58 / 63
序章
第58話 誕生日と、最初のおねだり
季節は巡る。
あの日、魔人ナードルとの死闘が繰り広げられた森には、再び豊かな緑が戻っていた。
焦げた大地は新しい草花に覆われ、戦いの爪痕は自然の治癒力によって静かに隠されていった。
そして、変わったのは森だけではない。
アシュレイン領の村は見違えるように活気を取り戻していた。
私が考案し、村の人々が作り上げた『アシュレイン式ポーション』は、その品質の高さから瞬く間に行商人たちの間で評判となり、飛ぶように売れた。
その収益は、破壊された家屋の修復だけでなく、道路の整備や新しい農具の購入にも充てられ、村は以前よりもずっと豊かで、明るい場所へと生まれ変わっていたのだ。
そんな穏やかな復興の風が吹く中、私は七度目の誕生日を迎えた。
◇ ◇ ◇
屋敷のダイニングルームは、温かな光と美味しそうな香りに包まれていた。
テーブルの上には、料理長が腕を振るったご馳走が並んでいる。
メインディッシュは、丸々と太ったローストチキン。
その周りを彩るのは、新鮮な野菜のサラダや、手の込んだスープ。
「おねーちゃん、おめれとー!」
弟のデイルが、あどけない声で叫びながら、フォークを握りしめてバンザイをした。
口の周りをスープでべとべとにしながら、満面の笑みを向けてくれている。
「ありがとう、デイル。お口、汚れてるよ」
私はナプキンで弟の口元を優しく拭いてあげた。
デイルは「えへへ」と笑い、私の膝に頭をすり寄せてくる。
なんて可愛い生き物なんだろう。
このぷにぷにのほっぺたを守るためなら、私は何度だって魔人と戦える気がする。
「エルシア、七歳の誕生日おめでとう」
父が、感慨深げに目を細めてグラスを掲げた。
その手は大きく、頼もしい。しかし、その目尻には優しい皺が刻まれている。
魔人騒動の後は少し痩せてしまっていたけれど、今ではすっかり精悍さを取り戻していた。
「本当ね。最近は背も伸びたし、なんだか大人っぽくなった気がするわ」
母も微笑み、私の皿に一番大きなチキンを取り分けてくれた。
控えているアミナも、温かい拍手を送ってくれる。
足元では、相棒のクロが「キュゥ!」とお祝いの声を上げ、デイルが落としたパンくずを素早くキャッチしていた。
七歳。
この世界において、それは一つの区切りとなる年齢だ。
幼児期を終え、本格的な教育が始まる時期。
貴族の子女であれば、将来を見据えた身の振り方を考え始める頃合いでもある。
楽しい食事が進み、食後のデザート――珍しい果実を使ったタルト――が運ばれてきた頃。
デイルは「あまーい!」と大喜びでタルトにかぶりついている。
その無邪気な姿を見ながら、私は膝の上で拳を握りしめた。
ずっと、この日のために考えてきたことがある。
この温かい家族団欒の空気を壊してしまうかもしれない。
でも、言わなければならない。
私は息を吸い込み、姿勢を正して父を見つめた。
「お父様、お母様。……お話があります」
私の声色が急に真剣なものに変わったのを敏感に感じ取ったのか、父はグラスを置き、母も微笑みを収めた。
デイルだけが、キョトンとして「ん?」と首を傾げている。
「どうした、エルシア。改まって」
父の低い声が響く。
私は逃げずに、その瞳を真っ直ぐに見返した。
「私、王都の学園に入学したいんです」
その言葉が落ちた瞬間、ダイニングルームに静寂が訪れた。
カチャン、と誰かが食器を置く音がやけに大きく響く。
「……王都の学園か?」
父が眉をひそめた。
父の反応はもっともだ。
アシュレイン領は王都から遠い。通うとなれば寮生活になる。
たった七歳の娘を一人で送り出すなど、親としては心配でたまらないだろう。
それに、父にはもっと切実な理由があるはずだ。
かつて父は、王都の政治抗争――特に宰相との確執によって、この辺境へと追いやられた経緯がある。
王都は、父にとって古傷が疼く場所であり、娘を近づけたくない「伏魔殿」なのだ。
けれど、私は首を横に振った。
