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1章
第71話 完結
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あれから数ヶ月、復興も大分進んできた。
魔王軍の侵攻によって多くの城塞都市が陥落したが、復興作業にハーキム軍の援軍もあり、もう少しで全てが完全に戻るという。
魔法を使った復興作業はとても効率がよく、前世の世界とは比べ物にならないくらいのスピードだ。
そして今日はは俺達がアルバラン王国を発つ日だ。
俺達はこれからハーキム王国に帰り、そして今までと変わらない日々を過ごす。
そんな最後の日、俺たちの元にグドラ国王が訪れた。
「皆さん、本当にお世話になりました」
グドラ国王はそう言って深く頭を下げる。
するとアルバラン王国の民、そして兵士も全員がグドラ国王のように頭を下げる。
「アルバラン王国もかなり復興が進みましたし、他国から攻められる事もないでしょう」
「はい、城壁も以前よりさらに強固になりましたし、兵士一人一人のレベルも高くなりました。これなら攻められても前回のようにはなりません」
グドラ国王はそう言って微笑む。
この数ヶ月でアルバラン王国はかなり復興し、民も兵士もとても強くなった。
これならもう心配はないだろう。
「ではグドラ国王、私達はこれで失礼します」
「このご恩は一生忘れません……本当にありがとうございました!!!」
そう言ってグドラ国王は再び頭を下げる。
リア達は先に馬車で待機しており、もう出発出来る準備は整っている。
俺はアルバラン王国の民に見送られながら、馬車に乗るのだった。
★
「こんなに人が……」
ハーキム王国に帰ると、色んな人達が俺達を出迎えてくれた。
歓声を上げてくれる者達、無事を祝福してくれる人達。
王都に入ると祭りのような騒ぎになり、人が溢れかえっていた。
俺達はそのまま王城に入り、父上に報告をする。
今までは俺を蔑ろにしてきた父上だが、今回は喜ばしかった。
俺がアルバラン王国の為に戦い、そして国を救ってきた。
その事を報告すると父上はとても喜び、今日の夜は宴会になるそうだ。
「今日は宴会か、楽しみだな」
「そういえばロラン師匠ってお酒飲めるんですか?」
「あー、俺はそんなに強くないが飲める方だな」
「ほう? 今日は私と飲み比べしてみるか?」
「勘弁してくれセレス、お前と飲むのだけは本当にやめとく」
「そうですロランお兄様、セレスさんに付き合ってあげる必要はありませんよ。今まで頑張ってきたのだから今日ぐらいは休んだ方がいいと思います」
俺達はそんな会話を交わしながら王城を出る。
宴会までまだ時間があるため、何をしようかと考えていると、クレハが口を開く。
「実はこの近くに花畑があるんです、宴会まで時間がありますし、そこに行きませんか?」
クレハはそう言って目を輝かせる。
俺はそんなクレハを見て思わず笑顔になり頷く。
すると皆んなも笑顔で賛成し、俺達は花畑に向かうのだった。
★
「凄い綺麗だな」
俺達は今花畑に来ている。
とても綺麗な花で色とりどりに咲いており、美しい。
「よく知っていたなクレハ、こんな綺麗な場所があるなんて」
セレスがそう言うとクレハは嬉しそうにする。
しかし本当に綺麗な場所だ、一面に花が咲いていて綺麗としか言いようがない。
「クレハ、こっちを向いてくれ」
「え」
俺は近くにあった花を1本摘み取り、クレハの髪の上に飾る。
するとクレハは顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにする。
「ク、クレハ……? 」
俺が戸惑いながらそう言うと、クレハは瞳をウルウルさせながら俺をまっすぐ見つめる。
「私……ロラン師匠に忠誠を誓います!! 一生ついて行きます!!」
そう言ってクレハは俺に抱きついてくる。
それを見たリアとセレスは頬を膨らませている。
「俺は……自分の人生を変えられただろうか」
誰にも聞こえないような小さな声でそう呟く。
この数ヶ月、俺は本当に色々な事を経験した。
そしてこれからの人生も大きく変わるだろう。
仲間、友情、そして恋。
前の世界にいた時は体験しなかった事だ。
人生を変えるってのはこういう事を言うのだろうか?
