ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

文字の大きさ
64 / 66
原因とその先

全力には

しおりを挟む
気づけば、感情のまま突っ走っていた

不死鳥から力を得て強くなったとはいえ・・・吸血族の始祖と闇神の巫女の2人を吸収して回復した闇神様サタンに立ち向かっていくなんて


私は全くもって、愚かな事をしてしまったのだと・・・


これはさすがに死んでしまうだろう

パリンッ

エメレッタがダメだと思った瞬間、何かに弾かれた

「お待たせ?」

「!?」

ポセイラスにとっては見覚えのない人物に驚く

「ら、ラクシスさん!?」

「ラクシスにゃ!?」

「ラクシス様ぁ」

エメレッタ、ぎんた、クロノスの反応を見れば、明らか・・・

「・・・あなたが、本物の?ラクシスさん?」

戸惑い驚きつつも、恐る恐るポセイラスが尋ねる

「ごめんね、お待たせ。あぁーはじめまして?いやいや、それよりクロノス、なんで止めなかったの?」

ラクシスは優しく答えながらも、クロノスに突っ込む

「ふふふ、それはラクシス様が来られるのを分かったからですよ。」

先程まで周囲にしていた態度と一変、まるで恋をする乙女のような反応をするクロノス

「・・・ぎんた、エメレッタ、良く頑張ったね?」

ラクシスはそのままスルーして2人をねぎらい指を鳴らした

パチンッ

「にゃ!?」

ぎんたのサイズが50%ほどから100%へと大きくなり、エメレッタにとっては懐かしい姿となる

契約が本来の持ち主に戻った事を示す

「にゃぁ・・・これだにゃ!!」

嬉しそうにするぎんた

その反面、複雑なエメレッタ

あんなに頑張って強く成長したにも関わらず、本来の姿にしてあげられなかった事実

放ったらかしをくらい苛立ち始める闇神様サタン

ポセイラスが状況を追いつけていない中

「ふむふむ、なるほど・・・」

ひとりひとりを見て頷き納得するラクシス

「強くなったね?」

「・・・ぅっうぐっ」

ラクシスからのたった一言で今までの苦労が報われたようで泣き崩れるエメレッタ

「き、キサマァア!!いい加減にしろよ!?吾輩を無視するなど!先程までの吾輩とは違うのだ!」

始祖と巫女を吸収し、回復したた闇神様サタンの怒号で空気が揺れる

「ラクシス!!貴様だけは許さぬ!この吾輩の計画をぶち壊した報いを受けるのだ!!」

闇神様サタンの身体が怒りのあまり隆起し、血管が浮かび上がる

さらに上半身を背後に反り、息を大きく吸うと口から魔法陣が展開され

ヴォッ

黒いブレスを吐き出し、余波で地面が抉れラクシスに向かっていく

「どうだ!?」

バシュッ

「なっ!!」

呆気なくた闇神様サタンのブレスはラクシスに触れた瞬間、無と化した

「・・・いや、もっと、もっとこの世界の闇を吾輩に寄越すのだ!」

闇神様サタンは一瞬・・・動揺してしまうが、気持ちを切り替えて両腕を天に挙げ、力を渇望し取り込もうとする

ポセイラス、ぎんた、エメレッタはこの状況に入る余地がなくどうする事もできないまま立ち尽くす

クロノスに至っては傍観して楽しんでいる

闇神様サタンの両手に闇のエネルギーが少しずつ集まってく・・・

そのエネルギーは徐々に大きく気づけば、空を覆い隠すほどに膨張していた

「クククッ・・・ハハハハッ!流石にラクシス、貴様であろうと世界中から収集した闇のエネルギーを喰らってはタダではすまないだろ?」

両腕を挙げたままでニヤけ笑う闇神様サタン

「・・・そうだね。さすがにマズいかもしれないね。」

少し考える素振りをしながら、ラクシスは何処からか短杖を取り出す

それは漆黒と純白が螺旋状に絡み合って出来た形をしており、先端には拳ほどの白い宝石が取り付けてあり、宝石の中には微かに黒い玉が見える変わった短杖をしていた

「え???」

エメレッタがはじめて聴くラクシスの弱音とも取れる言葉に驚く

「にゃ!?そ、その短杖たんじょうは!?」

眼を丸くして驚くぎんた

「もう遅いのだ!ラクシスよ!吾輩が描いた闇で満たす世界を邪魔したのだからな!後悔してその命を捧げろ!」

闇神様サタンの両腕を前へ振り下ろすと闇のエネルギーがラクシスにゆっくり向かって落ちていく

ゴゴゴゴゴォ・・・

「ま、まずいにゃ!?」

「や、やばいです!!」

「に、逃げろ!!」

あまりの巨大な力にぎんた、エメレッタ、ポセイラスは逃げようと必死に動き出す

あり得ないほどの質量が空から落ちてくる・・・


いつの間にか消えていたクロノス


そして、闇神様サタンの前にはラクシスのみ



「ふぅ、少し・・・本気をだそうかな。」

逃げようとする3人にラクシスは短杖で結界を構築させる



轟音が鳴り響く中、ゆっくりと徐々に落ちてくる闇のエネルギーを静観して息を整える

「何をしようとしているか不明だが、無駄だ!さらに吾輩の全てをこのエネルギーに上乗せさせるのだから!」

闇神様サタンがそう言葉を溢しながら、自身の片腕を引きちぎり、闇のエネルギーにぶつける

「ハァハァ・・・純粋なる血肉を分けた力だ!」

闇神様サタンは苦痛に顔を歪め、腕から流れる血が鎖へと具現化されて闇のエネルギーと繋がる








「・・・ラクシス=オリジンの名を刻まれ集う親愛なる精霊たちよ!私を糧に護りたもう・・・」

短杖を前方に突き出し、詠唱するとラクシスの身体が虹色に輝き始める
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...