2 / 31
01 古賀晴人
しおりを挟む
今年の夏は青くすっきりとした空を見せないらしい。七月に入ったと言うのに、まだ梅雨を引き摺っているような空だ。空梅雨だと言われた今年は早々と梅雨明け宣言をしていた。それなのにまだ一度も青くすっきりとした空を見せていない。思い描く夏らしい空を見せてくれないが、どんよりとした空が雨粒を落とす事もない。梅雨を引き摺っていると言うよりは、空梅雨を引き摺っていると言った方が正しいのかもしれない。この七月を形容すればそんなところだろう。
冷房の効きすぎたロビーから、外へ出た途端、生温い空気が体を包み込んだ。そして見上げればどんよりとした空だ。古賀晴人は見上げた空からすぐさま目を逸らした。
下らない事を考えているうちに、シャツにじっとりと汗が貼りつく事は容易く想像できる。今は数軒先のコンビニに、足早に逃げ込む事が一番の得策だと、湿り始めた肌に教えられる。
——おいおい、今日もかよ!
品薄の棚を目の前に小さな怒りが零れる。この怒りを誰にぶつければいいものか店内を見回してみる。
昼時を大きく外れた時間だ。見回したところで、レジの中で暇そうにする、外国人従業員の姿しか見る事が出来ない。その従業員の上の壁掛け時計はすでに四時近くを差している。遅くなった昼休みに怒りをぶつけながら、品薄の棚にたった二つだけ転がるおにぎりに手を伸ばす。
小さなコンビニ袋を手に署に戻る。エレベーターはなかなか降りてはこない。それでもさすがに階段で四階まで上がる気にはなれない。
警視庁新宿東警察署刑事課強行犯捜査二係。
遅い昼休みにしかありつけない晴人の職場は新宿五丁目に建つ古いビルの四階にあった。
「おい、古賀、飯食ったら五階へ行って来てくれ。生活安全課まで頼む」
まだ席にも着いていないのに係長の声が飛んでくる。
「はい、分かりました」
そう返事はしたものの、品薄の棚を目の前にした時と同じ、小さな怒りが沸々と上がってきた。そんな誰にぶつける事の出来ない怒りに、袋から取り出した二つのおにぎりが潰れる。
——おいおい、オムライスに煮玉子かよ!
自分で買っておきながら、確認せずに慌てて取った二つのおにぎりに落胆させられる。
——コレステロールの摂り過ぎだな。
だがそんな下らない事を考えている時間はない。昨日からの飲みかけのお茶で、オムライスと煮玉子、二つのおにぎりを一気に腹へと流し込む。
「刑事課強行犯捜査二係の古賀です」
まだ煮玉子の黄身が腹に落ちていない様を感じながら、階段を駆け上がり生活安全課のドアを開く。一段飛ばしに駆け上がった階段に、少しは時間を短縮できた事。この長身を褒めてやりたくなる。
「どうもわざわざすみません」
「何かありましたか?」
「いま拘留している被疑者ですが……うちではこれ以上拘留できないんで」
「はあ……。それでうちに何の?」
全く話が読めないまま、生活安全課の職員から渡された調書を受け取る。
「児童買春……、それにポルノ禁止法違反なんですが……。関わった中学生達も全員否認しているんで、うちではもうこれ以上……」
「児童買春ですか? えっ? 中学生?」
「ええ。刑事課の方で何か捜査をされるなら、このまま拘留になりますけど……、そうでなければこれから釈放です」
「一応刑事課に持ち帰りますが……、うちも忙しいと思うんで」
さっき慌てて飲み込んだ煮玉子の黄身が逆流しそうになるのを押さえ、言葉を濁す。
数分も経たないうちの折り返しだった。五階から四階へまた一段飛ばしで駆け下り、刑事課へと戻る。
生活安全課から渡された調書を係長へ差し出し、簡単に内容を伝えてみたが、係長が調書に目を通す事はない。
「うちが関わる事は何もないな」係長の一言に、
——そりゃ、そうだろ!
