虚構幻葬の魔術師

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異端児達の集結

エグゼキュート・コンプレックス④前編

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 遂にやって来た参観日当日。
 土曜日でもみんなに会える一大イベント!みんな笑顔で活気溢れる雰囲気に──
「チクショー、何で土曜に学校に来なきゃいけないんだよ」
「あーあ、寝たかったな」
「来る意味あるの?」
──なってなかった。
 休日の学校に対して、教室で愚痴をこぼすのはどの学校でも同じようだ。
 そんな中、一人机の上でぐったりとしている男子生徒が一人いる。
「おはよう!零弥く……」
その生徒は、 予想通り当日 、つまり今日の早朝に参観日の準備を紗亜矢に強制召集された零弥だった。
「──かなり疲れてる様子だけど?」
 流雅がいつもの半笑いで聞く。
「あたりまえだろ……どれだけこきつかえば気がすむんだ……あの人は」
「会長案件ね……それは災難だったねぇ、ホント」
 流雅はまだ登校していない生徒の椅子に座る。零弥の目の前にいる格好だ。
 ここで、零弥が息を吹き替えしたように起き上がる。
「だが、リターンも大きい」
「……新井先輩の事かな?」
「ビンゴだ」
 流雅がにやーっとした顔をする。
「どうやら会長は、新井先輩が序列ランキング入りしていることを知っているようだ。そして、実際に戦闘をしている所を見ている」
「間接的に新井先輩が本人であると確認できたわけだね。でも、そんなことそうやすやすと話していいことなのかなぁ?」
 どうやら、流雅も零弥と同じ疑問を持っているようだ。
「そこは単純にわからない。俺がユミとタッグを組んでることを話したから、というのが有力だな」
「なるほどねぇ……それで、君はについて、どう思った?」
 流雅が質問する。
「……かなりの情報を持っている気がする。おそらく、それを本人は自覚していない。そして、ある程度の信頼で動く人物だろうと思った」
「そう考えるのが妥当かなぁ」
 流雅が一つ呼吸をする。
「まぁ、また何かあったら教えてよ。あと、会長に関わり続けるのは後々面倒くさいことになるだろうから気を付けた方がいいよ」
 そう言って、流雅は自分の席へと戻った。
『 会長に関わり過ぎない方がいい──』っていうフレーズがなんとなくそのままの意味じゃないように感じたのは気のせいだろうか……いや、気のせいであってほしい。




 月島亜芽は、歩いていた。普段は向かわない場所に。
 もちろん意味はある。だからこそをわざわざ足を運んでいるのだ。
 もうそろそろ気温が上がり始めるというのに、彼女はいつも通り、首より下の素肌を一切見せない、暑い格好をしている。音楽が流れている訳でもないのにヘッドホンをして、てくてく、てくてくと歩く。
 ふいに、開いていた窓から瞬間的に強い風が吹く。その窓のカーテンはしまっていて、カーテンは風で煽られる。そして、そのカーテンは亜芽の顔面に触れる……
 
 ビリッ!

「……っ!」
 亜芽は崩れそうになった。
 突然、顔面から電流が流れたレベルの激痛が全身を駆け巡ったのだ。
 亜芽は顔を押さえる。変にさすればまた痛みがぶり返すかもしれない。
 カーテンに触れた瞬間に激痛が走った……しかし、カーテンには。言うなれば、亜芽だけが、この激痛を感じているのだ。
「前から時々あったけど……何?この痛みは……」
 亜芽はふいに息を切らす。
「!あれは……」
 亜芽は向こうで歩く人物を発見した。──それは、紗亜矢に強制召集された(PART2)零弥だった。
「まずい!急いで隠れないと……」
 亜芽は柱で死角となっている部分に身を隠す。視線の方向からして見えていない……ことを祈るが、亜芽にとって、そんなことをわかるはずがない。ただ祈るのみだ。
「見られた……?いや、そんなはずは……」
 亜芽は零弥が立ち去ったことを確認し、目的の場所へと向かっていった。

「──月島亜芽?なぜこんなところに?」
 零弥からはバッチリ確認されていた。


「ふぅ、とりあえず授業が終わったね」
「えぇ、そうですね」
 参観授業を終え、一時の休息をおしゃべりで過ごす、紗亜矢と奈緒。この後も少しばかり仕事はあるので、そのストレス発散の役割も果たしているもかもしれない。
「あれ、会長に茜沢にしざわ先輩じゃないですか」
 小悪魔登場。
茜沢あかねざわです」
「あら、摩美ちゃんじゃないの」
「お疲れさまです」
 摩美はニコッと笑う。
「片付けとか、仕事とかはないんですか?」
「それにはまだ時間はあるし、サナちゃんも色々聞きに行ってくれてるみたいだし、まぁゆっくりしていいでしょう」
 紗亜矢が休憩を促す。
「それなら、ここで立ち話するのもなんですし、生徒会室へと行きましょうか」
 奈緒が生徒会室へ行こうと提案する。
「そうですね」
 摩美が答える。
 特に異論等はなく、三人共々、生徒会室へと移動した。
 

 生徒会室に入室し、パソコンを立ち上げたり、お茶を飲んだりした三人だが、これから保護者の総会が始まる。全員参加でもないので帰る人々もいる。
 さて、休憩時間終了という事で、生徒会室を退室しようとした瞬間……

 ドタドタドタ!

 明らかに普通ではない足音がした。
「誰かいるか!」
「神崎先生?」
 自動ドアを開けて入ってきた男性教師、神崎かんざき康宏やすひろは、生徒会執行部の顧問でもある。生徒会へ渡される色々な情報や連絡事項の架け橋となっているのがこの男だ。
「霧島、茜沢、そして白峰か。今、かなり不味いことになってだな。ちょうどいい。パソコン借りるぞ」
 そう言って、神崎は手に持っていたUSBをパソコンに挿す。
「──何が……起こったんですか?」
「それに関してはこれを見りゃわかる」
 紗亜矢の質問に詳しく答える余裕は無さそうだ。
「よし……これだ」
「……!?」
 USBの中身は一つの手紙のようだ。そして、その中身を見た瞬間、三人の少女は絶句した。
『私立星蕾高校、一言だけ伝える。




 





──貴校に、爆弾を設置した──』
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