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02 三春夏樹
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この町は少し歩けばコンビニにあたる。何て素晴らしい町なんだ。
どれだけ空が澱んでいようが三春夏樹の心は晴れていた。周りを見渡せばクールビズだ。七月のこの暑さの中、ネクタイなど締めている奴はいないし、ましてやジャケットを着ている奴などいない。そんな中、しっかりとネクタイを締め、ジャケットに袖を通している。勿論汗をかかない訳ではないが、そんな出で立ちが、簡単に仕事を熟す助けになっていた。
コンビニの冷気にゆっくりと体を冷やしながら、明太子と鮭のおにぎり、そしてペットボトルのお茶を一本手にする。ゆっくりとレジの前に立ち、「五十四番」と、店員の背中の棚を指さす。
「年齢確認ボタンをお願いします」
聞き取りにくい外国人の声には耳を傾けず、レジに並んだ金額に、にやりとする。言葉を発する事なく、さっき入手したばかりのクレジットカードをレジ皿にのせる。暗証番号など入力する事なく処理されたカードを受け取りながら、もう一度にやりと口角を上げる。
何て仕事の捗る町なんだ。カモになる奴が溢れている。
それは簡単な事だった。アプリを開けばカモになる男なんてごろごろいる。平日であろうが週末であろうが、朝であろうが昼であろうが、例え夜中であろうが、性欲を満たしたがっている男なんて幾らでもいる。そんな男達に少し甘えた声を出せば幾らでも捗る仕事だ。
おにぎりとお茶の入ったビニール袋を受け取った時、左手に持っていたスマホが一瞬びくりと震えた。三度目、にやりとしながら、その画面に映し出されたメッセージ受信の知らせに目をやる。
ようやく冷やされた体をもう一度外へ放り出し、店前の一角に設けられた喫煙所のベンチに腰を掛ける。買ったばかりのタバコの封を切り、ゆっくりと大きく息を吐き出す。
——君かわいいね。よかったら会いたいなあ。
——ありがとうございます。俺も会いたいです。
——今、どこにいるの?
——新宿です。三丁目の方です。
——仕事終わったから、二十分位かな? 中央線で行きます。
——待ってます。新宿着いたらまた連絡下さい。
煙草を吸いながら、短いメッセージを繰り返し、アプリを閉じる。
腰掛けていたベンチから立ち上がり、東口へとゆっくり足を進める。二十分なら東口に着く頃に、丁度連絡が来るだろう。急ぐ必要などない。ゆっくり歩けばいい。靖国通りから新宿通りへと、通りを変えながら東口へと向かう。青信号を目にしながら、三丁目の交番の辺りで、再びスマホがびくりと震えた。
来た、来た。そう思いながら画面に目をやると、予想通りアプリがメッセージを受信していた。
——今、新宿着いたよ。どこ行けばいいかな?
——東口でいいですか? アルタの前にいますよ。
——どんな格好?
——仕事帰りなんで、紺色のスーツに水色のネクタイです。
歩きながらメッセージを打ち返す。五分ほどでアルタ前に辿り着いたが、それらしい男はまだいない。
——着きました。
一言だけメッセージを送り、声を掛けて来る男を待つ。
「今やり取りしていたユウタ君かな?」
「はい、ケンジさんですか?」
声を掛けてきた男はプロフィールに五十二歳と書いてあったが、もう少し若くも見えた。細身ではあるが年寄り特有の干からびた痩せ方ではない。
「思ったよりしっかりしているね」
初めてあった男の言葉に顔を少し緩ませる。
「どう言う意味ですか?」
わざと声を甘えさせ、男の腕に自分の腕を少しぶつけてみせる。確かにプロフィールには七つサバを読んで、二十七歳と書いている。それにユウタと言ういかにもありそうな偽名も使っている。
「いや、スーツだし、しっかり見えるなあと思って」
「ありがとうございます。……で、どうします? 俺けっこうムラムラなんですけど」
「ムラムラなんだ。じゃあ俺が処理してあげようか?」
幾らアルタ前に喧騒があるからとは言え、そんな場所で繰り広げられる会話ではなかった。もう少し東へ行けば許される会話でも、まだここは新宿の駅前だ。
「どこかいい場所知っていますか?」
「二丁目の方でいいかな? 男同士で入れるホテルあるし」
「いいですよ。俺はどこでも。お任せします」
さっき歩いたばかりの新宿通りを男と並んで歩く。平日の夕方にもかかわらず東口周辺はいつものように人でごった返している。そんな人込みを掻き分けながら、いつもと変わらないやり取りをしているはずだった。それなのに何故か妙な違和感が浮上してくる。会った時は感じ取れた男の性欲が今は鎮火しているようにも思える。
「俺、タイプじゃなかったですか?」
「いや、そんな事ないよ。かわいいと思うよ」
「ああ、よかった。俺まじでムラムラなんで」
何度となく吐き出してきた同じ言葉をもう一度吐き出し、さっき感じた妙な違和感を拭い去る。
男に連れられて入ったホテルは、何度も利用した事のあるホテルだった。
「半分払いますよ」
心にもない事を言いながら男の股間に軽く触れてみる。
「いやいや、これくらい」
男の返事を耳にしながら、先に部屋の中へ体を滑らせる。それはさっきから何度も口にしているムラムラを演じてみせる術の一つだ。
男のワイシャツのボタンに手を掛け尻へと手を伸ばす。ズボンの後ろポケットに財布がある事を確認し先にシャワーを浴びるよう促す。
「一緒は恥ずかしいんで、先に浴びてくださいよ」
恥ずかしいなんて口にしながらも、指は男のベルトを外しにかかっている。ズボンから足を抜き取り、パンツの上から軽く股間に触れてみる。
「皺になると大変だから、こっちに置いておきますね」
男から脱がし取ったズボンを軽く畳みソファの上に置く。男は自分でワイシャツの残りのボタンを外している。そしてワイシャツの下に着たシャツもパンツも脱ぎ、そそくさと浴室へ体を納めていった。
シャワーが出始めた音に自然と笑みがこぼれる。だが綻んだ顔に、瞬時に険しさを纏わせ、慣れた手つきで仕事を済ませる。
ズボンの後ろポケットから長財布を取り出し現金を数える。一万円札が……七枚か。その内の三枚を抜き取り、自分のジャケットのポケットにねじ込む。次にクレジットカードを抜き取り一万円札と同様にポケットの中へ。まだ止まないシャワーの音を聞きながら、キャッシュカードと運転免許証、保険証を抜き取りソファの上に並べる。スマホをカメラに切り替え画面を覗く。免許証にはちゃんと見てはいなかったが、今シャワーを浴びている陰気な男の顔がある。
カシャ。覗いたスマホ画面には静止した画像が写る。カシャ。その直後、体が一瞬にして画面同様に静止した。陰気な男の顔の左上、小林憲治と言う名前。忘れたくても忘れられない名前。例えそれが同姓同名だとしても、反応し硬直してしまう。
硬直し静止した体の後ろでシャワーの音が細くなっていく。
クレジットカードと一万円札三枚をジャケットのポケットに確認し、慌てて部屋を飛び出す。何度も何度も押したエレベーターのボタン。
——間に合った。ほっと息を吐き出し時、エレベーターのドアが閉まった。
足早にホテルから立ち去り、そこから五分とかからない行きつけのネカフェを目指す。ポケットからスマホを取り出しアプリを開く。今さっきまでやり取りしていたケンジと言う男をブロックし、もう一度ほっと息を吐き出す。
——何日ネカフェに籠っていたのだろうか?
何も考えてはいなかったが数泊したネカフェの支払いには、小林憲治のカードを使っていた。数日ぶりにアプリを開く。ブロックしたのだから、そこにはもうケンジの足跡もメッセージも残ってはいない。気を取り直し、数日溜めていたメッセージを物色する。やはりそこにはカモになりそうな男達がごろごろとしている。
溜まっていたメッセージの新しいものから順に返事を送り返していく。そんな作業の合間にも折り返しの返事が何通も来る。
——近くにいるなら、これからでも会いたいな。
——今、ムラムラなんで、俺も会いたいです。
久々仕事をする気になり、ネカフェの外に出てはみたが、週末の夜だからだろうか、一向に下がる事のない気温を無視した輩が大騒ぎしていた。この町の好きになれない一面を目の端に捉えながら、ネクタイを少し弛めてみる。週末の夜ならしっかりと締めるより、少し弛めの方が受けはいいはずだ。右脇にクラッチバッグを抱え、新宿通りを目指す。
何気なく歩いていただけだった。新宿通りをただ西へ向かっていたところに、羽交い絞めの腕がいきなり絡んできた。クラッチバッグは落ち、代わりに見知らぬ腕が挟まれた脇には力が入らない。
「お前、やっと見つけたぜ」
背後に三人の男の気配を感じ取れた時、いきり立った別の男が目の前を塞いだ。見覚えのない顔だった。見覚えがあるのかも知れないが、記憶には残していない。
「お前、これから警察に突き出してやるからな。この泥棒が! よくも俺のカードを好き勝手使ってくれたな」
男の言葉にようやく事態を把握できた。きっといつかカモになった奴だろう。性欲を剥き出しに近づき、騙された馬鹿な男。そう頭の中で嘲笑う。他の連中はこの目の前にいる馬鹿な男の連れだろう。剥き出しにした性欲も知らずに、仲間意識で今こうして自分を羽交い絞めにしている馬鹿な輩たち。
「多分人違いだと思いますよ」
羽交い絞めにされながらも、後ろの三人を振り返る。嘲笑いたい気持ちを堪え、困った顔を作ってみせたが、いきり立った男と、仲間意識だけしかない馬鹿な輩には通じないようだった。
どれだけ空が澱んでいようが三春夏樹の心は晴れていた。周りを見渡せばクールビズだ。七月のこの暑さの中、ネクタイなど締めている奴はいないし、ましてやジャケットを着ている奴などいない。そんな中、しっかりとネクタイを締め、ジャケットに袖を通している。勿論汗をかかない訳ではないが、そんな出で立ちが、簡単に仕事を熟す助けになっていた。
コンビニの冷気にゆっくりと体を冷やしながら、明太子と鮭のおにぎり、そしてペットボトルのお茶を一本手にする。ゆっくりとレジの前に立ち、「五十四番」と、店員の背中の棚を指さす。
「年齢確認ボタンをお願いします」
聞き取りにくい外国人の声には耳を傾けず、レジに並んだ金額に、にやりとする。言葉を発する事なく、さっき入手したばかりのクレジットカードをレジ皿にのせる。暗証番号など入力する事なく処理されたカードを受け取りながら、もう一度にやりと口角を上げる。
何て仕事の捗る町なんだ。カモになる奴が溢れている。
それは簡単な事だった。アプリを開けばカモになる男なんてごろごろいる。平日であろうが週末であろうが、朝であろうが昼であろうが、例え夜中であろうが、性欲を満たしたがっている男なんて幾らでもいる。そんな男達に少し甘えた声を出せば幾らでも捗る仕事だ。
おにぎりとお茶の入ったビニール袋を受け取った時、左手に持っていたスマホが一瞬びくりと震えた。三度目、にやりとしながら、その画面に映し出されたメッセージ受信の知らせに目をやる。
ようやく冷やされた体をもう一度外へ放り出し、店前の一角に設けられた喫煙所のベンチに腰を掛ける。買ったばかりのタバコの封を切り、ゆっくりと大きく息を吐き出す。
——君かわいいね。よかったら会いたいなあ。
——ありがとうございます。俺も会いたいです。
——今、どこにいるの?
——新宿です。三丁目の方です。
——仕事終わったから、二十分位かな? 中央線で行きます。
——待ってます。新宿着いたらまた連絡下さい。
煙草を吸いながら、短いメッセージを繰り返し、アプリを閉じる。
腰掛けていたベンチから立ち上がり、東口へとゆっくり足を進める。二十分なら東口に着く頃に、丁度連絡が来るだろう。急ぐ必要などない。ゆっくり歩けばいい。靖国通りから新宿通りへと、通りを変えながら東口へと向かう。青信号を目にしながら、三丁目の交番の辺りで、再びスマホがびくりと震えた。
来た、来た。そう思いながら画面に目をやると、予想通りアプリがメッセージを受信していた。
——今、新宿着いたよ。どこ行けばいいかな?
——東口でいいですか? アルタの前にいますよ。
——どんな格好?
——仕事帰りなんで、紺色のスーツに水色のネクタイです。
歩きながらメッセージを打ち返す。五分ほどでアルタ前に辿り着いたが、それらしい男はまだいない。
——着きました。
一言だけメッセージを送り、声を掛けて来る男を待つ。
「今やり取りしていたユウタ君かな?」
「はい、ケンジさんですか?」
声を掛けてきた男はプロフィールに五十二歳と書いてあったが、もう少し若くも見えた。細身ではあるが年寄り特有の干からびた痩せ方ではない。
「思ったよりしっかりしているね」
初めてあった男の言葉に顔を少し緩ませる。
「どう言う意味ですか?」
わざと声を甘えさせ、男の腕に自分の腕を少しぶつけてみせる。確かにプロフィールには七つサバを読んで、二十七歳と書いている。それにユウタと言ういかにもありそうな偽名も使っている。
「いや、スーツだし、しっかり見えるなあと思って」
「ありがとうございます。……で、どうします? 俺けっこうムラムラなんですけど」
「ムラムラなんだ。じゃあ俺が処理してあげようか?」
幾らアルタ前に喧騒があるからとは言え、そんな場所で繰り広げられる会話ではなかった。もう少し東へ行けば許される会話でも、まだここは新宿の駅前だ。
「どこかいい場所知っていますか?」
「二丁目の方でいいかな? 男同士で入れるホテルあるし」
「いいですよ。俺はどこでも。お任せします」
さっき歩いたばかりの新宿通りを男と並んで歩く。平日の夕方にもかかわらず東口周辺はいつものように人でごった返している。そんな人込みを掻き分けながら、いつもと変わらないやり取りをしているはずだった。それなのに何故か妙な違和感が浮上してくる。会った時は感じ取れた男の性欲が今は鎮火しているようにも思える。
「俺、タイプじゃなかったですか?」
「いや、そんな事ないよ。かわいいと思うよ」
「ああ、よかった。俺まじでムラムラなんで」
何度となく吐き出してきた同じ言葉をもう一度吐き出し、さっき感じた妙な違和感を拭い去る。
男に連れられて入ったホテルは、何度も利用した事のあるホテルだった。
「半分払いますよ」
心にもない事を言いながら男の股間に軽く触れてみる。
「いやいや、これくらい」
男の返事を耳にしながら、先に部屋の中へ体を滑らせる。それはさっきから何度も口にしているムラムラを演じてみせる術の一つだ。
男のワイシャツのボタンに手を掛け尻へと手を伸ばす。ズボンの後ろポケットに財布がある事を確認し先にシャワーを浴びるよう促す。
「一緒は恥ずかしいんで、先に浴びてくださいよ」
恥ずかしいなんて口にしながらも、指は男のベルトを外しにかかっている。ズボンから足を抜き取り、パンツの上から軽く股間に触れてみる。
「皺になると大変だから、こっちに置いておきますね」
男から脱がし取ったズボンを軽く畳みソファの上に置く。男は自分でワイシャツの残りのボタンを外している。そしてワイシャツの下に着たシャツもパンツも脱ぎ、そそくさと浴室へ体を納めていった。
シャワーが出始めた音に自然と笑みがこぼれる。だが綻んだ顔に、瞬時に険しさを纏わせ、慣れた手つきで仕事を済ませる。
ズボンの後ろポケットから長財布を取り出し現金を数える。一万円札が……七枚か。その内の三枚を抜き取り、自分のジャケットのポケットにねじ込む。次にクレジットカードを抜き取り一万円札と同様にポケットの中へ。まだ止まないシャワーの音を聞きながら、キャッシュカードと運転免許証、保険証を抜き取りソファの上に並べる。スマホをカメラに切り替え画面を覗く。免許証にはちゃんと見てはいなかったが、今シャワーを浴びている陰気な男の顔がある。
カシャ。覗いたスマホ画面には静止した画像が写る。カシャ。その直後、体が一瞬にして画面同様に静止した。陰気な男の顔の左上、小林憲治と言う名前。忘れたくても忘れられない名前。例えそれが同姓同名だとしても、反応し硬直してしまう。
硬直し静止した体の後ろでシャワーの音が細くなっていく。
クレジットカードと一万円札三枚をジャケットのポケットに確認し、慌てて部屋を飛び出す。何度も何度も押したエレベーターのボタン。
——間に合った。ほっと息を吐き出し時、エレベーターのドアが閉まった。
足早にホテルから立ち去り、そこから五分とかからない行きつけのネカフェを目指す。ポケットからスマホを取り出しアプリを開く。今さっきまでやり取りしていたケンジと言う男をブロックし、もう一度ほっと息を吐き出す。
——何日ネカフェに籠っていたのだろうか?
何も考えてはいなかったが数泊したネカフェの支払いには、小林憲治のカードを使っていた。数日ぶりにアプリを開く。ブロックしたのだから、そこにはもうケンジの足跡もメッセージも残ってはいない。気を取り直し、数日溜めていたメッセージを物色する。やはりそこにはカモになりそうな男達がごろごろとしている。
溜まっていたメッセージの新しいものから順に返事を送り返していく。そんな作業の合間にも折り返しの返事が何通も来る。
——近くにいるなら、これからでも会いたいな。
——今、ムラムラなんで、俺も会いたいです。
久々仕事をする気になり、ネカフェの外に出てはみたが、週末の夜だからだろうか、一向に下がる事のない気温を無視した輩が大騒ぎしていた。この町の好きになれない一面を目の端に捉えながら、ネクタイを少し弛めてみる。週末の夜ならしっかりと締めるより、少し弛めの方が受けはいいはずだ。右脇にクラッチバッグを抱え、新宿通りを目指す。
何気なく歩いていただけだった。新宿通りをただ西へ向かっていたところに、羽交い絞めの腕がいきなり絡んできた。クラッチバッグは落ち、代わりに見知らぬ腕が挟まれた脇には力が入らない。
「お前、やっと見つけたぜ」
背後に三人の男の気配を感じ取れた時、いきり立った別の男が目の前を塞いだ。見覚えのない顔だった。見覚えがあるのかも知れないが、記憶には残していない。
「お前、これから警察に突き出してやるからな。この泥棒が! よくも俺のカードを好き勝手使ってくれたな」
男の言葉にようやく事態を把握できた。きっといつかカモになった奴だろう。性欲を剥き出しに近づき、騙された馬鹿な男。そう頭の中で嘲笑う。他の連中はこの目の前にいる馬鹿な男の連れだろう。剥き出しにした性欲も知らずに、仲間意識で今こうして自分を羽交い絞めにしている馬鹿な輩たち。
「多分人違いだと思いますよ」
羽交い絞めにされながらも、後ろの三人を振り返る。嘲笑いたい気持ちを堪え、困った顔を作ってみせたが、いきり立った男と、仲間意識だけしかない馬鹿な輩には通じないようだった。
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