声には出さず、小さく頷き、再び階段を一段飛ばしで駆け上がった。
「やはり、うちで捜査する事はないそうです。なんで……」
「わかりました。ではこれから全員釈放。全員帰しますが、刑事課からも誰か見届けに来てもらえますか?」
「……ああ、はい。分かりました」
否応なしに返事をさせられたが、面倒な事を受けても、その任務に就かされるのはどうせ自分だ。ふと浮かんだ考えに表情が歪んでいく。
ほんの数分も経たないうちの回答だからか、怪訝な顔を作ってみせ、抵抗を試みたからか、生活安全課の職員の声が棘のあるものに変わっていた。
「では早急に処理を進めますが、連絡を入れ次第、一階ロビーまで来てください。古賀巡査部長でしたね?」
「……ああ、はい。分かりました」
棘のある声に合わせ、面倒臭そうに答え軽く会釈をしてみせた。その瞬間さっきの煮玉子がようやく腹の底へ落ちた気配を感じた。
早急にと言われはしたが、連絡が入るまでに一時間は待った。待ったと言っても事務作業に追われる身には、歓迎できるものではない。生活安全課からの内線に、係長の机の上に置かれたままの調書に手を伸ばす。
——連絡を入れ次第。そんな事を念押しされなくても、処理できる事は少しでも早く片付けていきたい。
慌てて乗り込んだエレベーターには生活安全課の別の職員が乗り合わせていたらしく、一階のロビーで居場所を見付けられず、目を泳がせていたところに声を掛けてきた。
「刑事課の古賀巡査部長ですね。面倒な立ち合いお願いしてすみません」
さっきの職員とは階級が違うからだろうか、気さくな物言いに、顔が少し緩む。
「児童買春の件ですよね?」
「そうです。先に中学生たちが身柄解放になります。保護者も全員迎えに来たので」
「全員……ですか?」
何気なく口にした言葉だったが、手にする調書に、気さくに思えた職員がちらっと目をやっている。
「ええ。そうですよ。三人全員です」
気さくに感じた物言いに、少し呆れが含まれてきたように感じ取れた。そんな二言三言の会話に続いて、四台あるエレベーターの内の二台が同時に開いた。さっき五階でやり取りをした職員と目が合い、軽く会釈する。
「……では、これでお引き取りいただいて結構ですが、今後の事はご家族でよく話し合って下さい。まだ中学生ですし、こんな事で二度とここへ来る事のないように」
当に指導と言った話し方に、ここは警察ではなく学校だったのか? 少し小馬鹿にした笑いで顔が歪む。
「本当に、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
深々と頭を下げる一人の母親に続いて、他の二人の母親も深々と頭を下げる。中学生達はそんな母親の陰に隠れたままだ。
——ご家族でよく話し合ってください。
さっきの職員の言葉を思い出すと、少し腹が立ってきた。浮上した問題を警察で解決できず、家族に返す。そんな他人事の対応に、それなら初めから関わらなければいいのにと、同じ署内で働く者としては、有るまじき考えがふと浮かんできた。
中学生達三人とその母親達が抜けたドアから入り込んだ生温い空気に、身を包まれながら一礼する。どんな考えが浮上したとしても、それが礼儀であり、思い浮かんだ事を口に出さない事が、何よりこの場を一早く抜ける術である。
「……それでは、後の六人を連れて来ます。もう少しお待ちください」
エレベーターのボタンを押す職員がこちらを覗き込む。
——六人?
思わず漏れそうになった驚きを飲み込み、承諾の返事をする。
「ああ、はい。分かりました」
暫くしてエレベーターがまた二台同時に開いた。その間、外からの出入りはなく、あの生温い空気に包まれる事はなかった。
さっきの職員に三人の男達が続く。そしてもう一台のエレベーターからは別の職員に連れられた三人の男達が続く。ロビーの中央に集められた六人の男達は三十代から五十代くらいだろうか。どこにでもいるサラリーマンにしか見えない。
「それじゃ、これで帰っていいが、二度とこんな事、するんじゃないぞ!」
職員の言葉はさっきの指導と言った話し方とは別物になっていた。六人の男達は終始黙ったままだ。その内の一人。五人は顔を俯かせているのに、一人の男の視線は職員の肩を通り越し、何故かじっとこちらを向いている。一瞬はっとし、左右を見回してみたが、ロビーの端の一角には他に誰もいない。
——何かの事件で関わったか?
そんな事を思いながら視界から男を排除する。それでも男の視線がずっとこちらを向いている事は気配で分かった。
終始無言だった男達は一言も発する事なく頭を垂れ、ドアを抜けた後は散り散りになっていった。それぞれに新宿の町へ帰っていく背中を、これでお役御免だと眺める。そんな中、最後にドアを抜けた男が三歩進み、振り返った。ガラス越しにまだこちらをじっと見ている。すでに他の五人の姿はないのに、誰だって警察署なんて早く後にしたいだろうに、じっとこちらを見据え動かない男。
——薄気味悪いな。
男から視線を逸らし、エレベーターへと足を向け始めた職員に声を掛ける。
「あの男は?」
「ああ、小林ですね。本当にいい歳をしてみっともない!」
ここにきて手にした調書をようやく開いてみた。羅列された名前の一番上。小林憲治、五十二歳。
「ああ、その調書うちで管理するんで、持ち帰りますよ」
手から奪い取られる調書。さっきの男が気になり、調書に未練は残ったが、素直に一礼をする。
生活安全課の職員の背中を見送り、振り返った時にはもう小林の姿はなかった。だが頭にはくっきりと、小林憲治と言う名前が焼き付けられた。
冷房の効きすぎたロビーから、外へ出た途端、生温い空気が体を包み込んだ。そして見上げればどんよりとした空だ。古賀晴人は見上げた空からすぐさま目を逸らした。
下らない事を考えているうちに、シャツにじっとりと汗が貼りつく事は容易く想像できる。今は数軒先のコンビニに、足早に逃げ込む事が一番の得策だと、湿り始めた肌に教えられる。
——おいおい、今日もかよ!
