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第10章 魔王軍先遣隊との遭遇
第10章 魔王軍先遣隊との遭遇
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王都への砲撃から一日が経ち、勇樹たちは救援列車と共に荒野を進んでいた。
浮遊列車は高度十メートルを維持しながら、地上を歩く避難民の隊列に並行して移動している。王都から脱出した市民約三百名を安全な避難所まで護送するのが目的だった。
「避難民の様子はどうですか?」勇樹は車掌のミナに尋ねた。
「疲労が蓄積してます」ミナは地上の人々を見下ろしながら答えた。「特に子供と老人が心配ね。でも、救援列車が上空にいることで、みんな安心してる様子よ」
確かに、避難民たちは時折空を見上げては、浮遊列車に手を振っていた。彼らにとって救援列車は、希望の象徴だった。
「リリアさん、魔導蒸気の調子は?」
「問題ありません」リリアが機関室から応答した。「長距離飛行でも安定稼働してます」
レオンは騎士団の制服を着用し、望遠鏡で周囲を警戒していた。昨日の攻撃者がまだどこかに潜んでいる可能性があったからだ。
「前方に異常なし」レオンが報告した。「でも、東の森から妙な気配を感じます」
勇樹も東の方向を見た。確かに、濃い森が広がっており、その奥に何かが潜んでいそうな不気味さがあった。
「避難民の安全を優先しましょう」勇樹は判断した。「何かあれば、すぐに避難所への最短ルートを取ります」
避難民の隊列は整然と進んでいた。王都の騎士団と各種族の兵士たちが護衛についており、一見すると安全な移動に見えた。しかし、昨日の遠征救援隊結成会議の失敗により、種族間の連携は取れていなかった。
人間の騎士は隊列の前方を警戒し、エルフの魔導師は後方で治癒魔法を使い、ドワーフの戦士は荷物の運搬を担当し、獣人の斥候は周辺の偵察を行っている。役割分担は明確だったが、互いの連携は最小限に留まっていた。
「あれじゃあ、いざという時に連携が取れないわね」ミナが心配そうに言った。
「仕方ありません」勇樹は苦々しく答えた。「歴史的な確執は、一朝一夕には解消できません」
その時、レオンが緊張した声を上げた。
「勇樹さん!東の森から何かが出てきます!」
勇樹は急いで望遠鏡を受け取り、指差す方向を見た。
森の奥から、黒い影がゆっくりと現れてくるのが見えた。最初は数個の影だったが、次第にその数が増えていく。十体、二十体、三十体——やがて百を超える黒い影が、森から姿を現した。
「あれは——」リリアが息を呑んだ。
黒甲冑に身を包んだ兵士たちだった。人間のような体型をしているが、明らかに普通の兵士ではない。甲冑は漆黒で、顔は兜に隠されて見えない。手には黒い刃の剣や槍を持ち、整然と戦列を組んでいる。
「魔王軍——」レオンの声が震えた。「魔王軍の先遣隊です」
避難民の隊列にも異変が伝わった。護衛の兵士たちが慌てて武器を構え、避難民は恐怖に青ざめて立ち尽くす。
「ママ——怖いよ——」子供の泣き声が響いた。
「大丈夫よ、大丈夫よ」母親が必死に慰めるが、その声も震えている。
黒甲冑の先遣隊は、避難民の隊列から約一キロメートルの地点で停止した。まるで獲物を品定めするように、じっと避難民を見つめている。
「どうしましょう?」ミナが尋ねた。
勇樹は冷静に状況を分析した。敵の数は約百五十。こちらの護衛兵は五十名程度。数的には不利だが、問題は避難民の安全だった。
「戦闘は避けたい」勇樹は判断した。「避難民を巻き込むわけにはいきません」
「でも、相手は魔王軍ですよ」レオンが反対した。「逃がしてくれるとは思えません」
その時、黒甲冑の先遣隊が動き出した。ゆっくりと、だが確実に避難民の隊列に向かって進軍を開始する。
