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異端児達の集結
The last thinking③中編Ⅲ
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月島亜芽は、悩んでいた。自分の立場に。
今までペルティエの一員として、言われるがままに行動してきた。そして失敗した。これは初めてのことだ。
自分が犯した一つの失敗で、組織は壊れかけている。この状況は、とても容易に飲み込めるものではない。
自分が組織を追い詰めてしまっているのに対して、罪悪感や申し訳ない気持ちがあるのも事実。しかし、それより大きな感情がよぎっていた。
それは、唐木からの最後の命令。
いずれにせよ、この騒動を起こした原因は自分だ。零弥に目撃されていたことはわかっていないはずだが、いずれわかるだろう。
その結果、自分に降りかかる命令は一つしかない。
それは、『粛清』だ。
当たり前だ。海外の、もっと凶悪な組織ならば常習化していてもおかしくない所だってあるのだ。そのくらい、容易に考えつく。
しかし、亜芽も人間だ。スクラップのようにホイホイと死ぬような人間ではない。普段ならば。
そのはずなのに、なぜか恐怖は全く感じていない。また、抵抗感すら感じていない。
もっと詳しく言えば、死ぬことに対して何も考えられない。
月島亜芽は疲れているのだ。
もう生きることに対しての執着は無い。だからこそ、自分の今の立場に悩んでいるのだ。
「銃撃が止んだ……あの人達……かなり強いんだ」
位置的にユミよりも零弥が向かった部屋の方が近い。どうやら、零弥は構成員たちを圧倒したようだ。
亜芽は考える。もう考えられることは、自分が襲われたときの対処法しかない。
「もし見つけられたら……撃つしか……無いの?」
亜芽だって撃ちたくない。現実で容易に引き金を引けるほど、亜芽は強くない。
「私は……もう」
亜芽は自分を追い詰めていた。過去の自分、現在の自分両方に、だ。
そのとき……
「やぁ!そこにいたんだね」
聞き覚えのある声がした。
確かな悪寒。
世界に流れる時間が止まったような気がした。
成川流雅の登場だ。
やはり、出会ってしまった。
出会いたく無かったのに、運命とやらはいつも邪魔する。
仮面を被っているのに正体がばれた理由としては、外見や体型で確認されたのだろう。
亜芽は力無く銃口を向ける。その両手は著しく震えていて、とても流雅にダメージを与えられるとは言えない。心理状態が落ち着いていないときに銃口を向けるなど、全くもって無駄であることは重々理解していたはずだ。だが、動かない。手は震えるばかりで、肝心の下半身は全く動かないのだ。これでは戦闘員としての意味が無いではないか。
「うごか……ないで」
亜芽は絞り出すように声を吐き出す。こんな状態での警告など聞くに値しない。
しかし……
「──はい」
流雅は両手を挙げる。抵抗など素振りすら見せない。
「僕はみんなとは違って単純な戦闘力はないからね……おとなしくしたがっておくよ」
流雅はこんな状況でも笑っている。
普段ならば、銃口が定まらない内にそのまま仕留めればいいはずだ。だが、生憎流雅は武器を一切持ち込んでいない。
「そ……そのまま、そのまま動かないで。もし動いたら……」
亜芽の両手にはよりいっそうの力が入る。それに対応するように、銃口もガクガク震えている。
「わかってるよ」
流雅は笑顔を崩さない。
亜芽はこの状況がいささか飲み込めなかった。自分の精神状態が安定していないことなど、流雅にはすぐわかるはずだ。なのに、なぜ攻撃してこない?銃を構えているから?
亜芽は不気味に感じた。まさか、まだ奥の手があるのか?亜芽は撃つことを忘れて必死に答えを探している。
「──撃たないの?」
均衡が破れた。
「こんなに有利な状況で、君はその引き金を引かないのかな?」
流雅の表情が変わる。『笑っている』ということに変わりはないが、その意味は明らかに違う。
「──いや『引かない』じゃなくて『引けない』かな」
「──!?」
亜芽の表情に動揺の文字が浮かび上がる。
「ペルティエの構成員として、星校をカムフラージュに利用し、僕たちに深淵を悟られないように注意し、最終的には拠点でばったり会う。いや~運命ってホント面白いよね」
「……」
亜芽は返答できない
「まさか、たまたま入学式にぶつかった女子高生が麻薬密売グループの一員だったなんて、思いもしないよね~」
流雅はまるで死の恐怖を感じていない。むしろ楽しんでいる。死に対して恐怖を通り越して全く考えられなくなっている亜芽とは正反対だ。
「──ねぇ、何でペルティエの一員になったの?」
流雅の口調が変わる。今までの軽い口調でなく、冷たさと重さが伝わってくる。
「──やめて……」
亜芽は不意に口ずさむ。
「生活に困ったから?麻薬に興味を持ったから?生死の境にたちたかったから?」
流雅は無視しているようだ。
「──止めて」
「それとも……『自分の意思に反して無理矢理加入させられたから』?」
「止めて!」
亜芽は叫ぶ。さすがに流雅もこれ以上の追及を止めた。
「それ以上言ったら……本当に……!」
「──後、君はいくつかの見落としをしているようだ」
「──!」
亜芽は思考が回らない。流雅の執拗な推理によって傷つけられた心を落ち着かせるだけで精一杯だ。
だが、そんなことはもう関係ないようだ。
『君は僕を殺せない』
