思っていたからな・・・。」
「おほめ頂きた、ありがとうございます。」
レッチェル軍務尚書は、軍務尚書が立つべき玉座の傍らに立った。すると、7人の将軍達が玉座の間に入ってきて、跪いた。
「陛下、ご報告にあがりました。」
「よろしい」
軍務尚書が仕切って、報告が進んでいく。
「まず、ファミール皇子ですが、宮殿で暗殺されているんが発見されました。」
「暗殺だと・・・。」
「調べたところ、新興の暗殺系闇ギルドヴェネツィアファミリーの仕業らしいです。」
「また、闇ギルドか・・・・。」
報告は、続いて行われていった。ファミール皇子の後見であるノーム公爵家のハインリッヒ・ノーム公爵弟については、ノーム公爵邸襲撃で、ノーム公爵邸が焼け落ち、遺体捜索中だが、全焼の為、見つかる可能性が低いこと、ギレイド皇子と、後見であるシルフ公爵家のロッチス・シルフ次期公爵は、たまたま、昨日より鉱山都市リーポンに視察に行っており、シルフ公爵邸は最小の人数しかおらず、シルフ公爵家の者の捕縛は出来なかったことが報告された。
「ガイアスは?」
「はっ、ガイアス殿下の宮殿には、決起の1時間前よりルイズ・セイレーン次期公爵が訪れていたようですが、決起直後に襲撃したところ、もぬけの殻であったと。セイレーン公爵邸、セイレーン系の商会である、プレース商会等も共にもぬけの殻だったと。」
「そうか・・・。」
軍務尚書が報告を聞いて、少し悩んでいると。一人の将軍が
「事前にセイレーンに漏れていたかと・・・。」
「事前に漏れていたなら、決起を邪魔するはず。漏れていたとしても、決起を邪魔する余裕が無い位・・・。直前だろうな・・・。」
「そうすると、シルフにも・・・。」
・・・・
と将軍たちの議論が始まった。軍務尚書は話をゆっくり聞き、ブリモンド皇子も口出しをしなかったが、イフリート公爵が面倒くさそうな声をだした。
「そうだな・・・。決起のタイミングは直前に決めた・・・。その前に漏れていたんだろう・・。ファミールの暗殺も含め、闇ギルドかもな」
「さようですな・・・。まずは、帝国軍を完全掌握するよう動いて下さい。」
軍務尚書が、締めるように指示を出すと、将軍たちは襟を正し
「「「「はっ」」」」
そう言って将軍たちは消えていった。
「そうだ、ゴフィスン。」
「はい。」
イフリート公爵は、息子のゴフィスンを呼んだ。
「手勢を連れて、セイレーンのステーション都市とやらを落とせ。イフリートから呼んだ、冒険者と、傭兵たちの部隊で良いだろう。」
「はい。」
「閣下、何部隊か、つけましょうか。
「そうか頼む。」
軍務尚書は、ゴフィスンの為に部隊を調整していたが、ゴフィスンは先走って出兵してしまった。
------------------------------------------------------
「ルイズ、やばかったな。」
「そうですね、皇子。10分遅れていたら・・・。襲撃を受けてましたね。」
「でっ、どうする?」
「帝都外に造った、ステーション都市に向かいましょう。城塞都市化しておりますので、大概なことでは守り切れます。そこに、戦力を集めておりますので。」
「わかった。アリア。」
ルイズが、アリアに確認を取ると、
「はい、スノー達は、帝都からの脱出に成功。ステーション都市に、2500名程の戦力を確保したそうです。」
「そうか。こちらの戦力は500名程度、3000名でどうにかなるのか?」
「セイレーンから援軍が手配されています。」
「まずは、ステーション都市で、援軍を待つか・・・。わかったよろしく。」
アリア達が帝都の厳戒令が完成する前に、帝都から抜け出し、ステーション都市に向かうと、ステーション都市では戦闘が開始されていた。
「ガハハハハ。この程度の都市は我が軍で一捻りだ・・・。」
ゴフィスンが、魔導師隊に指示し、帝国軍事集団魔法 炎帝を放ち、ステーション都心ぶつけた。強い光と轟音を放ち、人的被害は無かったが、都市の壁面に大きな穴が開いた。
「つっこめ~。」
