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異端児達の集結
The last thinking⑥前編
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ズシン……
確かに地響きがした。
これは唐木がスペルキーパーを使用したことによる巨大化の影響だが、ここの二人にはその事実を知らない。
「零弥くん……ユミちゃん……」
流雅は二人の身を案じるが、どうやらそのような暇も無いみたいだ。
流雅に向かって牽制の一発。そして、亜芽はまた柱の影に隠れる。
(痛み止めが効いてきた……これならちゃんと戦える!)
襲撃に備えて、アジトの警護の命令が下った時、亜芽はちょうど痛み止めを切らしていたのだ。アジトについてからいくつかもらったが、思った以上に零弥達が襲撃してきたので、痛み止めが効く前に銃を撃ってしまったのだ。その結果、激痛を感じざるを得なかった。
今ようやく痛み止めが効果を発揮してきたので、亜芽も銃を惜しみ無く使用できる。
果たして流雅は、その事に気づけるのか、そこが勝負の分かれ目だ。
意を決して、流雅は亜芽のもとへとダッシュをかける。撃たれそうになれば『保存』してやればいいだけだ。完全に流雅が有利の戦闘だ。
しかし……
「……!?いない……」
そこに亜芽の姿がなかった。考えが読まれていたのだ。
流雅は辺りを見回す。
(どこに行った……?何か形跡は……?)
そうすれば、半開きになっている扉を見つけた。
(あれか!)
流雅は素早く開く。そして、そこには上へと続く階段があった。
そう、ここは二階建ての部屋だ。銃を携帯している亜芽にとって、高所は低所に比べてかなり有利だ。銃を上に向けるか下に向けるか、どちらが狙いやすいか、実際に読者の皆様にも手を銃に見立てて試してほしい。
それはそうとして、流雅は迷いなく階段を駆け上がる。
この部屋の照明もいくつか割られているようで、辺りは薄暗い。しかし、全て割られているわけでもなく、全く見えないわけでもない。
「どこに隠れたか……あの柱?いや……」
正解は流雅の背後の段ボールの影。
流雅に向かって追撃の一発。
「──ぐっ……」
急所には当たらなかったが、頬をかすったのがわかった。その証拠として頬から薄く血が滴り落ちている。
段ボールのところへと走っていても、亜芽の姿は見つからない。また移動したようだ。
亜芽は予想以上に身体能力が高いようだ。特に隠密行動には向いているだろう。
だが、流雅も同じ轍を踏まない。すぐに隠れそうな場所を見渡した。
「かなり押せてる……勝てるかもしれない」
亜芽は移動しながらの戦闘に手応えを感じている。拳銃に消音機がついていないため、一発一発ごとに移動しないといけない。それでもこの状況は有利に見ていた。
(彼の『状態保存』は非常にやっかい……銃弾を確認すれば封じ込められるし、何より銃そのものが『保存』されたらほんとに困る)
だが、『状態保存』、いや、全能力や魔術に共通する事を亜芽は見抜いていた。
(だけど、それ自体が目視や予測で確認されてなければ、そもそも発動が出来ない)
亜芽は冷静に考える。もはやそこには、アジトを突き止められたことに対する罪悪感は消え、むしろこの戦闘を楽しんでいた。なぜなら、この感覚は以前にも味わっていたからだ。しかし、その事については亜芽も気づいていない。
(隠れ回っているだけじゃ、場所が無くなっていく。なら、もう決めなくちゃいけない)
亜芽はリボルバー式の銃に切り替える。理由は、連写が可能になると同時に、ある弾が何発目にいるのか、把握しやすいからだ。
流雅の姿が近づいてきた。しかも、見る限り、自分の姿が見えていないようだ。つまり、今が最高のタイミングなのだ。
「これで決める!」
「そこか!」
亜芽は姿を表した。それを見て、流雅も接近してくる。
亜芽は一発目、あえて流雅とは違う方向を向けて撃った。もちろん、それは無視される。
二発目、これは流雅に向かっての一発。これで、亜芽の勝利の法則が完成した!
(これで、この二発目を『保存』する。そして、私が持っている銃を『保存』しようと、注意は銃に向けられる)
その時、亜芽は確かに感じた。
世界が、スローモーションで動いていく。
人が集中すれば、本当にそんなことが起こるのだとはじめて理解した。
そして、自分の狙い通り、流雅は二発目を『保存』した。
(勝った!これで終わりだ!)
亜芽は最後まで詰める。
流雅を狙って、三発目を放つ。流雅の心臓部を正確にとらえるような軌道で、弾丸は進んでいく。
さらに、全く別の方向に放たれた一発目の弾丸が、壁で反射し、流雅に向かって襲いかかった。一発目は、跳躍弾だったのだ。
これは、自らが何度も何度も切り札にしてきた必殺技。
今ここで、三発目に注意が向けば、一発目が流雅を確実にとらえる。
『隠れた弾丸』が、今ここで、現実のもとに完成する!
今度こそ、弾丸は流雅を捉えるだろう。かなり面倒な戦いになったが、ようやく終止符を打つことが出来た。
三発目を撃った瞬間、亜芽は、勝利を確信した。
確かに地響きがした。
これは唐木がスペルキーパーを使用したことによる巨大化の影響だが、ここの二人にはその事実を知らない。
「零弥くん……ユミちゃん……」
流雅は二人の身を案じるが、どうやらそのような暇も無いみたいだ。
流雅に向かって牽制の一発。そして、亜芽はまた柱の影に隠れる。
(痛み止めが効いてきた……これならちゃんと戦える!)
襲撃に備えて、アジトの警護の命令が下った時、亜芽はちょうど痛み止めを切らしていたのだ。アジトについてからいくつかもらったが、思った以上に零弥達が襲撃してきたので、痛み止めが効く前に銃を撃ってしまったのだ。その結果、激痛を感じざるを得なかった。
今ようやく痛み止めが効果を発揮してきたので、亜芽も銃を惜しみ無く使用できる。
果たして流雅は、その事に気づけるのか、そこが勝負の分かれ目だ。
意を決して、流雅は亜芽のもとへとダッシュをかける。撃たれそうになれば『保存』してやればいいだけだ。完全に流雅が有利の戦闘だ。
しかし……
「……!?いない……」
そこに亜芽の姿がなかった。考えが読まれていたのだ。
流雅は辺りを見回す。
(どこに行った……?何か形跡は……?)
そうすれば、半開きになっている扉を見つけた。
(あれか!)
流雅は素早く開く。そして、そこには上へと続く階段があった。
そう、ここは二階建ての部屋だ。銃を携帯している亜芽にとって、高所は低所に比べてかなり有利だ。銃を上に向けるか下に向けるか、どちらが狙いやすいか、実際に読者の皆様にも手を銃に見立てて試してほしい。
それはそうとして、流雅は迷いなく階段を駆け上がる。
この部屋の照明もいくつか割られているようで、辺りは薄暗い。しかし、全て割られているわけでもなく、全く見えないわけでもない。
「どこに隠れたか……あの柱?いや……」
正解は流雅の背後の段ボールの影。
流雅に向かって追撃の一発。
「──ぐっ……」
急所には当たらなかったが、頬をかすったのがわかった。その証拠として頬から薄く血が滴り落ちている。
段ボールのところへと走っていても、亜芽の姿は見つからない。また移動したようだ。
亜芽は予想以上に身体能力が高いようだ。特に隠密行動には向いているだろう。
だが、流雅も同じ轍を踏まない。すぐに隠れそうな場所を見渡した。
「かなり押せてる……勝てるかもしれない」
亜芽は移動しながらの戦闘に手応えを感じている。拳銃に消音機がついていないため、一発一発ごとに移動しないといけない。それでもこの状況は有利に見ていた。
(彼の『状態保存』は非常にやっかい……銃弾を確認すれば封じ込められるし、何より銃そのものが『保存』されたらほんとに困る)
だが、『状態保存』、いや、全能力や魔術に共通する事を亜芽は見抜いていた。
(だけど、それ自体が目視や予測で確認されてなければ、そもそも発動が出来ない)
亜芽は冷静に考える。もはやそこには、アジトを突き止められたことに対する罪悪感は消え、むしろこの戦闘を楽しんでいた。なぜなら、この感覚は以前にも味わっていたからだ。しかし、その事については亜芽も気づいていない。
(隠れ回っているだけじゃ、場所が無くなっていく。なら、もう決めなくちゃいけない)
亜芽はリボルバー式の銃に切り替える。理由は、連写が可能になると同時に、ある弾が何発目にいるのか、把握しやすいからだ。
流雅の姿が近づいてきた。しかも、見る限り、自分の姿が見えていないようだ。つまり、今が最高のタイミングなのだ。
「これで決める!」
「そこか!」
亜芽は姿を表した。それを見て、流雅も接近してくる。
亜芽は一発目、あえて流雅とは違う方向を向けて撃った。もちろん、それは無視される。
二発目、これは流雅に向かっての一発。これで、亜芽の勝利の法則が完成した!
(これで、この二発目を『保存』する。そして、私が持っている銃を『保存』しようと、注意は銃に向けられる)
その時、亜芽は確かに感じた。
世界が、スローモーションで動いていく。
人が集中すれば、本当にそんなことが起こるのだとはじめて理解した。
そして、自分の狙い通り、流雅は二発目を『保存』した。
(勝った!これで終わりだ!)
亜芽は最後まで詰める。
流雅を狙って、三発目を放つ。流雅の心臓部を正確にとらえるような軌道で、弾丸は進んでいく。
さらに、全く別の方向に放たれた一発目の弾丸が、壁で反射し、流雅に向かって襲いかかった。一発目は、跳躍弾だったのだ。
これは、自らが何度も何度も切り札にしてきた必殺技。
今ここで、三発目に注意が向けば、一発目が流雅を確実にとらえる。
『隠れた弾丸』が、今ここで、現実のもとに完成する!
今度こそ、弾丸は流雅を捉えるだろう。かなり面倒な戦いになったが、ようやく終止符を打つことが出来た。
三発目を撃った瞬間、亜芽は、勝利を確信した。
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