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1章
第36話 憑依
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「う......」
「リア!」
クレハは急いでリアに駆け寄り、ケルベロスから守ろうとする。
だがケルベロスは、その大きな尻尾をクレハに振り回す。
《雷光一閃ッ!》
セレスがその尾を斬るが、ケルベロスのもう一つの尾によって弾き飛ばされる。
「くそ、どうしたら!」
今の状況じゃ、ケルベロスに対抗できない。
ゴーレムと違い知能も高く、スピードもある。
リアを真っ先狙う判断力だってあるんだ。
クレハはリアを抱き抱えられながら、ケルベロスからの攻撃を受けないように身を守っている。
(最上級魔法なら、あいつにダメージは与えられるか……? だがこの狭さで《炎竜》使うと、天井が崩壊するかもしれない。どうする……)
俺がそう考えている間も、ケルベロスによる猛攻は続く。
《炎斬ッッ!》
《雷閃ッッ!》
クレハとセレスは、その攻撃に何とか耐えている状態だ。
だがこのままだと、2人の体力が尽きてしまうだろう。
(一か八か、最上級魔法《炎竜》を自分に憑依させるしか……)
少しだけトン爺に教えてもらった魔法の一節。
トン爺が『火の賢者』の時は《炎竜》を自分に憑依させ、戦っていたらしい。
炎竜を体に憑依させることによって、本来習得出来ていない炎の最上級魔法を一時的に使えるらしい。
つまり、《炎竜》以外の最上級魔法も使えるということだ。
だがこの憑依魔法は体への負担が大きく、使いすぎると体が灰になってしまうと言われている。
(ゴタゴタ悩んでいる暇はない。ここが勝負時だ……!)
俺は覚悟を決める。
《最上級魔法 炎竜ッッ!》
俺がそう叫ぶと、巨大な魔法陣が周りに浮かび上がる。
そしてその魔法陣から《炎竜》が現れる。
俺は天井が崩壊する前に魔力を吸収する感覚で、炎竜と意識を共有していく。
そして炎竜の体は、俺の体の中へと溶けて込んでいくように同化していく。
《炎竜 憑依》
すると俺はとてつもない負荷を感じ、そのまま膝をつく。
体の組織を炎竜が喰らい始めるような感覚だ。
だがそれでも俺は痛みに耐え、ケルベロスの方を見る。
「お前の相手は俺だ」
『グガァァッッッッ!!!!』
俺がそう叫ぶと、ケルベロスは俺の方を向く。
そしてそのまま俺に向かって走り込んできた。
俺は魔法を発動する準備をするために、両手を広げる。
そして俺とケルベロスの距離はなくなり、ケルベロスの爪が俺に襲いかかってくる。
俺はその爪に向かって両掌を向けると魔法を発動する。
《最上級魔法 炎星》
俺がそう唱えると、ケルベロスの腕は俺の掌から溢れる膨大な炎の塊に押し潰される。
そしてそのまま、ケルベロスの体は焼き尽くされる。
《ッガァァ……》
そう呻き声をあげて、ケルベロスは地に伏した。
「まずは頭一つ……」
俺がそう呟くと、体の負荷が一気に押し寄せてくる。
その疲労感に耐えきれなくなり、倒れてしまう。
「ロラン!?」
セレスが慌てて俺の元に駆けつける。
「大丈夫、心配無い……」
「だがお前の体から魔力が一気に消えたぞ!?」
セレスは心配そうにこちらを見る。
確かに魔力が体から抜けていき、枯渇してしまうような感覚がある。
だが今はケルベロスの頭を潰さなくては。
《ッゴガァァッッ......》
するとケルベロスが、再び立ち上がり咆哮を上げる。
もう虫の息ではあるが、流石はS級の魔物だ。
これだけやっても死なないか。
だが確かにケルベロスは死ぬ寸前のようで、一歩ずつこちらに歩いてくる。
「ふん、しぶといやつめ。だがこれで終わりだ」
セレスはそう呟き、剣先をケルベロスに向けようとする。
だがその瞬間、後ろから魔法が飛んでくる。
《上級魔法 闇槍》