品薄の棚を目の前に小さな怒りが零れる。この怒りを誰にぶつければいいものか店内を見回してみる。
昼時を大きく外れた時間だ。見回したところで、レジの中で暇そうにする、外国人従業員の姿しか見る事が出来ない。その従業員の上の壁掛け時計はすでに四時近くを差している。遅くなった昼休みに怒りをぶつけながら、品薄の棚にたった二つだけ転がるおにぎりに手を伸ばす。
小さなコンビニ袋を手に署に戻る。エレベーターはなかなか降りてはこない。それでもさすがに階段で四階まで上がる気にはなれない。
警視庁新宿東警察署刑事課強行犯捜査二係。
遅い昼休みにしかありつけない晴人の職場は新宿五丁目に建つ古いビルの四階にあった。
「おい、古賀、飯食ったら五階へ行って来てくれ。生活安全課まで頼む」
まだ席にも着いていないのに係長の声が飛んでくる。
「はい、分かりました」
そう返事はしたものの、品薄の棚を目の前にした時と同じ、小さな怒りが沸々と上がってきた。そんな誰にぶつける事の出来ない怒りに、袋から取り出した二つのおにぎりが潰れる。
——おいおい、オムライスに煮玉子かよ!
自分で買っておきながら、確認せずに慌てて取った二つのおにぎりに落胆させられる。
——コレステロールの摂り過ぎだな。
だがそんな下らない事を考えている時間はない。昨日からの飲みかけのお茶で、オムライスと煮玉子、二つのおにぎりを一気に腹へと流し込む。
「刑事課強行犯捜査二係の古賀です」
まだ煮玉子の黄身が腹に落ちていない様を感じながら、階段を駆け上がり生活安全課のドアを開く。一段飛ばしに駆け上がった階段に、少しは時間を短縮できた事。この長身を褒めてやりたくなる。
「どうもわざわざすみません」
「何かありましたか?」
「いま拘留している被疑者ですが……うちではこれ以上拘留できないんで」
「はあ……。それでうちに何の?」
全く話が読めないまま、生活安全課の職員から渡された調書を受け取る。
「児童買春……、それにポルノ禁止法違反なんですが……。関わった中学生達も全員否認しているんで、うちではもうこれ以上……」
「児童買春ですか? えっ? 中学生?」
「ええ。刑事課の方で何か捜査をされるなら、このまま拘留になりますけど……、そうでなければこれから釈放です」
「一応刑事課に持ち帰りますが……、うちも忙しいと思うんで」
さっき慌てて飲み込んだ煮玉子の黄身が逆流しそうになるのを押さえ、言葉を濁す。
数分も経たないうちの折り返しだった。五階から四階へまた一段飛ばしで駆け下り、刑事課へと戻る。
生活安全課から渡された調書を係長へ差し出し、簡単に内容を伝えてみたが、係長が調書に目を通す事はない。
「うちが関わる事は何もないな」係長の一言に、
——そりゃ、そうだろ!
