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アビスフリード争奪戦
王女逃亡 後編
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オスカーの足止めが功を奏したのか、メアリー、クーゲル、スフィアの三人は何とか逃げられている。
「お父様……お父様ぁ……」
スフィアは泣き続けている。
必死に走った甲斐もあってか、出口はすぐそこに見えた。
「よし、出口だ!」
「行かせんぞ!」
そこには、新手の敵襲が待ち構えていた。
「クソッ……」
クーゲルは魔力を具現化し、一つの剣を作り出す。
「撃て!」
その合図とともに、敵襲は一斉に魔術を放つ。火を放つもの、そのまま魔力を放つもの、後方で待機するものなどの様々であった。
しかし、クーゲルは剣で全て弾き返す。そして、クーゲルの背後からメアリーが援護射撃。思わず敵は怯んだ。
クーゲルはガンガン突き進む。魔力の剣を振り回し、時に弾丸として放ち、そして敵を薙ぎ倒していった。
「うあぁぁぁぁ!」
見事な剣捌きでクーゲルはこの窮地を乗りきった。
「ふぅ……」
「お兄様……」
クーゲルは一息つく。スフィアも何とか心を落ち着かせたようだ。
だが……
「危ない!」
メアリーが叫ぶ。何故ならば、スフィアの背後から魔術の準備ができているであろう魔族が、弾丸を発射してきたからだ。
「しまった!」
クーゲルはすぐに魔術を構成する。だが、間に合わない。
魔術は能力よりも発動速度が遅い。それが今、こうして仇になるとは、クーゲルは現実をこれまでかと言うほど恨んだ。
このままでは、まだろくに魔術を操りきれないスフィアに当たってしまう……
その時だった。
「スフィア!」
スフィアにはこちらに顔を向けるメアリーの姿が目に映った。
メアリーは、とっさにスフィアをかばったのだ。
「……お母様?」
スフィアの声色が消えていた。
「いや、まだ間に……」
クーゲルが叫びかけたが……
「!?……まさか、即死?」
絶望に染まり、絶望にうちひしがれたような声を、クーゲルは発した。クーゲルの予想通り、メアリーはピクリとも動かなかった。
「この!」
同じ男がクーゲルに向かって更に弾を発射しようとした。
だが、クーゲルが展開した魔術、『魔力障壁』がそれを阻む。
魔力を障壁として展開することで、それは魔術を通さないバリアとなる。本来は何重にも張ることで強度を上げるが、場合が場合だったので今回は一枚だけだ。
だが、父親に次ぎ、母親を殺された怒りに燃えるクーゲルには、これで十分だ。
「うぉぉぉぉ!」
クーゲルはその男を切り裂いた。
「お母様!お母様ぁ……」
その傍らで、スフィアが何度も叫ぶ。だが、スフィアの声はただただ闇に飲み込まれるだけで、メアリーには一言も届かない。
「大丈夫ですか!」
「カルロスさん……」
だがここで執事長、カルロスと運よく合流できた。だが、状況が状況だった。
「ええ、ですが、お母様は……」
クーゲルが冷静に状況を伝える。
「そんな……メアリー様が……」
しかし、うかうかしていられるのは一瞬だった。
「クソッ、また来たか……」
第三の部隊がスフィア達を襲う。
「スフィア!ここは任せろ!」
「でも!」
「いいから早くしろ!次期国王が死んだらこの国はおしまいなんだよ!」
「お嬢様。行きましょう」
執事がスフィアの手を引く。
「俺は序列第五位だ。なぁに簡単には死なない」
そう言ってクーゲルは敵に向かって突っ込む。
「お兄様!」
スフィアはそう叫んだ後、執事に手を引かれながら外へと脱出した。
「逃がすな!追え!」
「おっと」
クーゲルは魔力の弾丸で行く手を阻む。
「相手は俺がやる。スフィアの元へ行くなら俺を倒してから行けよ!」
「はぁっ……はぁっ、はぁ……」
スフィアかなり体力を消耗している。魔術もろくに扱えない年齢で、むしろよくここまで頑張ったというほどだ。だが、まだ気を緩むことはできない。
「お嬢様!ヘリの準備ができております。もう少しですよ」
カルロスがそう呼び掛ける。その言葉はほとんど頭に入らなかったが、とりあえず脱出の糸口が存在することは理解できた。
「さぁ!これに乗り込んで下さい!」
小型の二人に乗り用のヘリコプターがおいてあった。ここはまだ襲撃を受けていない模様で、スフィア達二人はすぐに搭乗した。
「ベルトとヘッドホンを装着してください!すぐに海外へ出発しますよ」
「待て!」
そこに、運悪く敵襲の一部がやって来た。だが、ヘリコプターのプロペラによる強風で、おもむろに近づくことは到底できない。
安心は出来ないが、上空に逃げることが出来れば何とか脱出できる……スフィアはそう考えていた。
「高すぎて上手く狙えません!どうしますか」
「構うな!撃て!」
しかし、スフィアの願いとは裏腹に、敵襲は惜しみ無く魔術を発動した。
だが、カルロスもそれを予測済みだ。
ヘリコプターを硬質化させ、弾丸がつきやぶらないように対策する。
しかし、それもあと一歩足りなかった。
何度も何度も攻撃される度に、硬質化の効果が薄れた。しかも運悪く、最後の一発がガラスを突き破ったのだ。
「うぅぅっ……」
しかも、その一発がカルロスに直撃したのだ。
「大丈夫ですか!すぐに回復を!」
「それは……出来ません」
「何故ですか!」
スフィアが泣きながら叫ぶ。
「回復などすれば、このヘリコプターが落とされてしまいますから……」
カルロスは回復を行わなず。別の防御魔術を展開し、痛みに苦しみながらヘリコプターを操作する。
今ここで回復を行えば、同時に防御魔術は使用できない。そうなれば、一斉攻撃でヘリコプターの耐久力が著しく下がり、ヘリコプターもろともスフィアが危険にさらされてしまう。
カルロスは覚悟を決め、執事の職務を全うしようとしたのだ。
そして、いつしか弾丸は来なくなった。
「逃げられたの……ですか……?」
スフィアが窓を見る。夜のせいであまりはっきりと見えないが、そこは辺り一面、暗くて深い青色をしていた。
「えぇ……そうで……しょうね……」
「!?……大丈夫ですか!今手当てを……」
スフィアが手を振れた瞬間、それは目にしたくない事実を理解してしまった。カルロスには、体温と呼ばれるものが無かったのである。
危険域からの脱出に成功したカルロスは、ついに力尽きてしまった。
「カルロスさん……そんな……」
スフィアは悲しみに暮れた。今まで自分達の身の回りの世話をし、自分達を気遣い、こうして命を救ってくれたカルロスを失った悲しみは、オスカー、メアリーと同程度のものだった。
「……今まで、ありがとうございました。私、スフィアヴァールリードは強くなります。絶対に」
スフィアは誓った。そしてこれは、目の前で息を引き取ったカルロスだけではなく、オスカーやメアリー、そして襲撃時に亡くなったであろう者にも向けられている。
「──さて、今はこの状況を何とかしなければ……」
そう、カルロスが亡くなったことでこのヘリコプターを操作出来るものはスフィアしかいない。だが、興味本位で今まで運転手が実際に運転するところは何度も見てきている。自分の記憶を頼りに操作できれば……いや、やるしかない。
「私が何とかしないといけませんね。そうでなければ、みんなの努力と犠牲が無駄になってしまう!」
スフィアはレバーを握り、ヘリコプターを進める。そうしていれば、だんだんと、緑色をした物が浮かんでいるのが見えてきた。
「まさか、あれは、島ですか?」
スフィアはもっと寄せる。すると、これはただの島ではないことがよくわかった。
「いや、これは国……もしかすると陸地かもしれない……!やった、何とかついた!」
だが、喜ぶのはまだ早かった。
着陸体制に入る直前、突然の突風が吹いてきた。まさに最悪のタイミングだ。
「えっ、そんな……これじゃ上手く着陸できない!」
スフィアは焦りながらも、何とか水平姿勢を保てるように精一杯の努力をした。
だが、ゆっくりと本来の降り方をすることはできなかった。
「きゃぁぁぁぁっ!」
風が吹き荒れる真夜中にこだまするスフィアの悲鳴。
結局、カルロスの遺体を残したままヘリコプターは不時着したのだ。
「お父様……お父様ぁ……」
スフィアは泣き続けている。
必死に走った甲斐もあってか、出口はすぐそこに見えた。
「よし、出口だ!」
「行かせんぞ!」
そこには、新手の敵襲が待ち構えていた。
「クソッ……」
クーゲルは魔力を具現化し、一つの剣を作り出す。
「撃て!」
その合図とともに、敵襲は一斉に魔術を放つ。火を放つもの、そのまま魔力を放つもの、後方で待機するものなどの様々であった。
しかし、クーゲルは剣で全て弾き返す。そして、クーゲルの背後からメアリーが援護射撃。思わず敵は怯んだ。
クーゲルはガンガン突き進む。魔力の剣を振り回し、時に弾丸として放ち、そして敵を薙ぎ倒していった。
「うあぁぁぁぁ!」
見事な剣捌きでクーゲルはこの窮地を乗りきった。
「ふぅ……」
「お兄様……」
クーゲルは一息つく。スフィアも何とか心を落ち着かせたようだ。
だが……
「危ない!」
メアリーが叫ぶ。何故ならば、スフィアの背後から魔術の準備ができているであろう魔族が、弾丸を発射してきたからだ。
「しまった!」
クーゲルはすぐに魔術を構成する。だが、間に合わない。
魔術は能力よりも発動速度が遅い。それが今、こうして仇になるとは、クーゲルは現実をこれまでかと言うほど恨んだ。
このままでは、まだろくに魔術を操りきれないスフィアに当たってしまう……
その時だった。
「スフィア!」
スフィアにはこちらに顔を向けるメアリーの姿が目に映った。
メアリーは、とっさにスフィアをかばったのだ。
「……お母様?」
スフィアの声色が消えていた。
「いや、まだ間に……」
クーゲルが叫びかけたが……
「!?……まさか、即死?」
絶望に染まり、絶望にうちひしがれたような声を、クーゲルは発した。クーゲルの予想通り、メアリーはピクリとも動かなかった。
「この!」
同じ男がクーゲルに向かって更に弾を発射しようとした。
だが、クーゲルが展開した魔術、『魔力障壁』がそれを阻む。
魔力を障壁として展開することで、それは魔術を通さないバリアとなる。本来は何重にも張ることで強度を上げるが、場合が場合だったので今回は一枚だけだ。
だが、父親に次ぎ、母親を殺された怒りに燃えるクーゲルには、これで十分だ。
「うぉぉぉぉ!」
クーゲルはその男を切り裂いた。
「お母様!お母様ぁ……」
その傍らで、スフィアが何度も叫ぶ。だが、スフィアの声はただただ闇に飲み込まれるだけで、メアリーには一言も届かない。
「大丈夫ですか!」
「カルロスさん……」
だがここで執事長、カルロスと運よく合流できた。だが、状況が状況だった。
「ええ、ですが、お母様は……」
クーゲルが冷静に状況を伝える。
「そんな……メアリー様が……」
しかし、うかうかしていられるのは一瞬だった。
「クソッ、また来たか……」
第三の部隊がスフィア達を襲う。
「スフィア!ここは任せろ!」
「でも!」
「いいから早くしろ!次期国王が死んだらこの国はおしまいなんだよ!」
「お嬢様。行きましょう」
執事がスフィアの手を引く。
「俺は序列第五位だ。なぁに簡単には死なない」
そう言ってクーゲルは敵に向かって突っ込む。
「お兄様!」
スフィアはそう叫んだ後、執事に手を引かれながら外へと脱出した。
「逃がすな!追え!」
「おっと」
クーゲルは魔力の弾丸で行く手を阻む。
「相手は俺がやる。スフィアの元へ行くなら俺を倒してから行けよ!」
「はぁっ……はぁっ、はぁ……」
スフィアかなり体力を消耗している。魔術もろくに扱えない年齢で、むしろよくここまで頑張ったというほどだ。だが、まだ気を緩むことはできない。
「お嬢様!ヘリの準備ができております。もう少しですよ」
カルロスがそう呼び掛ける。その言葉はほとんど頭に入らなかったが、とりあえず脱出の糸口が存在することは理解できた。
「さぁ!これに乗り込んで下さい!」
小型の二人に乗り用のヘリコプターがおいてあった。ここはまだ襲撃を受けていない模様で、スフィア達二人はすぐに搭乗した。
「ベルトとヘッドホンを装着してください!すぐに海外へ出発しますよ」
「待て!」
そこに、運悪く敵襲の一部がやって来た。だが、ヘリコプターのプロペラによる強風で、おもむろに近づくことは到底できない。
安心は出来ないが、上空に逃げることが出来れば何とか脱出できる……スフィアはそう考えていた。
「高すぎて上手く狙えません!どうしますか」
「構うな!撃て!」
しかし、スフィアの願いとは裏腹に、敵襲は惜しみ無く魔術を発動した。
だが、カルロスもそれを予測済みだ。
ヘリコプターを硬質化させ、弾丸がつきやぶらないように対策する。
しかし、それもあと一歩足りなかった。
何度も何度も攻撃される度に、硬質化の効果が薄れた。しかも運悪く、最後の一発がガラスを突き破ったのだ。
「うぅぅっ……」
しかも、その一発がカルロスに直撃したのだ。
「大丈夫ですか!すぐに回復を!」
「それは……出来ません」
「何故ですか!」
スフィアが泣きながら叫ぶ。
「回復などすれば、このヘリコプターが落とされてしまいますから……」
カルロスは回復を行わなず。別の防御魔術を展開し、痛みに苦しみながらヘリコプターを操作する。
今ここで回復を行えば、同時に防御魔術は使用できない。そうなれば、一斉攻撃でヘリコプターの耐久力が著しく下がり、ヘリコプターもろともスフィアが危険にさらされてしまう。
カルロスは覚悟を決め、執事の職務を全うしようとしたのだ。
そして、いつしか弾丸は来なくなった。
「逃げられたの……ですか……?」
スフィアが窓を見る。夜のせいであまりはっきりと見えないが、そこは辺り一面、暗くて深い青色をしていた。
「えぇ……そうで……しょうね……」
「!?……大丈夫ですか!今手当てを……」
スフィアが手を振れた瞬間、それは目にしたくない事実を理解してしまった。カルロスには、体温と呼ばれるものが無かったのである。
危険域からの脱出に成功したカルロスは、ついに力尽きてしまった。
「カルロスさん……そんな……」
スフィアは悲しみに暮れた。今まで自分達の身の回りの世話をし、自分達を気遣い、こうして命を救ってくれたカルロスを失った悲しみは、オスカー、メアリーと同程度のものだった。
「……今まで、ありがとうございました。私、スフィアヴァールリードは強くなります。絶対に」
スフィアは誓った。そしてこれは、目の前で息を引き取ったカルロスだけではなく、オスカーやメアリー、そして襲撃時に亡くなったであろう者にも向けられている。
「──さて、今はこの状況を何とかしなければ……」
そう、カルロスが亡くなったことでこのヘリコプターを操作出来るものはスフィアしかいない。だが、興味本位で今まで運転手が実際に運転するところは何度も見てきている。自分の記憶を頼りに操作できれば……いや、やるしかない。
「私が何とかしないといけませんね。そうでなければ、みんなの努力と犠牲が無駄になってしまう!」
スフィアはレバーを握り、ヘリコプターを進める。そうしていれば、だんだんと、緑色をした物が浮かんでいるのが見えてきた。
「まさか、あれは、島ですか?」
スフィアはもっと寄せる。すると、これはただの島ではないことがよくわかった。
「いや、これは国……もしかすると陸地かもしれない……!やった、何とかついた!」
だが、喜ぶのはまだ早かった。
着陸体制に入る直前、突然の突風が吹いてきた。まさに最悪のタイミングだ。
「えっ、そんな……これじゃ上手く着陸できない!」
スフィアは焦りながらも、何とか水平姿勢を保てるように精一杯の努力をした。
だが、ゆっくりと本来の降り方をすることはできなかった。
「きゃぁぁぁぁっ!」
風が吹き荒れる真夜中にこだまするスフィアの悲鳴。
結局、カルロスの遺体を残したままヘリコプターは不時着したのだ。
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