一つ一つ努力し、積み重ねて行くことで、人は変われる。
「ロランお兄様は……変わりましたよ」
「もちろんです! ロラン師匠は変わりました!」
「ああ、噂と違い努力家で、とても良い男だ」
リア、クレハ、セレスは俺にそう言ってくる。
原作とはかなり違うが、これが俺の物語なんだ。
自信をもって歩んでいこう。
この先に何が起こるのかは分からない。
だが、仲間達と一緒ならどんな事だって乗り越えられる。
俺はそんな気がするんだ。
「俺の物語は、まだ始まったばかりだ!」
── 完 ──
これでロランの物語は完結です。
最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。
3作品目でしたが、皆さんのおかげで最後まで物語を書くことが出来ました。
心から感謝申し上げます。
これからも新作を書いていきたいと思います。
【お気に入り】は外さないで欲しいです。
では改めまして、ご愛読ありがとうございました。
また、どこかでお会いしましょう。
魔王軍の侵攻によって多くの城塞都市が陥落したが、復興作業にハーキム軍の援軍もあり、もう少しで全てが完全に戻るという。
魔法を使った復興作業はとても効率がよく、前世の世界とは比べ物にならないくらいのスピードだ。
そして今日はは俺達がアルバラン王国を発つ日だ。
俺達はこれからハーキム王国に帰り、そして今までと変わらない日々を過ごす。
そんな最後の日、俺たちの元にグドラ国王が訪れた。
「皆さん、本当にお世話になりました」
グドラ国王はそう言って深く頭を下げる。
するとアルバラン王国の民、そして兵士も全員がグドラ国王のように頭を下げる。
「アルバラン王国もかなり復興が進みましたし、他国から攻められる事もないでしょう」
「はい、城壁も以前よりさらに強固になりましたし、兵士一人一人のレベルも高くなりました。これなら攻められても前回のようにはなりません」
グドラ国王はそう言って微笑む。
この数ヶ月でアルバラン王国はかなり復興し、民も兵士もとても強くなった。
これならもう心配はないだろう。
「ではグドラ国王、私達はこれで失礼します」
「このご恩は一生忘れません……本当にありがとうございました!!!」
そう言ってグドラ国王は再び頭を下げる。
リア達は先に馬車で待機しており、もう出発出来る準備は整っている。
俺はアルバラン王国の民に見送られながら、馬車に乗るのだった。
★
「こんなに人が……」
ハーキム王国に帰ると、色んな人達が俺達を出迎えてくれた。
歓声を上げてくれる者達、無事を祝福してくれる人達。
王都に入ると祭りのような騒ぎになり、人が溢れかえっていた。
俺達はそのまま王城に入り、父上に報告をする。
今までは俺を蔑ろにしてきた父上だが、今回は喜ばしかった。
俺がアルバラン王国の為に戦い、そして国を救ってきた。
その事を報告すると父上はとても喜び、今日の夜は宴会になるそうだ。
「今日は宴会か、楽しみだな」
「そういえばロラン師匠ってお酒飲めるんですか?」
「あー、俺はそんなに強くないが飲める方だな」
「ほう? 今日は私と飲み比べしてみるか?」
「勘弁してくれセレス、お前と飲むのだけは本当にやめとく」
「そうですロランお兄様、セレスさんに付き合ってあげる必要はありませんよ。今まで頑張ってきたのだから今日ぐらいは休んだ方がいいと思います」
俺達はそんな会話を交わしながら王城を出る。
宴会までまだ時間があるため、何をしようかと考えていると、クレハが口を開く。
「実はこの近くに花畑があるんです、宴会まで時間がありますし、そこに行きませんか?」
クレハはそう言って目を輝かせる。
俺はそんなクレハを見て思わず笑顔になり頷く。
すると皆んなも笑顔で賛成し、俺達は花畑に向かうのだった。
★
「凄い綺麗だな」
俺達は今花畑に来ている。
とても綺麗な花で色とりどりに咲いており、美しい。
「よく知っていたなクレハ、こんな綺麗な場所があるなんて」
セレスがそう言うとクレハは嬉しそうにする。
しかし本当に綺麗な場所だ、一面に花が咲いていて綺麗としか言いようがない。
「クレハ、こっちを向いてくれ」
「え」
俺は近くにあった花を1本摘み取り、クレハの髪の上に飾る。
するとクレハは顔を真っ赤にし、恥ずかしそうにする。
「ク、クレハ……? 」
俺が戸惑いながらそう言うと、クレハは瞳をウルウルさせながら俺をまっすぐ見つめる。
「私……ロラン師匠に忠誠を誓います!! 一生ついて行きます!!」
そう言ってクレハは俺に抱きついてくる。
それを見たリアとセレスは頬を膨らませている。
「俺は……自分の人生を変えられただろうか」
誰にも聞こえないような小さな声でそう呟く。
この数ヶ月、俺は本当に色々な事を経験した。
そしてこれからの人生も大きく変わるだろう。
仲間、友情、そして恋。
前の世界にいた時は体験しなかった事だ。
人生を変えるってのはこういう事を言うのだろうか?
一つ一つ努力し、積み重ねて行くことで、人は変われる。
「ロランお兄様は……変わりましたよ」
「もちろんです! ロラン師匠は変わりました!」
「ああ、噂と違い努力家で、とても良い男だ」
リア、クレハ、セレスは俺にそう言ってくる。
原作とはかなり違うが、これが俺の物語なんだ。
自信をもって歩んでいこう。
この先に何が起こるのかは分からない。
だが、仲間達と一緒ならどんな事だって乗り越えられる。
俺はそんな気がするんだ。
「俺の物語は、まだ始まったばかりだ!」
── 完 ──
これでロランの物語は完結です。
最後まで読んでくださり本当にありがとうございます。
3作品目でしたが、皆さんのおかげで最後まで物語を書くことが出来ました。
心から感謝申し上げます。
これからも新作を書いていきたいと思います。
【お気に入り】は外さないで欲しいです。
では改めまして、ご愛読ありがとうございました。
また、どこかでお会いしましょう。
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