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俺がお手洗いに向かおうと寝台を離れると、イーライは腰を下ろしたまま、まだ笑っていた。
「……っ!笑うな!!!」
イーライは、気だるげなようでいて、どこか鋭い光を宿した瞳で俺を見つめる。まるで獲物を狙う獣のように。
口を開けば、響くのは低く甘い声。その声には、どこか艶があり、人を惹きつける色気が滲む。
無造作に袖をまくり上げた腕は、喧嘩で鍛え上げられた逞しさを物語っていた。
着崩しているようでいて、すべて計算されたような色気のある装い。
人懐っこい笑みの奥で、何を考えているのか決して掴ませない。その軽薄さの裏には、狡猾な知恵としたたかさが潜んでいる。
イーライは片頬を吊り上げて、ニヒルな笑みを浮かべた。
用を済ませたあと、猛獣のいる部屋へ裸のまま戻るのはさすがに憚られる。
近くの布を腰に巻き付け、そっと部屋へ戻った。
寝台の上には小さなテーブルが置かれ、すでに食事の準備が整っている。部屋にはイーライひとり。……相変わらず、手際がいい。
「アディ、おいで。食事にしよう。」
食事は美味しかった。俺の好きなものが、たくさん入っている。覚えていてくれたことが嬉しかった。
ある日、突然いなくなった兄。
後になって「徴兵された」と聞かされ、泣き続けた。
「可愛い弟を置いていくな」「せめて一言くらい残せよ」と、今さらになって拳を握る。
一発ぶん殴ってやりたい。けれど、顔を見てしまうと……そんな気も失せてしまう。
食べ終えると、イーライは手早く食器を片付け、俺の手に黄色い果物が浮かんだ水を渡してきた。
「レモン水だ。口の中がスッキリするぞ。」
「ありがとう。」
据え膳、下げ膳。至れり尽くせりだ。
満腹になり、少し眠気を感じていたその時、イーライがふと俺のそばに寄ってきた。
「それじゃあ、俺も……いただこうかな。」
あっ。忘れてた。
俺が、獲物だった。
イーライが、ゆっくりと覆いかぶさってくる。
♾️
昨日とは違う、ちゅっ、ちゅっ……とリップ音を響かせながら、唇の柔らかな感触を楽しむように、口づけを落としてきた。
「ん……んん……」
「アディ、口、開けて。」
俺は観念して、そっと口を開く。
「いい子だ。」
イーライが微笑みながら、唇を深く重ねてきた。
ちゅっ……ちゅっ……
ぺちゃ……ぺちゃ……
静かな室内に、水音が響く。
イーライの手が俺の髪を梳くように撫で、頬を優しく包み込む。昨日も気持ちよかったけど……今日も、いい。
いつの間にか、瞳を閉じていたことに気づく。
ゆっくりと目を開けると、至近距離でイーライと視線が合った。
「俺……キス、好きかも……」
思わず、ぽつりとこぼす。
イーライは一瞬、目を丸くしたあと、蕩けるような笑みを浮かべた。
「俺のアディが、可愛すぎる……」
そう言って大きな手で後頭部を包み、そっと横を向かせる。
イーライの厚い唇が、口から頬へ、そしてゆっくりと耳へ移動した。
「今日は、気持ちいいことをいっぱい覚えような?」
耳元で響く、心地よい低音。
それだけで背筋に快感が走る。
「客を満足させるために……まずは、自分が快楽を知らないとな。」
イーライが俺の耳を口に含む。舌がゆっくりと耳の穴を這い、くすぐるように滑り込んでいった。たまらない……気持ちいい。
イーライの舌が、ゆっくりと喉元へ降りていく。
俺の陰茎は既に勃ち上がっている。下を見下ろせば、いつの間にか、腰に巻いていた布が剥ぎ取られていた。
イーライは俺の乳首を口に含んだあと、あまり反応の良くないことを確認するとそのまま下へと進み、陰茎を避けるように俺の鼠径部に、ゆっくりと口づけを落としていく。
一昨日の記憶が、鮮明に蘇る。先生からもらったあの快感が再び与えられることに、身体は悦びを感じている。
