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異端児達の集結
The last thinking②
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『どういうことだ、これは!』
電話に向かって怒鳴る男……ペルティエのリーダーは、今回の受け渡し失敗にご立腹のようだ。
「彼女は予定通りに所定の位置に置いていたようですが、受け取る時に後をつけられたようで」
『チッ……おかげで利益が損なわれた……さて、どうするか』
リーダーの相手は返答に困る。秘書的な立場である以上、このような質問、相談は当たり前のようにぶつけられるはずだが、今回は適切な回答が見当たらなかった。
ならば、次に起こりうることを適当に忠告しておけば万全だろう。
「追跡してきた者はどのような人でしたか?」
『黒いパーカーの男のようだ。外見からして高校生、おそらく、星校の生徒だろう』
男はよほど腹が立っているのか、声も怒気を強めている。
「左様ですか。では、星校から追跡してきたのですね?」
『あぁ……なにやら、そいつは能力持ちだと聞いている……』
(能力持ち……!)
相手の男は驚く。国際的なグループとはいえ、一般的な高校生のはずがまさか能力持ちで、なおかつペルティエを取り押さえようとしていたなど、予測できるはずがない。
「そうですか……なら、その男による本部の襲撃が行われる可能性はありませんか?」
『まさかこのアジトが見つかるはずが無いだろうが、可能性としては考えられるな』
男は落ち着きを取り戻しつつあるようだ。
「了解しました。明日、明後日は手続き等で本部へと行くことはできませんが、何かあったら連絡してください」
『わかった。頼むぞ、榮繕』
「かしこまりました。ではこれで」
榮繕は通話を切る。
「……ふぅ」
榮繕は一息ため息をついた。
「ようやく釣れてくれましたか……そうならば、これから準備が必要になりますね……」
普段から敬語口調の榮繕。流暢な日本語で、なんとかリーダーを宥めているが、さすがに今回は疲れた。まぁ、ペルティエの存在を左右する事態に陥っているのは事実であり、それに対して焦ったり、イライラしたりするのは、生命体において至極当然な反応である。
「──ですが、ここでの役割は……もう終わったに等しいでしょうか」
榮繕は持ち前の長い髪をなびかせる。白くきめ細やかな肌、青く透き通った目をした顔は、優しく、そして妖しく微笑んでいた。
参観日が終わった夜、亜芽は一通のメールを開いた。
「運搬の途中で……襲撃を受けた!?」
亜芽は衝撃を受けている。
「まさか……あの時に気づかれた?」
メールは襲撃してきた男についても詳しく書かれている。
①黒いパーカーの男
②外見は高校生
③星校から追跡していた可能性大
④詳細はわからないが、その男は能力持ち
これだけでも十分だ。その男は零弥以外あり得ない。
「そんな……まさか失敗するなんて……ちゃんと置いたはずなのに!」
亜芽はぐっと歯を食い縛り、拳をぎゅっと握る。
「やっぱり警戒するべきだった。あの雰囲気からして、十分警戒する動機になったのに……」
亜芽はまだ悔しがっている。
そして、メールの文章はまだ続きがあった。
「えーっと……『アジトを知られていた場合、明日以降、襲撃を受ける可能性がある。明日はアジトに集合すること。これは命令だ』って……」
亜芽は文章を読んだ。そして、自分の中で苦悩するであろうことは簡単に読めた。
「……ホントに襲撃が来るのかな?仮にもごく普通にいるような高校生だよね……さすがに危険視し過ぎじゃないかな……」
亜芽は思考を回し続ける。
「襲撃をするならば、おそらくあの三人──」
亜芽の記憶から、零弥、ユミ、流雅の表情、体型が次々とフラッシュバックの要領で映っていく。
「ハンバーガー屋では話を振り切って逃げて来た」
まだまだ思考は終わらない。
「椎名って人は『受け渡し』の現場を見られかけた。そして、運搬中に襲撃。おそらく、能力持ちだからこそできる芸当。銃声が聞こえてきたから、思ったより現場は近かったのかな?」
まだまだ思考は続いていく。
「次に相崎さん──彼女は爆破予告を聞いた後、すぐに現場を離れるどころか、一旦グラウンドに出た後、その場にとどまっていた上、特に注意されるような場面は見受けられなかった」
零弥、ユミと行動を振り替えって行けば、最後に残るのはただ一人だ。
「成川って人は──爆破予告があったにも関わらず、パソコンをいじってた。タイピングもかなりの速さだったし、もしかして、かなりの実力者?」
流雅に対する思考はまだ終わらない。
「タイピングはすぐに終わって、避難してたけど、タイミング的に爆破予告と関係無いわけがない……」
流雅ヘの思考は終わった。
「結局、三人とも普通じゃない人だということが確定……まぁ、わかりきっていたこと……」
亜芽は一息つく。そして、また歯を食い縛り、今度は悲しそうな顔をする。
「──何で関わるの?」
それは、決して触れたくなかったこと。
「──何で、この私に関わって来るの?」
批判に近い疑問は亜芽の心理的な傷を負わせるのに手間などかからない。
「──どうせ、関わりを持ったくせに、私を捨てて──警戒するはペルティエと同じ。必要なくなったら捨てるんだ!」
亜芽は心の中で絶叫する。
頬を、一筋の粒がしたたり落ちる。
「──明日に集中しなきゃ……簡単に死にたくないし」
亜芽は粒を拭った後、電気を消した。そして、孤独な闇の中で、深い深い眠りに落ちていった。
電話に向かって怒鳴る男……ペルティエのリーダーは、今回の受け渡し失敗にご立腹のようだ。
「彼女は予定通りに所定の位置に置いていたようですが、受け取る時に後をつけられたようで」
『チッ……おかげで利益が損なわれた……さて、どうするか』
リーダーの相手は返答に困る。秘書的な立場である以上、このような質問、相談は当たり前のようにぶつけられるはずだが、今回は適切な回答が見当たらなかった。
ならば、次に起こりうることを適当に忠告しておけば万全だろう。
「追跡してきた者はどのような人でしたか?」
『黒いパーカーの男のようだ。外見からして高校生、おそらく、星校の生徒だろう』
男はよほど腹が立っているのか、声も怒気を強めている。
「左様ですか。では、星校から追跡してきたのですね?」
『あぁ……なにやら、そいつは能力持ちだと聞いている……』
(能力持ち……!)