放たれた魔法はケルベロスの腹部を直撃する。
そしてそのままケルベロスの体を切り裂いていった。
「リア!」
クレハは急いでリアに駆け寄り、ケルベロスから守ろうとする。
だがケルベロスは、その大きな尻尾をクレハに振り回す。
《雷光一閃ッ!》
セレスがその尾を斬るが、ケルベロスのもう一つの尾によって弾き飛ばされる。
「くそ、どうしたら!」
今の状況じゃ、ケルベロスに対抗できない。
ゴーレムと違い知能も高く、スピードもある。
リアを真っ先狙う判断力だってあるんだ。
クレハはリアを抱き抱えられながら、ケルベロスからの攻撃を受けないように身を守っている。
(最上級魔法なら、あいつにダメージは与えられるか……? だがこの狭さで《炎竜》使うと、天井が崩壊するかもしれない。どうする……)
俺がそう考えている間も、ケルベロスによる猛攻は続く。
《炎斬ッッ!》
《雷閃ッッ!》
クレハとセレスは、その攻撃に何とか耐えている状態だ。
だがこのままだと、2人の体力が尽きてしまうだろう。
(一か八か、最上級魔法《炎竜》を自分に憑依させるしか……)
少しだけトン爺に教えてもらった魔法の一節。
トン爺が『火の賢者』の時は《炎竜》を自分に憑依させ、戦っていたらしい。
炎竜を体に憑依させることによって、本来習得出来ていない炎の最上級魔法を一時的に使えるらしい。
つまり、《炎竜》以外の最上級魔法も使えるということだ。
だがこの憑依魔法は体への負担が大きく、使いすぎると体が灰になってしまうと言われている。
(ゴタゴタ悩んでいる暇はない。ここが勝負時だ……!)
俺は覚悟を決める。
《最上級魔法 炎竜ッッ!》
俺がそう叫ぶと、巨大な魔法陣が周りに浮かび上がる。
そしてその魔法陣から《炎竜》が現れる。
俺は天井が崩壊する前に魔力を吸収する感覚で、炎竜と意識を共有していく。
そして炎竜の体は、俺の体の中へと溶けて込んでいくように同化していく。
《炎竜 憑依》
すると俺はとてつもない負荷を感じ、そのまま膝をつく。
体の組織を炎竜が喰らい始めるような感覚だ。
だがそれでも俺は痛みに耐え、ケルベロスの方を見る。
「お前の相手は俺だ」
『グガァァッッッッ!!!!』
俺がそう叫ぶと、ケルベロスは俺の方を向く。
そしてそのまま俺に向かって走り込んできた。
俺は魔法を発動する準備をするために、両手を広げる。
そして俺とケルベロスの距離はなくなり、ケルベロスの爪が俺に襲いかかってくる。
俺はその爪に向かって両掌を向けると魔法を発動する。
《最上級魔法 炎星》
俺がそう唱えると、ケルベロスの腕は俺の掌から溢れる膨大な炎の塊に押し潰される。
そしてそのまま、ケルベロスの体は焼き尽くされる。
《ッガァァ……》
そう呻き声をあげて、ケルベロスは地に伏した。
「まずは頭一つ……」
俺がそう呟くと、体の負荷が一気に押し寄せてくる。
その疲労感に耐えきれなくなり、倒れてしまう。
「ロラン!?」
セレスが慌てて俺の元に駆けつける。
「大丈夫、心配無い……」
「だがお前の体から魔力が一気に消えたぞ!?」
セレスは心配そうにこちらを見る。
確かに魔力が体から抜けていき、枯渇してしまうような感覚がある。
だが今はケルベロスの頭を潰さなくては。
《ッゴガァァッッ......》
するとケルベロスが、再び立ち上がり咆哮を上げる。
もう虫の息ではあるが、流石はS級の魔物だ。
これだけやっても死なないか。
だが確かにケルベロスは死ぬ寸前のようで、一歩ずつこちらに歩いてくる。
「ふん、しぶといやつめ。だがこれで終わりだ」
セレスはそう呟き、剣先をケルベロスに向けようとする。
だがその瞬間、後ろから魔法が飛んでくる。
《上級魔法 闇槍》
放たれた魔法はケルベロスの腹部を直撃する。
そしてそのままケルベロスの体を切り裂いていった。
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