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1章
第36話 家族との夕食――素直に褒められる日
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訓練を終え、汗を流した後、夜になってから家族とエリシアを交えた夕食の席についた。
長いテーブルの中央には父と母が座り、ロイやセレス、フィリア、俺、そして来賓扱いのエリシアが整然と腰を下ろす。
「レオンよ、得られたものは何がある?」
父が淡々と訊ねるが、その声には以前にはなかった柔和さが宿っているように感じる。
「はい。色々と学びました。冒険者ギルドなんてものも知りましたし、自然の中でのキャンプがこんなに楽しいとは思いませんでした。魔物との戦いは少し怖かったですけど、実践経験が積めて助かった……という感じです」
「そうか。……お前がそこまで真面目に話すとはな」
父は少し意外そうに顔を緩める。
母も「あなたが突然何をしているのかと思ったけど、まあ少しは身になったようね」と笑みを浮かべる。
ロイも口を開く。
「オークを倒したってのは本当か? 魔法だけでやったのか?」
「はい、決め手は火魔法だったよ。危なくなったら、一瞬寝て魔力回復して……の繰り返しで何とかね」
「はは、それはすげえな。“絶対快眠”がそんなに役立つものとは思わなかった。今度、腕試しさせてくれ、弟よ」
ロイは満面の笑みで肉をがっつきながら、楽しそうに語る。
今までこんな兄妹の和やかな会話なんてしたことあっただろうか。
「ふふ、私の出番はないの? レオン?」
セレスが優雅にワインを飲みながら、こちらに意味深な視線を送る。
さすが氷の祝福を持つ姉、手合わせはかなり強そうだ。
そんな兄姉のやり取りを見て、フィリアがぱちぱちと拍手している。
「お兄さま、すごいです! ちゃんと活躍できたんですね。……私もいつか、そういう旅に出てみたいなぁ」
「はは、フィリアにはまだ早いかも。でも、いつか一緒に行こうか。学園が落ち着いたら」
「わぁ……絶対ですよ、約束ですよ!」
フィリアの瞳がキラキラと輝き、まるで子供のように喜んでいる。
エリシアはそんな家族団欒の光景を静かに見守りながら、微笑を浮かべる。
そして、母がエリシアに向けて言う。
「エリシア様、今後もレオンの指導をよろしくお願いいたしますね。あの子はやっとやる気を見せたようですので……」
「はい、お任せください。レオン様の力になれるよう、私も誠心誠意尽くしてまいります」
まるで大きな変革を遂げるかのように、グランフィード家の夕食は和やかに進んだ。
もちろん過去のわだかまりが全て消えたわけではないが、確実に前向きな変化が起きている。
――こうして、俺は家族から温かい言葉をかけられながら、久々の邸での夜を過ごす。
長いテーブルの中央には父と母が座り、ロイやセレス、フィリア、俺、そして来賓扱いのエリシアが整然と腰を下ろす。
「レオンよ、得られたものは何がある?」
父が淡々と訊ねるが、その声には以前にはなかった柔和さが宿っているように感じる。
「はい。色々と学びました。冒険者ギルドなんてものも知りましたし、自然の中でのキャンプがこんなに楽しいとは思いませんでした。魔物との戦いは少し怖かったですけど、実践経験が積めて助かった……という感じです」
「そうか。……お前がそこまで真面目に話すとはな」
父は少し意外そうに顔を緩める。
母も「あなたが突然何をしているのかと思ったけど、まあ少しは身になったようね」と笑みを浮かべる。
ロイも口を開く。
「オークを倒したってのは本当か? 魔法だけでやったのか?」
「はい、決め手は火魔法だったよ。危なくなったら、一瞬寝て魔力回復して……の繰り返しで何とかね」
「はは、それはすげえな。“絶対快眠”がそんなに役立つものとは思わなかった。今度、腕試しさせてくれ、弟よ」
ロイは満面の笑みで肉をがっつきながら、楽しそうに語る。
今までこんな兄妹の和やかな会話なんてしたことあっただろうか。
「ふふ、私の出番はないの? レオン?」
セレスが優雅にワインを飲みながら、こちらに意味深な視線を送る。
さすが氷の祝福を持つ姉、手合わせはかなり強そうだ。
そんな兄姉のやり取りを見て、フィリアがぱちぱちと拍手している。
「お兄さま、すごいです! ちゃんと活躍できたんですね。……私もいつか、そういう旅に出てみたいなぁ」
「はは、フィリアにはまだ早いかも。でも、いつか一緒に行こうか。学園が落ち着いたら」
「わぁ……絶対ですよ、約束ですよ!」
フィリアの瞳がキラキラと輝き、まるで子供のように喜んでいる。
エリシアはそんな家族団欒の光景を静かに見守りながら、微笑を浮かべる。
そして、母がエリシアに向けて言う。
「エリシア様、今後もレオンの指導をよろしくお願いいたしますね。あの子はやっとやる気を見せたようですので……」
「はい、お任せください。レオン様の力になれるよう、私も誠心誠意尽くしてまいります」
まるで大きな変革を遂げるかのように、グランフィード家の夕食は和やかに進んだ。
もちろん過去のわだかまりが全て消えたわけではないが、確実に前向きな変化が起きている。
――こうして、俺は家族から温かい言葉をかけられながら、久々の邸での夜を過ごす。
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