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1章
第38話 転移石
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「なんだ仲間割れか?」
俺はその状況に思わず笑ってしまう。
あいつらが仲間割れをするのは俺としてはかなり助かる。
アデル達が仲間割れしているうちに、リア達と転移石でこのダンジョンから出るという作戦だ。
「もうアデルはいいわ。今私の眼中にあるのは、ロランだけよ」
そう言ってアリスは俺のことを睨みつける。
そしてアリスの魔力が更に高まり始める。
《上級魔法 常世闇》
アリスがそう唱えた瞬間、俺の周りが黒い霧のようなもので包まれる。
広範囲に広がったその霧は、次第に俺を包み込んでいく。
「これで逃さないわ」
アリスはそう呟き、俺の方に向かって歩み寄ってくる。
その目は勝利を確信しているような、自信のある目だ。
だが今の俺には、この魔法は効かない。
《最上級魔法 炎牢獄》
俺はそう唱え、広範囲に広がった霧を全て炎に変える。
炎は闇を全てを飲み込み、燃やしていく。
「く、私の魔法を……!」
アリスがそう叫ぶ。
すると俺の後ろの方から、聞き覚えのある声が聞こえる。
「ロラン! 大丈夫か!」
後ろを見ると、セレスがリアを担ぎ、クレハはよろよろにながらもこちらの方に向かって走ってくる。
「大丈夫か、クレハ」
「す、すみません、ロラン師匠」
やはり体力が限界なのか、クレハの動きは先程よりも遅く感じる。
さっきリアを守りながらケルベロスと戦っていたから無理もないか。
「よし、ここから出よう」
俺はそう言って転移石を取り出す。
するとアデルが焦ったような声を上げる。
「ま、待て! 神玉を持っていかれたら……」
「じゃあな」
《転移石》
俺が唱えた瞬間、転移石が光り出す。
その光が俺たちを包み込んだ瞬間、俺たちはダンジョンの出口に転移した。
「なんとか逃げ切れたようだな」
「ロラン師匠が戦ってくれたおかげです!」
クレハが嬉しそうにそう言う。
だが、俺は少し不安な事があった。
「リアは大丈夫なのか?」
俺がそう尋ねるとクレハは、少しバツの悪そうな顔をして答える。
「ケルベロスの攻撃で、かなり深い傷を負っちゃったみたいなんです。今は安静に寝ているのですが……」
俺はリアの方を見る。
するとリアは苦しそうに息をして、うなされている。
俺はリアの手を優しく握り、祈った。
《ヒール》
俺がリアに向かってそう唱えると、俺の手が光り出す。
すると徐々にリアの傷が癒えていった。
「あ、あれ? ロランお兄様?」
回復と同時にリアは目を覚ます。
良かった。何とかなったようだ。
「目が覚めて良かった。どこも痛くないか?」
「はい、ケルベロスにやられた傷も治ってますし、どこも痛くありません」
リアがそう言うと、俺はほっと胸を撫で下ろす。
すると近くにいた教師が俺たちの方に向かって歩いてくる。
『無事ダンジョンは攻略出来ましたか?』
そう言って教師が俺に話しかけてくる。
俺はポケットから神玉を取り出す。
半分は俺が取り込んだが、もう半分は俺が回収した。
「これが、神玉……」
「はい、半分は俺が取り込んで残り半分は回収しました」
「攻略時間も余裕が有りましたし、素晴らしい成績ですね」
教師はそう言って俺達を褒めてくれる。
「では馬車に乗って学園に帰ってください。馬車はすぐそこに用意しています」
教師がそう言って指を指すと、そこには大きな馬車が一台止まっていた。
俺達はその馬車に乗り、学園まで帰るのであった。
俺はその状況に思わず笑ってしまう。
あいつらが仲間割れをするのは俺としてはかなり助かる。
アデル達が仲間割れしているうちに、リア達と転移石でこのダンジョンから出るという作戦だ。
「もうアデルはいいわ。今私の眼中にあるのは、ロランだけよ」
そう言ってアリスは俺のことを睨みつける。
そしてアリスの魔力が更に高まり始める。
《上級魔法 常世闇》
アリスがそう唱えた瞬間、俺の周りが黒い霧のようなもので包まれる。
広範囲に広がったその霧は、次第に俺を包み込んでいく。
「これで逃さないわ」
アリスはそう呟き、俺の方に向かって歩み寄ってくる。
その目は勝利を確信しているような、自信のある目だ。
だが今の俺には、この魔法は効かない。
《最上級魔法 炎牢獄》
俺はそう唱え、広範囲に広がった霧を全て炎に変える。
炎は闇を全てを飲み込み、燃やしていく。
「く、私の魔法を……!」
アリスがそう叫ぶ。
すると俺の後ろの方から、聞き覚えのある声が聞こえる。
「ロラン! 大丈夫か!」
後ろを見ると、セレスがリアを担ぎ、クレハはよろよろにながらもこちらの方に向かって走ってくる。
「大丈夫か、クレハ」
「す、すみません、ロラン師匠」
やはり体力が限界なのか、クレハの動きは先程よりも遅く感じる。
さっきリアを守りながらケルベロスと戦っていたから無理もないか。
「よし、ここから出よう」
俺はそう言って転移石を取り出す。
するとアデルが焦ったような声を上げる。
「ま、待て! 神玉を持っていかれたら……」
「じゃあな」
《転移石》
俺が唱えた瞬間、転移石が光り出す。
その光が俺たちを包み込んだ瞬間、俺たちはダンジョンの出口に転移した。
「なんとか逃げ切れたようだな」
「ロラン師匠が戦ってくれたおかげです!」
クレハが嬉しそうにそう言う。
だが、俺は少し不安な事があった。
「リアは大丈夫なのか?」
俺がそう尋ねるとクレハは、少しバツの悪そうな顔をして答える。
「ケルベロスの攻撃で、かなり深い傷を負っちゃったみたいなんです。今は安静に寝ているのですが……」
俺はリアの方を見る。
するとリアは苦しそうに息をして、うなされている。
俺はリアの手を優しく握り、祈った。
《ヒール》
俺がリアに向かってそう唱えると、俺の手が光り出す。
すると徐々にリアの傷が癒えていった。
「あ、あれ? ロランお兄様?」
回復と同時にリアは目を覚ます。
良かった。何とかなったようだ。
「目が覚めて良かった。どこも痛くないか?」
「はい、ケルベロスにやられた傷も治ってますし、どこも痛くありません」
リアがそう言うと、俺はほっと胸を撫で下ろす。
すると近くにいた教師が俺たちの方に向かって歩いてくる。
『無事ダンジョンは攻略出来ましたか?』
そう言って教師が俺に話しかけてくる。
俺はポケットから神玉を取り出す。
半分は俺が取り込んだが、もう半分は俺が回収した。
「これが、神玉……」
「はい、半分は俺が取り込んで残り半分は回収しました」
「攻略時間も余裕が有りましたし、素晴らしい成績ですね」
教師はそう言って俺達を褒めてくれる。
「では馬車に乗って学園に帰ってください。馬車はすぐそこに用意しています」
教師がそう言って指を指すと、そこには大きな馬車が一台止まっていた。
俺達はその馬車に乗り、学園まで帰るのであった。
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