地上の護衛兵たちも慌てて対応した。人間の騎士が前列に展開し、エルフの魔導師が魔法詠唱を始め、ドワーフの戦士が盾を構える。しかし、種族間の連携が取れていないため、バラバラな印象は否めなかった。
「このままじゃ全滅しちゃう」ミナが不安を口にした。
勇樹は決断した。
「救援列車を降下させます」
「え?」リリア、ミナ、レオンが同時に声を上げた。
「避難民と護衛兵の間に列車を配置し、盾として使用します」勇樹は操縦桿を握った。「魔王軍の攻撃から避難民を守りながら、避難所への誘導を続けます」
「危険すぎます!」レオンが制止しようとした。「列車が攻撃されたら——」
「大丈夫です」勇樹は確信を込めて答えた。「救援列車の装甲は、ガンドルフさんの魔法元素封入技術で強化されています。普通の攻撃では破壊できません」
浮遊列車は高度を下げ、避難民の隊列前方に着陸した。全長五十メートルの車体が、避難民と魔王軍先遣隊の間に壁のように立ちはだかる。
「みんな!」勇樹は列車の外部スピーカーで避難民に呼びかけた。「救援列車の後方に隠れてください!安全を確保します!」
避難民たちは慌てて列車の後ろに移動した。子供を抱えた母親、杖をついた老人、荷物を担いだ商人——皆、救援列車を頼りに身を寄せ合った。
「本当に大丈夫なんですか?」避難民の一人が不安そうに尋ねた。
「絶対に守ります」勇樹は力強く答えた。「それが、救援列車の使命です」
魔王軍の先遣隊は、突然現れた巨大な機械に戸惑いを見せた。しかし、すぐに態勢を立て直し、列車を標的として攻撃を開始した。
「攻撃開始!」誰かが叫んだ声が聞こえた。
黒甲冑の兵士たちが一斉に突撃してくる。剣を振りかざし、槍を構え、魔法の矢を放ちながら救援列車に向かってくる。
「来ます!」ミナが警告した。
だが、勇樹は動じなかった。
「魔導蒸気、防御態勢!」勇樹はリリアに指示した。
「了解!」リリアは装置を操作し、列車全体に防御用の魔法バリアを展開した。青白い光が車体を包み、攻撃に対する防御力を高める。
黒甲冑兵士たちの攻撃が列車に命中した。剣が車体を叩き、槍が装甲を突き、魔法の矢が表面で弾ける。しかし、ガンドルフの技術とリリアの魔導蒸気による強化により、列車は全く損傷を受けなかった。
「効いてない——」敵兵の一人が驚愕した。
「この機械、一体何だ——」別の兵士が困惑している。
避難民たちは列車の後方で、恐る恐る戦闘の様子を見守っていた。
「すごい——あの機械、全然壊れない——」
「私たちを守ってくれてる——」
「救援列車って、こんなに頑丈だったの?」
地上の護衛兵たちも、救援列車の防御力に驚嘆していた。
「あの列車、まるで移動要塞だな」人間の騎士が感心した。
「魔法攻撃も全く効かない」エルフの魔導師も驚いている。
「ドワーフの技術か?」ドワーフの戦士が誇らしげに呟いた。
勇樹は列車を盾にしながら、避難民の誘導を続けた。
「皆さん、列車の後方を維持しながら、避難所に向かいましょう!」
浮遊機能を使い、列車は地上三メートルの高度をゆっくりと進んだ。避難民は列車の影に隠れながら、安全に移動を続けることができる。
魔王軍の先遣隊は列車を攻撃し続けたが、全く効果がない。やがて攻撃の手を緩め、別の戦術を考え始めた。
「攻撃方法を変えろ!」敵の指揮官らしき声が聞こえた。「機械ではなく、人間を狙え!」
黒甲冑兵士たちは作戦を変更し、列車の周囲を回り込んで避難民を直接攻撃しようとした。
「危ない!」レオンが警告した。
だが、勇樹は既に対策を考えていた。
「【路線建設】発動!」
勇樹は新たなスキルを使用し、列車の周囲に仮設の線路を敷設した。複数の線路が複雑に絡み合い、まるで迷路のような構造を作り上げる。
「これで敵の進行を阻めます」勇樹が説明した。
黒甲冑兵士たちは突然現れた線路に困惑した。足を取られ、進路を遮られ、組織的な攻撃ができなくなる。
「何だこの線路は——」
「どこから現れた——」
「迂回しろ!迂回だ!」
混乱する敵軍を尻目に、勇樹は避難民の誘導を続けた。