「いいえ、今行きたいんです。もっと魔法を深く学びたいから。ここの書庫の本はもう全部読み尽くしてしまいました。もっと広い世界で、新しい知識に触れたいんです」
これは、表向きの理由だ。
そして、嘘ではない。
前世の知識があるとはいえ、現代魔法の体系や、新しい理論には興味がある。
そして――ナードルが持っていた、あの魔法書。
あの日、魔人ナードルは言った。
『偉大なお方から頂いた』と。
そして、その魔法書に記されていた術式は、かつて私が編み出し、弟子たちだけに伝えたはずの独自理論がベースになっていた。
だが、それは悪意を持って歪められていた。
私の知識が悪用されている。
……もし、魔王軍に関わっているのが、かつての私の『弟子』だとしたら。
その可能性を考えると、胸が締め付けられるように痛む。
私の教え子が、あるいはその系譜を継ぐ者が、魔王の手先となり、世界に災厄を撒き散らしているのかもしれない。
だとしたら、それを止めるのは師匠である私の義務だ。
王都に行けば、情報が集まる。
この辺境にいては決して掴めない「魔法書の出処」と「魔王軍の正体」に迫ることができるはずだ。
「……魔法なら、私が教えられることもあるだろう。それに、家庭教師を雇ってもいい」
父は食い下がった。
その表情には、明らかな焦燥が見える。
「王都は……危険な場所だ。華やかに見えるが、裏では権力争いや陰謀が渦巻いている。お前のような純粋な子が、一人で行っていい場所じゃない」
「わかっています、お父様」
私は椅子から降り、父の前に歩み寄った。
「王都が怖い場所だってことは、なんとなくわかります。お父様が心配してくれているのも、すごく嬉しいです」
「なら……」
「でも」
私は言葉を遮り、一歩前に出た。
あの日、魔人ナードルとの死闘が繰り広げられた森には、再び豊かな緑が戻っていた。
焦げた大地は新しい草花に覆われ、戦いの爪痕は自然の治癒力によって静かに隠されていった。
そして、変わったのは森だけではない。
アシュレイン領の村は見違えるように活気を取り戻していた。
私が考案し、村の人々が作り上げた『アシュレイン式ポーション』は、その品質の高さから瞬く間に行商人たちの間で評判となり、飛ぶように売れた。
その収益は、破壊された家屋の修復だけでなく、道路の整備や新しい農具の購入にも充てられ、村は以前よりもずっと豊かで、明るい場所へと生まれ変わっていたのだ。
そんな穏やかな復興の風が吹く中、私は七度目の誕生日を迎えた。
◇ ◇ ◇
屋敷のダイニングルームは、温かな光と美味しそうな香りに包まれていた。
テーブルの上には、料理長が腕を振るったご馳走が並んでいる。
メインディッシュは、丸々と太ったローストチキン。
その周りを彩るのは、新鮮な野菜のサラダや、手の込んだスープ。
「おねーちゃん、おめれとー!」
弟のデイルが、あどけない声で叫びながら、フォークを握りしめてバンザイをした。
口の周りをスープでべとべとにしながら、満面の笑みを向けてくれている。
「ありがとう、デイル。お口、汚れてるよ」
私はナプキンで弟の口元を優しく拭いてあげた。
デイルは「えへへ」と笑い、私の膝に頭をすり寄せてくる。
なんて可愛い生き物なんだろう。
このぷにぷにのほっぺたを守るためなら、私は何度だって魔人と戦える気がする。
「エルシア、七歳の誕生日おめでとう」
父が、感慨深げに目を細めてグラスを掲げた。
その手は大きく、頼もしい。しかし、その目尻には優しい皺が刻まれている。
魔人騒動の後は少し痩せてしまっていたけれど、今ではすっかり精悍さを取り戻していた。
「本当ね。最近は背も伸びたし、なんだか大人っぽくなった気がするわ」
母も微笑み、私の皿に一番大きなチキンを取り分けてくれた。
控えているアミナも、温かい拍手を送ってくれる。
足元では、相棒のクロが「キュゥ!」とお祝いの声を上げ、デイルが落としたパンくずを素早くキャッチしていた。
七歳。
この世界において、それは一つの区切りとなる年齢だ。
幼児期を終え、本格的な教育が始まる時期。
貴族の子女であれば、将来を見据えた身の振り方を考え始める頃合いでもある。
