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異端児達の集結
異端児達の入学⑦
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「いらっしゃいませ。ご注文をお願いします。」
「ハンバーガーのセット。ドリンクはコーラで」
「僕もそれで」
「かしこまりました」
「ハンバーガーのセットがお二つ。どちらもコーラで宜しいですね?」
「はい」
「では1400円になります」
二人は自分の金額を出す。
「んじゃ、席を決めるとしようかな」
「そうだな」
予定通り先についた零弥と流雅は、まず座席を決めることにした。結局は4人座ることになるのだが、最初から壁際のソファのある席はあまりにも不自然なので、二人用の向かい合うテーブルで、いつでも移れるようにソファ寄りにあるテーブルに座る。
「ふぅ、とりあえず、僕たちの作戦はこれで一旦終了だね」
流雅は一息つくと、零弥に話しかけた。
「ハンバーガーセット二つでご注文のお客様~」
「おっとっと…じゃあ取りにいってくるよ」
流雅は注文の品を持ってくると、話題を展開した。
「そう言えば、入試の結果はどうだったの?」
入試の結果は本人と生徒会以外は伝えられない。勿論流雅も結果を知らない。だがしかし、流雅はなんとなく零弥の点数を予測できた。いわゆる「勘」というものであろうか。
「…手を抜いたつもりだったんだけどな」
零弥は結果を言わずにヒントだけ与える。
「あっちゃ~やっちゃったんだ」
流雅は答えを言わずとも零弥に伝わるような反応をした。それには零弥にもわかったようで、零弥は軽くうなずいたあと、机に突っ伏した。
「くそ…何でわざわざ自分から目立つようなことを…何で血迷ったのか…恨むぞ一ヶ月前の俺…」
「本当に手を抜きたいのならいくつか空欄にしておくべきだと思うけどなぁ。」
流雅は冷静なツッコミを入れ、更に続ける。
「まさか、自分のプライドが許さなくて、つい本気を出しちゃったんでしょう」
図星だった。
「そんなこと…無い」
無理やり表情を固定するが、言動がそれを許さなかった。
高得点を取れば暮らすどころか学校から注目されることは必至。部活や生徒会から注目を受けたり、勧誘を受けるだろう。
しかし、零弥はすぐに帰る主義であり、中学校の時も部活は帰宅部であった。
ただし、零弥の性格上、体育の場面では全力を発揮し、本職を越えるようなプレーをするため、ほぼ毎日は勧誘を受けた。ちなみにこれはユミと流雅も当てはまる。
今回も入試でいつもと違う問題が出題者から与えられ、ついつい気合いが入ってしまったのであろう。
しかし、流石に全教科満点を取るようなことは初めてなので、今回もどう勧誘をはぐらかすか悩んでいた。
しかし、入試の結果は原則非公開なので、大人しくしていればそのうちやり過ごせるだろう。
「まあまあ、そんなに落ち込まなくてもいいじゃない。僕も5位だったし」
流雅はいつも通りにテストを受けた。しかし、零弥と同じように成績は優秀であるため、学年で5位という好成績で、目立つ対象であることは代わりはない。
まぁ、今回は満点のインパクトが大きすぎるため、流雅に注目はほとんど行かないだろうが。
「でもね、零弥くんはもっと大変な所を断らなきゃいけなくなると思うよ」
「生徒会か…」
このルールは新入生に渡される書類に記されている。勿論目は通していた。
プライバシーに問題があると非難されがちであるが、生徒会は口外してはならないというルールがある。破れば、生徒会脱退も免れない。まぁ、このルールが適用されるのは全体発表しない入試のみであり、定期テスト等は最初から公開されるので適用される期間はほとんど無く、そもそも過去にそんな生徒はいなかったのだが。
つまり零弥は、今回の件で生徒会に勧誘されることは予測できている上で、対応と引き払い方に頭を悩ませているのだ。
しかも零弥は事故とはいえ、生徒会長である紗亜矢と既に面識がある。一筋縄では行かないことはわかりきっている。
「ホントにどうするの?キミは夕方も夜もやることたくさんあるでしょ?」
「そんなことは既に考え始めている。ただ、残念ながら交渉には手間がかかりそうだが」
「っまぁ、ほどほどにね。あまり悪目立ちしないように」
流雅は話を括ったところで、話題を転換する。
「ところでさぁ、月島さんにどんな話する?」
ここで作戦に戻るようだ。
「どんな話をしようかな?僕こういうの楽しいんだよね」
流雅は女好きのような口ぶりをしたが、決してナルシストというわけではない。ただ、こういうものを楽しんでいるだけだ。
「やり過ぎるなよ。相手の過去を探るようなことは今は禁止だ。それと、質問もプレッシャーを与えるようなものも控えろよ」
零弥は一応流雅に忠告する。
いつもそうだ。流雅は楽しいことが好きだ。どんなピンチでも、どんなチャンスでも、笑った表情を崩さずに次の一手を打ち続ける。
たとえ、それが命のやり取りをしていたとしても。
流雅にとってそのようなことは遊びの範囲内に過ぎないのであろう。
「わかってるって。それで零弥くんはどうする?」
「それはいいんだが…」
零弥が流雅に対してずっと持っていた疑問をここでぶつける。
「月島を誘おうとしているが、お前はなぜあいつにつきまとう?」
流雅は表情を変えない。
あのときから不審だった。
楽しいこと、興味のあることにしか目を向けない流雅が、亜芽に対して引き込まれそうな、いや、探し求めていたものをついに見つけたような表情をしていたからだ。
「何かあったのか?それともただの興味か?」
零弥が話を発展しようとしたそのとき…
「時間切れだよ…零弥くん」
流雅が話を無理矢理止めた。その理由は次の店員の言葉でわかった。
「いらっしゃいませー」
零弥ははっとして入り口の方を見る。
するとユミと亜芽がこの店に無事に到着していたのだ。
「ハンバーガーのセット。ドリンクはコーラで」
「僕もそれで」
「かしこまりました」
「ハンバーガーのセットがお二つ。どちらもコーラで宜しいですね?」
「はい」
「では1400円になります」
二人は自分の金額を出す。
「んじゃ、席を決めるとしようかな」
「そうだな」
予定通り先についた零弥と流雅は、まず座席を決めることにした。結局は4人座ることになるのだが、最初から壁際のソファのある席はあまりにも不自然なので、二人用の向かい合うテーブルで、いつでも移れるようにソファ寄りにあるテーブルに座る。
「ふぅ、とりあえず、僕たちの作戦はこれで一旦終了だね」
流雅は一息つくと、零弥に話しかけた。
「ハンバーガーセット二つでご注文のお客様~」
「おっとっと…じゃあ取りにいってくるよ」
流雅は注文の品を持ってくると、話題を展開した。
「そう言えば、入試の結果はどうだったの?」
入試の結果は本人と生徒会以外は伝えられない。勿論流雅も結果を知らない。だがしかし、流雅はなんとなく零弥の点数を予測できた。いわゆる「勘」というものであろうか。
「…手を抜いたつもりだったんだけどな」
零弥は結果を言わずにヒントだけ与える。
「あっちゃ~やっちゃったんだ」
流雅は答えを言わずとも零弥に伝わるような反応をした。それには零弥にもわかったようで、零弥は軽くうなずいたあと、机に突っ伏した。
「くそ…何でわざわざ自分から目立つようなことを…何で血迷ったのか…恨むぞ一ヶ月前の俺…」
「本当に手を抜きたいのならいくつか空欄にしておくべきだと思うけどなぁ。」
流雅は冷静なツッコミを入れ、更に続ける。
「まさか、自分のプライドが許さなくて、つい本気を出しちゃったんでしょう」
図星だった。
「そんなこと…無い」
無理やり表情を固定するが、言動がそれを許さなかった。
高得点を取れば暮らすどころか学校から注目されることは必至。部活や生徒会から注目を受けたり、勧誘を受けるだろう。
しかし、零弥はすぐに帰る主義であり、中学校の時も部活は帰宅部であった。
ただし、零弥の性格上、体育の場面では全力を発揮し、本職を越えるようなプレーをするため、ほぼ毎日は勧誘を受けた。ちなみにこれはユミと流雅も当てはまる。
今回も入試でいつもと違う問題が出題者から与えられ、ついつい気合いが入ってしまったのであろう。
しかし、流石に全教科満点を取るようなことは初めてなので、今回もどう勧誘をはぐらかすか悩んでいた。
しかし、入試の結果は原則非公開なので、大人しくしていればそのうちやり過ごせるだろう。
「まあまあ、そんなに落ち込まなくてもいいじゃない。僕も5位だったし」
流雅はいつも通りにテストを受けた。しかし、零弥と同じように成績は優秀であるため、学年で5位という好成績で、目立つ対象であることは代わりはない。
まぁ、今回は満点のインパクトが大きすぎるため、流雅に注目はほとんど行かないだろうが。
「でもね、零弥くんはもっと大変な所を断らなきゃいけなくなると思うよ」
「生徒会か…」
このルールは新入生に渡される書類に記されている。勿論目は通していた。
プライバシーに問題があると非難されがちであるが、生徒会は口外してはならないというルールがある。破れば、生徒会脱退も免れない。まぁ、このルールが適用されるのは全体発表しない入試のみであり、定期テスト等は最初から公開されるので適用される期間はほとんど無く、そもそも過去にそんな生徒はいなかったのだが。
つまり零弥は、今回の件で生徒会に勧誘されることは予測できている上で、対応と引き払い方に頭を悩ませているのだ。
しかも零弥は事故とはいえ、生徒会長である紗亜矢と既に面識がある。一筋縄では行かないことはわかりきっている。
「ホントにどうするの?キミは夕方も夜もやることたくさんあるでしょ?」
「そんなことは既に考え始めている。ただ、残念ながら交渉には手間がかかりそうだが」
「っまぁ、ほどほどにね。あまり悪目立ちしないように」
流雅は話を括ったところで、話題を転換する。
「ところでさぁ、月島さんにどんな話する?」
ここで作戦に戻るようだ。
「どんな話をしようかな?僕こういうの楽しいんだよね」
流雅は女好きのような口ぶりをしたが、決してナルシストというわけではない。ただ、こういうものを楽しんでいるだけだ。
「やり過ぎるなよ。相手の過去を探るようなことは今は禁止だ。それと、質問もプレッシャーを与えるようなものも控えろよ」
零弥は一応流雅に忠告する。
いつもそうだ。流雅は楽しいことが好きだ。どんなピンチでも、どんなチャンスでも、笑った表情を崩さずに次の一手を打ち続ける。
たとえ、それが命のやり取りをしていたとしても。
流雅にとってそのようなことは遊びの範囲内に過ぎないのであろう。
「わかってるって。それで零弥くんはどうする?」
「それはいいんだが…」
零弥が流雅に対してずっと持っていた疑問をここでぶつける。
「月島を誘おうとしているが、お前はなぜあいつにつきまとう?」
流雅は表情を変えない。
あのときから不審だった。
楽しいこと、興味のあることにしか目を向けない流雅が、亜芽に対して引き込まれそうな、いや、探し求めていたものをついに見つけたような表情をしていたからだ。
「何かあったのか?それともただの興味か?」
零弥が話を発展しようとしたそのとき…
「時間切れだよ…零弥くん」
流雅が話を無理矢理止めた。その理由は次の店員の言葉でわかった。
「いらっしゃいませー」
零弥ははっとして入り口の方を見る。
するとユミと亜芽がこの店に無事に到着していたのだ。
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