「順調に進んでいます」ミナが報告した。「避難所まで、あと二キロメートルです」
「この調子なら、全員を安全に送り届けられそうですね」リリアも安堵した。
しかし、レオンの表情は依然として緊張していた。
「勇樹さん、敵軍の動きが——」
レオンは望遠鏡で敵の様子を観察していたが、不審な動きを感知した。黒甲冑兵士たちが後方に下がり、何かを待っているような態勢を取っている。
「何かが来ます」レオンの声に緊張が走った。
その時、森の奥から新たな影が現れた。
森の奥から現れたのは、一騎の巨大な黒甲冑だった。
他の兵士たちとは明らかに格が違う。身長は三メートルを超え、全身を覆う漆黒の甲冑は魔力の光を放っている。手には巨大な両刃剣を握り、兜の奥で赤い瞳が不気味に輝いていた。
「あれは——」レオンが息を呑んだ。「魔王軍の将軍クラスです」
黒甲冑の将は、他の兵士たちの後方に立つと、重い声で命令を下した。
「下がれ」その声は金属質で、まるで地の底から響いてくるようだった。「この機械は、この私が直接処理する」
先遣隊の兵士たちは一斉に後退し、将の周囲を空けた。明らかに、この巨大な黒甲冑こそが真の脅威だった。
「新手ですね」ミナが警戒を込めて言った。「匂いが違う。あいつ、普通の魔獣や人間じゃない」
勇樹は操縦席で冷や汗をかいていた。これまでの敵とは明らかに次元が違う相手だった。
「どうしましょう?」リリアが不安そうに尋ねた。
「変わりません」勇樹は決意を込めて答えた。「避難民を守り、安全な場所まで運ぶ。それが私たちの使命です」
黒甲冑の将は、救援列車をじっと見つめていた。まるで獲物を品定めするように、車体の構造を詳細に観察している。
「興味深い機械だ」将が呟いた。「魔法を使わずに浮遊し、これほどの防御力を持つとは——しかし」
将は巨大な剣を構えた。
「所詮は鉄塊に過ぎん。この『破砕剣』の前では、いかなる防御も無意味だ」
その剣から、黒いオーラが立ち上った。まるで生き物のように蠢く暗黒の魔力が、刃を包み込んでいく。
「あの剣——」レオンの声が震えた。「魔王軍の上級武器です。物理防御を無視して攻撃できる」
勇樹の背筋に寒気が走った。これまでの防御戦術が通用しない相手だった。
「魔導蒸気、最大出力で防御バリアを!」勇樹はリリアに指示した。
「了解!」リリアは装置を限界まで稼働させ、列車全体に強力なバリアを展開した。
しかし、黒甲冑の将は動じなかった。
「無駄だ」将は冷笑した。「魔法防御も、この剣の前では紙屑同然」
将が剣を振り上げた瞬間、周囲の空気が震えた。暗黒のオーラが剣から放射され、まるで死の波動のように広がっていく。
避難民たちは列車の後方で恐怖に震えていた。
「あの化け物——」
「私たちを殺すつもりよ——」
「救援列車が——救援列車が壊されたら——」
勇樹は避難民の恐怖を感じ取った。彼らにとって救援列車は、最後の希望だった。もしこの列車が破壊されれば、避難民は絶望のどん底に叩き落とされる。
「絶対に——」勇樹は歯を食いしばった。「絶対に壊させない」
その時、地上の護衛兵たちが動いた。人間の騎士が前に出て、黒甲冑の将に向かって突撃する。
「援護します!」騎士の一人が叫んだ。
しかし、将は騎士の攻撃を片手で払い除けた。騎士は十メートルも吹き飛ばされ、地面に激突して動かなくなった。
「雑魚が」将は騎士を見下した。「邪魔をするな」
エルフの魔導師も魔法攻撃を仕掛けたが、将の甲冑に阻まれて効果がない。ドワーフの戦士が斧で斬りかかったが、逆に武器を破壊されてしまった。
「だめだ——」ドワーフの戦士が絶望した。「あいつには勝てない——」
護衛兵たちは次々と倒され、残ったのは救援列車だけになった。
黒甲冑の将は、列車に向かってゆっくりと歩き始めた。一歩一歩が重く、地面を震わせる。
「機械よ」将が列車に向かって呼びかけた。「お前の中にいる者たちに告げよ。この場で降伏すれば、苦痛を与えずに殺してやろう」