楽しい食事が進み、食後のデザート――珍しい果実を使ったタルト――が運ばれてきた頃。
デイルは「あまーい!」と大喜びでタルトにかぶりついている。
その無邪気な姿を見ながら、私は膝の上で拳を握りしめた。
ずっと、この日のために考えてきたことがある。
この温かい家族団欒の空気を壊してしまうかもしれない。
でも、言わなければならない。
私は息を吸い込み、姿勢を正して父を見つめた。
「お父様、お母様。……お話があります」
私の声色が急に真剣なものに変わったのを敏感に感じ取ったのか、父はグラスを置き、母も微笑みを収めた。
デイルだけが、キョトンとして「ん?」と首を傾げている。
「どうした、エルシア。改まって」
父の低い声が響く。
私は逃げずに、その瞳を真っ直ぐに見返した。
「私、王都の学園に入学したいんです」
その言葉が落ちた瞬間、ダイニングルームに静寂が訪れた。
カチャン、と誰かが食器を置く音がやけに大きく響く。
「……王都の学園か?」
父が眉をひそめた。
父の反応はもっともだ。
アシュレイン領は王都から遠い。通うとなれば寮生活になる。
たった七歳の娘を一人で送り出すなど、親としては心配でたまらないだろう。
それに、父にはもっと切実な理由があるはずだ。
かつて父は、王都の政治抗争――特に宰相との確執によって、この辺境へと追いやられた経緯がある。
王都は、父にとって古傷が疼く場所であり、娘を近づけたくない「伏魔殿」なのだ。
けれど、私は首を横に振った。
「いいえ、今行きたいんです。もっと魔法を深く学びたいから。ここの書庫の本はもう全部読み尽くしてしまいました。もっと広い世界で、新しい知識に触れたいんです」
これは、表向きの理由だ。
そして、嘘ではない。
前世の知識があるとはいえ、現代魔法の体系や、新しい理論には興味がある。
そして――ナードルが持っていた、あの魔法書。
あの日、魔人ナードルは言った。
『偉大なお方から頂いた』と。
そして、その魔法書に記されていた術式は、かつて私が編み出し、弟子たちだけに伝えたはずの独自理論がベースになっていた。
だが、それは悪意を持って歪められていた。
私の知識が悪用されている。
……もし、魔王軍に関わっているのが、かつての私の『弟子』だとしたら。
その可能性を考えると、胸が締め付けられるように痛む。
私の教え子が、あるいはその系譜を継ぐ者が、魔王の手先となり、世界に災厄を撒き散らしているのかもしれない。
だとしたら、それを止めるのは師匠である私の義務だ。
王都に行けば、情報が集まる。
この辺境にいては決して掴めない「魔法書の出処」と「魔王軍の正体」に迫ることができるはずだ。
「……魔法なら、私が教えられることもあるだろう。それに、家庭教師を雇ってもいい」
父は食い下がった。
その表情には、明らかな焦燥が見える。
「王都は……危険な場所だ。華やかに見えるが、裏では権力争いや陰謀が渦巻いている。お前のような純粋な子が、一人で行っていい場所じゃない」
「わかっています、お父様」
私は椅子から降り、父の前に歩み寄った。
「王都が怖い場所だってことは、なんとなくわかります。お父様が心配してくれているのも、すごく嬉しいです」
「なら……」
「でも」
私は言葉を遮り、一歩前に出た。
あなたにおすすめの小説
不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます
天田れおぽん
ファンタジー
ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。
ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。
サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める――――
※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。
1歳児天使の異世界生活!