ゴフィスンが率いるのは、約5000の冒険者と傭兵集団だった。ゴフィスンは300名程度の護衛らしき者達と後ろで控え、各クランが各々隊列を組み穴に向かって進んでいった。戦いとしては、大きな穴と言っても、横で10人も通れない穴に、突っ込む者達を迎撃するのである、そこまで難しい話ではなく、容易に撃退可能かと思われた。30分程で戦力が3割程度が削られると、ゴフィスンは、苛立ち、爪を噛み、貧乏ゆすりを始めた。
「なぜ、落とせん・・・。」
「閣下、あの穴の大きさでは、集中砲火を受けて、進めていないものかと・・・。想定以上に敵軍は多く、魔力も豊富な様子で」
「そうか・・・。でも、このままだと、単に被害を受けただけで、俺の顔に・・・。」
「閣下?一旦引いて援軍を・・・。」
そう言う家臣を、ゴフィスンは、一刀に切り捨てた。
「ぬぬ・・・覚悟の上は・・・。」
と言って、ゴフィスンが目くばせをすると
「「「「はっ」」」」
100程度の者達が、手に持った果物を口にすると、体が悪魔に変わっていった。
「グハハハハ、こいつらは即席でなく、悪魔でも精鋭部隊、全員子爵、男爵級だ。やれ・・・。」
悪魔達が、各々ゆっくりとステーション都市に向かって歩きだす。攻めていた冒険者や、傭兵たちは一旦下がり、怪我をした者達の治療にあたっていた。攻め込んだ悪魔達は、攻撃を受けつつも、穴の中にゆっくり進んでいった。
「これで勝てるぞ。グハハハハ。」
そう、ゴフィスンが叫んでいると、遅れていた帝国軍の部隊がステーション都市に到着した。帝国軍は、驚愕し、目が点となっていた。イフリート公爵子息に悪魔が従っていることに、援軍の将軍がゴフィスンの元に向かうと
「ゴフィスン・イフリート閣下、帝国第7首都防衛大隊長のオリウット・ノーバスです。」
「そうくぁ・・・。」
振り返ったゴフィスンの顔が悪魔になっていた。
「・・・・そうか、お前は、吸収されたんだな・・・。それで、セイレーンの被害はどうなんだ・・・。」
「はい、セイレーンは、半壊しており、私が急襲されて、多分、アリア達を逃がしたんだと、高速馬車の中でそんな風に話してましたから・・・・。」
「そうか・・・。であれば、今が好機かもしれん・・・・。兵力も、手配も済んでいる。」
「なにを・・・・。」
「皇位を頂くのだ・・・。行動開始だ・・・・。」
アレックスと、スノーは、イフリート公爵と、ベイスターン王子の会話を聞いて、互いに目を見合わせた。
「やばいわね・・・。」
「そうですね・・・・。スノーさんは、アリア様に。私は、公爵家に至急連絡を入れます。」
スノーは、即座に、アリアに通信を繋いだ
「スノー、何?急ぎ?」
「アリア、今どこ?」
「もう、ガイアス殿下の宮殿に着いたわ。」
「すぐに、殿下と避難して。」
「へっ、何で?」
「イフリート公爵が、クーデターを起こすようなの、何か理由をつけて連れ出して、帝都から逃げて。」
「わ、わかったわ・・・。また連絡するわね。」
アレックスは、通信用の部屋に走り、セイレーン公爵領に通信を繋いだ
「もしもし、こちら帝国セイレーン邸のアレックス・リバースです。」
「こちらは、セイレーン参謀本部ライドス少尉です。リバース卿の子息ですか。」
「そうです。緊急の用事で誰か幹部の方を・・・。」
「少々お待ちください。」
通信相手はいつもの少尉だった。アレックスの焦り方が尋常でないのを感じ取り、至急で人を呼びに行ってくれ、2分程待つと、セイレーンから通信が来た
「アレックスか、リーハイム・セイルーンだ、」
「公爵閣下。」
「どうだ帝都は、」
「今は平穏です・・・。しかし、もうすぐ、クーデターが起きます。」
「クーデター?どういうことだ。」
「ベイスターン王子に仕込んだ盗聴装置から聞こえてきた、ベイスターン王子と、イフリート公爵との会話からですが・・・。」
セイレーン公爵に事情を伝えると、セイレーン公爵は、一瞬考え
「わかった、すぐに援軍を手配する。皇帝陛下と、ガイアス殿下の身の確保を急げ。」
「ガイアス殿下の元には、アリア様達がいらっしゃいましたので、スノーの方で連絡を取っております。」
「そうか、お前達も、すぐに身を隠せ。イフリート公爵のことだ、念には念を入れて、戦力を確保しているはずだ・・・。」
「はい。」
「アレックス。アリア達を頼むぞ。」
「はっ。」