「降伏?」勇樹は運転席から身を乗り出した。「冗談じゃありません!」
「ほう」将は興味深そうに勇樹を見た。「機械使いが直接出てきたか。勇気があるのか、愚かなのか」
「私たちは救援列車です」勇樹は毅然として答えた。「困っている人を助けるのが使命です。あなたたちの好きにはさせません」
「救援、だと?」将が嘲笑した。「この世界に救いなど存在しない。あるのは強者が弱者を支配する現実のみだ」
「それは間違っています」勇樹は反論した。「人は協力し合い、助け合って生きていくものです。あなたたちのような暴力では、何も解決しません」
「綺麗事を」将の声に怒りが混じった。「では、その理想とやらで、この現実を変えてみせろ」
将が破砕剣を振り上げた。黒いオーラが渦巻き、空気が歪んでいく。
「来ます!」レオンが叫んだ。
勇樹は【緊急運行】の発動を考えたが、避難民を置いて逃げるわけにはいかない。
「みんな、しっかりつかまって!」勇樹は仲間に指示した。
「魔導蒸気、全力防御!」リリアが限界を超えて装置を稼働させた。
「車体の強度、問題なし!」ミナが各部の状況を確認した。
「風の守護を!」レオンも魔法で列車を保護しようとした。
四人の力が結集し、救援列車は最大の防御態勢を整えた。
黒甲冑の将は破砕剣を振り下ろした。
暗黒のオーラを纏った巨大な刃が、列車の前部装甲に向かって襲いかかる。物理防御も魔法防御も無視する必殺の一撃だった。
「絶対に——」勇樹は心の中で叫んだ。「絶対に守り抜く!」
剣と列車が衝突した瞬間、凄まじい衝撃波が発生した。
爆音と閃光が荒野を覆い、大地が震えた。避難民は恐怖に伏せ、護衛兵たちは目を覆った。
煙と塵が舞い上がり、しばらく何も見えない状態が続いた。
やがて煙が晴れると——
救援列車は、まだそこにあった。
前部装甲に深い傷は刻まれていたが、致命的な損傷は受けていない。ガンドルフの魔法元素封入技術と、リリアの魔導蒸気、そして仲間たちの結束が、必殺の攻撃を防いだのだった。
「信じられん——」黒甲冑の将が驚愕した。「破砕剣が通じないだと?」
勇樹は操縦席で、まだ意識を保っていた。衝撃で体は痛んだが、戦闘不能になるほどではない。
「やったぞ——」リリアが安堵した。「防げた——」
「すごいじゃない」ミナも喜んだ。「私たちの列車、本当に頑丈ね」
しかし、レオンの表情は依然として緊張していた。
「まだ終わっていません」彼は警告した。「あの将軍、まだ戦う気です」
確かに、黒甲冑の将は破砕剣を構え直していた。最初の攻撃が失敗したことで、より本気になっているようだった。
「面白い」将が不気味に笑った。「久しぶりに手応えのある相手だ。だが——」
将の甲冑から、さらに強い魔力が放出され始めた。先ほど以上の暗黒のオーラが立ち上り、周囲の空間を歪めていく。
「次は手加減しない」将が宣言した。「全力で叩き潰してやる」
勇樹は緊張した。最初の攻撃でさえ、辛うじて防いだに過ぎない。これ以上の攻撃を受けたら、さすがの救援列車でも持ちこたえられないかもしれない。
しかし、後退するわけにはいかなかった。避難民の命がかかっている。
「どんな攻撃が来ても」勇樹は決意を新たにした。「私たちは守り抜く。それが救援列車の誓いです」
リリア、ミナ、レオンも頷いた。彼らもまた、同じ決意を抱いていた。
黒甲冑の将は破砕剣を天に向けて掲げた。剣身に刻まれた魔法陣が光り、これまで以上の力が集約されていく。
「覚悟しろ、機械よ」将が咆哮した。「この『滅殺斬』で、お前を完全に消し去ってやる!」
暗黒のオーラが竜巻のように渦巻き、剣の周囲に死の嵐を生み出した。明らかに、先ほどとは比較にならない威力の攻撃だった。
避難民たちは恐怖に震えていた。
「もうだめだ——」
「救援列車が——」
「私たちは見捨てられるのね——」
勇樹はそんな声を聞きながら、操縦桿を握りしめた。
「諦めません」勇樹は静かに呟いた。「最後の最後まで、戦い抜きます」