春爛漫
ファンタジー
夫に先立たれ、女手一つで子供を育て上げた皇 幸子。病気にかかり死んでしまうが、天使が迎えに来てくれて天界へ行くも、最高神の創造神様が一方的にまくしたてて、サチ・スメラギとして異世界アラタカラに創造神の使徒(天使)として送られてしまう。1歳の子供の身体になり、それなりに人に溶け込もうと頑張るお話。
※心は大人のなんちゃって幼児なので、あたたかい目で見守っていてください。
転生能無し少女のゆるっとチートな異世界交流
犬社護
ファンタジー
10歳の祝福の儀で、イリア・ランスロット伯爵令嬢は、神様からギフトを貰えなかった。その日以降、家族から【能無し・役立たず】と罵られる日々が続くも、彼女はめげることなく、3年間懸命に努力し続ける。
しかし、13歳の誕生日を迎えても、取得魔法は1個、スキルに至ってはゼロという始末。
遂に我慢の限界を超えた家族から、王都追放処分を受けてしまう。
彼女は悲しみに暮れるも一念発起し、家族から最後の餞別として貰ったお金を使い、隣国行きの列車に乗るも、今度は山間部での落雷による脱線事故が起きてしまい、その衝撃で車外へ放り出され、列車もろとも崖下へと転落していく。
転落中、彼女は前世日本人-七瀬彩奈で、12歳で水難事故に巻き込まれ死んでしまったことを思い出し、現世13歳までの記憶が走馬灯として駆け巡りながら、絶望の淵に達したところで気絶してしまう。
そんな窮地のところをランクS冒険者ベイツに助けられると、神様からギフト《異世界交流》とスキル《アニマルセラピー》を貰っていることに気づかされ、そこから神鳥ルウリと知り合い、日本の家族とも交流できたことで、人生の転機を迎えることとなる。
人は、娯楽で癒されます。
動物や従魔たちには、何もありません。
私が異世界にいる家族と交流して、動物や従魔たちに癒しを与えましょう!
救世の結界師マールちゃん~無能だと廃棄されましたが、敵国で傭兵のおっさん達に餌付けされてるので、今さら必要と言われても戻りません~
ぽんぽこ@3/28新作発売!!
ファンタジー
「ウチの子、可愛いうえに最強すぎるんだが――!?」
魔の森の隣、辺境伯家。 そこで八歳のメイド・マールは、食事も与えられず“要らない人間”として扱われていた。
――そしてある日ついに、毒と魔獣の禁忌領域《魔の森》へ捨てられてしまう。
「ここ……どこ?」
現れた魔獣に襲われかけたその瞬間。
救いに現れたのは――敵国の”イケオジ”傭兵隊だった。
「ほら、食え」
「……いいの?」
焚き火のそばで差し出された“温かいお粥”は、マールに初めての「安心」と「ごはん」を教えてくれた。
行き場を失った幼女は、強面のおじさん傭兵たちに餌付けされ、守られ、少しずつ笑えるようになる―― そんなシナリオだったはずなのに。
旅の途中、マールは無意識に結界を張り、猛毒の果実を「安全な食べ物」に変えてしまう。
「これもおいしいよ、おじさん!食べて食べて!」
「ウチの子は天才か!?」
ただ食べたいだけ。 だけどその力は、国境も常識もくつがえす。
これは、捨てられた欠食幼女が、敵国でお腹いっぱい幸せになりながら、秘められた力で世界を巻き込んでいく物語。
※若干の百合風味を含みます。
追放令嬢、辺境王国で無双して王宮を揺るがす
遊鷹太
ファンタジー