通信を切って、アレックスは、公邸の主要メンバーを集め、資財や物資を全てしまい、通信魔導具を配り、少人数毎に分かれ、ガイアス殿下との合流地点に向かった。
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「こうも、上手くいくとはな・・・。」
イフリート公爵は、皇宮の謁見の間の玉座の隣に椅子を置き、ドカンとすわっていた。玉座には、ブリモンド皇子が座っている。
「イフリート、皇帝陛下は。」
「自死なされた・・・。皇后陛下もな・・・・。グハハハハ。」
「そうか・・・。戴冠式を迎えれば、俺が皇帝で、お前が帝国宰相か・・・。ロッチが皇太子として着く帝国軍総帥の代理にもなる。お前の天下だな。俺は、せいぜい傀儡として楽しませて貰うよ。セディには、怒られたがな・・・・。」
「そうですね、姉には私も怒られましたし。」
「実は、今の帝国のトップはセディかもしれんな・・・。」
「そうですな・・・。グハハハハ。」
そう言って、二人が謁見の間で大笑いしていると、4人の将軍たちが入ってきた。玉座の前まで進むと、膝をつき、老将の一人が報告を始めた。
「ブリモンド次期皇帝陛下、イフリート公爵閣下。宰相府、軍務省、内務省、国務省の確保が完了しました。宰相と、国務尚書は、逃亡を図ったため殺害。内務尚書は、抵抗をしたため両腕を切り、投獄しております。」
「軍務尚書は?」
「レッチェル軍務尚書、陛下から、軍務尚書の座を奪った者ですな・・・。」
「いや、奴に、軍務尚書の座を渡したのは、俺からだ、そうだよな・・・。」
「はい。」
レッチェル軍務尚書が、玉座の間に入ってきた。悠然と玉座の前まで歩き、跪いた
「陛下、閣下、大願成就おめでとうございます。」
「上手く、手を回してくれたようだな・・・。グハハハハ」
「はい、陛下と閣下のご指示通り、帝国軍の陛下の親派以外を、帝都からセイレーン公爵領側に移動させ、この事態で、セイレーン公爵領出身者が抜けた穴に、イフリート公爵領系に近いものを差し込んで、今回の革命を上手く運びました。如何でしょうか。」
「最高だったよ・・・。みんな、俺が降ろされたんだと思っていたからな・・・。」
「おほめ頂きた、ありがとうございます。」
レッチェル軍務尚書は、軍務尚書が立つべき玉座の傍らに立った。すると、7人の将軍達が玉座の間に入ってきて、跪いた。
「陛下、ご報告にあがりました。」
「よろしい」
軍務尚書が仕切って、報告が進んでいく。
「まず、ファミール皇子ですが、宮殿で暗殺されているんが発見されました。」
「暗殺だと・・・。」
「調べたところ、新興の暗殺系闇ギルドヴェネツィアファミリーの仕業らしいです。」
「また、闇ギルドか・・・・。」
報告は、続いて行われていった。ファミール皇子の後見であるノーム公爵家のハインリッヒ・ノーム公爵弟については、ノーム公爵邸襲撃で、ノーム公爵邸が焼け落ち、遺体捜索中だが、全焼の為、見つかる可能性が低いこと、ギレイド皇子と、後見であるシルフ公爵家のロッチス・シルフ次期公爵は、たまたま、昨日より鉱山都市リーポンに視察に行っており、シルフ公爵邸は最小の人数しかおらず、シルフ公爵家の者の捕縛は出来なかったことが報告された。
「ガイアスは?」
「はっ、ガイアス殿下の宮殿には、決起の1時間前よりルイズ・セイレーン次期公爵が訪れていたようですが、決起直後に襲撃したところ、もぬけの殻であったと。セイレーン公爵邸、セイレーン系の商会である、プレース商会等も共にもぬけの殻だったと。」
「そうか・・・。」
軍務尚書が報告を聞いて、少し悩んでいると。一人の将軍が
「事前にセイレーンに漏れていたかと・・・。」
「事前に漏れていたなら、決起を邪魔するはず。漏れていたとしても、決起を邪魔する余裕が無い位・・・。直前だろうな・・・。」
「そうすると、シルフにも・・・。」
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と将軍たちの議論が始まった。軍務尚書は話をゆっくり聞き、ブリモンド皇子も口出しをしなかったが、イフリート公爵が面倒くさそうな声をだした。