黒甲冑の将が滅殺斬を放とうとした、その瞬間——
突然、荒野の向こうから新たな汽笛の音が響いた。
浮遊列車は高度十メートルを維持しながら、地上を歩く避難民の隊列に並行して移動している。王都から脱出した市民約三百名を安全な避難所まで護送するのが目的だった。
「避難民の様子はどうですか?」勇樹は車掌のミナに尋ねた。
「疲労が蓄積してます」ミナは地上の人々を見下ろしながら答えた。「特に子供と老人が心配ね。でも、救援列車が上空にいることで、みんな安心してる様子よ」
確かに、避難民たちは時折空を見上げては、浮遊列車に手を振っていた。彼らにとって救援列車は、希望の象徴だった。
「リリアさん、魔導蒸気の調子は?」
「問題ありません」リリアが機関室から応答した。「長距離飛行でも安定稼働してます」
レオンは騎士団の制服を着用し、望遠鏡で周囲を警戒していた。昨日の攻撃者がまだどこかに潜んでいる可能性があったからだ。
「前方に異常なし」レオンが報告した。「でも、東の森から妙な気配を感じます」
勇樹も東の方向を見た。確かに、濃い森が広がっており、その奥に何かが潜んでいそうな不気味さがあった。
「避難民の安全を優先しましょう」勇樹は判断した。「何かあれば、すぐに避難所への最短ルートを取ります」
避難民の隊列は整然と進んでいた。王都の騎士団と各種族の兵士たちが護衛についており、一見すると安全な移動に見えた。しかし、昨日の遠征救援隊結成会議の失敗により、種族間の連携は取れていなかった。
人間の騎士は隊列の前方を警戒し、エルフの魔導師は後方で治癒魔法を使い、ドワーフの戦士は荷物の運搬を担当し、獣人の斥候は周辺の偵察を行っている。役割分担は明確だったが、互いの連携は最小限に留まっていた。
「あれじゃあ、いざという時に連携が取れないわね」ミナが心配そうに言った。
「仕方ありません」勇樹は苦々しく答えた。「歴史的な確執は、一朝一夕には解消できません」
その時、レオンが緊張した声を上げた。
「勇樹さん!東の森から何かが出てきます!」
勇樹は急いで望遠鏡を受け取り、指差す方向を見た。
森の奥から、黒い影がゆっくりと現れてくるのが見えた。最初は数個の影だったが、次第にその数が増えていく。十体、二十体、三十体——やがて百を超える黒い影が、森から姿を現した。
「あれは——」リリアが息を呑んだ。
黒甲冑に身を包んだ兵士たちだった。人間のような体型をしているが、明らかに普通の兵士ではない。甲冑は漆黒で、顔は兜に隠されて見えない。手には黒い刃の剣や槍を持ち、整然と戦列を組んでいる。
「魔王軍——」レオンの声が震えた。「魔王軍の先遣隊です」
避難民の隊列にも異変が伝わった。護衛の兵士たちが慌てて武器を構え、避難民は恐怖に青ざめて立ち尽くす。
「ママ——怖いよ——」子供の泣き声が響いた。
「大丈夫よ、大丈夫よ」母親が必死に慰めるが、その声も震えている。
黒甲冑の先遣隊は、避難民の隊列から約一キロメートルの地点で停止した。まるで獲物を品定めするように、じっと避難民を見つめている。
「どうしましょう?」ミナが尋ねた。
勇樹は冷静に状況を分析した。敵の数は約百五十。こちらの護衛兵は五十名程度。数的には不利だが、問題は避難民の安全だった。
「戦闘は避けたい」勇樹は判断した。「避難民を巻き込むわけにはいきません」
「でも、相手は魔王軍ですよ」レオンが反対した。「逃がしてくれるとは思えません」
その時、黒甲冑の先遣隊が動き出した。ゆっくりと、だが確実に避難民の隊列に向かって進軍を開始する。
地上の護衛兵たちも慌てて対応した。人間の騎士が前列に展開し、エルフの魔導師が魔法詠唱を始め、ドワーフの戦士が盾を構える。しかし、種族間の連携が取れていないため、バラバラな印象は否めなかった。
「このままじゃ全滅しちゃう」ミナが不安を口にした。
勇樹は決断した。
「救援列車を降下させます」
