悪役貴族に転生した俺、前世のスキルが残っているため、勇者よりも強くなってしまう

空月そらら

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序章

第8話 冒険者パーティーに勧誘

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「と、突然どうしたんだ、新手のマルチ勧誘か?」

「マ、マルチ? あんまり知らない単語だけど、変な勧誘じゃないです。あ、でも勧誘は合ってるのか」

 そう言いながら、ユキは微笑んで会話を進めていく。

「私たちのパーティーに入ってみないアレン君? 実はこのパーティー新しく作ったばっかりでさ、アレン君みたいな魔法が使える人間が欲しいんだよね」

「い、良いのか? 俺なんかが入っても?」

「もちろん良いに決まってるでしょ! ねえ皆!」

 ユキは張り切った様子で後ろにいるメンバーの顔を見る。だが俺が見る限り、少し引きづった顔をしているようだが。そう思っていると、魔法帽子を被った小柄な女の子が口を開く。

「まあ、良いんじゃない? 正直言って魔法が使えるの私しかいなかったし」

「それもそうだな! ルンの言う通り、後方から攻撃が出来る魔法使いが欲しかったし!」

 なんか少しずつ盛り上がっているようだけど……まあいいか。

「それじゃあ是非入らせてくれ、ユキ」

「やった!!! これから宜しくねアレン!」

「お、おう」

「じゃあ自己紹介するぞ! お互いの事を知っておかないとチームとして成長することが出来ないからな!」

「じゃあ私から、名前はルンだよ~。魔法で後方から攻撃するのが役割で、使えるレベルは第7級魔法~」

「俺の名前はゴウ! 剣術で前方の敵を切り伏せていくアタッカーだ! 宜しくな!」

「最後に、私はユキ! ゴウと同様、剣術を使って敵を切っていく剣士よ! 一応パーティーのリーダーをしてます!」

 皆丁寧に自己紹介を俺にしてくれる。最初は雰囲気が悪そうなパーティーだと思ってしまったが、なかなか悪くなさそうじゃないか。

「俺の名前はアレンだ、魔法は独学でそこそこ使える。これから宜しくな」

 そう言って皆自己紹介を終える。まさか俺が初日で冒険者のパーティーに入るなんて夢にも思わなかったが、まあ良いだろう。

「それじゃあアレン君のスケジュールを教えてもらえる? 冒険者の登録を済ませたいんだけど……」

「ああ、明日はちょっと用事があるから、明後日でも良いか?」

「了解! それじゃあ明後日の昼に王都の冒険者ギルドで集合で良い?」

「それでお願いします、ユキさん」

「おっけー! じゃあアレン! また明後日ね!」

「突然来なくなるとか駄目だよ~アレン~」

「また会うぞアレン!」

 ユキ達は俺に釘を刺しながら、後ろを向き、宿屋に向かって行く。

「今日は……疲れたな」

 俺は今日あった出来事を振り返りながら、邸宅へ足を進めていくのだった。
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