けれど心は、まだ泣いている。先生を失った喪失感に、胸の奥が冷たく軋む。
上書きしなきゃ。
消さないと。
思い出すたびに自分を傷つけるだけの記憶は、もういらない。
俺の心はまだ悲しみに囚われているのに、身体は、イーライに素直に反応する。
陰茎は震えて、先走りが溢れる。
「イーライ!イーライ……っ、違う!違う!!そこじゃない!!触ってよ……!」
待ちきれずに懇願するが、
「まだ、だ。」
とイーライがニヒルに笑う。
「まだ、脚の性感帯を教えてない。」
絶対、意地悪してる。
俺の陰茎が、目に入っているのに無視して、俺の脚の付け根を舐める。
「ぁあん……っ!ちょっと……イーライ……っ!」
そこじゃない。
違う。
俺が求めてるのはそこじゃないのに。
脚を舐め終わると、イーライは俺の身体をひっくり返した。
尻をイーライに向けて、四つん這いの姿勢にさせられる。頬まで熱くなる。
「イ、イーライ……?」
この姿勢、まるで……。考えると恥ずかしさと期待で身体が震えた。
イーライの熱い舌が、俺の尻の穴の周りを舐める。たまらない……会陰から尻の穴まで舌が這う。
「んん……ん、ぅ」
気持ちがいい。でも、一番気持ちがいいところは触ってもらえない。涙が浮かぶ。
俺は、ガチガチに勃ち上がった陰茎を寝台に擦り付ける。
あ……気持ちがいい。
頭が溶ける……
イキたい……
すると、低く威圧するような声が、身体に響いた。
「こら、アディ。」
イーライの熱い手のひらが、俺の陰茎を握りしめる。
「んあっ……!!ぁうううぅぅ……っ!!」
何が起こった?
一瞬、焼けるような熱さが走る。
痛いのか?
でも、頭は「気持ちがいい」と言っている。
強い力で根元を掴まれ過ぎて、痛いのか分からない。出したいのに出せないもどかしさは、快楽に置き換わる。
「悪い子には、お仕置きだな」
イーライの太い指が、俺の蕾の周りをつーっと撫でた。
「……っ!笑うな!!!」
イーライは、気だるげなようでいて、どこか鋭い光を宿した瞳で俺を見つめる。まるで獲物を狙う獣のように。
口を開けば、響くのは低く甘い声。その声には、どこか艶があり、人を惹きつける色気が滲む。
無造作に袖をまくり上げた腕は、喧嘩で鍛え上げられた逞しさを物語っていた。
着崩しているようでいて、すべて計算されたような色気のある装い。
人懐っこい笑みの奥で、何を考えているのか決して掴ませない。その軽薄さの裏には、狡猾な知恵としたたかさが潜んでいる。
イーライは片頬を吊り上げて、ニヒルな笑みを浮かべた。
用を済ませたあと、猛獣のいる部屋へ裸のまま戻るのはさすがに憚られる。
近くの布を腰に巻き付け、そっと部屋へ戻った。
寝台の上には小さなテーブルが置かれ、すでに食事の準備が整っている。部屋にはイーライひとり。……相変わらず、手際がいい。
「アディ、おいで。食事にしよう。」
食事は美味しかった。俺の好きなものが、たくさん入っている。覚えていてくれたことが嬉しかった。
ある日、突然いなくなった兄。
後になって「徴兵された」と聞かされ、泣き続けた。
「可愛い弟を置いていくな」「せめて一言くらい残せよ」と、今さらになって拳を握る。
一発ぶん殴ってやりたい。けれど、顔を見てしまうと……そんな気も失せてしまう。
食べ終えると、イーライは手早く食器を片付け、俺の手に黄色い果物が浮かんだ水を渡してきた。
「レモン水だ。口の中がスッキリするぞ。」
「ありがとう。」
据え膳、下げ膳。至れり尽くせりだ。
満腹になり、少し眠気を感じていたその時、イーライがふと俺のそばに寄ってきた。
「それじゃあ、俺も……いただこうかな。」
あっ。忘れてた。
俺が、獲物だった。
イーライが、ゆっくりと覆いかぶさってくる。
♾️
昨日とは違う、ちゅっ、ちゅっ……とリップ音を響かせながら、唇の柔らかな感触を楽しむように、口づけを落としてきた。