「え?」リリア、ミナ、レオンが同時に声を上げた。
「避難民と護衛兵の間に列車を配置し、盾として使用します」勇樹は操縦桿を握った。「魔王軍の攻撃から避難民を守りながら、避難所への誘導を続けます」
「危険すぎます!」レオンが制止しようとした。「列車が攻撃されたら——」
「大丈夫です」勇樹は確信を込めて答えた。「救援列車の装甲は、ガンドルフさんの魔法元素封入技術で強化されています。普通の攻撃では破壊できません」
浮遊列車は高度を下げ、避難民の隊列前方に着陸した。全長五十メートルの車体が、避難民と魔王軍先遣隊の間に壁のように立ちはだかる。
「みんな!」勇樹は列車の外部スピーカーで避難民に呼びかけた。「救援列車の後方に隠れてください!安全を確保します!」
避難民たちは慌てて列車の後ろに移動した。子供を抱えた母親、杖をついた老人、荷物を担いだ商人——皆、救援列車を頼りに身を寄せ合った。
「本当に大丈夫なんですか?」避難民の一人が不安そうに尋ねた。
「絶対に守ります」勇樹は力強く答えた。「それが、救援列車の使命です」
魔王軍の先遣隊は、突然現れた巨大な機械に戸惑いを見せた。しかし、すぐに態勢を立て直し、列車を標的として攻撃を開始した。
「攻撃開始!」誰かが叫んだ声が聞こえた。
黒甲冑の兵士たちが一斉に突撃してくる。剣を振りかざし、槍を構え、魔法の矢を放ちながら救援列車に向かってくる。
「来ます!」ミナが警告した。
だが、勇樹は動じなかった。
「魔導蒸気、防御態勢!」勇樹はリリアに指示した。
「了解!」リリアは装置を操作し、列車全体に防御用の魔法バリアを展開した。青白い光が車体を包み、攻撃に対する防御力を高める。
黒甲冑兵士たちの攻撃が列車に命中した。剣が車体を叩き、槍が装甲を突き、魔法の矢が表面で弾ける。しかし、ガンドルフの技術とリリアの魔導蒸気による強化により、列車は全く損傷を受けなかった。
「効いてない——」敵兵の一人が驚愕した。
「この機械、一体何だ——」別の兵士が困惑している。
避難民たちは列車の後方で、恐る恐る戦闘の様子を見守っていた。
「すごい——あの機械、全然壊れない——」
「私たちを守ってくれてる——」
「救援列車って、こんなに頑丈だったの?」
地上の護衛兵たちも、救援列車の防御力に驚嘆していた。
「あの列車、まるで移動要塞だな」人間の騎士が感心した。
「魔法攻撃も全く効かない」エルフの魔導師も驚いている。
「ドワーフの技術か?」ドワーフの戦士が誇らしげに呟いた。
勇樹は列車を盾にしながら、避難民の誘導を続けた。
「皆さん、列車の後方を維持しながら、避難所に向かいましょう!」
浮遊機能を使い、列車は地上三メートルの高度をゆっくりと進んだ。避難民は列車の影に隠れながら、安全に移動を続けることができる。
魔王軍の先遣隊は列車を攻撃し続けたが、全く効果がない。やがて攻撃の手を緩め、別の戦術を考え始めた。
「攻撃方法を変えろ!」敵の指揮官らしき声が聞こえた。「機械ではなく、人間を狙え!」
黒甲冑兵士たちは作戦を変更し、列車の周囲を回り込んで避難民を直接攻撃しようとした。
「危ない!」レオンが警告した。
だが、勇樹は既に対策を考えていた。
「【路線建設】発動!」
勇樹は新たなスキルを使用し、列車の周囲に仮設の線路を敷設した。複数の線路が複雑に絡み合い、まるで迷路のような構造を作り上げる。
「これで敵の進行を阻めます」勇樹が説明した。
黒甲冑兵士たちは突然現れた線路に困惑した。足を取られ、進路を遮られ、組織的な攻撃ができなくなる。
「何だこの線路は——」
「どこから現れた——」
「迂回しろ!迂回だ!」
混乱する敵軍を尻目に、勇樹は避難民の誘導を続けた。
「順調に進んでいます」ミナが報告した。「避難所まで、あと二キロメートルです」
「この調子なら、全員を安全に送り届けられそうですね」リリアも安堵した。
しかし、レオンの表情は依然として緊張していた。
「勇樹さん、敵軍の動きが——」