声には出さず、小さく頷き、再び階段を一段飛ばしで駆け上がった。
「やはり、うちで捜査する事はないそうです。なんで……」
「わかりました。ではこれから全員釈放。全員帰しますが、刑事課からも誰か見届けに来てもらえますか?」
「……ああ、はい。分かりました」
否応なしに返事をさせられたが、面倒な事を受けても、その任務に就かされるのはどうせ自分だ。ふと浮かんだ考えに表情が歪んでいく。
ほんの数分も経たないうちの回答だからか、怪訝な顔を作ってみせ、抵抗を試みたからか、生活安全課の職員の声が棘のあるものに変わっていた。
「では早急に処理を進めますが、連絡を入れ次第、一階ロビーまで来てください。古賀巡査部長でしたね?」
「……ああ、はい。分かりました」
棘のある声に合わせ、面倒臭そうに答え軽く会釈をしてみせた。その瞬間さっきの煮玉子がようやく腹の底へ落ちた気配を感じた。
早急にと言われはしたが、連絡が入るまでに一時間は待った。待ったと言っても事務作業に追われる身には、歓迎できるものではない。生活安全課からの内線に、係長の机の上に置かれたままの調書に手を伸ばす。
——連絡を入れ次第。そんな事を念押しされなくても、処理できる事は少しでも早く片付けていきたい。
慌てて乗り込んだエレベーターには生活安全課の別の職員が乗り合わせていたらしく、一階のロビーで居場所を見付けられず、目を泳がせていたところに声を掛けてきた。
「刑事課の古賀巡査部長ですね。面倒な立ち合いお願いしてすみません」
さっきの職員とは階級が違うからだろうか、気さくな物言いに、顔が少し緩む。
「児童買春の件ですよね?」
「そうです。先に中学生たちが身柄解放になります。保護者も全員迎えに来たので」
「全員……ですか?」
何気なく口にした言葉だったが、手にする調書に、気さくに思えた職員がちらっと目をやっている。
「ええ。そうですよ。三人全員です」
気さくに感じた物言いに、少し呆れが含まれてきたように感じ取れた。そんな二言三言の会話に続いて、四台あるエレベーターの内の二台が同時に開いた。さっき五階でやり取りをした職員と目が合い、軽く会釈する。
「……では、これでお引き取りいただいて結構ですが、今後の事はご家族でよく話し合って下さい。まだ中学生ですし、こんな事で二度とここへ来る事のないように」
当に指導と言った話し方に、ここは警察ではなく学校だったのか? 少し小馬鹿にした笑いで顔が歪む。
「本当に、ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」
深々と頭を下げる一人の母親に続いて、他の二人の母親も深々と頭を下げる。中学生達はそんな母親の陰に隠れたままだ。
——ご家族でよく話し合ってください。
さっきの職員の言葉を思い出すと、少し腹が立ってきた。浮上した問題を警察で解決できず、家族に返す。そんな他人事の対応に、それなら初めから関わらなければいいのにと、同じ署内で働く者としては、有るまじき考えがふと浮かんできた。
中学生達三人とその母親達が抜けたドアから入り込んだ生温い空気に、身を包まれながら一礼する。どんな考えが浮上したとしても、それが礼儀であり、思い浮かんだ事を口に出さない事が、何よりこの場を一早く抜ける術である。
「……それでは、後の六人を連れて来ます。もう少しお待ちください」
エレベーターのボタンを押す職員がこちらを覗き込む。
——六人?
思わず漏れそうになった驚きを飲み込み、承諾の返事をする。
「ああ、はい。分かりました」
暫くしてエレベーターがまた二台同時に開いた。その間、外からの出入りはなく、あの生温い空気に包まれる事はなかった。
さっきの職員に三人の男達が続く。そしてもう一台のエレベーターからは別の職員に連れられた三人の男達が続く。ロビーの中央に集められた六人の男達は三十代から五十代くらいだろうか。どこにでもいるサラリーマンにしか見えない。
「それじゃ、これで帰っていいが、二度とこんな事、するんじゃないぞ!」
職員の言葉はさっきの指導と言った話し方とは別物になっていた。六人の男達は終始黙ったままだ。その内の一人。五人は顔を俯かせているのに、一人の男の視線は職員の肩を通り越し、何故かじっとこちらを向いている。一瞬はっとし、左右を見回してみたが、ロビーの端の一角には他に誰もいない。
——何かの事件で関わったか?
そんな事を思いながら視界から男を排除する。それでも男の視線がずっとこちらを向いている事は気配で分かった。
終始無言だった男達は一言も発する事なく頭を垂れ、ドアを抜けた後は散り散りになっていった。それぞれに新宿の町へ帰っていく背中を、これでお役御免だと眺める。そんな中、最後にドアを抜けた男が三歩進み、振り返った。ガラス越しにまだこちらをじっと見ている。すでに他の五人の姿はないのに、誰だって警察署なんて早く後にしたいだろうに、じっとこちらを見据え動かない男。
——薄気味悪いな。
男から視線を逸らし、エレベーターへと足を向け始めた職員に声を掛ける。
「あの男は?」
「ああ、小林ですね。本当にいい歳をしてみっともない!」
ここにきて手にした調書をようやく開いてみた。羅列された名前の一番上。小林憲治、五十二歳。
「ああ、その調書うちで管理するんで、持ち帰りますよ」
手から奪い取られる調書。さっきの男が気になり、調書に未練は残ったが、素直に一礼をする。
生活安全課の職員の背中を見送り、振り返った時にはもう小林の姿はなかった。だが頭にはくっきりと、小林憲治と言う名前が焼き付けられた。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる