ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

文字の大きさ
13 / 66
追憶

報酬

しおりを挟む
ぎんたたちはアーサット王国へ向かうべくケンホースをしばらく走らせていく

「にゃ!見えて来たにゃ!」

前方に見えたアーサット王国の影に気づいたぎんた

「あっ本当ですね!」

ぎんたの後ろに掴まっているエメレッタが応える

「ずいぶん長く調査していた気がするにゃね・・・」

「そうですねぇ・・・色々ありましたからねぇ」

2人は疑心の森での苦労を振り返る

「・・・にゃ!まぁもう、終わった事だし良いにゃ!」

「それもそうですね!」

だんだんとアーサット王国が近づいてくるころでエメレッタは気づく

「あっそういえば、グラム大臣が戻る時は通常門ではなく貴族専用門から入国するようにいってましたね!」

「にゃ?そうだったかにゃ分かったにゃ!」

話を聞いていたケンホースは通常門ではない方へと方向転換をして無事入り口へ到着する

通常門と違い厳重な警備がされていて見た目も大きく異なる

「ありがとう助かったにゃ!」

ケンホースは「ヒヒィ~ン!」と返事をし入り口の手前で精霊界に返った

その後、引き続き徒歩で貴族専用門まで向かうぎんたとエメレッタ

「うわぁ・・・凄いですね!」

エメレッタは貴族専用門の豪華さに目を奪われる

「そうにゃね!さすが貴族専用門にゃ!」

貴族専用門の柱には特殊な文字が刻まれていてそこを通るには予め許可を得た者か王族の血を引く者しか通ることが出来ないようになっている

「じゃ行くにゃ!」

ぎんたはエメレッタと一緒にゆっくりと門を潜る

許可を得た証として柱がポォッと淡い光を放ち、2人は一歩一歩ゆっくりと進んでいく

「おぉ・・・凄い神秘的ですね!!」

「そうにゃね・・・」

特殊な文字がぎっしり壁中に刻まれた門の中を進んでいく

しばらく歩くと先には光が漏れていて目的地が近づいている事が分かる

「フゥ・・・やっと着いたにゃ」

「そうですね・・・あっぎんたさん!あそこに誰かいますよ?」

貴族専用門を抜けた先は王城直通の道となっていてそこにはグラム大臣の使者が2人を出迎えていた

「お待ちしておりました。」

深々と一礼をした使者は2人を案内する

「にゃ何度か来た場所と言っても貴族専用門こっちから入るとにゃんだか新鮮だにゃ」

目を輝かせわくわくするぎんた

「そ、そうですね!私も新鮮でちょっと緊張しますね」

案内役に先頭を任せて後をついて行く2人は道中、見た事のない道に心躍らせながらも付いて行く

少し歩くと見覚えのある扉へと案内役は立ち止まった

「お待たせいたしました。室内でアーサット王様が間もなくいらっしゃると思います。先に中へとお入り下さいませ。」

「分かったにゃ!」

「案内ありがとうございます。」

2人の返答を確認した案内役は一礼をし、扉の左右に待機した護衛がゆっくりと丁寧に扉を開く

ガコンッギィッと音を立てて謁見の間は開かれる

開いた先の赤い絨毯の先には既にグラム大臣が待機をし、待っていたようで2人を目で確認すると頷いて招き入れた

それを見たぎんたとエメレッタは焦らずゆっくりとグラム大臣の一歩後ろまで進み玉座の方へ向き跪く

近くに居た側近が3人の様子を見て口を開く

「アーサット王が間もなく来られる!皆そのまま待機するよう!」

その言葉を耳にしたグラム大臣と2人は跪ついたまま軽く頭を下げ返答した

少し経つと玉座の後方から扉が開く音がし、中から護衛を2人連れた王が現れて玉座へと座った

「ふぅ・・・皆よ、少しばかりか待たせてしまったようだな。許せ。」と言い終えたゆっくり瞬きをした

「それでは、2人からご報告がございます。」

グラム大臣の言葉でぎんたとエメレッタは疑心の森で起きた事の顛末を報告した

「・・・うむ、此度の疑心の森での出来事はその蛇が原因で現在は瘴気も消え元の森に戻った・・・との事だな?」

「はい。間違いありません。」

アーサット王の確認にエメレッタが答える

「・・・そうか。改めて礼を言う。ぎんた、エメレッタ共にご苦労だったありがとう。」

「は、はいにゃ!」

「いえ、私たちは依頼をこなしただけです!」

「うむ、そうか。・・・では旅に支障のない報酬を2人に授けよう。」

アーサット王は右手を挙げ側近に合図を送る

側近は予め用意をしていた箱を一人一人に受け渡す

ぎんたは受け取った箱をパカッと開けて中身を確認した

「にゃ?これは・・・?」

「我がラピス=ラット家の王印を施したメダルだ。何かと役に立つだろう」

「ありがとうにゃ!」

「して、どのくらい滞在する?」

「そうにゃねー。ぎんたたちはラクシス様を探す旅をしてるから今夜休んだから行くかにゃ?」

「・・・そうか。分かった。」

アーサット王は左手で顎を少し触り思慮した後、答えを出す

「では、旧フリード帝国に向かうと良い。」

「え?あっはい。承知致しました。」

「分かったにゃ!」

「うむ、詳細は部下に聞くが良い。」

アーサット王は部下に目線を送り指示を出し、部下は頭を下げて準備の為に席を外す

「・・・では、ラクシス様に会える事を心より祈っておる。達者でな!」

「はい!ありがとうございます。では失礼します。」

2人はグラム大臣を残して部下から詳細を聞くため、席を外した
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

処理中です...