「ん……んん……」
「アディ、口、開けて。」
俺は観念して、そっと口を開く。
「いい子だ。」
イーライが微笑みながら、唇を深く重ねてきた。
ちゅっ……ちゅっ……
ぺちゃ……ぺちゃ……
静かな室内に、水音が響く。
イーライの手が俺の髪を梳くように撫で、頬を優しく包み込む。昨日も気持ちよかったけど……今日も、いい。
いつの間にか、瞳を閉じていたことに気づく。
ゆっくりと目を開けると、至近距離でイーライと視線が合った。
「俺……キス、好きかも……」
思わず、ぽつりとこぼす。
イーライは一瞬、目を丸くしたあと、蕩けるような笑みを浮かべた。
「俺のアディが、可愛すぎる……」
そう言って大きな手で後頭部を包み、そっと横を向かせる。
イーライの厚い唇が、口から頬へ、そしてゆっくりと耳へ移動した。
「今日は、気持ちいいことをいっぱい覚えような?」
耳元で響く、心地よい低音。
それだけで背筋に快感が走る。
「客を満足させるために……まずは、自分が快楽を知らないとな。」
イーライが俺の耳を口に含む。舌がゆっくりと耳の穴を這い、くすぐるように滑り込んでいった。たまらない……気持ちいい。
イーライの舌が、ゆっくりと喉元へ降りていく。
俺の陰茎は既に勃ち上がっている。下を見下ろせば、いつの間にか、腰に巻いていた布が剥ぎ取られていた。
イーライは俺の乳首を口に含んだあと、あまり反応の良くないことを確認するとそのまま下へと進み、陰茎を避けるように俺の鼠径部に、ゆっくりと口づけを落としていく。
一昨日の記憶が、鮮明に蘇る。先生からもらったあの快感が再び与えられることに、身体は悦びを感じている。
けれど心は、まだ泣いている。先生を失った喪失感に、胸の奥が冷たく軋む。
上書きしなきゃ。
消さないと。
思い出すたびに自分を傷つけるだけの記憶は、もういらない。
俺の心はまだ悲しみに囚われているのに、身体は、イーライに素直に反応する。
陰茎は震えて、先走りが溢れる。
「イーライ!イーライ……っ、違う!違う!!そこじゃない!!触ってよ……!」
待ちきれずに懇願するが、
「まだ、だ。」
とイーライがニヒルに笑う。
「まだ、脚の性感帯を教えてない。」
絶対、意地悪してる。
俺の陰茎が、目に入っているのに無視して、俺の脚の付け根を舐める。
「ぁあん……っ!ちょっと……イーライ……っ!」
そこじゃない。
違う。
俺が求めてるのはそこじゃないのに。
脚を舐め終わると、イーライは俺の身体をひっくり返した。
尻をイーライに向けて、四つん這いの姿勢にさせられる。頬まで熱くなる。
「イ、イーライ……?」
この姿勢、まるで……。考えると恥ずかしさと期待で身体が震えた。
イーライの熱い舌が、俺の尻の穴の周りを舐める。たまらない……会陰から尻の穴まで舌が這う。
「んん……ん、ぅ」
気持ちがいい。でも、一番気持ちがいいところは触ってもらえない。涙が浮かぶ。
俺は、ガチガチに勃ち上がった陰茎を寝台に擦り付ける。
あ……気持ちがいい。
頭が溶ける……
イキたい……
すると、低く威圧するような声が、身体に響いた。
「こら、アディ。」
イーライの熱い手のひらが、俺の陰茎を握りしめる。
「んあっ……!!ぁうううぅぅ……っ!!」
何が起こった?
一瞬、焼けるような熱さが走る。
痛いのか?
でも、頭は「気持ちがいい」と言っている。
強い力で根元を掴まれ過ぎて、痛いのか分からない。出したいのに出せないもどかしさは、快楽に置き換わる。
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イーライの太い指が、俺の蕾の周りをつーっと撫でた。
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