流雅がニヤリと嗤う。
「──さよなら」
パァン……
流雅に向かって、一発の凶弾がいとも簡単に放たれた……
今までペルティエの一員として、言われるがままに行動してきた。そして失敗した。これは初めてのことだ。
自分が犯した一つの失敗で、組織は壊れかけている。この状況は、とても容易に飲み込めるものではない。
自分が組織を追い詰めてしまっているのに対して、罪悪感や申し訳ない気持ちがあるのも事実。しかし、それより大きな感情がよぎっていた。
それは、唐木からの最後の命令。
いずれにせよ、この騒動を起こした原因は自分だ。零弥に目撃されていたことはわかっていないはずだが、いずれわかるだろう。
その結果、自分に降りかかる命令は一つしかない。
それは、『粛清』だ。
当たり前だ。海外の、もっと凶悪な組織ならば常習化していてもおかしくない所だってあるのだ。そのくらい、容易に考えつく。
しかし、亜芽も人間だ。スクラップのようにホイホイと死ぬような人間ではない。普段ならば。
そのはずなのに、なぜか恐怖は全く感じていない。また、抵抗感すら感じていない。
もっと詳しく言えば、死ぬことに対して何も考えられない。
月島亜芽は疲れているのだ。
もう生きることに対しての執着は無い。だからこそ、自分の今の立場に悩んでいるのだ。
「銃撃が止んだ……あの人達……かなり強いんだ」
位置的にユミよりも零弥が向かった部屋の方が近い。どうやら、零弥は構成員たちを圧倒したようだ。
亜芽は考える。もう考えられることは、自分が襲われたときの対処法しかない。
「もし見つけられたら……撃つしか……無いの?」
亜芽だって撃ちたくない。現実で容易に引き金を引けるほど、亜芽は強くない。
「私は……もう」
亜芽は自分を追い詰めていた。過去の自分、現在の自分両方に、だ。
そのとき……
「やぁ!そこにいたんだね」
聞き覚えのある声がした。
確かな悪寒。
世界に流れる時間が止まったような気がした。
成川流雅の登場だ。
やはり、出会ってしまった。
出会いたく無かったのに、運命とやらはいつも邪魔する。
仮面を被っているのに正体がばれた理由としては、外見や体型で確認されたのだろう。
亜芽は力無く銃口を向ける。その両手は著しく震えていて、とても流雅にダメージを与えられるとは言えない。心理状態が落ち着いていないときに銃口を向けるなど、全くもって無駄であることは重々理解していたはずだ。だが、動かない。手は震えるばかりで、肝心の下半身は全く動かないのだ。これでは戦闘員としての意味が無いではないか。
「うごか……ないで」
亜芽は絞り出すように声を吐き出す。こんな状態での警告など聞くに値しない。
しかし……
「──はい」
流雅は両手を挙げる。抵抗など素振りすら見せない。
「僕はみんなとは違って単純な戦闘力はないからね……おとなしくしたがっておくよ」
流雅はこんな状況でも笑っている。
普段ならば、銃口が定まらない内にそのまま仕留めればいいはずだ。だが、生憎流雅は武器を一切持ち込んでいない。
「そ……そのまま、そのまま動かないで。もし動いたら……」
亜芽の両手にはよりいっそうの力が入る。それに対応するように、銃口もガクガク震えている。
「わかってるよ」
流雅は笑顔を崩さない。
亜芽はこの状況がいささか飲み込めなかった。自分の精神状態が安定していないことなど、流雅にはすぐわかるはずだ。なのに、なぜ攻撃してこない?銃を構えているから?
亜芽は不気味に感じた。まさか、まだ奥の手があるのか?亜芽は撃つことを忘れて必死に答えを探している。
「──撃たないの?」
均衡が破れた。
「こんなに有利な状況で、君はその引き金を引かないのかな?」
流雅の表情が変わる。『笑っている』ということに変わりはないが、その意味は明らかに違う。
「──いや『引かない』じゃなくて『引けない』かな」
「──!?」
亜芽の表情に動揺の文字が浮かび上がる。
「ペルティエの構成員として、星校をカムフラージュに利用し、僕たちに深淵を悟られないように注意し、最終的には拠点でばったり会う。いや~運命ってホント面白いよね」
「……」
亜芽は返答できない
「まさか、たまたま入学式にぶつかった女子高生が麻薬密売グループの一員だったなんて、思いもしないよね~」
流雅はまるで死の恐怖を感じていない。むしろ楽しんでいる。死に対して恐怖を通り越して全く考えられなくなっている亜芽とは正反対だ。
「──ねぇ、何でペルティエの一員になったの?」
流雅の口調が変わる。今までの軽い口調でなく、冷たさと重さが伝わってくる。
「──やめて……」
亜芽は不意に口ずさむ。
「生活に困ったから?麻薬に興味を持ったから?生死の境にたちたかったから?」
流雅は無視しているようだ。
「──止めて」
「それとも……『自分の意思に反して無理矢理加入させられたから』?」
「止めて!」
亜芽は叫ぶ。さすがに流雅もこれ以上の追及を止めた。
「それ以上言ったら……本当に……!」
「──後、君はいくつかの見落としをしているようだ」
「──!」
亜芽は思考が回らない。流雅の執拗な推理によって傷つけられた心を落ち着かせるだけで精一杯だ。
だが、そんなことはもう関係ないようだ。
『君は僕を殺せない』
流雅がニヤリと嗤う。
「──さよなら」
パァン……
流雅に向かって、一発の凶弾がいとも簡単に放たれた……
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