ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

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生命との狭間

先住民

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赤い塊を中心に迂回した2人は無事、襲われることなく進むことに成功した

「よく見ると何かの洞窟って感じですね。」

周囲を見渡し警戒を怠らないエメレッタ

「そうにゃねー。さっきのはにゃんだったのかにゃー。」

どことなく未だに素っ気ない態度のぎんた

「んもぉ、まだ機嫌直らないんですか?ちょっと待ってて下さいね。仕方がないですねぇ・・・」

めんどくさそうに腰に付けたポーチから何をゴソゴソと取り出すエメレッタ

「ぎんたさん。はい、どうぞ。とっておきですよ。」

「にゃ!?これは・・・干し肉かにゃ!」

ぎんたは嬉しそうに受け取る

「ありがとうにゃ!それにしても熱いにゃね~。」

ぎんたは嬉しそうに尻尾を踊らせ干し肉をしゃぶっている

「いえ、大丈夫ですよ。そうですね・・・先程までと打って変わり熱気を帯びていますし、何だか壁に赤み掛かっていませんか?」

エメレッタは少し汗ばみながらぎんたに話しかける

「そうにゃねー。煉獄の釜って言うだけあって暑いにゃね。」

「・・・ん?ぎんたさん。なんだか平気そうですね。」

エメレッタは自分と比べ平気そうなぎんたに違和感を覚え尋ねる

「にゃ?気持ち的に暑いにゃよ?」

あっさり答えるぎんた

それもそのはず、精霊ぎんたは外気温に左右されない

「えぇ・・・じゃ砂漠の時も暑くなかったんじゃないですか!?」

真実を知ったエメレッタはなんとも言えない表情をする

「そんな昔のこと、忘れたにゃ。」

あっけらかんと答えるぎんた

「・・・もう。もう、いいです。ハァ、ただでさえ暑いのでやめておきます。」

不毛の戦いと悟ったエメレッタは諦める

「にゃ!それより、アレ見るにゃ!あれ!にゃにか見えて来たにゃ。」

熱気を帯びた壁の向こうに開けた場所を指差すぎんた

「え、あっ本当ですね!ようやく辿り着けそうです。」

気持ち的にも光明が見えたエメレッタは舞い上がり、足早になる

「落ちた場所からそこまで距離が離れていにゃいけど、助かったにゃ!」

ぎんたも追いかける形で向かっていくと視界が広がる

周囲は岩が幾つも積み重ねられシェルターのような建物が何基も建っていた

至る所、血脈のように岩の隙間から赤く光るマグマが流れていた

「お?何だぁ??こんな所に珍しい獣共がいやがる!」

エメレッタとぎんたがマグマに気を取られていると誰かに話しかけられる

「にゃ?」「え?」

2人は声がした方へ振り向くとそこにはゴワッとした黒い髪に毛深い髭を生やしたエメレッタより少し小さいくらいのずんぐりむっくりした男が立っていた

「誰にゃ?」「何か用ですか?」

見覚えのない見知らぬ人物に話しかけられキョトンとする2人

「ガハハハッ!何か用ですか?じゃねーよ!俺のセリフだ!俺たちの村に何か用か?ん?」

盛大に笑いエメレッタの背中をバンバン叩く男

「な、何をするんですか!痛い、痛いです!」

男の態度に驚き痛がるエメレッタ

「なんだぁー?ひ弱だなぁ!ガハハハッ」

「いきなり、エメレッタに何をするにゃ!」

豪快な男はエメレッタを気にする事なく話を続ける

「で、俺らの集落に何用だ?」

「え?ここは、あなたたちの集落だったんですか?」

「不死鳥に会いに来たにゃ」

2人の話を聞いていた男の表情が一変する

「ふしちょう様だぁ??そいつは聞き捨てならないなぁ!」

凄い剣幕でぎんたを睨みつける

「にゃ!?何にゃ!さっきからぎんたは何もしていないにゃ!」

男が取る唐突の態度にぎんたは不満をぶつける

「こっちのセリフだ!よりによって不死鳥様に会いに来ただぁ!?会えるものなら会って行きやがれ!ってんだ!!」

「にゃ!?何言ってるか訳が分からにゃいにゃ!」

男の感情剥き出しの言葉に理解できず、頭を抱えるぎんた

「ま、まぁ2人とも落ち着いて下さい。私たちはつい先程、こちらに着いたばかりで状況が分かっていないんです。良ければ、ここがどこなのか教えて頂けませんか?」

周囲が暑いせいなのか、沸点が低いぎんたと男へ一度、クールダウンするようフォローするエメレッタ

「そ、そうにゃね!ごめんだったにゃ。」

詫びるぎんた

「いや、こちらこそ大人気なかった。不死鳥様の事になると俺らはついカッとなっちまうんだ。気をつけてくれ!」

男は豪快に頭を下げる

「はい。大丈夫です。それで・・・」

落ち着いたふたりを見て安心したエメレッタ

「あぁ!ここがどこって話だったな!ここは煉獄の釜の入り口にある俺たち土石宝ドワーフ族の集落だ。」

嬉しそうにする土石宝ドワーフ族の男

「へー、あんまり聞いたことにゃいにゃねー。」

さほど、興味のない反応をするぎんた

「なるほど、初めて聞きますね。」

ふむふむと頷くエメレッタ

「まぁ、年中穴蔵にこもってる種族だからな!ガハハハッ」

腰に手を当て豪快に笑う

「俺はガンフゥって言う・・・で、お前らは?」

「にゃ?そうだったにゃ!ぎんたって言うにゃ!」

「私はエメレッタです。」

ガンフゥに続き2人はそれぞれ、自己紹介をした

「ま、悪い奴じゃねーって事はわかった!って事は客人みたいなもんだ。狭いが、うちに来い!」

ガハハハッと上機嫌に笑いながらガンフゥは2人を自宅に招待する

「にゃ?少しは涼しいかにゃー?」「え?あっはい。行きます。」

暑さに関係ないぎんたと汗だくになりながらも我慢するエメレッタはそれぞれ、ガンフゥの後についていった
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