王国随一の名門ハーランド公爵家の令嬢エリシアは、第一王子の婚約者でありながら、王宮の陰謀により突然追放される。濡れ衣を着せられ、全てを奪われた彼女は極寒の辺境国家ノルディアへと流される。しかしエリシアには秘密があった――前世の記憶と現代日本の経営知識を持つ転生者だったのだ。荒廃した辺境で、彼女は持ち前の戦略眼と人心掌握術で奇跡の復興を成し遂げる。やがて彼女の手腕は王国全土を震撼させ、自らを追放した者たちに復讐の刃を向ける。だが辺境王ルシアンとの運命的な出会いが、彼女の心に新たな感情を芽生えさせていく。これは、理不尽に奪われた女性が、知略と情熱で世界を変える物語――。
辺境伯に嫁いだので、可愛い義息子と楽しい辺境生活を送ります ~ついでに傷心辺境伯とのぐずぐずの恋物語を添えて~
空野 碧舟
ファンタジー
父が作った借金返済の代わりに、女好き辺境伯ヒューバートの後妻として差し出された子爵令嬢エメリーン・オルクス。
父と義母と義姉とに満面の笑顔で見送られたエメリーンだったが、ヒューバートは初夜ですら花嫁の元を訪れることはなく、その翌日エメリーンだけを辺境伯領へ向かう馬車に乗せた。
ーー過去に囚われている眉目秀麗な女好き辺境伯と、義賊の記憶持ちで口やかましい元子爵令嬢の、少し変わった子育てとぐずぐずな恋物語。
「私の言っていること聞こえていますか。耳はまだ腐っていませんか。とにかく何が言いたいかって言うと、今すぐ屋敷に戻ってきやがれ、ってことです。分かりましたか、このクズ旦那様」
チートな転生幼女の無双生活 ~そこまで言うなら無双してあげようじゃないか~
ふゆ
ファンタジー
私は死んだ。
はずだったんだけど、
「君は時空の帯から落ちてしまったんだ」
神様たちのミスでみんなと同じような輪廻転生ができなくなり、特別に記憶を持ったまま転生させてもらえることになった私、シエル。
なんと幼女になっちゃいました。
まだ転生もしないうちに神様と友達になるし、転生直後から神獣が付いたりと、チート万歳!
エーレスと呼ばれるこの世界で、シエルはどう生きるのか?
*不定期更新になります
*誤字脱字、ストーリー案があればぜひコメントしてください!
*ところどころほのぼのしてます( ^ω^ )
*小説家になろう様にも投稿させていただいています
追放された悪役令嬢、農業チートと“もふもふ”で国を救い、いつの間にか騎士団長と宰相に溺愛されていました
黒崎隼人
ファンタジー
公爵令嬢のエリナは、婚約者である第一王子から「とんでもない悪役令嬢だ!」と罵られ、婚約破棄されてしまう。しかも、見知らぬ辺境の地に追放されることに。
絶望の淵に立たされたエリナだったが、彼女には誰にも知られていない秘密のスキルがあった。それは、植物を育て、その成長を何倍にも加速させる規格外の「農業チート」!
畑を耕し、作物を育て始めたエリナの周りには、なぜか不思議な生き物たちが集まってきて……。もふもふな魔物たちに囲まれ、マイペースに農業に勤しむエリナ。
はじめは彼女を蔑んでいた辺境の人々も、彼女が作る美味しくて不思議な作物に魅了されていく。そして、彼女を追放したはずの元婚約者や、彼女の力を狙う者たちも現れて……。
これは、追放された悪役令嬢が、農業の力と少しのもふもふに助けられ、世界の常識をひっくり返していく、痛快でハートフルな成り上がりストーリー!