レオンは望遠鏡で敵の様子を観察していたが、不審な動きを感知した。黒甲冑兵士たちが後方に下がり、何かを待っているような態勢を取っている。
「何かが来ます」レオンの声に緊張が走った。
その時、森の奥から新たな影が現れた。
森の奥から現れたのは、一騎の巨大な黒甲冑だった。
他の兵士たちとは明らかに格が違う。身長は三メートルを超え、全身を覆う漆黒の甲冑は魔力の光を放っている。手には巨大な両刃剣を握り、兜の奥で赤い瞳が不気味に輝いていた。
「あれは——」レオンが息を呑んだ。「魔王軍の将軍クラスです」
黒甲冑の将は、他の兵士たちの後方に立つと、重い声で命令を下した。
「下がれ」その声は金属質で、まるで地の底から響いてくるようだった。「この機械は、この私が直接処理する」
先遣隊の兵士たちは一斉に後退し、将の周囲を空けた。明らかに、この巨大な黒甲冑こそが真の脅威だった。
「新手ですね」ミナが警戒を込めて言った。「匂いが違う。あいつ、普通の魔獣や人間じゃない」
勇樹は操縦席で冷や汗をかいていた。これまでの敵とは明らかに次元が違う相手だった。
「どうしましょう?」リリアが不安そうに尋ねた。
「変わりません」勇樹は決意を込めて答えた。「避難民を守り、安全な場所まで運ぶ。それが私たちの使命です」
黒甲冑の将は、救援列車をじっと見つめていた。まるで獲物を品定めするように、車体の構造を詳細に観察している。
「興味深い機械だ」将が呟いた。「魔法を使わずに浮遊し、これほどの防御力を持つとは——しかし」
将は巨大な剣を構えた。
「所詮は鉄塊に過ぎん。この『破砕剣』の前では、いかなる防御も無意味だ」
その剣から、黒いオーラが立ち上った。まるで生き物のように蠢く暗黒の魔力が、刃を包み込んでいく。
「あの剣——」レオンの声が震えた。「魔王軍の上級武器です。物理防御を無視して攻撃できる」
勇樹の背筋に寒気が走った。これまでの防御戦術が通用しない相手だった。
「魔導蒸気、最大出力で防御バリアを!」勇樹はリリアに指示した。
「了解!」リリアは装置を限界まで稼働させ、列車全体に強力なバリアを展開した。
しかし、黒甲冑の将は動じなかった。
「無駄だ」将は冷笑した。「魔法防御も、この剣の前では紙屑同然」
将が剣を振り上げた瞬間、周囲の空気が震えた。暗黒のオーラが剣から放射され、まるで死の波動のように広がっていく。
避難民たちは列車の後方で恐怖に震えていた。
「あの化け物——」
「私たちを殺すつもりよ——」
「救援列車が——救援列車が壊されたら——」
勇樹は避難民の恐怖を感じ取った。彼らにとって救援列車は、最後の希望だった。もしこの列車が破壊されれば、避難民は絶望のどん底に叩き落とされる。
「絶対に——」勇樹は歯を食いしばった。「絶対に壊させない」
その時、地上の護衛兵たちが動いた。人間の騎士が前に出て、黒甲冑の将に向かって突撃する。
「援護します!」騎士の一人が叫んだ。
しかし、将は騎士の攻撃を片手で払い除けた。騎士は十メートルも吹き飛ばされ、地面に激突して動かなくなった。
「雑魚が」将は騎士を見下した。「邪魔をするな」
エルフの魔導師も魔法攻撃を仕掛けたが、将の甲冑に阻まれて効果がない。ドワーフの戦士が斧で斬りかかったが、逆に武器を破壊されてしまった。
「だめだ——」ドワーフの戦士が絶望した。「あいつには勝てない——」
護衛兵たちは次々と倒され、残ったのは救援列車だけになった。
黒甲冑の将は、列車に向かってゆっくりと歩き始めた。一歩一歩が重く、地面を震わせる。
「機械よ」将が列車に向かって呼びかけた。「お前の中にいる者たちに告げよ。この場で降伏すれば、苦痛を与えずに殺してやろう」
「降伏?」勇樹は運転席から身を乗り出した。「冗談じゃありません!」
「ほう」将は興味深そうに勇樹を見た。「機械使いが直接出てきたか。勇気があるのか、愚かなのか」