「そうだな・・・。決起のタイミングは直前に決めた・・・。その前に漏れていたんだろう・・。ファミールの暗殺も含め、闇ギルドかもな」
「さようですな・・・。まずは、帝国軍を完全掌握するよう動いて下さい。」
軍務尚書が、締めるように指示を出すと、将軍たちは襟を正し
「「「「はっ」」」」
そう言って将軍たちは消えていった。
「そうだ、ゴフィスン。」
「はい。」
イフリート公爵は、息子のゴフィスンを呼んだ。
「手勢を連れて、セイレーンのステーション都市とやらを落とせ。イフリートから呼んだ、冒険者と、傭兵たちの部隊で良いだろう。」
「はい。」
「閣下、何部隊か、つけましょうか。
「そうか頼む。」
軍務尚書は、ゴフィスンの為に部隊を調整していたが、ゴフィスンは先走って出兵してしまった。
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「ルイズ、やばかったな。」
「そうですね、皇子。10分遅れていたら・・・。襲撃を受けてましたね。」
「でっ、どうする?」
「帝都外に造った、ステーション都市に向かいましょう。城塞都市化しておりますので、大概なことでは守り切れます。そこに、戦力を集めておりますので。」
「わかった。アリア。」
ルイズが、アリアに確認を取ると、
「はい、スノー達は、帝都からの脱出に成功。ステーション都市に、2500名程の戦力を確保したそうです。」
「そうか。こちらの戦力は500名程度、3000名でどうにかなるのか?」
「セイレーンから援軍が手配されています。」
「まずは、ステーション都市で、援軍を待つか・・・。わかったよろしく。」
アリア達が帝都の厳戒令が完成する前に、帝都から抜け出し、ステーション都市に向かうと、ステーション都市では戦闘が開始されていた。
「ガハハハハ。この程度の都市は我が軍で一捻りだ・・・。」
ゴフィスンが、魔導師隊に指示し、帝国軍事集団魔法 炎帝を放ち、ステーション都心ぶつけた。強い光と轟音を放ち、人的被害は無かったが、都市の壁面に大きな穴が開いた。
「つっこめ~。」
ゴフィスンが率いるのは、約5000の冒険者と傭兵集団だった。ゴフィスンは300名程度の護衛らしき者達と後ろで控え、各クランが各々隊列を組み穴に向かって進んでいった。戦いとしては、大きな穴と言っても、横で10人も通れない穴に、突っ込む者達を迎撃するのである、そこまで難しい話ではなく、容易に撃退可能かと思われた。30分程で戦力が3割程度が削られると、ゴフィスンは、苛立ち、爪を噛み、貧乏ゆすりを始めた。
「なぜ、落とせん・・・。」
「閣下、あの穴の大きさでは、集中砲火を受けて、進めていないものかと・・・。想定以上に敵軍は多く、魔力も豊富な様子で」
「そうか・・・。でも、このままだと、単に被害を受けただけで、俺の顔に・・・。」
「閣下?一旦引いて援軍を・・・。」
そう言う家臣を、ゴフィスンは、一刀に切り捨てた。
「ぬぬ・・・覚悟の上は・・・。」
と言って、ゴフィスンが目くばせをすると
「「「「はっ」」」」
100程度の者達が、手に持った果物を口にすると、体が悪魔に変わっていった。
「グハハハハ、こいつらは即席でなく、悪魔でも精鋭部隊、全員子爵、男爵級だ。やれ・・・。」
悪魔達が、各々ゆっくりとステーション都市に向かって歩きだす。攻めていた冒険者や、傭兵たちは一旦下がり、怪我をした者達の治療にあたっていた。攻め込んだ悪魔達は、攻撃を受けつつも、穴の中にゆっくり進んでいった。
「これで勝てるぞ。グハハハハ。」
そう、ゴフィスンが叫んでいると、遅れていた帝国軍の部隊がステーション都市に到着した。帝国軍は、驚愕し、目が点となっていた。イフリート公爵子息に悪魔が従っていることに、援軍の将軍がゴフィスンの元に向かうと
「ゴフィスン・イフリート閣下、帝国第7首都防衛大隊長のオリウット・ノーバスです。」
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振り返ったゴフィスンの顔が悪魔になっていた。
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