相手の男は驚く。国際的なグループとはいえ、一般的な高校生のはずがまさか能力持ちで、なおかつペルティエを取り押さえようとしていたなど、予測できるはずがない。
「そうですか……なら、その男による本部の襲撃が行われる可能性はありませんか?」
『まさかこのアジトが見つかるはずが無いだろうが、可能性としては考えられるな』
男は落ち着きを取り戻しつつあるようだ。
「了解しました。明日、明後日は手続き等で本部へと行くことはできませんが、何かあったら連絡してください」
『わかった。頼むぞ、榮繕』
「かしこまりました。ではこれで」
榮繕は通話を切る。
「……ふぅ」
榮繕は一息ため息をついた。
「ようやく釣れてくれましたか……そうならば、これから準備が必要になりますね……」
普段から敬語口調の榮繕。流暢な日本語で、なんとかリーダーを宥めているが、さすがに今回は疲れた。まぁ、ペルティエの存在を左右する事態に陥っているのは事実であり、それに対して焦ったり、イライラしたりするのは、生命体において至極当然な反応である。
「──ですが、ここでの役割は……もう終わったに等しいでしょうか」
榮繕は持ち前の長い髪をなびかせる。白くきめ細やかな肌、青く透き通った目をした顔は、優しく、そして妖しく微笑んでいた。
参観日が終わった夜、亜芽は一通のメールを開いた。
「運搬の途中で……襲撃を受けた!?」
亜芽は衝撃を受けている。
「まさか……あの時に気づかれた?」
メールは襲撃してきた男についても詳しく書かれている。
①黒いパーカーの男
②外見は高校生
③星校から追跡していた可能性大
④詳細はわからないが、その男は能力持ち
これだけでも十分だ。その男は零弥以外あり得ない。
「そんな……まさか失敗するなんて……ちゃんと置いたはずなのに!」
亜芽はぐっと歯を食い縛り、拳をぎゅっと握る。
「やっぱり警戒するべきだった。あの雰囲気からして、十分警戒する動機になったのに……」
亜芽はまだ悔しがっている。
そして、メールの文章はまだ続きがあった。
「えーっと……『アジトを知られていた場合、明日以降、襲撃を受ける可能性がある。明日はアジトに集合すること。これは命令だ』って……」
亜芽は文章を読んだ。そして、自分の中で苦悩するであろうことは簡単に読めた。
「……ホントに襲撃が来るのかな?仮にもごく普通にいるような高校生だよね……さすがに危険視し過ぎじゃないかな……」
亜芽は思考を回し続ける。
「襲撃をするならば、おそらくあの三人──」
亜芽の記憶から、零弥、ユミ、流雅の表情、体型が次々とフラッシュバックの要領で映っていく。
「ハンバーガー屋では話を振り切って逃げて来た」
まだまだ思考は終わらない。
「椎名って人は『受け渡し』の現場を見られかけた。そして、運搬中に襲撃。おそらく、能力持ちだからこそできる芸当。銃声が聞こえてきたから、思ったより現場は近かったのかな?」
まだまだ思考は続いていく。
「次に相崎さん──彼女は爆破予告を聞いた後、すぐに現場を離れるどころか、一旦グラウンドに出た後、その場にとどまっていた上、特に注意されるような場面は見受けられなかった」
零弥、ユミと行動を振り替えって行けば、最後に残るのはただ一人だ。
「成川って人は──爆破予告があったにも関わらず、パソコンをいじってた。タイピングもかなりの速さだったし、もしかして、かなりの実力者?」
流雅に対する思考はまだ終わらない。
「タイピングはすぐに終わって、避難してたけど、タイミング的に爆破予告と関係無いわけがない……」
流雅ヘの思考は終わった。
「結局、三人とも普通じゃない人だということが確定……まぁ、わかりきっていたこと……」
亜芽は一息つく。そして、また歯を食い縛り、今度は悲しそうな顔をする。
「──何で関わるの?」
それは、決して触れたくなかったこと。
「──何で、この私に関わって来るの?」
批判に近い疑問は亜芽の心理的な傷を負わせるのに手間などかからない。
「──どうせ、関わりを持ったくせに、私を捨てて──警戒するはペルティエと同じ。必要なくなったら捨てるんだ!」
亜芽は心の中で絶叫する。
頬を、一筋の粒がしたたり落ちる。
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