「私たちは救援列車です」勇樹は毅然として答えた。「困っている人を助けるのが使命です。あなたたちの好きにはさせません」
「救援、だと?」将が嘲笑した。「この世界に救いなど存在しない。あるのは強者が弱者を支配する現実のみだ」
「それは間違っています」勇樹は反論した。「人は協力し合い、助け合って生きていくものです。あなたたちのような暴力では、何も解決しません」
「綺麗事を」将の声に怒りが混じった。「では、その理想とやらで、この現実を変えてみせろ」
将が破砕剣を振り上げた。黒いオーラが渦巻き、空気が歪んでいく。
「来ます!」レオンが叫んだ。
勇樹は【緊急運行】の発動を考えたが、避難民を置いて逃げるわけにはいかない。
「みんな、しっかりつかまって!」勇樹は仲間に指示した。
「魔導蒸気、全力防御!」リリアが限界を超えて装置を稼働させた。
「車体の強度、問題なし!」ミナが各部の状況を確認した。
「風の守護を!」レオンも魔法で列車を保護しようとした。
四人の力が結集し、救援列車は最大の防御態勢を整えた。
黒甲冑の将は破砕剣を振り下ろした。
暗黒のオーラを纏った巨大な刃が、列車の前部装甲に向かって襲いかかる。物理防御も魔法防御も無視する必殺の一撃だった。
「絶対に——」勇樹は心の中で叫んだ。「絶対に守り抜く!」
剣と列車が衝突した瞬間、凄まじい衝撃波が発生した。
爆音と閃光が荒野を覆い、大地が震えた。避難民は恐怖に伏せ、護衛兵たちは目を覆った。
煙と塵が舞い上がり、しばらく何も見えない状態が続いた。
やがて煙が晴れると——
救援列車は、まだそこにあった。
前部装甲に深い傷は刻まれていたが、致命的な損傷は受けていない。ガンドルフの魔法元素封入技術と、リリアの魔導蒸気、そして仲間たちの結束が、必殺の攻撃を防いだのだった。
「信じられん——」黒甲冑の将が驚愕した。「破砕剣が通じないだと?」
勇樹は操縦席で、まだ意識を保っていた。衝撃で体は痛んだが、戦闘不能になるほどではない。
「やったぞ——」リリアが安堵した。「防げた——」
「すごいじゃない」ミナも喜んだ。「私たちの列車、本当に頑丈ね」
しかし、レオンの表情は依然として緊張していた。
「まだ終わっていません」彼は警告した。「あの将軍、まだ戦う気です」
確かに、黒甲冑の将は破砕剣を構え直していた。最初の攻撃が失敗したことで、より本気になっているようだった。
「面白い」将が不気味に笑った。「久しぶりに手応えのある相手だ。だが——」
将の甲冑から、さらに強い魔力が放出され始めた。先ほど以上の暗黒のオーラが立ち上り、周囲の空間を歪めていく。
「次は手加減しない」将が宣言した。「全力で叩き潰してやる」
勇樹は緊張した。最初の攻撃でさえ、辛うじて防いだに過ぎない。これ以上の攻撃を受けたら、さすがの救援列車でも持ちこたえられないかもしれない。
しかし、後退するわけにはいかなかった。避難民の命がかかっている。
「どんな攻撃が来ても」勇樹は決意を新たにした。「私たちは守り抜く。それが救援列車の誓いです」
リリア、ミナ、レオンも頷いた。彼らもまた、同じ決意を抱いていた。
黒甲冑の将は破砕剣を天に向けて掲げた。剣身に刻まれた魔法陣が光り、これまで以上の力が集約されていく。
「覚悟しろ、機械よ」将が咆哮した。「この『滅殺斬』で、お前を完全に消し去ってやる!」
暗黒のオーラが竜巻のように渦巻き、剣の周囲に死の嵐を生み出した。明らかに、先ほどとは比較にならない威力の攻撃だった。
避難民たちは恐怖に震えていた。
「もうだめだ——」
「救援列車が——」
「私たちは見捨てられるのね——」
勇樹はそんな声を聞きながら、操縦桿を握りしめた。
「諦めません」勇樹は静かに呟いた。「最後の最後まで、戦い抜きます」
黒甲冑の将が滅殺斬を放とうとした、その瞬間——
突然、荒野の向こうから新たな汽笛の音が響いた。
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